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公開番号2025103115
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220231
出願日2023-12-27
発明の名称スラスト軸受用樹脂シート及びその製造方法
出願人信越ポリマー株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250702BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 耐熱性や耐久性を向上させたり、回転軸の荷重を支えることができ、成形後の熱処理作業を省略することのできる安価なスラスト軸受用樹脂シート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 アクチュエータであるモータ1の回転軸2の下端部3をスラスト軸受6の受け板として摺接可能に支持するスラスト軸受用樹脂フィルム7であり、少なくとも結晶性熱可塑性ポリイミド樹脂を含有した成形材料9により溶融押出成形され、23℃におけるテーパー摩耗量がJIS K7204に準拠して測定された場合に1mg以上50mg以下である。ポリアセタール樹脂やポリアミドイミド樹脂ではなく、結晶性熱可塑性ポリイミド樹脂によりスラスト軸受用樹脂フィルム7を成形するので、優れた耐摩耗特性、強靭性、耐熱性、耐溶剤性、寸法安定性、低吸水性、難燃性、電気絶縁性、リサイクル性、機械的性質等を得ることができる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
アクチュエータの回転軸の端部を摺接可能に支持するスラスト軸受用樹脂シートであって、
少なくとも結晶性熱可塑性ポリイミド樹脂を含有した成形材料により成形され、23℃におけるテーパー摩耗量がJIS K7204に準拠して測定された場合に1mg以上50mg以下であることを特徴とするスラスト軸受用樹脂シート。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
23℃における引張最大強度がJIS K7127に準拠して測定された場合に50MPa以上250MPa以下、23℃における引張破断時伸びがJIS K7127に準拠して測定された場合に100%以上500%以下である請求項1記載のスラスト軸受用樹脂シート。
【請求項3】
耐熱性が250℃における貯蔵弾性率で測定された場合に1×10

Pa以上1×10
10
Pa以下、23℃における引張弾性率がJIS K7127に準拠して測定された場合に2000MPa以上2700MPa以下である請求項1又は2記載のスラスト軸受用樹脂シート。
【請求項4】
アクチュエータは、モータからなり、このモータの回転軸がラジアル軸受に貫通支持され、回転軸の周面とラジアル軸受の内径面のいずれかに溝が周方向に切り欠かれており、ラジアル軸受から突出した回転軸の端部がスラスト軸受に摺接可能に支持される請求項1又は2記載のスラスト軸受用樹脂シート。
【請求項5】
請求項1又は2記載のスラスト軸受用樹脂シートの製造方法であって、少なくとも結晶性熱可塑性ポリイミド樹脂を含有した成形材料を溶融混練し、この成形材料をダイスから略帯形に押し出し、この押し出された成形材料を冷却ロールに接触させてスラスト軸受用樹脂シートを形成することを特徴とするスラスト軸受用樹脂シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータや携帯電話からなる情報機器、コピー機やプリンターからなる事務機器、オーディオやデジタル多用途(多目的)ディスクからなるマルチメディア用機器、家電製品、冷却ファンからなる空調機器等に使用されるスラスト軸受用樹脂シート及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、情報機器、事務機器、マルチメディア機器等の性能向上に伴い、これらに使用される小型モータには10,000回転を越える高速回転性が求められているが、この要望を踏まえ、高速回転に耐え得る高速小型モータの各種材料や構造が開発されている。この10,000回転を越える高速小型モータは、硬度の高い金属により回転軸が形成され、スラスト軸受の受け板には、回転軸と接する面に摩耗量の少ない摺動特性に資する金属が使用されている。
【0003】
しかしながら、スラスト軸受の受け板にステンレス鋼や鉄等の金属が使用される場合には、重量が増加するし、高精度の加工を施すときに手間がかかり、コストが嵩むという問題が生じる。また、高速小型モータの回転軸と受け板が共に硬度の高い金属のときには、摺接により摩耗が生じ、耐久性の点で問題が生じる。以上から、スラスト軸受の受け板に金属を使用する高速小型モータの設計は、問題点が少なくない。
【0004】
そこで、高速小型モータの回転軸と接するスラスト軸受の受け板に、摩耗量の少ない優れた摺動特性の樹脂を使用する方法が提案されている。例えば、(1)モータの回転軸に接触する表面の平滑性が、中心線平均粗さ(Ra)において5~1000μmであるポリアセタール樹脂で形成されたスラスト軸受(特許文献1参照)、(2)モータの回転軸に接触する表面の平滑性が、中心線平均粗さ(Ra)において5~1000μmであるポリアミドイミド樹脂で形成されたスラスト軸受(特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-52909号公報
特開2004-60692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、(1)のスラスト軸受にポリアセタール樹脂を使用する場合には、ポリアセタール樹脂により優れた耐摩耗特性が得られるものの、耐熱性に劣るため、摺動時の摩擦熱により変形、ひび割れ等が発生し、耐久性に問題が生じる。加えて、回転軸の荷重を支えきれないので、スラスト軸受部分に窪みが生じることがある。
【0007】
また、(2)のスラスト軸受にポリアミドイミド樹脂を使用する場合には、ポリアミドイミド樹脂により優れた耐摩耗特性が得られるものの、耐熱性を改良し、かつ残留応力を取り除く目的で成形後に熱処理が必要となる。この熱処理は、高温で長時間継続する必要があるので、得られるスラスト軸受が非常に高価となり、コスト的に問題が生じる。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、耐熱性や耐久性を向上させたり、回転軸の荷重を支えることができ、成形後の熱処理作業を省略することのできる安価なスラスト軸受用樹脂シート及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、鋭意研究した結果、熱可塑性樹脂の中で最も耐摩耗特性、強靭性、耐熱性、耐溶剤性、寸法安定性、低吸水性、難燃性、電気絶縁性、リサイクル性等に優れ、機械的性質にも優れる結晶性熱可塑性ポリイミド樹脂に着目し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、アクチュエータの回転軸の端部を摺接可能に支持するものであって、
少なくとも結晶性熱可塑性ポリイミド樹脂を含有した成形材料により成形され、23℃におけるテーパー摩耗量がJIS K7204に準拠して測定された場合に1mg以上50mg以下であることを特徴としている。
【0010】
なお、23℃における引張最大強度がJIS K7127に準拠して測定された場合に50MPa以上250MPa以下、23℃における引張破断時伸びがJIS K7127に準拠して測定された場合に100%以上500%以下であることが好ましい。
また、耐熱性が250℃における貯蔵弾性率で測定された場合に1×10

Pa以上1×10
10
Pa以下、23℃における引張弾性率がJIS K7127に準拠して測定された場合に2000MPa以上2700MPa以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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