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公開番号2025090752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025039367,2022518703
出願日2025-03-12,2020-09-24
発明の名称連続的で調節されていない複数の触媒工程プロセスを操作するための方法
出願人ティー.イーエヌ プロセス テクノロジー, インク.
代理人弁理士法人山崎国際特許事務所,個人,個人,個人,個人
主分類C07C 29/145 20060101AFI20250610BHJP(有機化学)
要約【課題】2種またはそれより多くの逐次的な触媒転換を使用して化学的転換プロセスを操作する際に、プロセスの過程で各触媒の性能の変化を受け入れるために、連続的で調節されていない複数の触媒転換工程プロセスを制御するための方法を提供する。
【解決手段】本方法において、特定のプロセスパラメーターが、触媒性能における変化を示す方式で使用され、本制御方法は、触媒活性種の絶対量および第1の触媒と第2の触媒のそれぞれの相対量の少なくとも1つ、ならびに反応ゾーンへの原材料のフィードの速度または濃度の少なくとも1つの調整を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
連続的な、調節されていない、逐次的な、複数の触媒反応プロセスを操作するためのモデル予測制御方法であって、
各触媒は、前記プロセスの過程で性能における変化を受け、前記触媒反応プロセスは、
(i)少なくとも1種の原材料および任意にトレーサー前駆体を、フィード速度で、媒体を含有する反応ゾーンに連続的または間欠的に導入するステップ、
(ii)第1の触媒転換に好適な触媒転換条件下で前記反応ゾーンを維持して、中間体を含有する媒体を生産するステップであって、前記条件は、温度、圧力、滞留時間、触媒活性種を提供する前記第1の触媒の濃度、ならびに任意にpHおよびアジュバントを含む、ステップ、
(iii)、他の転換に好適な条件下で前記中間体を含有する媒体を触媒活性種を提供する第2の触媒と接触させて化学生成物を生産するステップであって、前記条件は、温度、圧力、滞留時間、第2の触媒の濃度、ならびに任意にpHおよびアジュバントを含む、ステップ;および
(iv)前記第2の触媒との接触からの化学生成物を含有する媒体を、連続的なプロセスを提供する速度で、連続的または間欠的に引き出すステップ
を含み、
ここで少なくとも1種の副産物が生産され、前記第1の触媒および前記第2の触媒のうちの少なくとも一方の触媒活性が連続的な操作中に性能の変化を受け、
前記制御方法は、
(a)前記プロセスの操作からの予め決定されたプロセスパラメーターを、制御モデルを有するモデル予測制御装置に連続的または間欠的にインプットすること;
(b)必要に応じて、所望のプロセスの目的を満たすように、前記プロセスへの操作的なインプットを調整すること;および任意に、
(c)前記制御モデルを調整すること
を含み、
(A)構成要素(a)において、インプットされた前記予め決定されたプロセスパラメーターは、前記触媒の性能に関する制御モデルのデータに反映するために、(I)ステップ(i)における原材料のフィードの速度および濃度、ならびに前記原材料の化学生成物への転換効率、ならびに(II):
引き出された媒体中の副産物の濃度、
引き出された媒体中の中間体の濃度、および
引き出された媒体中の少なくとも1種のトレーサーの濃度
の少なくとも1つ
を含み;
(B)必要に応じて、望ましいプロセスの目的を満たすように、以下の(I)および(II)の少なくとも1つ:(I)前記触媒活性種の絶対量および前記第1の触媒と第2の触媒のそれぞれの相対量の少なくとも1つ、ならびに(II)操作的なインプットとして、前記反応ゾーンへの前記原材料のフィードの速度およびその濃度の少なくとも1つ、を調整すること
を含む、上記方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
前記媒体が、液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の触媒および前記第2の触媒の少なくとも一方が、均一である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反応ゾーンが、フローの順に2つの容器を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒の少なくとも1つの触媒活性種の絶対量の調整が、前記反応ゾーンへの追加の量の前記触媒の添加による、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記触媒の少なくとも1つの触媒活性種の絶対量の調整が、前記反応ゾーンにおける前記触媒の有効性を調節することによる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応ゾーンが、シングルポット式の反応ゾーンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセスが、逐次的な逆アルドール触媒作用で炭水化物から中間体を生産し、水素化触媒作用で中間体からエチレングリコールおよびプロピレングリコールの少なくとも一方の低級グリコールを生産することによって、炭水化物を前記低級グリコールへと転換するためのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記引き出された媒体中の、1,2-ブタンジオール、プロピレングリコール、少なくとも1種のイトール、ヒドロキシアセトンの少なくとも1つの濃度、pHおよびトレーサーが、前記触媒の性能を反映するために使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イトールが、エリスリトール、トレイトール、グリセリン、マンニトール、およびソルビトールのうちの1種またはそれより多くである、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[001]本出願は、合衆国法典第35巻119条(e)に基づき、2019年9月24日付けで出願された、「連続的で調節されていない複数の触媒工程プロセスを操作するための方法(METHODS FOR OPERATING CONTINUOUS, UNMODULATED, MULTIPLE CATALYTIC STEP PROCESSES)」という名称の米国仮出願第62/905,068号の利益を主張し、これは、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
続きを表示(約 3,100 文字)【0002】
技術分野
[002]この発明は、2種またはそれより多くの逐次的な触媒転換を使用して化学的転換プロセスを操作するための方法、特に、触媒転換間のフローが調節されていない(unmodulated)上記プロセスに関する。この発明の方法は、これらに限定されないが、予測制御方法および設計空間方法を含む。
【背景技術】
【0003】
[003]触媒プロセスは、化学品、医薬品、燃料、ポリマーなどの生産のための商業的な用途に用いられる。これらのプロセスの一部において、供給材料または原材料は、求められる生成物を提供するために、2種またはそれより多くの触媒反応または多段階プロセスを受けなければならない。原材料はまず中間体に転換され、次いで1つまたはそれより多くの転換工程が行われて、目的の生成物が提供される。
【0004】
[004]慣習的に、これらの多段階プロセスは別個の工程で進行する。すなわち、中間体を生産するための触媒条件に原材料を供して中間体を回収し、次いで第2の触媒工程に供して化学生成物を生産する。本明細書に記載の目的に関して、これは、調節された(modulated)カスケードプロセスと称される。したがって、調節されたカスケードプロセスの各工程は転換効率および選択性を達成するのに望ましいプロセス条件を数ある中から反映するように制御することができる。
【0005】
[005]ほとんどの触媒は、不活性化や劣化または物理的な喪失による性能の変化を被る。また一部の場合において、副産物の生産と、原材料または中間体の他の喪失は、触媒の条件に直接的または間接的に場合によって影響を受ける。単一の触媒転換プロセスまたは調節されたカスケードプロセスの場合、条件の最適化は、単一の転換で使用される触媒の条件を考慮に入れることができる。したがって、反応物の温度、圧力、フィード速度、滞留時間、アジュバント、pHおよび他の制御可能なプロセスの可変要素の調整がなされるときは、操作者は、変化の作用に関して合理的な確信を持つ。したがって、多段階プロセスは、全体的なプロセスを工程ごとに制御し、また、1つの触媒プロセスの制御を別の触媒プロセスの制御と混同することを回避する利益を提供する。
【0006】
[006]調節されたカスケードプロセスの工程ごとの制御、特に、工程間の中間体の回収を用いた制御は、生産コストを増加させる。複数工程プロセスを調節されていない(unmodulated)カスケードプロセスとして操作することは、特に複数の工程を統合された制御システム下におく場合、経済的な利益を提供することができる。調節されていないカスケードプロセスとは、別々の反応ゾーンが存在し、第1の反応ゾーンからの中間体を含有する液体ストリームが後続の反応ゾーンを通過し、そこで中間体を除去せずに液体ストリームを反応させることを意味する。後続の反応ゾーンは、フロー順序における次の反応ゾーンまたは後の反応ゾーンであってもよい。
【0007】
[007]調節されたカスケードプロセスに加えて、単一の反応ゾーン(「シングルポット」)で行われる多段階プロセスが提唱されている。これらのシングルポットプロセスでは、中間体が反応して望ましくない副産物をもたらす可能性があることはしばしば避けられない。したがって、実行可能な経済性を達成するために、中間体は、副産物の生産を軽減するために、迅速に次の触媒反応に供される。1つのこのようなプロセスは、逐次的な逆アルドールおよび水素化工程による糖のエチレングリコールおよびプロピレングリコールへの転換である。逆アルドール工程は、例えばグリコールアルデヒドを生成し、これが水素化されるとエチレングリコールを生じる。一方で、グリコールアルデヒドは、高い反応性を有するため、触媒の存在がなくても、反応して副産物、例えば、1,2-ブタンジオールを生じる可能性もある。これらの後者の複数工程プロセスにおいて、複数の反応を、単一の容器で実行するか、または第1の容器が第1の触媒を含有して実質的に第2の触媒を全く含まないような逐次的な容器で実行するかのいずれかが提唱されている。
【0008】
[008]典型的なプロセス制御は求められる生成物への転換および選択性に焦点を当てており、例えばフィード速度、フィード中の原材料の濃度、温度、圧力、滞留時間、pHおよびアジュバントの濃度の1つまたはそれより多くのような操作的なインプット(manipulative input)はプロセス制御へのインプットであり、操作的なインプットの1つまたはそれより多くはプロセスの目的を満たす操作が提供されるように調整される。触媒の触媒性能および相対的な性能の変化は、プロセス制御において混同要因(confounding factor)であり、したがって、操作的なインプットに応答してなされる転換および選択性を改善すると考えられる調整は、触媒の性能に起因して操作を不安定にする可能性がある。加えて、操作的なインプットが操作の問題がないことを示す場合でも、触媒の1つまたはそれより多くの性能が不安定化が起こる点まで劣化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[009]したがって、各触媒の性能および触媒の相対的な性能における変化を受け入れるために、連続的で調節されていない複数の触媒転換工程プロセスを制御するための方法を提供することが求められている。さらに、このような方法は、プロセスから合理的に得ることができるインプットパラメーター、特に、比較的迅速に確認できてプロセスの管理に関するリアルタイムデータを提供することができるインプットパラメーターを使用することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[010]本発明によって、各触媒の性能および触媒の相対的な性能における変化を受け入れる少なくとも2種の触媒、すなわち第1の触媒および第2の触媒を使用して、連続的な調節されていない複数の触媒転換工程プロセスを実行するための制御方法が提供される。本プロセスは、媒体中で、少なくとも1種の原材料を望ましい化学生成物に転換するものであり、原材料の第1を触媒と接触させて中間体を提供し、次いで中間体を第2の触媒と接触させて化学生成物を提供することを含む。本明細書での議論は2種の触媒に言及しているが、これは、理解しやすくする目的のためである。この発明の方法は、3つまたはそれより多くの逐次的な触媒反応が使用されるプロセスにも同等に適用可能である。この発明の方法はまた、2つの触媒反応の前に、その間に、またはその後に、1つまたはそれより多くの非触媒反応が行われるプロセスも包含する。例えば、第1の触媒反応は、反応系に含有される別の化学物質と反応する中間体を提供して、非触媒的に第2の中間体を形成し、次いで、触媒反応により目的の化学生成物となることができる。この方法において、特定のプロセスパラメーターは触媒性能を示すように用いられ、制御方法は触媒活性種の絶対量および第1の触媒と第2の触媒のそれぞれの相対量、ならびに反応ゾーンへの原材料のフィードの速度および濃度の少なくとも1つの調整を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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