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公開番号2025108663
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025069435,2024000511
出願日2025-04-21,2018-08-17
発明の名称ゲル押出物品を製造するためのポリマー組成物及びそれから製造されるポリマー物品
出願人セラニーズ・セールス・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 23/06 20060101AFI20250715BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ゲル押出物品を製造するためのポリマー組成物を提供する。
【解決手段】ポリマー組成物は、可塑剤と混合されたポリエチレン粒子を含む。ポリエチレン粒子は、ゲル加工中に可塑剤と混合した際に粒子が迅速に均一なゲル状材料を形成するように特に選択される。一実施形態においては、粒子を製造するために使用されるポリエチレンは比較的低い嵩密度を有する。或いは、又は更には、粒子は、注意深く制御された粒径分布を有していてよい。欠陥を少ししか有しないか又は全く有しない繊維及びフィルムのようなポリマー物品を製造することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ゲル押出物品を製造するためのポリマー組成物であって、
可塑剤、及び
前記可塑剤と混合された高密度ポリエチレン粒子
を含み、
前記高密度ポリエチレンはチーグラー・ナッタ触媒超高分子量ポリエチレンであり、前記高密度ポリエチレン粒子は60μmより大きいメジアン粒径(d50)を有し、
前記高密度ポリエチレンはDIN-EN-ISO試験1628に従って測定された粘度数からMargolies式を使用して計算した際に500,000g/モルより高い平均分子量を有し、
前記ゲル押出物品は、繊維、フィルム、または膜である、前記ポリマー組成物。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記高密度ポリエチレン粒子が0.28g/cm

未満の嵩密度を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記高密度ポリエチレン粒子が、0.15g/cm

より高い嵩密度を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記高密度ポリエチレン粒子が125μm未満のメジアン粒径(d50)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記高密度ポリエチレン粒子が、70μm~100μmのメジアン粒径(d50)を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記高密度ポリエチレン粒子の90%が、180μm未満の粒径を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
溶解度試験に従って試験した場合に、前記高密度ポリエチレン粒子が、3分未満の溶解度を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記高密度ポリエチレン粒子が50重量%以下の量で前記組成物中に存在する、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記可塑剤が、鉱油、パラフィン油、炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記可塑剤が、デカリン、キシレン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、ジフェニルエーテル、n-デカン、n-ドデカン、オクタン、ノナン、ケロセン、トルエン、ナフタレン、テトラリン、モノクロロベンゼン、カンフェン、メタン、ジペンテン、メチルシクロペンタジエン、トリシクロデカン、1,2,4,5-テトラメチル-1,4-シクロヘキサジエン、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2017年8月17日の出願日を有する米国仮出願第62/546,857号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に基づき、それに対する優先権を主張する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
[0002]ポリエチレンポリマーは、多くの多様な使途及び用途を有する。例えば、高密度ポリエチレンは、耐摩耗性、表面潤滑性、耐化学薬品性、及び衝撃強さの独特の組合せを有する高価値なエンジニアリングプラスチックである。それらは、ロープ及び防弾成形品において使用するための高強度繊維の製造、並びにリチウム電池用の膜のような他の細長い物品の製造における用途が見出されている。しかしながら、これらの材料の溶融状態での流動性は分子量が増加するにつれて減少するので、溶融押出のような従来の技術による加工は常に可能であるとは限らない。
【0003】
[0003]ポリエチレンポリマーから繊維及び他の細長い部品を製造するための1つの別の方法は、ポリマーを溶媒と混合するゲル加工によるものである。得られるゲルは、繊維又は膜に押し出され、1つ又は2つの方向に延伸することができる。また、溶媒の一部又は全部を生成物から除去することができる。
【0004】
[0004]しかしながら、過去においては、ゲル加工ポリエチレンポリマーにおいて問題があった。例えば、ポリエチレンポリマーのゲル押出の間において、ゲルスペック(gel specks)の出現によって、得られる生成物の物理特性が損なわれることがある。ゲルスペックとは、一般に、押出プロセスの間に、完全に溶解していないか、又は他の形態で溶媒と密に混合していないポリエチレンポリマーを指す。例えば、膜を形成する場合、これらのゲルスペックは、電池セパレータ用途のような幾つかの用途に関して生成物を使用不能にする可能性がある。過去においては、ゲルスペックを除去するために、ゲル加工はより低分子量のポリマーを用いて行われており、これは得られる生成物の強度を低下させる可能性がある。或いは、押出前にゲルスペックを望ましく排除するために、加工時間を増加させることができる。しかしながら、加工時間の増加は、スループットを低下させ、プロセスのコストを増加させる。
【0005】
[0005]上記に鑑みて、ゲルスペック又は他の不純物を形成することなく、比較的速い速度でゲル紡糸又はゲル押出しすることができる改善されたポリエチレン組成物に対する必要性が存在する。また、ゲル加工を用いてポリエチレンポリマーから押出物品を製造するための改良された方法に対する必要性も存在する。
【発明の概要】
【0006】
[0006]概して、本発明は、ゲル加工用途によく適したポリエチレン組成物に関する。ポリエチレン組成物は、例えば、フィルム、膜、繊維などのような細長い物品を製造するために使用することができる。本発明によれば、高密度ポリエチレン樹脂のようなポリエチレンを可塑剤と混合してゲル状材料を形成する。本発明によれば、ポリエチレン樹脂は、注意深く制御された嵩密度及び/又は注意深く制御された粒径分布を有するように特に選択される。このポリエチレン樹脂の特徴は、組成物が押出された際に生成物の欠陥をもたらす可能性がある残留するゲルスペック又は不純物なしにゲル状材料の迅速な形成を劇的に改善することが見出された。
【0007】
[0007]例えば、一実施形態においては、本発明はゲル押出物品を製造するためのポリマー組成物に関する。ポリマー組成物は、ポリエチレン樹脂とブレンドされた可塑剤を含む。ポリエチレン樹脂は、高分子量ポリエチレンのような高密度ポリエチレンから形成することができる。一実施形態においては、例えば、樹脂は超高分子量ポリエチレンから形成される。ポリエチレン樹脂は、押出可能なゲル状組成物を製造するために可塑剤と混合される。本発明によれば、ポリエチレン樹脂は、以下の特徴:
(1)約0.35g/cm

未満の嵩密度;及び/又は
(2)125ミクロン未満のメジアン粒径(d50)、ここで粒子の90%は約180ミクロン未満の粒径を有する;
の少なくとも1つを有する。一実施形態においては、ポリエチレン樹脂粒子は上記の特徴の両方を含む。上記のポリエチレン粒子は、ポリエチレンポリマーのゲル加工性を劇的に改善することが見出された。例えば、上記の特徴の少なくとも1つを有するポリエチレン粒子は、可塑剤と迅速に混合して均一なゲル状材料を生成することが見出された。従って、上記組成物を押出機中に配置して、ゲル状組成物を、非常に短時間で、且つ溶解していないか又は他の形態で可塑剤と均一にブレンドされていないゲルスペック又は他の小さい粒子を形成しないで製造することができる。
【0008】
[0008]上述のように、一実施形態においては、高密度ポリエチレン粒子は、可塑剤とのブレンドを改善するために比較的低い嵩密度を有していてよい。嵩密度は、例えば一実施形態においては、約0.3g/cm

未満、例えば約0.28g/cm

未満、例えば約0.26g/cm

未満であってよい。嵩密度は、一般に約0.15g/cm

より高い。
【0009】
[0009]或いは、又は低い嵩密度を有することに加えて、ポリエチレン粒子はまた、比較的小さいメジアンサイズ(d50)も有していてよい。例えば、ポリエチレン粒子は、約60ミクロンから125ミクロン未満まで、例えば約70ミクロン~約110ミクロンのメジアン粒径(d50)を有していてよい。更に、高密度ポリエチレン粒子の90%は、約170ミクロン未満、例えば約165ミクロン未満、例えば約160ミクロン未満、例えば約155ミクロン未満、例えば約150ミクロン未満、例えば約145ミクロン未満、例えば約140ミクロン未満の粒径を有していてよい。
【0010】
[0010]本発明の高密度ポリエチレン粒子は、加熱下で可塑剤と急速に混合して、均一なゲル状材料を形成することが見出された。例えば、下記においてより詳細に記載される溶解度試験に従って試験した場合に、高密度ポリエチレン粒子は、約3分未満、例えば約2.5分未満、例えば約2分未満の溶解度を有していてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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