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公開番号
2025107351
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-17
出願番号
2025076735,2023126196
出願日
2025-05-02,2020-05-29
発明の名称
効率的なPPRタンパク質の作製方法及びその利用
出願人
エディットフォース株式会社
,
国立大学法人九州大学
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07K
14/415 20060101AFI20250710BHJP(有機化学)
要約
【課題】高い性能を有する PPRタンパク質を提供する。従来の7~14より多くのモチーフを連結し、長い塩基配列に結合するPPRタンパク質を提供する。
【解決手段】下記に代表されるPPRモチーフを提供する。(A-1)配列番号:9又は401の配列からなるPPRモチーフ、 (C-1)配列番号:10の配列からなるPPRモチーフ、(G-1)配列番号:11の配列からなるPPRモチーフ、(U-1)配列番号:12の配列からなるPPRモチーフ。これらのモチーフはそれぞれ順に、標的塩基配列中のアデニン、シトシン、グアニン、ウラシルに対するPPRモチーフとして有用である。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
タンパク質、又は
前記タンパク質と蛍光タンパク質、核移行シグナルペプチド、及びタグタンパク質からなる群より選択される少なくとも一つとの融合タンパク質
を含む、疾患の処置のための組成物であって、
前記タンパク質が、下記の式1
JPEG
2025107351000017.jpg
10
170
(式中:
Helix Aは、12アミノ酸長の、αヘリックス構造を形成可能な部分であって、式2で表され、
JPEG
2025107351000018.jpg
12
170
式2中、A
1
~A
12
はそれぞれ独立にアミノ酸を表し;
Xは、存在しないか又は1~9アミノ酸長からなる部分であり;
Helix Bは、11~13アミノ酸長からなる、αヘリックス構造を形成可能な部分であり;
Lは、2~7アミノ酸長の、式3で表される部分であり;
JPEG
2025107351000019.jpg
10
170
式3中、各アミノ酸は、“i”(-1)、“ii”(-2)、とC末端側からナンバリングされ、
ただし、L
iii
~L
vii
は存在しない場合がある。)
で表されるPPRモチーフであるポリペプチドを含む、特定の塩基配列を有する標的核酸と結合可能なタンパク質であり、
少なくとも1つのポリペプチドが、下記のいずれかである、組成物。
(A-1)配列番号:9の配列からなるポリペプチド、又は配列番号:9の配列において、位置10のアミノ酸のチロシンへの置換、位置15のアミノ酸のリジンへの置換、位置16のアミノ酸のロイシンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置18のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、及び位置28のアミノ酸のグルタミン酸への置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるポリペプチド、又は配列番号401の配列からなるポリペプチド、又は配列番号401の配列において、位置10のアミノ酸のチロシンへの置換、位置16のアミノ酸のロイシンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置18のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、及び位置28のアミノ酸のグルタミン酸への置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(A-2')配列番号:9又は401の配列において、位置1、2、3、4、6、7、9、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~20個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつアデニン結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記A群のポリペプチドを除く。);
(A-3')配列番号:9又は401の配列と少なくとも42%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、7、9、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつアデニン結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド (ただし、下記A群のポリペプチドを除く。);
(C-1)配列番号:10の配列からなるポリペプチド、又は配列番号:10の配列において、位置2のアミノ酸のセリンへの置換、位置5のアミノ酸のイソロイシンへの置換、位置7のアミノ酸のロイシンへの置換、位置8のアミノ酸のリジンへの置換、位置10のアミノ酸のフェニルアラニン又はチロシンへの置換、位置15のアミノ酸のアルギニンへの置換、位置22のアミノ酸のバリンへの置換、位置24のアミノ酸のアルギニンへの置換、位置27のアミノ酸のロイシンへの置換、及び位置29のアミノ酸のアルギニンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(C-2')配列番号:10の配列において、位置1、3、4、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~25個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつシトシン結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記C群のポリペプチドを除く。);
(C-3')配列番号:10の配列と少なくとも25%の配列同一性を有し、ただし位置1、3、4、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつシトシン結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記C群のポリペプチドを除く。);
(G-1)配列番号:11の配列からなるポリペプチド、又は配列番号:11の配列において、位置10のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置15のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、位置27のアミノ酸のバリンの置換、位置28のアミノ酸のセリンへの置換、及び位置35のアミノ酸のイソロイシンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(G-2')配列番号:11の配列において、位置1、2、3、4、6、7、9、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~21個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつグアニン結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記G群のポリペプチドを除く。);
(G-3')配列番号:11の配列と少なくとも40%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、7、9、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつグアニン結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記G群のポリペプチドを除く。);
(U-1)配列番号:12の配列からなるポリペプチド、又は配列番号:12の配列において、位置10のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置13のアミノ酸のセリンへの置換、位置15のアミノ酸のリジンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置20のアミノ酸のロイシンへの置換、位置21のアミノ酸のリジンへの置換、位置23のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置24のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、位置27のアミノ酸のリジンへの置換、位置28のアミノ酸のリジンへの置換、位置29のアミノ酸のアルギニンへの置換、及び位置31のアミノ酸のロイシンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(U-2')配列番号:12の配列において、位置1、2、3、4、6、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~22個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつウラシル結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記U群のポリペプチドを除く。);
(U-3')配列番号:12の配列と少なくとも37%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつウラシル結合性である、下記の式1で表されるPPRモチーフであるポリペプチド(ただし、下記U群のポリペプチドを除く。)。
A群:配列番号462の545-579位の配列からなるポリペプチド、配列番号464の409-443位の配列からなるポリペプチド、配列番号465の431-465位の配列からなるポリペプチド、配列番号466の437-471位の配列からなるポリペプチド
C群:配列番号461の318-352位の配列からなるポリペプチド
G群:配列番号463の869-903位の配列からなるポリペプチド、配列番号464の374-408位の配列からなるポリペプチド、配列番号465の396-430位の配列からなるポリペプチド、配列番号466の402-436位の配列からなるポリペプチド
U群:配列番号461の353-387位の配列からなるポリペプチド、配列番号462の475-509位の配列からなるポリペプチド、配列番号463の380-414位の配列からなるポリペプチド
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的核酸に結合可能なタンパク質を用いる核酸操作技術に関する。本発明は、医療(創薬支援、治療)、農業(農水畜産物生産、育種)、化学(生物学的物質生産)などの幅広い分野で有用である。
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【背景技術】
【0002】
PPRタンパク質は、約35アミノ酸長からなるPPRモチーフの繰り返しを含むタンパク質で、PPRモチーフ1つが1つの塩基と特異的に結合することができる。PPRモチーフ内の1番目、4番目、ii番目(次のモチーフの2つ前)のアミノ酸の組み合わせによってアデニン、シトシン、グアニン、ウラシル(又はチミン)のうちのどれに結合するかが決まる(特許文献1、2)。
【0003】
PPRモチーフは、1モチーフで1塩基を認識して結合するため、例えば18塩基長の核酸に配列特異的に結合するPPRタンパク質を設計する場合、18個のPPRモチーフを連結することとなる。これまでに、7~14個のPPRモチーフを連結した人工PPRタンパク質の作製が報告されている(非特許文献1~6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2013/058404
国際公開WO2014/175284
【非特許文献】
【0005】
Coquille, S. et al. An artificial PPR scaffold for programmable RNA recognition. Nature Communications 5, Article number: 5729(2014)
Shen, C. et al. Specific RNA Recognition by Designer Pentatricopeptide Repeat Protein. Molecular Plant 8, 667-670(2015)
Shen, C. et al. Structural basis for specific single-stranded RNA recognition by designer pentatricopeptide repeat proteins. Nature Communications volume 7, Article number: 11285 (2016)
Gully, B. S. et al. The design and structural characterization of a synthetic pentatricopeptide repeat protein. Acta Cryst. D71, 196-208(2015)
Miranda, R. G. et al. RNA-binding specificity landscapes of designer pentatricopeptide repeat proteins elucidate principlesof PPR-RNA interactions. Nucleic Acids Research, 46(5), 2613-2623(2018)
Yan, J. et al. Delineation of pentatricopeptide repeat codes for target RNA prediction. Nucleic Acids Research, gkz075(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
細胞内で目的とするRNA分子と特異的に結合し、さらに思い通りの操作をするためには、高い性能を有するPPRタンパク質が求められる。
【0007】
また、細胞内で目的とするRNA分子と特異的に結合し、さらに思い通りの操作をするためには、従来の7~14より多くのモチーフを連結し、長い塩基配列に結合するPPRタンパク質が求められる。例えば、ヒトゲノムは60億塩基あり、4つの塩基(A,C,G,T又はU)で構成されているため、その配列の並びから一箇所の塩基配列を指定するためには、最低でも17塩基の配列が必要となる(4
16
は、40億、4
17
は、160億であるため)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、新規なPPRモチーフ等として、以下を提供する。
[1] 下記のいずれか1つの、PPRモチーフ:
(A-1)配列番号:9の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:9の配列において、位置10のアミノ酸のチロシンへの置換、位置15のアミノ酸のリジンへの置換、位置16のアミノ酸のロイシンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置18のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、及び位置28のアミノ酸のグルタミン酸への置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号401の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号401の配列において、位置10のアミノ酸のチロシンへの置換、位置16のアミノ酸のロイシンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置18のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、及び位置28のアミノ酸のグルタミン酸への置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ;
(A-2)配列番号:9又は401の配列において、位置1、2、3、4、6、7、9、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~20個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつアデニン結合性であるPPRモチーフ;
(A-3)配列番号:9又は401の配列と少なくとも42%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、7、9、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつアデニン結合性であるPPRモチーフ;
(C-1)配列番号:10の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:10の配列において、位置2のアミノ酸のセリンへの置換、位置5のアミノ酸のイソロイシンへの置換、位置7のアミノ酸のロイシンへの置換、位置8のアミノ酸のリジンへの置換、位置10のアミノ酸のフェニルアラニン又はチロシンへの置換、位置15のアミノ酸のアルギニンへの置換、位置22のアミノ酸のバリンへの置換、位置24のアミノ酸のアルギニンへの置換、位置27のアミノ酸のロイシンへの置換、及び位置29のアミノ酸のアルギニンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ;
(C-2)配列番号:10の配列において、位置1、3、4、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~25個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつシトシン結合性であるPPRモチーフ;
(C-3)配列番号:10の配列と少なくとも25%の配列同一性を有し、ただし位置1、3、4、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつシトシン結合性であるPPRモチーフ;
(G-1)配列番号:11の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:11の配列において、位置10のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置15のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、位置27のアミノ酸のバリンの置換、位置28のアミノ酸のセリンへの置換、及び位置35のアミノ酸のイソロイシンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ;
(G-2)配列番号:11の配列において、位置1、2、3、4、6、7、9、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~21個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつグアニン結合性であるPPRモチーフ;
(G-3)配列番号:11の配列と少なくとも40%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、7、9、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつグアニン結合性であるPPRモチーフ;
(U-1)配列番号:12の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:12の配列において、位置10のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置13のアミノ酸のセリンへの置換、位置15のアミノ酸のリジンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置20のアミノ酸のロイシンへの置換、位置21のアミノ酸のリジンへの置換、位置23のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置24のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、位置27のアミノ酸のリジンへの置換、位置28のアミノ酸のリジンへの置換、位置29のアミノ酸のアルギニンへの置換、及び位置31のアミノ酸のロイシンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ
(U-2)配列番号:12の配列において、位置1、2、3、4、6、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~22個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつウラシル結合性であるPPRモチーフ;
(U-3)配列番号:12の配列と少なくとも37%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつウラシル結合性であるPPRモチーフ。
[2] 1に記載のPPRモチーフの、標的RNAが15塩基長以上であるPPRタンパク質の作製のための使用。
[3] 1に記載のPPRモチーフのPPRタンパク質の作製のための使用であって、PPRタンパク質の標的RNAへの結合性能を高めるための使用。
[4] n個の塩基配列からなる標的RNAに結合可能な、n個のPPRモチーフを含むタンパク質であって、
該塩基配列中のアデニンに対するPPRモチーフが、1に定義した(A-1)、(A-2)、又は(A-3)のPPRモチーフであり;
該塩基配列中のシトシンに対するPPRモチーフが、1に定義した(C-1)、(C-2)、又は(c-3)のPPRモチーフであり;
該塩基配列中のグアニンに対するPPRモチーフが、1に定義した(G-1)、(G-2)、又は(G-3)のPPRモチーフであり;
該塩基配列中のウラシルに対するPPRモチーフが、1に定義した(U-1)、(U-2)、又は(U-3)のPPRモチーフである、PPRタンパク質。
[5] nが、15以上である、4に記載のタンパク質。
[6] N末端から1番目のPPRモチーフが下記のいずれか1つである、4又は5に記載のタンパク質:
(1st
A-1)配列番号:402の配列において、位置6及び9のアミノ酸を、下記に定義した組み合わせのいずれか1つを満たすように置換したPPRモチーフ;
(1st
A-2)(1st
A-1)の配列において、位置1、4、6、9、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~9個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつアデニン結合性であるPPRモチーフ;
(1st
A-3)(1st
A-1)の配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、ただし位置1、4、6、9、及び34のアミノ酸は同一であり、かつアデニン結合性であるPPRモチーフ;
(1st
C-1)配列番号:403の配列からなるPPRモチーフ;
(1st
C-2)(1st
C-1)の配列において、位置1、4、6、9、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~9個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつシトシン結合性であるPPRモチーフ;
(1st
C-3)(1st
C-1)の配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、ただし位置1、4、6、9、及び34のアミノ酸は同一であり、かつシトシン結合性であるPPRモチーフ;
(1st
G-1)配列番号:404の配列において、位置6及び9のアミノ酸を、下記に定義した組み合わせのいずれか1つを満たすように置換した配列からなるPPRモチーフ;
(1st
G-2)(1st
G-1)の配列において、位置1、4、6、9、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~9個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつグアニン結合性であるPPRモチーフ;
(1st
G-3)(1st
G-1)の配列と少なくとも80%の配列同一性を有し、ただし位置1、4、6、9、及び34のアミノ酸は同一であり、かつグアニン結合性であるPPRモチーフ;
(1st
U-1)配列番号:405の配列において、位置6及び9のアミノ酸を、下記に定義した組み合わせのいずれか1つを満たすように置換した配列からなるPPRモチーフ;
(1st
【0009】
[1] 下記のいずれか1つの、PPRモチーフ:
(A-1)配列番号:9の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:9の配列において、位置10のアミノ酸のチロシンへの置換、位置15のアミノ酸のリジンへの置換、位置16のアミノ酸のロイシンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置18のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、及び位置28のアミノ酸のグルタミン酸への置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ;
(A-2)配列番号:9の配列において、位置1、2、3、4、6、7、9、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~20個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつアデニン結合性であるPPRモチーフ;
(A-3)配列番号:9の配列と少なくとも42%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、7、9、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつアデニン結合性であるPPRモチーフ;
(C-1)配列番号:10の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:10の配列において、位置2のアミノ酸のセリンへの置換、位置5のアミノ酸のイソロイシンへの置換、位置7のアミノ酸のロイシンへの置換、位置8のアミノ酸のリジンへの置換、位置10のアミノ酸のフェニルアラニン又はチロシンへの置換、位置15のアミノ酸のアルギニンへの置換、位置22のアミノ酸のバリンへの置換、位置24のアミノ酸のアルギニンへの置換、位置27のアミノ酸のロイシンへの置換、及び位置29のアミノ酸のアルギニンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ;
(C-2)配列番号:10の配列において、位置1、3、4、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~25個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつシトシン結合性であるPPRモチーフ;
(C-3)配列番号:10の配列と少なくとも25%の配列同一性を有し、ただし位置1、3、4、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつシトシン結合性であるPPRモチーフ;
(G-1)配列番号:11の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:11の配列において、位置10のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置15のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、位置27のアミノ酸のバリンの置換、位置28のアミノ酸のセリンへの置換、及び位置35のアミノ酸のイソロイシンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ;
(G-2)配列番号:11の配列において、位置1、2、3、4、6、7、9、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~21個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつグアニン結合性であるPPRモチーフ;
(G-3)配列番号:11の配列と少なくとも40%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、7、9、14、18、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつグアニン結合性であるPPRモチーフ;
(U-1)配列番号:12の配列からなるPPRモチーフ、又は配列番号:12の配列において、位置10のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置13のアミノ酸のセリンへの置換、位置15のアミノ酸のリジンへの置換、位置17のアミノ酸のグルタミン酸への置換、位置20のアミノ酸のロイシンへの置換、位置21のアミノ酸のリジンへの置換、位置23のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換、位置24のアミノ酸のアスパラギン酸への置換、位置27のアミノ酸のリジンへの置換、位置28のアミノ酸のリジンへの置換、位置29のアミノ酸のアルギニンへの置換、及び位置31のアミノ酸のロイシンへの置換からなる群より選択されるいずれかの置換を行ったアミノ酸配列からなるPPRモチーフ
(U-2)配列番号:12の配列において、位置1、2、3、4、6、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸以外のアミノ酸の1~22個を置換、欠失、又は付加した配列からなり、かつウラシル結合性であるPPRモチーフ;
(U-3)配列番号:12の配列と少なくとも37%の配列同一性を有し、ただし位置1、2、3、4、6、11、12、14、19、26、30、33、及び34のアミノ酸は同一であり、かつウラシル結合性であるPPRモチーフ。
[2] 1に記載のPPRモチーフの、標的RNAが15塩基長以上であるPPRタンパク質の作製のための使用。
[3] 1に記載のPPRモチーフのPPRタンパク質の作製のための使用であって、PPRタンパク質の標的RNAへの結合性能を高めるための使用。
[4] n個の塩基配列からなる標的RNAに結合可能な、n個のPPRモチーフを含むタンパク質であって、
該塩基配列中のアデニンに対するPPRモチーフが、1に定義した(A-1)、(A-2)、又は(A-3)のPPRモチーフであり;
該塩基配列中のシトシンに対するPPRモチーフが、1に定義した(C-1)、(C-2)、又は(c-3)のPPRモチーフであり;
該塩基配列中のグアニンに対するPPRモチーフが、1に定義した(G-1)、(G-2)、又は(G-3)のPPRモチーフであり;
該塩基配列中のウラシルに対するPPRモチーフが、1に定義した(U-1)、(U-2)、又は(U-3)のPPRモチーフである、PPRタンパク質。
[5] nが、15以上である、4に記載のタンパク質。
[6] 4又は5に記載のタンパク質を用いることを特徴とする、RNAスプライシングの制御方法。
[7] 4又は5に記載のタンパク質を用いることを特徴とする、RNAの検出方法。
[8] 蛍光タンパク質、核移行シグナルペプチド、及びタグタンパク質からなる群より選択される少なくとも一つと、4又は5に記載のタンパク質との、融合タンパク質。
[9] 1に記載のPPRモチーフ、又は4又は5に記載のタンパク質をコードする核酸。
[10] 9に記載の核酸を含む、ベクター。
[11] 10に記載のベクターを含む、細胞(ヒト個体は除く。)。
[12] 1に記載のPPRモチーフ、4又は5に記載のタンパク質、又は10に記載のベクターを用いる、RNAの操作方法(ヒト個体での実施を除く。)。
[13] 12に記載の操作方法を含む、生物の生産方法。
[14] 以下の工程を含む、n個の塩基配列からなる標的核酸に結合可能な、n個のPPRモチーフを含むタンパク質をコードする遺伝子の作製方法:
アデニン、シトシン、グアニン、又はウラシルもしくはチミン結合性であるPPRモチーフ各々をコードする4種類、及びPPRモチーフの2個の連結物各々をコードする16種類を含む、少なくとも20種類のポリヌクレオチドが、少なくともm種類の順に連結可能に設計された中間ベクターDest-a...のそれぞれに挿入された、少なくとも20×m種類のPPRパーツのライブラリーから、目的遺伝子を作製するために必要なm個のPPRパーツを選択し;
選択したm種類のPPRパーツを、ベクターパーツとともにGolden Gate反応に供してm個のポリヌクレオチドの連結物が挿入されたベクターを得る(ただしnは、m以上であり、かつm×2以下である。)。
[15] mが10であり、15個以上のPPRモチーフを含むタンパク質をコードする遺伝子を作製するための、14に記載の作製方法。
[16] 下記の工程を含む、n個の塩基配列からなる標的核酸に結合可能な、n個のPPRモチーフを含むタンパク質を検出又は定量する方法:
固相化された標的核酸に、候補タンパク質を含む溶液を供し、標的核酸に結合したタンパク質を検出又は定量する工程。
[17] 候補タンパク質が標識タンパク質と融合されている、16に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
v2 モチーフ (アデニン認識)
v2 モチーフ (シトシン認識)
v2 モチーフ (グアニン認識)
v2 モチーフ (ウラシル認識)
PPRモチーフ配列をシームレスに連結するクローニング方法の例
1モチーフ及び2モチーフのライブラリーを用いたシームレスクローニングの検証。A:V1モチーフ、v2モチーフ、v3.1モチーフ、及びv3.2モチーフのアミノ酸配列。V3.1はv2においてアデニン認識モチーフにD15K変異を導入したもの。V3.2は、1モチーフ目は1st
Xを選択し、2モチーフ目以降はv2
C, v2
G, v2
U, v3.1
Aから選択する。B:18モチーフ のPPRタンパク質3種類を各3クローン作製したときの結果。V1においては、PPR2の2番目のクローン以外は、正しいサイズのバンドが得られた。V2においては全てのクローンで正しいサイズのバンドが得られた。
ハイスループットなRNA結合タンパク質の結合性能評価の例。A:代表的な核酸-タンパク質結合実験スキーム比較。B:RPB-ELISA (RNA-protein binding ELISA)の概略。C:MS2タンパク質とその標的RNAを用いた場合の実験結果。精製タンパク質溶液(purified protein)、大腸菌ライセート(Lysate)ともに、特異的な結合が検出された。
RNA結合性能比較実験の結果。モチーフ配列v2で作製した場合、モチーフ配列v1で作製したものと比較して、全てにおいて標的配列との結合力の増加(1.3~3.6倍)が見られた。また、v2のほうがv1よりも全てにおいて標的結合シグナル/非標的結合シグナル (S/N)が高かったことから、v2がv1より親和性も高く、標的に対する特異性が高いことが分かった。左上グラフ(Binding signal(L.U./10
7
CPU))中、黒は標的配列を持つRNAプローブ、灰はOff target 1を持つRNAプローブ、白はOff target 2を持つRNAプローブそれぞれに対する結果を表す。左下プローブ配列(Prob seq.)中、下線は、標的配列(Target seq.)である。
PPRタンパク質のRNA結合性能詳細解析(特異性)。V2モチーフを用いて、23種類の標的配列に対するPPRタンパク質を作製し、RPB-ELISAを用いて全ての結合組み合わせを解析した。21種類のPPRタンパク質で、標的に対する結合力が最も強いことが分かった(上)。同様に、V3.1モチーフを用いてRNA結合性能を解析した(下)。
PPRタンパク質のRNA結合性能詳細解析(親和性)。A:作製したタンパク質の標的に対するKd値。最小値は1.95 x 10
-9
であり、これまで報告されたデザインPPRタンパク質の中では最もKd値が低い。B:Kd値とRPB-ELISAでの結合実験で得られたシグナル値との相関。RPB-ELISAでの発光値が、1.0~2.0 x 10
7
の場合は、Kd値が10
-6
~10
-7
M、RPB-ELISAでの発光値が、2.0~4.0 x 10
7
の場合は、Kd値が10
-7
~10
-8
M、RPB-ELISAでの発光値が、4.0 x 10
7
よりも大きい場合は、Kd値が~10
-8
以下であることが推定できる。
構築成功確率。72種類の標的配列に対するPPRタンパク質をv2モチーフを用いて作製し、RPB-ELISAを用いて構築成功確率を算出した。72個のPPRタンパク質の内、Kd値が10
-6
M以下である(RPB-ELISA値が1 x 10
7
以上)と推定されるものは、63個(88%)であった。また、標的結合シグナルを非標的結合シグナルで割った値を特異性を評価する値(S/N)が10より高いものは、54個(75%)であった。これらのことから、v2モチーフを使用しPPRタンパク質を作製することで、効率的に配列特異的なRNA結合タンパク質が作製できることが示された。
PPRモチーフ数に関連した標的結合活性の評価。A:各標的配列ごとの結果。B:18モチーフ、15モチーフ、12モチーフそれぞれの値の平均値。モチーフ数が多いほど、結合強度が高くなり、18モチーフと15モチーフを比較すると、18モチーフの方が、高い結合強度を有するタンパク質が安定して作製できることが分かった。
PPRタンパク質による人為的なスプライシング制御の例。A:実験スキーム。イントロン1,エクソン2,イントロン2の領域の中から18塩基の配列を選択し、それらに結合するPPRタンパク質によって、RG-6レポーターのスプライシングバリアントの量比を変化させられるか実験を行った。B:PPR発現プラスミドDNAとRG-6レポータープラスミドDNAを混合して培養した後の細胞のGFP蛍光及びRFP蛍光画像。C:スプライシングバリアント比率。蛍光画像撮影後の細胞からtotal RNAを抽出し、RT-PCRによる増幅産物を電気泳動した。114bp付近のバンドをエクソンスキップにより生じたPCR産物(a)、142bp付近のバンドをスキップしていないPCR産物(b)とし、それぞれのバンド強度を測定した。スプライシング比率は、a / (a+b) により算出した。スプライシング比率は、PPRを導入した場合は、大きく変化することが分かった。PPRタンパク質を用いることでエクソンスキッピングを変化させることができることが証明され、さらにv2モチーフを利用することでさらに効率的にスプライシングを変化させることができることが分かった。
N末から第1番目のPPRモチーフの凝集への影響。それぞれのPPRタンパク質を大腸菌発現系で作成し精製し、ゲルろ過クロマトグラフィーで分離した。溶出画分(Elution vol.)が少ないほど分子サイズが大きい。V2では、8から10mLの溶出画分で溶出された一方で、v3.2では、12から14mLの溶出画分にピークが見られた。このことから、v2では、タンパク質サイズが大きくなっていることから凝集している可能性が示唆され、その凝集はv3.2において改善されていることが分かった。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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