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公開番号2025108172
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2024001909
出願日2024-01-10
発明の名称ポリビニルアルコール系樹脂の分離方法、及びポリビニルアルコール系樹脂のリサイクル方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B29B 17/02 20060101AFI20250715BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】PVA系樹脂を含む溶液から、粒子径が小さいPVA系樹脂が分離される、PVA系樹脂の分離方法の提供。
【解決手段】PVA系樹脂(A)を含む溶液から、PVA系樹脂を分離する方法であって、溶液は、多価アルコール(B1)、多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)、並びにモノアルコール由来の構造単位及び多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)からなる群より選択される一つ以上と、多価アルコール(B1)とは異なるアルコール(C)とをさらに含み、溶液における、多価アルコール(B1)、多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)、並びにモノアルコール由来の構造単位と多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)の合計の含有量が0.001質量%~30質量%であるPVA系樹脂を分離する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂(A)を含む溶液から、ポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法であって、
前記溶液は、多価アルコール(B1)、多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)、並びにモノアルコール由来の構造単位及び多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)からなる群より選択される一つ以上と、さらに前記多価アルコール(B1)とは異なるアルコール(C)とをさらに含み、
前記溶液における、前記多価アルコール(B1)、前記多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)、並びに前記モノアルコール由来の構造単位と多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)の合計の含有量が0.001質量%~30質量%である、
ポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記多価アルコール(B1)が2~4価のアルコールである、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項3】
前記多価アルコール(B1)が、グリセリン系化合物及びグリコール系化合物から成る群より選択される1つ以上である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項4】
前記多価アルコール(B1)が、グリセリン及びポリエチレングリコールの少なくとも一方である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項5】
前記多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)において、前記多価アルコールが2~4価のアルコールであり、前記モノカルボン酸が炭素数1~10の脂肪族モノカルボン酸である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項6】
前記多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)がグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項7】
前記モノアルコール由来の構造単位と多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)において、前記モノアルコールが炭素数1~5のアルコールであり、前記多価カルボン酸が、炭素数1~10のカルボン酸である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項8】
前記ポリビニルアルコール系樹脂(A)100質量部に対して、前記多価アルコール(B1)、前記多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)、並びに前記モノアルコール由来の構造単位と多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)の合計が、0.5質量部以上である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項9】
前記アルコール(C)が、1種類以上の炭素数1~6のアルコールを含有し、前記溶液が前記アルコール(C)を主成分として含有する、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
【請求項10】
前記溶液中で、前記アルコール(C)の含有量に対する前記ポリビニルアルコール系樹脂(A)の含有量の質量基準の比((A)/(C))が、0.2/99.8~50/50である、請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂を分離する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂の分離方法に関し、具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液からポリビニルアルコール系樹脂を分離させる方法に関する。また、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂のリサイクル方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂とも称する)は水溶性の合成高分子として工業的に広く用いられており、合成繊維あるいはフイルムの原料、繊維加工剤、紙加工剤、接着剤、無機物のバインダー、塩化ビニル樹脂の重合安定剤など広く利用されている。
【0003】
こうした用途の中でも、PVA系樹脂は、水溶性を活かして3Dプリンターで成形体を製造する際のサポート材や、中空部を有する成形体を製造する際の中子、非水溶性樹脂微粒子製造時の分散剤などの用途に好適に用いられている。
これは、PVA系樹脂を用いてサポート材や中子を製造し、またPVA系樹脂を含む分散剤により非水溶性樹脂微粒子を分散させ、目的物の製造後、最終的に、サポート材、中子、分散剤に水等の溶媒を接触させることにより、製造した成形体や微粒子から、サポート材、中子、分散剤を分離することが可能なためである。
【0004】
一方で、PVA系樹脂を最終的に水に接触させて分離させる場合、PVA系樹脂を含む廃液が生じる。このようなPVA系樹脂を含む廃液に対しては、環境への負荷を低減する観点から、廃液からPVA系樹脂を取り除くことが求められる。また、廃液からPVA系樹脂を回収することが可能となれば、回収したPVA系樹脂を再利用できるため、コストの面でも好ましい。
【0005】
PVA系樹脂が含まれる水溶液からPVA系樹脂を回収する方法として、例えば、特許文献1には、無機フィラーを含有するPVA系樹脂成形体を水に溶解し、次いで、炭素数3~6のアルコールを主成分とする析出液と接触させて、無機フィラーを含有するPVA系樹脂を析出させ、析出物を分離して回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-218642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の方法では、析出したPVA系樹脂が長い繊維状であるため、繊維状のPVA系樹脂同士が絡みついて塊状態となったり、繊維状のPVA系樹脂が撹拌軸に絡みついてしまい、操業困難となることがあった。そのため、カッターポンプなどの切断機能を有する装置を使用する必要があり、回収容易性およびコストの面で改善の余地があった。
【0008】
また、特許文献1に記載の方法では、工業的にスケールアップした場合に、析出したPVA系樹脂が大きな塊になると、反応缶から取り出せなくなる、又は取り出しにくくなるという課題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、PVA系樹脂を含む溶液から、粒子径が小さいPVA系樹脂が分離される、PVA系樹脂の分離方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが鋭意検討した結果、PVA系樹脂を含む溶液が、多価アルコール、多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル、並びにモノアルコール由来の構造単位及び多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステルの少なくとも一つ以上と、上記多価アルコールとは異なるアルコールをさらに含み、上記溶液における上記多価アルコール(B1)、上記多価アルコール由来の構造単位及びモノカルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B2)、並びに上記モノアルコール由来の構造単位と多価カルボン酸由来の構造単位を含むエステル(B3)の合計の含有量が0.001質量%~30質量%であることで、PVA系樹脂が分離され、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

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