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公開番号2025110752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004775
出願日2024-01-16
発明の名称タンパク質分解触媒、タンパク質分解用液、及びタンパク質分解方法
出願人国立大学法人高知大学
代理人弁理士法人眞久特許事務所
主分類B01J 31/02 20060101AFI20250722BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】タンパク質分解触媒として用いることができる硫黄(S)を中心元素とするポリオキソメタレートを提供する。
【解決手段】タンパク質分解触媒は、中心元素として硫黄(S)を含む下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表されるポリオキソメタレートを含有するものである。
[(SZ(Oa)W11O39)b(H2O)m]n1-・・・(1)
Z:Zr,Hf,Ce,Co,Ni,Mn,Fe,Fe(OH),Cr,Zn
又はV
m:0~40の整数
n1:1~16の整数
a:0~2の整数
b:1又は2
[(S2Z(Oa)W17O61)b(H2O)m]n2-・・・・・・(2)
Z:Zr,Hf,Ce,Co,Ni,Mn,Fe,Fe(OH),Cr,Zn
又はV
m:0~40の整数
n2:3~20の整数
a:0~2の整数
b:1又は2
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
タンパク質の分解触媒として、中心元素として硫黄(S)を含む下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表される少なくとも1種のポリオキソメタレートを含有することを特徴とするタンパク質分解触媒。
[(SZ(O

)W
11

39
)

(H

O)


n1-
・・・(1)
Z:Zr,Hf,Ce,Co,Ni,Mn,Fe,Fe(OH),Cr,Zn
又はV
m:0~40の整数
n1:1~16の整数
a:0~2の整数
b:1又は2
[(S

Z(O

)W
17

61
)

(H

O)


n2-
・・・・・・(2)
Z:Zr,Hf,Ce,Co,Ni,Mn,Fe,Fe(OH),Cr,Zn
又はV
m:0~40の整数
n2:3~20の整数
a:0~2の整数
b:1又は2
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記タンパク質がアルブミンであることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分解触媒。
【請求項3】
前記タンパク質分解触媒が、前記ポリオキソメタレートとカチオン成分との塩であることを特徴とする請求項1に記載のタンパク質分解触媒。
【請求項4】
前記塩が水に不溶性であることを特徴とする請求項3に記載のタンパク質分解触媒。
【請求項5】
請求項1に記載のタンパク質分解触媒を含有する溶液、懸濁液又は分散液であることを特徴とするタンパク質分解用液。
【請求項6】
前記タンパク質分解触媒が前記ポリオキソメタレートとカチオン成分との塩であることを特徴とする請求項5に記載のタンパク質分解用液。
【請求項7】
前記タンパク質分解触媒が前記ポリオキソメタレートとカチオン成分との水に不溶性の塩であることを特徴とする請求項5に記載のタンパク質分解用液。
【請求項8】
分解対象のタンパク質と請求項1に記載のタンパク質分解触媒とを含む溶液、懸濁液又は分散液を、20~60℃の温度下で1~72時間加熱処理することを特徴とするタンパク質分解方法。
【請求項9】
前記タンパク質分解触媒として、前記ポリオキソメタレートとカチオン成分との塩を用いることを特徴とする請求項8に記載のタンパク質分解方法。
【請求項10】
前記タンパク質分解触媒として、前記ポリオキソメタレートとカチオン成分との水に不溶性の塩を用い、前記タンパク質の分解処理終了後に、タンパク質分解処理水溶液から前記タンパク質分解触媒を分離することを特徴とする請求項8に記載のタンパク質分解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオキソメタレートを含有するタンパク質分解触媒、タンパク質分解用液、及びタンパク質分解方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来のタンパク質の分解には、生体内で使われている分解酵素の構造を模した有機金属触媒が用いられている。しかし、このような有機金属触媒は、その合成が複雑であり量産性がなく、且つ得られた物質が不安定であり、その保管等に特別な配慮を要する等の問題点があった。
【0003】
このような有機金属触媒に対し、無機金属から成るポリオキソメタレートについて、下記非特許文献1及び非特許文献2には、中心原子がリン(P)のポリオキソメタレートがタンパク質を分解することが記載されている。更に、下記非特許文献3には、ポリオキソメタレートとして、(Et

NH


10
[Zr(α-PW
11

39
)

]を用いてβ-カゼインの加水分解が記載されている。
【0004】
また、下記特許文献1には、オキソ酸化合物及び/又はポリ酸化合物を有効成分として含有するコンタクトレンズ用タンパク質除去剤が提案されている。このポリ酸化合物としては、イソポリ酸[(M




X-
]の化合物、ヘテロポリ酸[(L






X-
]の化合物が記載されており、ヘテロポリ酸の中心原子としては、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)が記載されている。このコンタクトレンズ用タンパク質除去剤は水に溶解して用いられており、コンタクトレンズに付着していたタンパク質を除去ができ、タンパク質除去処理後にコンタクトレンズの水洗を不要とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3564067号公報
【非特許文献】
【0006】
Angewandte international Edition 2023,e023038(1-16)
Cemical Science,2021,12,1065-10663
Chemistry A European Journal 2020,26,11170-11179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように中心元素がリン(P)のポリオキソメタレートは、従来の有機金属触媒に比較して、その合成が簡単であり量産性を有し、且つ良好な安定性を有している。しかも、タンパク質の分解能を有しており、タンパク質の構造解析にも用いられている。
【0008】
ところで、ポリオキソメタレートの中心元素が異なると、その酸性等の物性も大幅に異なることから、上述した硫黄(S)を中心元素とするポリオキソメタレートについて、タンパク質の分解能を有するものがあれば、中心元素がリン(P)のポリオキソメタレートと相俟って、ペプチド分解剤、抗ウイルス剤、抗菌剤等の創薬の際に採用されることが多いタンパク質の構造解析、即ちプロテオーム解析にも用いられることが考えられる。
【0009】
このことから、本発明は、タンパク質分解触媒として用いることができる硫黄(S)を中心元素とするポリオキソメタレートを提供し、このポリオキソメタレートを用いたタンパク質分解用液及びタンパク質分解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するためになされたタンパク質分解触媒は、中心元素として硫黄(S)を含む下記化学式(1)又は下記化学式(2)で表される少なくとも1種のポリオキソメタレートを含有することを特徴とするものである。
[(SZ(O

)W
11

39
)

(H

O)


n1-
・・・(1)
Z:Zr,Hf,Ce,Co,Ni,Mn,Fe,Fe(OH),Cr,Zn
又はV
m:0~40の整数
n1:1~16の整数
a:0~2の整数
b:1又は2
[(S

Z(O

)W
17

61
)

(H

O)


n2-
・・・・・・(2)
Z:Zr,Hf,Ce,Co,Ni,Mn,Fe,Fe(OH),Cr,Zn
又はV
m:0~40の整数
n2:3~20の整数
a:0~2の整数
b:1又は2
(【0011】以降は省略されています)

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