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公開番号2025139202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038012
出願日2024-03-12
発明の名称マスタシリンダ
出願人個人
代理人個人
主分類B60T 11/22 20060101AFI20250918BHJP(車両一般)
要約【課題】
特別な装置を必要とせず簡易に、ブレーキの効きを早めるとともに、ブレーキ液の真空充填の短時間化を可能にする、マスタシリンダを提供することを目的とする。
【解決手段】
プライマリバイパスポート8のシリンダボディ内周面開口部をプライマリピストン4の進退方向と直交する方向に複数個設けるとともに、セカンダリバイパスポート10のシリンダボディ内周面開口部をセカンダリピストン5の進退方向と直交する方向に複数個設けるか、又はプライマリバイパスポート8のシリンダボディ内周面開口部をプライマリピストン4の進退方向と直交する方向に伸びる長孔形状に設けるとともに、セカンダリバイパスポート10のシリンダボディ内周面開口部をセカンダリピストン5の進退方向と直交する方向に伸びる長孔形状に設ける。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
リヤブレーキ系統及びフロントブレーキ系統と接続する有底略筒状のシリンダボディ(2)と、
ブレーキ液を収容し、前記シリンダボディ(2)に連設するリザーバタンク(3)と、
前記シリンダボディ(2)内の後方側に挿通され進退自在に設けられたプライマリピストン(4)と、
前記シリンダボディ(2)内の前方側に挿通され進退自在に設けられたセカンダリピストン(5)と、
前記プライマリピストン(4)の前方部と前記セカンダリピストン(5)の後方部との間に設けられたプライマリリターンスプリング(6)と、
前記シリンダボディ(2)内先端部と前記セカンダリピストン(5)の前方部との間に設けられたセカンダリリターンスプリング(7)と、
前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するプライマリバイパスポート(8)及びプライマリインレットポート(9)と、
前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するセカンダリバイパスポート(10)及びセカンダリインレットポート(11)と、
前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リヤブレーキ系統と連通するプライマリ送出口(12)と、
前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記フロントブレーキ系統と連通するセカンダリ送出口(13)と、
前記シリンダボディ(2)内周面と前記プライマリピストン(4)の外周面をシールするプライマリ前部ピストンカップ(14)及びプライマリ後部ピストンカップ(15)と、
前記シリンダボディ(2)内周面と前記セカンダリピストン(5)の外周面をシールするセカンダリ前部ピストンカップ(16)及びセカンダリ後部ピストンカップ(17)とを備え、
前記プライマリバイパスポート(8)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するプライマリ開口部(20)と前記リザーバタンク(3)に通ずるプライマリ連通路(21)を備え、前記プライマリ開口部(20)が前記プライマリピストン(4)の進退方向と直交する方向に複数個設けられ、
前記セカンダリバイパスポート(10)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するセカンダリ開口部(22)と前記リザーバタンク(3)に通ずるセカンダリ連通路(23)を備え、前記セカンダリ開口部(22)が前記セカンダリピストン(5)の進退方向と直交する方向に複数個設けられていることを特徴とするマスタシリンダ(1)。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
リヤブレーキ系統及びフロントブレーキ系統と接続する有底略筒状のシリンダボディ(2)と、
ブレーキ液を収容し、前記シリンダボディ(2)に連設するリザーバタンク(3)と、
前記シリンダボディ(2)内の後方側に挿通され進退自在に設けられたプライマリピストン(4)と、
前記シリンダボディ(2)内の前方側に挿通され進退自在に設けられたセカンダリピストン(5)と、
前記プライマリピストン(4)の前方部と前記セカンダリピストン(5)の後方部との間に設けられたプライマリリターンスプリング(6)と、
前記シリンダボディ(2)内先端部と前記セカンダリピストン(5)の前方部との間に設けられたセカンダリリターンスプリング(7)と、
前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するプライマリバイパスポート(8)及びプライマリインレットポート(9)と、
前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するセカンダリバイパスポート(10)及びセカンダリインレットポート(11)と、
前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リヤブレーキ系統と連通するプライマリ送出口(12)と、
前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記フロントブレーキ系統と連通するセカンダリ送出口(13)と、
前記シリンダボディ(2)内周面と前記プライマリピストン(4)の外周面をシールするプライマリ前部ピストンカップ(14)及びプライマリ後部ピストンカップ(15)と、
前記シリンダボディ(2)内周面と前記セカンダリピストン(5)の外周面をシールするセカンダリ前部ピストンカップ(16)及びセカンダリ後部ピストンカップ(17)とを備え、
前記プライマリバイパスポート(8)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するプライマリ開口部(20)と前記リザーバタンク(3)に通ずるプライマリ連通路(21)を備え、前記プライマリ開口部(20)が前記プライマリピストン(4)の進退方向と直交する方向に伸びる長孔形状に設けられ、
前記セカンダリバイパスポート(10)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するセカンダリ開口部(22)と前記リザーバタンク(3)に通ずるセカンダリ連通路(23)を備え、前記セカンダリ開口部(22)が前記セカンダリピストン(5)の進退方向と直交する方向に伸びる長孔形状に設けられていることを特徴とするマスタシリンダ(1)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のブレーキシステムを構成するマスタシリンダに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
概略、自動車の油圧式のブレーキシステムは、ブレーキペダルが踏まれることで、ブレーキペダルのアームに取り付けられたプッシュロッドがマスタシリンダのピストンを押し込み、押し込まれたピストンの前進に伴い、ピストンカップがリザーバタンクと連通するバイパスポートのシリンダボディ内周面開口部を塞いでシリンダ内の油圧を発生させ、その油圧によって各ブレーキ系統を作動させるものである。
【0003】
このような油圧式ブレーキシステムにおいては、バイパスポートのシリンダボディ内周面開口部を早く塞ぐことができればブレーキを早く効かせることが可能となる。そのため、一見、バイパスポートを小さくすることが有効のように思われる。しかし一方で、車両製造時において、ブレーキ液を充填する際には、ブレーキシステム内を真空引きし、空気抜きをした後にブレーキ液を充填している。ここで、バイパスポートのシリンダボディ内周面開口部を小さく設けた場合には、ブレーキ液の真空充填に大きな時間がかかってしまうという問題がある。
【0004】
特許文献1は、マスタシリンダと、前記マスタシリンダに連設するリザーバタンクと、 前記マスタシリンダのシリンダ本体に形成されたシリンダ室に挿通されて前後方向へ進退自在なピストンと、前記シリンダ室の内周に開口して前記リザーバタンクに連通するマスタポートと、前記シリンダ室の内周に配設されて前記マスタポートの軸方向前後を挟んで、前記シリンダ室の内周と前記ピストンの外周との間をシールする一対のカップシールと、前記ピストンに穿設されて前記マスタポートに連通するリリーフポートとを備え、前記ピストンが前記シリンダ室を前方へ移動するに際し、前記リリーフポートが該ピストンの移動に伴い移動方向前方に配設されている前記カップシールに閉塞されて、前記シリンダ室と前記ピストンとで区画された液圧室に貯留されているブレーキ液にブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ装置において、前記リリーフポートが前記ピストンの外周から内周にかけて該ピストンの移動方向の前方から後方へ傾斜されていることを特徴とするマスタシリンダ装置を開示している。
【0005】
特許文献1は、ピストンに穿設されたリリーフポートを傾斜させることで、カップシールの耐久性を向上させようとするものであるが、ブレーキの効きを早め、又は真空充填の時間の長期化を防止するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-066322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、特別な装置を必要とせず簡易に、ブレーキの効きを早めるとともに、ブレーキ液の真空充填の短時間化を可能にする、マスタシリンダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様のマスタシリンダは、リヤブレーキ系統及びフロントブレーキ系統と接続する有底略筒状のシリンダボディ(2)と、ブレーキ液を収容し、前記シリンダボディ(2)に連設するリザーバタンク(3)と、前記シリンダボディ(2)内の後方側に挿通され進退自在に設けられたプライマリピストン(4)と、前記シリンダボディ(2)内の前方側に挿通され進退自在に設けられたセカンダリピストン(5)と、前記プライマリピストン(4)の前方部と前記セカンダリピストン(5)の後方部との間に設けられたプライマリリターンスプリング(6)と、前記シリンダボディ(2)内先端部と前記セカンダリピストン(5)の前方部との間に設けられたセカンダリリターンスプリング(7)と、前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するプライマリバイパスポート(8)及びプライマリインレットポート(9)と、前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するセカンダリバイパスポート(10)及びセカンダリインレットポート(11)と、前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リヤブレーキ系統と連通するプライマリ送出口(12)と、前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記フロントブレーキ系統と連通するセカンダリ送出口(13)と、前記シリンダボディ(2)内周面と前記プライマリピストン(4)の外周面をシールするプライマリ前部ピストンカップ(14)及びプライマリ後部ピストンカップ(15)と、前記シリンダボディ(2)内周面と前記セカンダリピストン(5)の外周面をシールするセカンダリ前部ピストンカップ(16)及びセカンダリ後部ピストンカップ(17)とを備え、前記プライマリバイパスポート(8)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するプライマリ開口部(20)と前記リザーバタンク(3)に通ずるプライマリ連通路(21)を備え、前記プライマリ開口部(20)が前記プライマリピストン(4)の進退方向と直交する方向に複数個設けられ、前記セカンダリバイパスポート(10)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するセカンダリ開口部(22)と前記リザーバタンク(3)に通ずるセカンダリ連通路(23)を備え、前記セカンダリ開口部(22)が前記セカンダリピストン(5)の進退方向と直交する方向に複数個設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様のマスタシリンダは、リヤブレーキ系統及びフロントブレーキ系統と接続する有底略筒状のシリンダボディ(2)と、ブレーキ液を収容し、前記シリンダボディ(2)に連設するリザーバタンク(3)と、前記シリンダボディ(2)内の後方側に挿通され進退自在に設けられたプライマリピストン(4)と、前記シリンダボディ(2)内の前方側に挿通され進退自在に設けられたセカンダリピストン(5)と、前記プライマリピストン(4)の前方部と前記セカンダリピストン(5)の後方部との間に設けられたプライマリリターンスプリング(6)と、前記シリンダボディ(2)内先端部と前記セカンダリピストン(5)の前方部との間に設けられたセカンダリリターンスプリング(7)と、前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するプライマリバイパスポート(8)及びプライマリインレットポート(9)と、前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記リザーバタンク(3)と連通するセカンダリバイパスポート(10)及びセカンダリインレットポート(11)と、前記シリンダボディ(2)の後方側に設けられ、前記リヤブレーキ系統と連通するプライマリ送出口(12)と、前記シリンダボディ(2)の前方側に設けられ、前記フロントブレーキ系統と連通するセカンダリ送出口(13)と、前記シリンダボディ(2)内周面と前記プライマリピストン(4)の外周面をシールするプライマリ前部ピストンカップ(14)及びプライマリ後部ピストンカップ(15)と、前記シリンダボディ(2)内周面と前記セカンダリピストン(5)の外周面をシールするセカンダリ前部ピストンカップ(16)及びセカンダリ後部ピストンカップ(17)とを備え、前記プライマリバイパスポート(8)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するプライマリ開口部(20)と前記リザーバタンク(3)に通ずるプライマリ連通路(21)を備え、前記プライマリ開口部(20)が前記プライマリピストン(4)の進退方向と直交する方向に伸びる長孔形状に設けられ、前記セカンダリバイパスポート(10)が前記シリンダボディ(2)の内周面に開口するセカンダリ開口部(22)と前記リザーバタンク(3)に通ずるセカンダリ連通路(23)を備え、前記セカンダリ開口部(22)が前記セカンダリピストン(5)の進退方向と直交する方向に伸びる長孔形状に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、バイパスポートのシリンダボディ内周面開口部をピストンの進退方向と直交する方向に複数個設けたことから、ブレーキの効きを早めるべく、ピストンが短時間でバイパスポートのシリンダボディ内周面開口部を塞ぐことができるように各バイパスポートのシリンダボディの内周面開口部を小さくしたとしても、複数のバイパスポートのシリンダボディの内周面開口部の合計の面積は小さくならないので、真空充填時間を短縮することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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