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公開番号2025096155
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2024190458
出願日2024-10-30
発明の名称接合体、接合シート及び接合体の製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
主分類H01L 23/36 20060101AFI20250619BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】温度変化による部材間の膨張率差などで接合シートに応力がかかったとしても、接合シートにおける割れや変形を抑えることができる接合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】接合体において、上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3はそれぞれ、接合シート1との接合面に金属部21を備えており、接合シート1は、熱硬化性樹脂と無機フィラー11とを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、接合シート1の上面全面が上部金属含有部材2と接合し、接合シート1の下面全面が下部金属含有部材3と接合しており、且つ、接合シート1を断面で見た際、接合シート1の左右一側端部から内側300μmにかけての端部領域1Aにおける樹脂面積率をP1A、端部領域1A以外の中央領域1Bにおける樹脂面積率をP1Bとしたとき、P1A/P1Bの値が1.10より大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
接合シート1の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体であって、
上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3はそれぞれ、接合シート1との接合面に金属部を備えており、
接合シート1は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
接合シート1の上面全面が上部金属含有部材2と接合し、接合シート1の下面全面が下部金属含有部材3と接合しており、且つ、接合シート1を断面で見た際、接合シート1の左右一側端部から内側300μmにかけての端部領域1Aにおける樹脂面積率をP
1A
、端部領域1A以外の中央領域1Bにおける樹脂面積率をP
1B
としたとき、P
1A
/P
1B
の値が1.10より大きいことを特徴とする接合体。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
接合シート1の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体であって、
上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3はそれぞれ、接合シート1との接合面に金属部を備えており、
接合シート1は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
接合シート1の上面全面が上部金属含有部材2と接合し、接合シート1の下面全面が下部金属含有部材3と接合しており、且つ、接合シート1を断面で見た際、接合シート1の左右一側端部から内側300μmにかけての端部領域1Aにおけるボイド面積率をS
1A
、端部領域1A以外の中央領域1Bにおけるボイド面積率をS
1B
としたとき、S
1A
/S
1B
の値が1より大きいことを特徴とする接合体。
【請求項3】
接合シート1の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体であって、
上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3はそれぞれ、接合シート1との接合面に金属部を備えており、
接合シート1は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
接合シート1の上面全面が上部金属含有部材2と接合し、接合シート1の下面全面が下部金属含有部材3と接合しており、且つ、接合シート1を断面で見た際、接合シート1の左右一側端部から内側300μmにかけての端部領域1Aにおけるボイド平均サイズをL
1A
、端部領域1A以外の中央領域1Bにおけるボイド平均サイズをL
1B
としたとき、L
1A
/L
1B
の値が2より大きいことを特徴とする接合体。
【請求項4】
接合シート1と上部金属含有部材2が直接接合し、接合シート1と下部金属含有部材3が直接接合してなる構成を備えた、請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
【請求項5】
上部金属含有部材2は、接合シート1との接合面に、シート乃至板状の金属部21の下面が露出する共に、当該金属部21を樹脂22で覆って封止してなる構成を備えたものである、請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
【請求項6】
下部金属含有部材3は、接合シート1との接合面に、平板状乃至シート状の金属体を備えたものである、請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
【請求項7】
接合シート1における厚み方向の熱伝導率が10W/m・K以上であることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
【請求項8】
接合シート1の絶縁破壊電圧が5kV以上であることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
【請求項9】
上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3が備えている金属部は、銅若しくはアルミニウムを含む材料からなるものである、請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
【請求項10】
接合シート1に含有される無機フィラーが窒化ホウ素凝集粒子を含む、請求項1~3の何れか一項に記載の接合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー半導体装置などのように、接合シートの表裏に、上部金属含有部材と下部金属含有部材が接合してなる構成を備えた接合体、それに用いる接合シート、並びに、前記接合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
半導体を用いたデバイスの中で、電源などの電力の制御や変換を行うデバイスは”パワー半導体装置”と呼ばれている。
電子部品が搭載された、パワー半導体装置は、金属ベース板(放熱板)の上面中央に、絶縁基板を介して半導体素子などの電子部品を配置し、さらに電気部品上に金属部材等の放熱部材を配置し、これら電子部品及び放熱部材を囲むように合成樹脂で封止してなる構成を備えたものが知られている(特許文献1~4参照)。
【0003】
前記のような絶縁基板として、熱伝導性及び絶縁性を両立可能である点などから、従来、アルミナ基板や窒化アルミニウム基板などの熱伝導性の高いセラミック基板が使用されてきた。しかし、セラミックス基板は、衝撃で割れやすい、薄膜化が困難で小型化が難しい、といった課題を抱えていた。
そこで、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と無機フィラーを用いた熱伝導性を備えたシートが、絶縁基板などとして提案されている。
【0004】
熱硬化性樹脂と無機フィラーを用いたシートに関しては、例えば特許文献5において、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂と共に、アルミナ粒子及び窒化ホウ素を含み、熱硬化後のシート厚み方向の熱伝導率が3W/m・K以上である封止用樹脂シートが開示されている。
また、特許文献6において、Tgが60℃以下のエポキシ樹脂と窒化ホウ素を含有する放熱樹脂シートであって、窒化ホウ素の含有量が30体積%以上、60体積%以下である放熱樹脂シートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-323593号公報
特開2004-103846号公報
WO2016/162991号公報
特開2018-74089号公報
特開2017-036415号公報
WO2019/189746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1に示すように、接合シート1(前記絶縁基板が相当)の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体において、温度変化による部材間の膨張率差などで接合シート1に応力がかかると、接合シート1の端部に局所的に圧力が集中して接合シート1内に割れや変形が生じることが分かってきた。
【0007】
そこで本発明の目的は、接合シート1の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体に関し、温度変化による部材間の膨張率の差などで接合シート1に応力がかかったとしても、接合シート1における割れや変形を抑えることができる、新たな接合体、それに用いる接合シート、並びに、前記接合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が提案する接合体は、それに用いる接合シート、並びに、前記接合体の製造方法は、上記課題を解決するために、次の構成を有する。
【0009】
[1] 本発明の第1の態様は、接合シート1の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体であって、
上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3はそれぞれ、接合シート1との接合面に金属部を備えており、
接合シート1は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
接合シート1の上面全面が上部金属含有部材2と接合し、接合シート1の下面全面が下部金属含有部材3と接合しており、且つ、接合シート1を断面で見た際、接合シート1の左右一側端部から内側300μmにかけての端部領域1Aにおける樹脂面積率をP
1A
、端部領域1A以外の中央領域1Bにおける樹脂面積率をP
1B
としたとき、P
1A
/P
1B
の値が1.10より大きいことを特徴とする接合体である。
【0010】
[2] 本発明の第2の態様は、接合シート1の表裏に、上部金属含有部材2と下部金属含有部材3が接合してなる構成を備えた接合体であって、
上部金属含有部材2及び下部金属含有部材3はそれぞれ、接合シート1との接合面に金属部を備えており、
接合シート1は、熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
接合シート1の上面全面が上部金属含有部材2と接合し、接合シート1の下面全面が下部金属含有部材3と接合しており、且つ、接合シート1を断面で見た際、接合シート1の左右一側端部から内側300μmにかけての端部領域1Aにおけるボイド面積率をS
1A
、端部領域1A以外の中央領域1Bにおけるボイド面積率をS
1B
としたとき、S
1A
/S
1B
の値が1より大きいことを特徴とする接合体である。
(【0011】以降は省略されています)

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