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公開番号
2025094788
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2023210540
出願日
2023-12-13
発明の名称
フィルタベント装置
出願人
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人
弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類
G21C
9/004 20060101AFI20250618BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】湿式フィルタとして働く液体のベントガスの放出に伴う揺動を抑制し、ベントガスが通過する不揮発性液体の液層の厚さを確保して、不揮発性液体による有機よう素の捕集量の低下を抑制するフィルタベント装置を提供する。
【解決手段】フィルタベント装置は、ベントガス中の放射性物質をフィルタベント容器1の内部に保持されたスクラビング水6により捕集するスクラビング水処理部6Aと、スクラビング水処理部6Aを通過したベントガス中の放射性物質を不揮発性液体7により捕集する不揮発性液体処理部7Aと、不揮発性液体7の液面を貫通するように設けられており、不揮発性液体7の液面を部分同士に隔てて不揮発性液体7の揺動を抑制する揺動抑制手段10と、原子炉格納容器とフィルタベント容器1とを接続する入口配管と、入口配管に設けられており、原子力発電プラントの通常運転時に閉止され、原子力発電プラントの事故時に開放される入口弁と、を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
原子力発電プラントの原子炉格納容器から排出されるベントガス中の放射性物質を除去するフィルタベント装置であって、
前記ベントガス中の放射性物質をフィルタベント容器の内部に保持されたスクラビング水により捕集するスクラビング水処理部と、
前記フィルタベント容器の内部、または、前記フィルタベント容器とは異なる捕集容器の内部に構成され、前記スクラビング水処理部を通過した前記ベントガス中の放射性物質を不揮発性液体により捕集する不揮発性液体処理部と、
前記不揮発性液体処理部において、前記不揮発性液体の液面を貫通するように設けられており、前記不揮発性液体の液面を部分同士に隔てて前記不揮発性液体の揺動を抑制する揺動抑制手段と、
前記原子炉格納容器と前記フィルタベント容器とを接続して前記ベントガスを前記フィルタベント容器に供給する入口配管と、
前記入口配管に設けられており、前記原子力発電プラントの通常運転時に閉止され、前記原子力発電プラントの事故時に開放される入口弁と、を有するフィルタベント装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタベント装置であって、
前記不揮発性液体は、前記フィルタベント容器の内部に保持されており、且つ、前記スクラビング水処理部を構成する前記スクラビング水から相分離して、前記スクラビング水の上方に前記不揮発性液体処理部としての液層を形成しており、
前記揺動抑制手段は、前記フィルタベント容器の内部に、前記不揮発性液体処理部としての液層を貫通するように設けられており、前記不揮発性液体の液層を部分同士に隔てて前記不揮発性液体の揺動を抑制するフィルタベント装置。
【請求項3】
請求項1に記載のフィルタベント装置であって、
前記不揮発性液体は、前記フィルタベント容器の下流に設けられた捕集容器に保持されて前記捕集容器内にて前記不揮発性液体処理部を構成しており、
前記揺動抑制手段は、前記捕集容器の内部に設けられているフィルタベント装置。
【請求項4】
請求項1に記載のフィルタベント装置であって、
前記揺動抑制手段は、前記液面を部分同士に隔てる形状が、矩形状の複数の仕切を形成する格子状、円形状の複数の仕切を形成する多管状、または、扇状の複数の仕切を形成する放射状であるフィルタベント装置。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルタベント装置であって、
前記揺動抑制手段は、管材の組み合わせによって形成されているフィルタベント装置。
【請求項6】
請求項1に記載のフィルタベント装置であって、
前記不揮発性液体の液面に向かう気泡を細分化させると共に整流させる多孔が形成された気泡整流手段を有するフィルタベント装置。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルタベント装置であって、
前記不揮発性液体は、前記フィルタベント容器の内部に保持されており、
前記揺動抑制手段は、前記フィルタベント容器の内部に設けられており、
前記気泡整流手段は、前記フィルタベント容器の内部における前記揺動抑制手段の下方に設けられているフィルタベント装置。
【請求項8】
請求項6に記載のフィルタベント装置であって、
前記不揮発性液体は、前記フィルタベント容器の下流に設けられた捕集容器に保持されており、
前記揺動抑制手段は、前記捕集容器の内部に設けられており、
前記気泡整流手段は、前記捕集容器の内部における前記揺動抑制手段の下方に設けられているフィルタベント装置。
【請求項9】
請求項6に記載のフィルタベント装置であって、
前記気泡整流手段は、パンチングメタルによって形成されているフィルタベント装置。
【請求項10】
請求項1に記載のフィルタベント装置であって、
前記不揮発性液体は、前記フィルタベント容器の下流に設けられた捕集容器に保持されており、
前記捕集容器は、横置き型の容器であり、鉛直方向の幅が水平方向の幅よりも短く設けられた内槽に前記不揮発性液体を保持しているフィルタベント装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラントの重大事故時に、原子炉格納容器からベントガスを排出する必要が生じたときに、ベントガス中の放射性物質を除去するフィルタベント装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントには、ベント時の放射性物質の放出を抑制するために、フィルタベントシステムの設置が進められてきている。原子炉の異常時や事故時には、原子炉格納容器の内部が高圧になり、原子炉格納容器が破損するおそれがある、そのため、原子炉格納容器の内部の圧力を下げる措置として、原子炉格納容器の内部のガスを排出するベントが行われる。原子炉格納容器から排出されるベントガスは、湿式フィルタを用いるフィルタベント容器に通され、主要な放射性物質を除去されてから環境中に放出される。
【0003】
ベントガスに含まれる放射性物質としては、希ガス、エアロゾル、無機よう素、有機よう素等がある。一般的なフィルタベント容器は、湿式フィルタとして働くスクラビング水を保持している。スクラビング水は、主にベントガス中のエアロゾルや無機よう素を捕集する。ベントガスは、スクラビング水に通された後に、金属フィルタや吸着材による処理を受ける。金属フィルタは、ベントガス中に残存するエアロゾルを捕集する。吸着材は、主にベントガス中の有機よう素を捕集する。
【0004】
有機よう素を捕集する吸着材としては、銀ゼオライトなどがある。しかし、吸着材は、水分の付着によって吸着力が低下するため、吸着材の使用量を抑制する観点等からは、ベントガス中の水分をできるだけ除去することが望まれる。吸着材を収容した乾式フィルタの容器に水分を除去する機構を設置する方法もあるが、緊急時に無動力で作動する湿分除去システムの構築は容易ではない。また、吸着容量を大容量化すると、乾式フィルタの容器の設置場所が限定されるという問題を生じる。
【0005】
このような問題に対し、ベントガス中の有機よう素を捕集する手段として、吸着材に代えて、イオン液体等の不揮発性液体を用いることが検討されている。特許文献1には、有機よう素を捕集することが可能な不揮発性液体をスクラビング水と共に用いる技術が記載されている。特許文献1には、不揮発性液体が、スクラビング水と混合せず、スクラビング水の上方に液層を形成する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-223535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フィルタベント容器の底部には、ベントガスを容器内に放出するノズルが備えられる。ベントガスは、フィルタベント容器に溜められた湿式フィルタとして働く液体中にバブリングされた状態で放出される。ベントガスが液体中に放出されると、ノズルからの噴出流や、気泡の破壊や合体等による乱流化等によって、不揮発性液体が揺動する場合がある。
【0008】
不揮発性液体による有機よう素の捕集量は、不揮発性液体とベントガスとの接触時間に左右される。不揮発性液体中におけるベントガスの移動距離が長いほど、接触時間が長くなり、有機よう素の捕集量が増加する傾向がある。しかし、不揮発性液体が揺動すると、ベントガスが通過する不揮発性液体の厚さが変動する。厚さが一時的に薄くなった領域では、不揮発性液体とベントガスとの接触時間が短くなるため、不揮発性液体による有機よう素の捕集量が低下するという問題を生じる。
【0009】
特許文献1には、フィルタベント容器の内部で、スクラビング水と不揮発性液体とが互いに相分離した状態で存在することが記載されている。不揮発性液体の揺動による有機よう素の捕集量の低下は、不揮発性液体がスクラビング水の上方に上層を形成している場合の他に、容器内で不揮発性液体が単独で用いられる場合にも生じ得る。
【0010】
特許文献1には、フィルタベント容器の内部に、不揮発性液体とベントガスとの接触時間を増加させるための流路絞り板を備えることが記載されている。しかし、この流路絞り板は、不揮発性液体部分の水路長を長くするというものである。原子炉格納容器の内部からは、多量のベントガスが排出されることも想定される。ベントガスが通過する流路の断面積を確保しながらも、不揮発性液体とベントガスとの接触時間を確保できるフィルタベントシステムが望まれている。
(【0011】以降は省略されています)
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