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公開番号2025095823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212132
出願日2023-12-15
発明の名称四輪駆動車両の駆動力制御装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人
主分類B60L 15/20 20060101AFI20250619BHJP(車両一般)
要約【課題】優れたトラクション性能を維持しつつ優れたハンドリング性能も得られる駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】
四輪駆動車両における前輪(21)と後輪(22)の駆動力の比率である前後輪駆動配分を決定する駆動力制御装置(1)であって、前記車両の駆動力指示装置(42)からの入力量と車両速度から、得られる正又は負の規範駆動加速度(XG)を算出し、当該規範駆動加速度(XG)に基づいて、前記規範駆動加速度(XG)に対する前輪と後輪に加わる動荷重比の曲線である動荷重比配分曲線(L1)に従って前記前後輪駆動配分を決定する動荷重比配分制御と、前記動荷重比配分曲線より後輪駆動配分を高めた後輪寄り配分曲線(L2)に従って前記前後輪駆動配分を決定する後輪寄り配分制御と、を切換えて実施する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
四輪駆動車両における前輪と後輪の駆動力の比率である前後輪駆動配分を決定する駆動力制御装置であって、
前記車両の駆動力指示装置からの入力量と車両速度から、得られる正又は負の規範駆動加速度を算出し、当該規範駆動加速度に基づいて、
前記規範駆動加速度に対する前輪と後輪に加わる動荷重比の曲線である動荷重比配分曲線に従って前記前後輪駆動配分を決定する動荷重比配分制御と、
前記動荷重比配分曲線より後輪駆動配分を高めた後輪寄り配分曲線に従って前記前後輪駆動配分を決定する後輪寄り配分制御と、を切換えて実施する、駆動力制御装置。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記動荷重比配分曲線及び前記後輪寄り配分曲線は、相互の間の遷移曲線を除いて、それぞれ、前記規範駆動加速度が高いほど、後輪駆動配分が高くなる曲線である、請求項1に記載の駆動力制御装置。
【請求項3】
前記規範駆動加速度が第一入力量以下のときに、前記後輪寄り配分制御を実施する、請求項1に記載の駆動力制御装置。
【請求項4】
前記第一入力量は、駆動輪が所定の状態の路面とのスリップを起こさない限界の加速を与える規範駆動加速度である、請求項3に記載の駆動力制御装置。
【請求項5】
前記規範駆動加速度が第二入力量以上のときに、前記後輪寄り配分制御を実施する、請求項1に記載の駆動力制御装置。
【請求項6】
前記第二入力量は、駆動輪が所定の状態の路面とのスリップを起こさない限界の減速を与える規範駆動加速度である、請求項5に記載の駆動力制御装置。
【請求項7】
運転者のモード切替操作によって前記第一入力量の値を変更することができる、請求項3に記載の駆動力制御装置。
【請求項8】
運転者のモード切替操作によって前記第二入力量の値を変更することができる、請求項5に記載の駆動力制御装置。
【請求項9】
前記車両の操舵装置の操舵量と車両速度から算出される規範横方向加速度が第三入力量以上のときには、前記後輪寄り配分制御を実施しない、請求項1に記載の駆動力制御装置。
【請求項10】
前記第三入力量は、駆動輪が所定の状態の路面とのスリップを起こさない限界の規範横方向加速度である、請求項9に記載の駆動力制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪駆動車両の駆動力制御装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、四輪駆動車において、車載の加速度計によって前後方向加速度をモニターし、この前後方向加速度に起因するピッチング方向モーメントを考慮した前輪及び後輪に加わる動荷重を算出して、前輪及び後輪それぞれの動荷重に対する駆動力の比率が、タイヤのトラクション限界を超えないように、前後駆動力配分(前後動荷重配分制御)をする駆動力制御装置が知られている(特許文献1)。
さらに旋回時の左右方向加速度をモニターし、この左右方向加速度によって生ずるローリング方向モーメントを考慮した左右のそれぞれの車輪に加わる動荷重を算出し、この動荷重に対する駆動力の比率が大きい方(旋回時の内輪側)の当該比率が、タイヤのトラクション限界を超えないように、前後駆動力配分(内輪動荷重比配分制御)をする駆動力制御装置も知られている(特許文献2)。
また、Gセンサの値より、ヨーレートを計算し前後駆動力配分比をフィードバック制御する技術も知られているが、ヨーレートによるフィードバック制御は制御の応答性が遅いという欠点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-187984
特許第7310703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トラクションベストの前後輪駆動力配分、すなわち、雪上など低μ路の走破性の良好な前後輪駆動力配分は、およそ前輪・後輪約半々と言われている。この駆動力配分を前後に偏らせるにつれて低μ路でのトラクション性能は下がる。
一方、ハンドリング性の観点では、FF車(前輪駆動配分100%)では、アンダーステア(US)気味に、FR車(後輪駆動配分100%)ではオーバーステア(OS)気味になりがちである。トラクションベストの前後輪駆動力配分、すなわち前輪・後輪約半々では、ステアリング特性はUSとOSの中間になるが、加速度に対する旋回半径の線形性(ステアリング特性)は一定でないことから、コーナリング時に、アクセル・ステアリングの微修正の操作が必要となっていた。ステアリング特性が一定となるのは、若干後輪駆動配分が高い領域(ハンドリングベスト領域)であり、この領域で走ると、コーナリング時のアクセル・ステアリングの微修正が不要となる。
このようにトラクションベストの前後輪駆動配分とハンドリングベストの前後輪駆動配分が異なるため、従来の駆動力制御装置では、優れたトラクション性能と優れたハンドリング性能とを必ずしも両立できないという問題があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れたトラクション性能を維持しつつ優れたハンドリング性能も得られる駆動力制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明にかかる駆動力制御装置(1)は、四輪駆動車両における前輪(21)と後輪(22)の駆動力の比率である前後輪駆動配分を決定する駆動力制御装置(1)であって、前記車両の駆動力指示装置(42)からの入力量と車両速度から、得られる正又は負の規範駆動加速度(XG)を算出し、当該規範駆動加速度(XG)に基づいて、前記規範駆動加速度(XG)に対する前輪と後輪に加わる動荷重比の曲線である動荷重比配分曲線(L1)に従って前記前後輪駆動配分を決定する動荷重比配分制御と、前記動荷重比配分曲線より後輪駆動配分を高めた後輪寄り配分曲線(L2)に従って前記前後輪駆動配分を決定する後輪寄り配分制御と、を切換えて実施することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、トラクション性能が良好な動荷重比配分制御を基本としながら、車両の加減速が小さいときは、走行安定性がそもそもよいので、ハンドリング性の良好な後輪寄り配分制御に切り替えられるようにし、オーバー・アンダステアなどの特性を安定させることができる。また、駆動力指示装置(アクセル、ブレーキ等)の指示量から規範駆動加速度(XG)(加速度目標値)を算出し、これに基づき制御するため、実加速度等のみに基づいたフィードバックに比べて応答性が向上する。
【0008】
前記動荷重比配分曲線(L1)及び前記後輪寄り配分曲線(L2)は、相互の間の遷移曲線(L3,L4)を除いて、それぞれ、前記規範駆動加速度(XG)が高いほど、後輪駆動配分が高くなる曲線である、ことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、動荷重比配分曲線は、前後方向加速度に起因するピッチング方向モーメントを考慮した前輪及び後輪に加わる動荷重に対する駆動力の比率が小さくなるので、タイヤのトラクション限界に対する余裕度が大きくなる。また、後輪寄り配分曲線も、後輪駆動配分が高い条件下でも、タイヤのトラクション限界に対する余裕度が比較的大きくなる。
【0010】
前記駆動力制御装置(1)は、前記規範駆動加速度(XG)が第一入力量(XG1)以下のときに、前記後輪寄り配分制御を実施することが好ましく、この第一入力量(XG1)は、駆動輪が所定の状態の路面(ドライ、ウエット、スノー)とのスリップを起こさない限界の加速を与える規範駆動加速度(XG)である、ことが好ましい。
また、前記駆動力制御装置(1)は、前記規範駆動加速度(XG)が第二入力量(XG2)以上のときに、前記後輪寄り配分制御を実施することが好ましく、この第二入力量(XG2)は、駆動輪が所定の状態の路面(ドライ、ウエット、スノー)とのスリップを起こさない限界の減速を与える規範駆動加速度(XG)である、ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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