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公開番号2025105536
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2024226528
出願日2024-12-23
発明の名称黒色物質発生低減剤、黒色物質発生低減剤含有油脂組成物の製造方法および黒色物質発生低減方法
出願人株式会社J-オイルミルズ
代理人
主分類A23D 9/00 20060101AFI20250703BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明の目的は、レシチン由来の黒色物質発生を低減し、外観に優れた加熱調理食品を得ることにある。
【解決手段】
乳化剤(A):グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上を有効成分とする、レシチンを含む加熱調理用油脂組成物の、黒色物質発生低減剤である。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
以下の乳化剤(A)を有効成分とする、レシチンを含む加熱調理用油脂組成物の、黒色物質発生低減剤。
乳化剤(A):グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記黒色物質が、加熱温度が160℃以上で発生するものである、請求項1に記載の黒色物質発生低減剤。
【請求項3】
前記黒色物質が、加熱時間が達温後1分以上で発生するものである、請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤。
【請求項4】
前記黒色物質が、レシチン由来の物質である、請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤。
【請求項5】
前記加熱調理用油脂組成物中、レシチンの含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である、請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤。
【請求項6】
前記レシチンの含有量に対する前記乳化剤(A)の含有量が、質量比で0.05以上1.0以下である、請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤。
【請求項7】
前記乳化剤(A)が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤。
【請求項8】
請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤を含有する加熱調理用油脂組成物を加熱し、食材を加熱調理する工程を含む、加熱調理食品の製造方法。
【請求項9】
前記加熱調理が炒め調理、鉄板焼き、グリル調理から選ばれる1種である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
請求項1または2に記載の黒色物質発生低減剤を含有する油脂組成物で食材を加熱調理することを特徴とする、加熱調理食品の黒色物質付着低減方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レシチンを含む加熱調理用油脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、食品加工業界において、加熱調理の際、加熱中及び加熱後の食品素材と調理器具、焼型、天板などとの付着を防止したり、食材に風味を付与したりする目的で、加熱調理用油脂組成物が使用されてきた。特に、近年、食品加工業界では、高温加熱調理機などを使用し、高温で多量の炒め調理食品を効率よく製造する炒め調理等が行わるようになっており、その際にもこのような加熱調理用油脂組成物が使用されている。
【0003】
また、食品の調理器具、焼型、天板などとの付着防止のために、加熱調理用油脂組成物にレシチンを配合することがある。レシチンは、リン脂質を主成分とした天然の乳化剤であり、乳化性に優れている。レシチンの種類には、クルードレシチン(粗製レシチンやペーストレシチンともいう)、脱油レシチン(粉末レシチンともいう)、分別レシチン(精製レシチンともいう)、酵素分解レシチン、分別と酵素分解の両方の処理を施した分別酵素分解レシチン、脱糖レシチン等があり、各種レシチンは天然の乳化剤であるため、食品用途に広く利用されている。しかし、レシチンを使用した調理用油脂組成物は、加熱による着色が起こりやすいという欠点もある。特許文献1では、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルよりなるレシチンの加熱着色抑制剤が開示されており、これによりレシチンの加熱着色抑制が可能であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-68462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レシチンを含む加熱調理用油脂組成物は、前述の高温加熱調理機などを使用した場合のような高温・長時間・連続などの条件下で加熱調理に供されると、食材の焦げではなくレシチン由来の黒色物質が発生し、その黒色物質が出来上がった加熱調理食品に付着し、外観を損ねてしまうことがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究の結果、レシチンを含む加熱調理用油脂組成物に、所定量の乳化剤を含ませることで、レシチン由来の黒色物質発生が低減されることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下の黒色物質発生低減剤、黒色物質発生低減剤含有油脂組成物の製造方法および黒色物質発生低減方法が提供される。
[1] 以下の乳化剤(A)を有効成分とする、レシチンを含む加熱調理用油脂組成物の、黒色物質発生低減剤。
乳化剤(A):グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上
[2] 前記黒色物質が、加熱温度が160℃以上で発生するものである、[1]に記載の黒色物質発生低減剤。
[3] 前記黒色物質が、加熱時間が達温後1分以上で発生するものである、[1]または[2]に記載の黒色物質発生低減剤。
[4] 前記黒色物質が、レシチン由来の物質である、[1]乃至[3]に記載の黒色物質発生低減剤。
[5] 前記加熱調理用油脂組成物中、レシチンの含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である、[1]乃至[4]に記載の黒色物質発生低減剤。
[6] 前記レシチンの含有量に対する前記乳化剤(A)の含有量が、質量比で0.05以上1.0以下である、[1]乃至[5]に記載の黒色物質発生低減剤。
[7] 前記乳化剤(A)が、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上である、[1]乃至[6]に記載の黒色物質発生低減剤。
[8] [1]乃至[7]に記載の黒色物質発生低減剤を含有する加熱調理用油脂組成物を加熱し、食材を加熱調理する工程を含む、加熱調理食品の製造方法。
[9] 前記加熱調理が炒め調理、鉄板焼き、グリル調理から選ばれる1種である、[8]に記載の製造方法。
[10] [1]乃至[7]に記載の黒色物質発生低減剤を含有する油脂組成物で食材を加熱調理することを特徴とする、加熱調理食品の黒色物質付着低減方法。
[11] 前記加熱調理食品が炒め物、鉄板焼き、グリル調理品から選ばれる1種である、[10]に記載の黒色物質付着低減方法。
[12] レシチンを含む加熱調理用油脂組成物の黒色物質発生低減剤含有油脂の製造方法であって、油脂、レシチン及び以下の乳化剤(A)を混合する工程を含む、黒色物質発生低減剤含有油脂の製造方法。
乳化剤(A):グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種または2種以上
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レシチン由来の黒色物質の付着が無く、外観に優れた加熱調理食品を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の黒色物質発生低減剤、黒色物質発生低減剤含有油脂組成物の製造方法および黒色物質発生低減方法の実施の形態を説明する。以降の説明において、数値範囲の上限値および下限値を示した時には、上限値及び下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示しているものとする。
【0010】
なお、本発明の黒色物質発生低減剤、黒色物質発生低減剤含有油脂組成部の製造方法および黒色物質発生低減方法は、後述の実施形態および実施例に限定するものではなく、発明の特徴および効果を損なわない範囲において、種々の変更が可能である。
また、本発明における黒色物質とは、レシチンを含む油脂組成物を加熱することによって生じる、レシチン由来の小さな顆粒状またはペースト状の黒色の凝集物のことである。
(【0011】以降は省略されています)

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