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公開番号2025093610
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209362
出願日2023-12-12
発明の名称基板ホルダ、基板保持方法及び成膜装置
出願人株式会社レゾナック・ハードディスク
代理人弁理士法人ITOH
主分類C23C 14/50 20060101AFI20250617BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】基板の落下を防止すると共に、基板の変形又は破損と擦過痕の発生を抑制する。
【解決手段】基板ホルダ10は、円盤状基板9が縦置きに配置される孔部12と孔部の周囲に弾性変形可能に取り付けられた少なくとも4つの支持部材13のうちの2つの支持部材は、鉛直方向で円盤状基板9の上側に位置する第1側外周端部14及び第2側外周端部15で円盤状基板9を支持し、他の2つの支持部材は鉛直方向で円盤状基板9の下側に位置する第3側外周端部16及び第4側外周端部17で円盤状基板9を支持し、第1側外周端部14及び第2側外周端部15の各々と、鉛直方向で円盤状基板9の最も上側に位置する最上端部18との間における円盤状基板の中心角は30°~65°で、第3側外周端部16及び第4側外周端部17の各々と、鉛直方向で円盤状基板9の最も下側に位置する円盤状基板の最下端部19との間における円盤状基板の中心角は10°~20°である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
円盤状基板が縦置きに配置される孔部と、
前記孔部の周囲に弾性変形可能に取り付けられた少なくとも4つの支持部材と、
を備え、
前記4つの支持部材のうちの2つの第1支持部材は、鉛直方向で前記円盤状基板の上側に位置する前記円盤状基板の第1側外周端部及び第2側外周端部で前記円盤状基板を支持し、
前記4つの支持部材のうちの他の2つの第2支持部材は、鉛直方向で前記円盤状基板の下側に位置する前記円盤状基板の第3側外周端部及び第4側外周端部で前記円盤状基板を支持し、
前記第1側外周端部及び前記第2側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も上側に位置する前記円盤状基板の最上端部との間における前記円盤状基板の中心角は、30°~65°であり、
前記第3側外周端部及び前記第4側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も下側に位置する前記円盤状基板の最下端部との間における前記円盤状基板の中心角は、10°~20°である、基板ホルダ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1側外周端部及び前記第2側外周端部の各々と、前記円盤状基板の前記最上端部との間における前記円盤状基板の中心角の範囲と、
前記第3側外周端部及び前記第4側外周端部の各々と、前記円盤状基板の前記最下端部との間における前記円盤状基板の中心角の範囲と、
を除いた前記円盤状基板の箇所では、前記支持部材は前記円盤状基板を支持しない、請求項1に記載の基板ホルダ。
【請求項3】
前記第1支持部材は、
前記孔部の周囲に形成された隙間内に配置されるコイルバネと、
前記隙間で前記コイルバネと連結され、前記隙間から前記孔部の内側に向かって突出した板バネ部材と、
を有する、請求項1に記載の基板ホルダ。
【請求項4】
前記コイルバネのバネ定数は、0.2N/mm~8.0N/mmである、請求項3に記載の基板ホルダ。
【請求項5】
前記第2支持部材は、L字状に折り曲げられた形状を有し、
前記第2支持部材のバネ定数は、0.2N/mm~8.0N/mmである、請求項1に記載の基板ホルダ。
【請求項6】
基板ホルダによる基板保持方法であって、
前記基板ホルダが、
円盤状基板が縦置きに配置される孔部の周囲に弾性変形可能に取り付けられた少なくとも4つの支持部材のうちの2つの支持部材により、鉛直方向で前記円盤状基板の上側に位置する前記円盤状基板の第1側外周端部及び第2側外周端部で前記円盤状基板を支持する工程と、
前記4つの支持部材のうちの他の2つの支持部材により、鉛直方向で前記円盤状基板の下側に位置する前記円盤状基板の第3側外周端部及び第4側外周端部で前記円盤状基板を支持する工程と、
を含み、
前記第1側外周端部及び前記第2側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も上側に位置する前記円盤状基板の最上端部との間における前記円盤状基板の中心角を、30°~65°とし、
前記第3側外周端部及び前記第4側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も下側に位置する前記円盤状基板の最下端部との間における前記円盤状基板の中心角を、10°~20°とする、基板保持方法。
【請求項7】
円盤状基板に対して成膜処理を行うチャンバと、
少なくとも前記チャンバ内で前記円盤状基板を保持する請求項1又は2に記載の基板ホルダが設けられたキャリアと、
前記キャリアを搬送する搬送機構と、
を備える、成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基板ホルダ、基板保持方法及び成膜装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、基板の成膜装置では、基板を複数の支持部材により保持する基板ホルダが用いられている。このような基板ホルダを用いた成膜装置として、例えば、特許文献1には、二枚の基板の板面を搬送方向の側方に向けて基板を保持するキャリアを、多角形状の搬送路に沿って配置された複数の真空室に搬送系によって順次搬送し、成膜処理室を構成する真空室に配置された処理手段によって連続的に成膜処理を施すインライン式成膜装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、基板ホルダー本体の開口部の内周から開口部内に向けて突出して形成され、絶縁性基板の一端部を支持する挟持部材を備える第1の支持部材と、絶縁性基板の他の端部を支持する狭持部材を備え、開口部内に向けて突出又は開口部内から退避するように移動可能な第2の支持部材とを有し、一対の第1の支持部材及び第2の支持部材で絶縁性基板を保持する基板ホルダを備えた成膜装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-274142号公報
特開2009-277343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2などの成膜装置において、生産性を高めるために基板の搬送速度を上げた場合、搬送中の振動又は基板に加わる加速度により基板が落下しやすくなる虜があった。また、特許文献1のキャリア及び特許文献2の基板ホルダのように、基板の落下を防止するために支持部材による基板の支持力を高めると、基板の変形又は破損が生じやすくなる虜があった。
【0006】
また、基板の面方向から観察すると変形(塑性変形した凹み。すなわち、デント。)は見られないが、厚さ方向から観察すると、基板に擦過痕が発生する場合があった。この擦過痕の発生は、記録媒体を製造する成膜工程において、ダストの発生原因となり、基板ホルダの支持部材から基板にバイアス電圧を印可する際に印加電圧が不安定になる。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、基板の落下を抑制すると共に、基板の変形又は破損と擦過痕の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下に示す構成を備える。
(1) 円盤状基板が縦置きに配置される孔部と、
前記孔部の周囲に弾性変形可能に取り付けられた少なくとも4つの支持部材と、
を備え、
前記4つの支持部材のうちの2つの第1支持部材は、鉛直方向で前記円盤状基板の上側に位置する前記円盤状基板の第1側外周端部及び第2側外周端部で前記円盤状基板を支持し、
前記4つの支持部材のうちの他の2つの第2支持部材は、鉛直方向で前記円盤状基板の下側に位置する前記円盤状基板の第3側外周端部及び第4側外周端部で前記円盤状基板を支持し、
前記第1側外周端部及び前記第2側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も上側に位置する前記円盤状基板の最上端部との間における前記円盤状基板の中心角は、30°~65°であり、
前記第3側外周端部及び前記第4側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も下側に位置する前記円盤状基板の最下端部との間における前記円盤状基板の中心角は、10°~20°である、基板ホルダ。
(2) 前記第1側外周端部及び前記第2側外周端部の各々と、前記円盤状基板の前記最上端部との間における前記円盤状基板の中心角の範囲と、
前記第3側外周端部及び前記第4側外周端部の各々と、前記円盤状基板の前記最下端部との間における前記円盤状基板の中心角の範囲と、
を除いた前記円盤状基板の箇所では、前記支持部材は前記円盤状基板を支持しない、(1)に記載の基板ホルダ。
(3) 前記第1支持部材は、
前記孔部の周囲に形成された隙間内に配置されるコイルバネと、
前記隙間で前記コイルバネと連結され、前記隙間から前記孔部の内側に向かって突出した板バネ部材と、
を有する、(1)又は(2)に記載の基板ホルダ。
(4) 前記コイルバネのバネ定数は、0.2N/mm~8.0N/mmである、(3)に記載の基板ホルダ。
(5) 前記第2支持部材は、L字状に折り曲げられた形状を有し、
前記第2支持部材のバネ定数は、0.2N/mm~8.0N/mmである、(1)~(4)のいずれか一つに記載の基板ホルダ。
(6) 基板ホルダによる基板保持方法であって、
前記基板ホルダが、
円盤状基板が縦置きに配置される孔部の周囲に弾性変形可能に取り付けられた少なくとも4つの支持部材のうちの2つの支持部材により、鉛直方向で前記円盤状基板の上側に位置する前記円盤状基板の第1側外周端部及び第2側外周端部で前記円盤状基板を支持する工程と、
前記4つの支持部材のうちの他の2つの支持部材により、鉛直方向で前記円盤状基板の下側に位置する前記円盤状基板の第3側外周端部及び第4側外周端部で前記円盤状基板を支持する工程と、
を含み、
前記第1側外周端部及び前記第2側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も上側に位置する前記円盤状基板の最上端部との間における前記円盤状基板の中心角を、30°~65°とし、
前記第3側外周端部及び前記第4側外周端部の各々と、鉛直方向で前記円盤状基板の最も下側に位置する前記円盤状基板の最下端部との間における前記円盤状基板の中心角を、10°~20°とする、基板保持方法。
(7) 円盤状基板に対して成膜処理を行うチャンバと、
少なくとも前記チャンバ内で前記円盤状基板を保持する(1)又は(2)に記載の基板ホルダが設けられたキャリアと、
前記キャリアを搬送する搬送機構と、
を備える、成膜装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、基板の落下を抑制すると共に、基板の変形又は破損と擦過痕の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る成膜装置により製造される記録媒体の一例を示す断面図である。
一実施形態に係る成膜装置の平面図である。
一実施形態に係る成膜装置におけるチャンバの側断面図である。
一実施形態に係る成膜装置におけるキャリアの側面図である。
従来技術により基板に生じた変形の一例を示す顕微鏡画像(図面代用写真)である。
実施例1及び比較例1の基板ホルダで保持して搬送した円盤状基板を厚さ方向から観察した顕微鏡の画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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