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公開番号2025092792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-20
出願番号2023208114
出願日2023-12-10
発明の名称生分解性ポリマー複合組織再建材
出願人個人
代理人
主分類A61L 27/18 20060101AFI20250613BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】組織再建に関わり、組織親和性、組織伝導性、機械的性質に優れる医用組織再建材、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】生分解性ポリマーと鱗片状構造、針状構造、溝状構造、線状凹部構造のいずれかを呈するリン酸カルシウム、及び/又は、バテライトを含む炭酸カルシウムとの複合体であって、特定条件を満足する複合体を提供する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
生分解性ポリマーと、鱗片状構造、針状構造、溝状構造、線状凹部構造のいずれかを表面の少なくとも一部に呈するリン酸カルシウム、及び/又は、バテライトを含む炭酸カルシウムからなる特定セラミックスと、を含む複合体であって、下記(A1)~(A3)のいずれかと、(B)~(J)のいずれかとを満足する医用組織再建材。
(A1)複合体表面において、面積が3.1×10
-12
m
2
以上の特定セラミックスが露出している。
(A2)特定セラミックスの一部が、生分解性ポリマーに埋没しており、切削、及び/又は、研磨された特定セラミックスが複合体表面に露出している。
(A3)体積平均径が1μm以上500μm以下の特定セラミックスである特定粒子を備え、該特定粒子は、生分解性ポリマーに被覆されており、複合体表面と特定粒子との最短距離が10μm以下である。
(B)前記複合体が、30質量%以上93質量%以下の特定セラミックスを含み、気孔率が50%以上であって、気孔の長径が2μm以上20μm以下である小気孔、及び/又は、気孔の長径が30μm以上1000μm以下である大気孔を備えるスポンジ構造体である。
(C)前記複合体が、体積が1.0×10
-13
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスである特定顆粒、体積が1.4×10
-11
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスであって、一方向に延びる一つ若しくは複数の連通孔を備えるハニカム構造体、並びに、体積が1.4×10
-11
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスであって、複数の方向に延びる複数の連通孔を備える多孔体から選ばれる少なくとも1つを10質量%以上備え、気孔率が50%以上のスポンジ構造体である。
(D)前記複合体が、硬化してリン酸カルシウム、及び/又は、硫酸カルシウム二水和物を形成する硬化性組成物、若しくは、該硬化性組成物の部分硬化組成物を気孔部に備える硬化性スポンジ構造体である。
(E)前記複合体が、梁部表面の30%以上が厚さ20μm以上の特定セラミックスによって被覆されており、気孔率が30%以上のスポンジ構造体である。
(F)前記複合体が、少なくとも片面が特定セラミックスで被覆されている板状、若しくは、膜状のスポンジ構造体である。
(G)前記複合体が、一方向に延びる、一つ若しくは複数の、連通孔を備える特定セラミックスのハニカム構造体、若しくは、複数の方向に延びる複数の連通孔を備える特定セラミックスの連通構造体の連通孔を、気孔率が10%以上の生分解性ポリマースポンジ構造体が貫通している構造である。
(H)前記複合体は、生分解性ポリマーの少なくとも一部の表面に生分解性ポリ
マー及び特定セラミックスとからなる複合層を備え、
該複合層表面において、露出した特定セラミックス同士間に形成される溝の深さが100μm以下である。
(I)前記複合体が、生分解性ポリマーの少なくとも一部の表面に、生分解性ポリマーと体積平均径が1μm以上500μm以下の特定セラミックスである特定粒子とからなる複合層を備え、生分解性ポリマーの中央部の配向度が、前記複合層の生分解性ポリマーの配向度より大きい。
(J)前記複合体が、生分解性ポリマーと、体積平均径が1μm以上500μm以下の特
定セラミックスである特定粒子との複合層を表面に備え、複合層において露出している生分解性ポリマーの少なくとも一部は金属イオン、及び/又は、アンモニウムイオンと結合している。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記医用組織再建材が、下記(K)~(M)のいずれかを満たすこと特徴とする請求項1に記載の医用組織再建材。
(K)前記特定セラミックスにおいて、リン酸カルシウムが、2質量%以上の炭酸基を含む炭酸アパタイトである。
(L)前記特定粒子において、複合体表面への投射像の面積を、最小外接円面積で除した値が0.8以上である、及び/又は、中空部を備える特定粒子の重量を、全特定粒子の重量で除した値が0.3以上である。
(M)前記生分解性ポリマーが、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ラクチド、ジオキサノン、ジオキサン、グリセロールセバシン酸、リンゴ酸、及びヒドロキシカルボン酸の群から選ばれる化合物の重合体、若しくは、共重合体である、若しくは、前記生分解性ポリマーが、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、及びラミニンの群から選ばれる一つを含む。
【請求項3】
前記複合体が、凍結乾燥を含む工程で製造された多孔体、若しくは、比表面積が0.2m
2
/g以上の多孔体であることを特徴とする請求項1若しくは2のいずれかに記載の医用組織再建材。
【請求項4】
請求項1若しくは2記載の医用組織再建材を製造する方法であって、
下記(O)~(T)のいずれかの工程を含むことを特徴とする医用組織再建材の製造方法。
(O)特定粒子、特定顆粒、長径が300μm以上1000μm以下である気孔形成材、一方向に延びる一つ若しくは複数の連通孔を備える特定セラミックス、及び、複数の方向に延びる複数の連通孔を備える特定セラミックスから選ばれる材料を、
生分解性ポリマー溶液に懸濁若しくは分散、若しくは、生分解性ポリマー溶液と前記特定粒子との懸濁液を前記連通孔に導入し、その後、乾燥、若しくは、凍結乾燥、及び/又は、架橋処理する工程。
(P)特定粒子を懸濁させた生分解性ポリマー懸濁液を、
一方向に延びる一つ若しくは複数の梁を備える容器、若しくは、複数の方向に延びる複数の梁を備える容器に入れ、その後で乾燥する工程、若しくは、
押出し成形機で、一方向に延びる一つ若しくは複数の連通孔を備える構造に押出した後に、乾燥、若しくは、凍結乾燥する工程。
(Q)気孔率が50%以上のスポンジ構造体の気孔中に、硬化してリン酸カルシウム、及び/又は、硫酸カルシウム二水和物を形成する硬化性組成物を付与する工程、並びに、必要に応じて硬化性組成物を部分硬化させる工程。
(R)スポンジ構造体の梁部表面に水酸化カルシウムペーストを、スポンジ構造を担保できるように付与する工程、若しくは、スポンジ構造体の少なくとも片面の気孔に、水酸化カルシウムペーストを付与する工程、並びに、
その後に、水、及び/又は、有機溶媒を含む二酸化炭素に暴露する工程。
(S)特定粒子を含む生分解性ポリマーの懸濁液を、生分解性ポリマー表面に塗布し、その後に、溶媒を除去する工程、並びに、該工程の後で、必要に応じて、特定粒子を分解性ポリマー表面に暴露させる工程。
(T)生分解性ポリマーと特定セラミックスとを含む複合体を、溶媒、若しくは、溶液に暴露し、特定セラミックス近傍の生分解性ポリマーを溶解して、特定セラミックスを表面に暴露する工程、
若しくは、生分解性ポリマーと、バテライトを含む炭酸カルシウムからなる特定セラミックスとを含む複合体を、リン酸塩溶液に暴露し、バテライトを含む炭酸カルシウム近傍の生分解性ポリマーを溶解して、バテライトを含む炭酸カルシウムを複合体表面に暴露するとともに、バテライトを含む炭酸カルシウムを炭酸アパタイトに組成変換させる工程。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内に埋入する医用材料に関する。具体的には、組織再建に関わり、骨補填材、遮断膜、スポンジ、プレート、スクリュー、神経再生チューブ、縫合糸などに係る医用組織再建材およびその製造方法に関する。これらの医用組織再建材は、特に骨再建、軟組織再建や神経再生に有用である。
続きを表示(約 5,800 文字)【背景技術】
【0002】
コラーゲン、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などに代表される生分解性ポリマーは、柔軟性に富み、生体内で分解あるいは溶解され、生体内で重篤な問題を惹起せずに吸収されるため、医用組織再建材としての利用が進んでいる。しかしながら、これらの生分解性ポリマーの組織親和性等は十分ではない。
一方、アパタイトに代表されるリン酸カルシウム等には生体内で吸収されるものがあり、かつ、リン酸カルシウムや炭酸カルシウムは組織親和性や組織伝導性に優れるが、脆性材料である。そのため、両者の複合化が提案されている。
特許文献1ではポリ乳酸とハイドロキシアパタイト等の複合体からなる骨接合ピンやスクリューなど、特許文献2ではフォーム状連通多孔体など、特許文献3ではコラーゲンとハイドロキシアパタイト等の複合体が開示されているが、組織親和性や組織伝導性が十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭63-68155号公報
特開平10-52485号公報
特開平11-199209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、組織親和性、組織伝導性、機械的性質に優れる医用材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、生分解性ポリマーと鱗片状構造、針状構造、溝状構造、線状凹部構造のいずれかを呈するリン酸カルシウム、及び/又は、バテライトを含む炭酸カルシウムとの複合体であって、特定条件を満たす場合に、該複合体が、組織親和性、組織伝導性、機械的性質に優れる医用組織再建材であること、また、特定の製造方法が該複合体の製造に有用であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。(以下、下記[1]~[4]の発明を、本発明[1]~[4]ということがある。)
[1]
生分解性ポリマーと、鱗片状構造、針状構造、溝状構造、線状凹部構造のいずれかを表面の少なくとも一部に呈するリン酸カルシウム、及び/又は、バテライトを含む炭酸カルシウムからなる特定セラミックスと、を含む複合体であって、下記(A1)~(A3)のいずれかと、(B)~(J)のいずれかとを満足する医用組織再建材。
(A1)複合体表面において、面積が3.1×10
-12
m
2
以上の特定セラミックスが露出している。
(A2)特定セラミックスの一部が、生分解性ポリマーに埋没しており、切削、及び/又は、研磨された特定セラミックスが複合体表面に露出している。
(A3)体積平均径が1μm以上500μm以下の特定セラミックスである特定粒子を備え、該特定粒子は、生分解性ポリマーに被覆されており、複合体表面と特定粒子との最短距離が10μm以下である。
(B)前記複合体が、30質量%以上93質量%以下の特定セラミックスを含み、気孔率が50%以上であって、気孔の長径が2μm以上20μm以下である小気孔、及び/又は、気孔の長径が30μm以上1000μm以下である大気孔を備えるスポンジ構造体である。
(C)前記複合体が、体積が1.0×10
-13
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスである特定顆粒、体積が1.4×10
-11
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスであって、一方向に延びる一つ若しくは複数の連通孔を備えるハニカム構造体、並びに、体積が1.4×10
-11
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスであって、複数の方向に延びる複数の連通孔を備える多孔体から選ばれる少なくとも1つを10質量%以上備え、気孔率が50%以上のスポンジ構造体である。
(D)前記複合体が、硬化してリン酸カルシウム、及び/又は、硫酸カルシウム二水和物を形成する硬化性組成物、若しくは、該硬化性組成物の部分硬化組成物を気孔部に備える硬化性スポンジ構造体である。
(E)前記複合体が、梁部表面の30%以上が厚さ20μm以上の特定セラミックスによって被覆されており、気孔率が30%以上のスポンジ構造体である。
(F)前記複合体が、少なくとも片面が特定セラミックスで被覆されている板状、若しくは、膜状のスポンジ構造体である。
(G)前記複合体が、一方向に延びる、一つ若しくは複数の、連通孔を備える特定セラミックスのハニカム構造体、若しくは、複数の方向に延びる複数の連通孔を備える特定セラミックスの連通構造体の連通孔を、気孔率が10%以上の生分解性ポリマースポンジ構造体が貫通している構造である。
(H)前記複合体は、生分解性ポリマーの少なくとも一部の表面に生分解性ポリ
マー及び特定セラミックスとからなる複合層を備え、
該複合層表面において、露出した特定セラミックス同士間に形成される溝の深さが100μm以下である。
(I)前記複合体が、生分解性ポリマーの少なくとも一部の表面に、生分解性ポリマーと体積平均径が1μm以上500μm以下の特定セラミックスである特定粒子とからなる複合層を備え、生分解性ポリマーの中央部の配向度が、前記複合層の生分解性ポリマーの配向度より大きい。
(J)前記複合体が、生分解性ポリマーと、体積平均径が1μm以上500μm以下の特
定セラミックスである特定粒子との複合層を表面に備え、複合層において露出している生分解性ポリマーの少なくとも一部は金属イオン、及び/又は、アンモニウムイオンと結合している。
[2]
前記医用組織再建材が、下記(K)~(M)のいずれかを満たすこと特徴とする[1]に記載の医用組織再建材。
(K)前記特定セラミックスにおいて、リン酸カルシウムが、2質量%以上の炭酸基を含む炭酸アパタイトである。
(L)前記特定粒子において、複合体表面への投射像の面積を、最小外接円面積で除した値が0.8以上である、及び/又は、中空部を備える特定粒子の重量を、全特定粒子の重量で除した値が0.3以上である。
(M)前記生分解性ポリマーが、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ラクチド、ジオキサノン、ジオキサン、グリセロールセバシン酸、リンゴ酸、及びヒドロキシカルボン酸の群から選ばれる化合物の重合体、若しくは、共重合体である、若しくは、前記生分解性ポリマーが、コラーゲン、ゼラチン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブロネクチン、ビトロネクチン、及びラミニンの群から選ばれる一つを含む。
[3]
前記複合体が、凍結乾燥を含む工程で製造された多孔体、若しくは、比表面積が0.2m
2
/g以上の多孔体であることを特徴とする[1]若しくは[2]のいずれかに記載の医用組織再建材。
[4]
[1]若しくは[2]記載の医用組織再建材を製造する方法であって、
下記(O)~(T)のいずれかの工程を含むことを特徴とする医用組織再建材の製造方法。
(O)特定粒子、特定顆粒、長径が300μm以上1000μm以下である気孔形成材、一方向に延びる一つ若しくは複数の連通孔を備える特定セラミックス、及び、複数の方向に延びる複数の連通孔を備える特定セラミックスから選ばれる材料を、
生分解性ポリマー溶液に懸濁若しくは分散、若しくは、生分解性ポリマー溶液と前記特定粒子との懸濁液を前記連通孔に導入し、その後、乾燥、若しくは、凍結乾燥、及び/又は、架橋処理する工程。
(P)特定粒子を懸濁させた生分解性ポリマー懸濁液を、
一方向に延びる一つ若しくは複数の梁を備える容器、若しくは、複数の方向に延びる複数の梁を備える容器に入れ、その後で乾燥する工程、若しくは、
押出し成形機で、一方向に延びる一つ若しくは複数の連通孔を備える構造に押出した後に、乾燥、若しくは、凍結乾燥する工程。
(Q)気孔率が50%以上のスポンジ構造体の気孔中に、硬化してリン酸カルシウム、及び/又は、硫酸カルシウム二水和物を形成する硬化性組成物を付与する工程、並びに、必要に応じて硬化性組成物を部分硬化させる工程。
(R)スポンジ構造体の梁部表面に水酸化カルシウムペーストを、スポンジ構造を担保できるように付与する工程、若しくは、スポンジ構造体の少なくとも片面の気孔に、水酸化カルシウムペーストを付与する工程、並びに、
【発明の効果】
【0007】
本発明の生分解性ポリマー複合組織再建材は、組織親和性、組織伝導性、機械的性質に優れる医用組織再建材であり、医療分野、特に骨再生術や軟組織再生術、神経再生術において有用である。また、本発明の製造方法は、該生分解性ポリマー複合組織再建材の製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
生分解性ポリマーに被覆された特定セラミックスを備える複合体の表面方向からの概念図である。
生分解性ポリマーの表面に、生分解性ポリマーと特定セラミックスとからなる複合層を備える複合体の断面概念図である。
a) L-乳酸カプロラクトン共重合体(以下PLACLと言う)に球状バテライト粒子が被覆されているスポンジ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。b) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体の弱拡大走査型電子顕微鏡写真である。c) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体の小気孔周囲の梁部の強拡大走査型電子顕微鏡写真である。d) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体表面の炭酸アパタイトの強拡大走査型電子顕微鏡写真である。e) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体の内部の強拡大走査型電子顕微鏡写真である。f) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体の炭酸アパタイトの強拡大走査型電子顕微鏡写真である。
PLACLに球状バテライト粒子が被覆されているスポンジ構造体の水銀圧入法による細孔分布解析結果である。
a) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体でウサギ脛骨欠損を再建した直後のμ-CT像である。b) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体でウサギ脛骨欠損を再建した埋植4週目のμ-CT像である。c) 炭酸アパタイトが表面に露出しているスポンジ構造体でウサギ脛骨欠損を再建した埋植4週目の病理組織像である。
片面全面が炭酸アパタイトで被覆された板状スポンジ構造体を、大腿骨周辺のウサギ筋肉に圧接し、軟組織から除去しようとした際の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について説明する。
本発明においては、簡単のため、用語を定義している。
「特定セラミックス」とは、鱗片状構造、針状構造、溝状構造、線状凹部構造のいずれかを表面の少なくとも一部に呈するリン酸カルシウム、及び/又は、バテライトを含む炭酸カルシウムである。リン酸カルシウム表面の20%以上に鱗片状構造等の構造を備えることが好ましい。該値は40%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましい。表面全面に鱗片状構造等呈するものが理想的である。
「特定粒子」とは、体積平均径が、1μm以上500μm以下の特定セラミックスである。体積平均径はJIS-Z8819-2:2019で定める値である。測定によって差異が生じる場合は、大塚電子株式会社製のゼータ電位・粒径・分子量測定システムELSZ-2000ZSで測定した値とする。
「特定顆粒」とは、体積が1.0×10
-13
m
3
以上5.0×10
-7
m
3
以下の特定セラミックスである。
「生分解性ポリマー」とは、生体内で分解、吸収されるポリマーであり、生体吸収性ポリマーと呼ばれることもある。ポリ乳酸に代表される合成ポリマーやコラーゲン(アテロコラーゲンを含む)、ゼラチンに代表される天然ポリマーはいずれも生体内で吸収される生分解性ポリマーである。
「複合層」とは、生分解性ポリマーと特定セラミックスが共存する部位である。
「複合層の厚さ」とは、複合層表面の垂直方向において、生分解性ポリマーと特定セラミックスが共存する部位の厚さである。
「篏合層」とは、特定セラミックス表面の鱗片状構造、針状構造、溝状構造のいずれかが生分解性ポリマーと篏合している部位である。
篏合層の厚さとは、鱗片状構造、針状構造、溝状構造のいずれかの特定セラミックスの凹凸部に含侵した生分解性ポリマーの厚さである。
【0010】
<1 本発明の基本条件>
本発明の材料は医療に用いられる医用組織再建材である。より詳しくは、生分解性ポリマーと、特定セラミックスとを含む複合体であって、特定条件を満足する複合体である。
これらの条件を満足することによって、組織親和性、組織伝導性、機械的性質に優れ、組織再建などに用いることができる医用組織再建材が提供できる。
(【0011】以降は省略されています)

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