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公開番号2025087038
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201398
出願日2023-11-29
発明の名称塗装システム及びそれを用いた塗装方法
出願人タクボエンジニアリング株式会社
代理人個人
主分類B05B 12/00 20180101AFI20250603BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】インジウム塗料を用いた塗装において、薄膜を均一に形成できるとともに、塗料消費量を最小限に抑える。
【解決手段】下塗塗料でアンダーコート層を形成し、次にインジウム塗料でミドルコート層を形成し、次に上塗塗料でトップコート層を形成することでワークの塗装を行うための塗装システムであり、ワーク(W)を公転自在に固定するワーク固定手段(2)と、下塗塗料を噴霧するアンダーコート用スプレーガン(7a)とインジウム塗料を噴霧するミドルコート用スプレーガン(7b)と上塗塗料を噴霧するトップコート用スプレーガン(7c)と、各スプレーガンに塗料を供給する塗料供給手段と、各塗料供給手段に塗料を充填する塗料充填手段を具備し、インジウム塗料を供給する塗料供給手段は塗装ロボットに搭載し、ワーク(W)を公転させながらワーク(W)に向けて塗料を噴射することを特徴とする。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
下塗塗料を塗布することで第1層としてのアンダーコート層を形成し、次にインジウム塗料を塗布することで第2層としてのミドルコート層を形成し、その後上塗塗料を塗布することで第3層としてのトップコート層を形成することで、ワークの塗装を行うための塗装システムであって、
塗装対象となるワーク(W)を装着するワーク固定手段(2)と、
ワーク固定手段(2)に装着したワーク(W)に向けて塗料を噴霧するスプレーガン(7)を備えた塗装ロボット(5)と、
前記スプレーガン(7)に塗料を供給する塗料供給手段(8、10、10b)と、
該塗料供給手段(8、10、10b)に塗料を充填する塗料充填手段(9、9b、11)と、を具備して、
前記ワーク固定手段(2)は、
回動自在とした回転軸(3)と、該回転軸(3)に連結された固定用治具(4)と、を具備して、固定用治具(4)にワーク(W)を固定した状態で回転軸(3)を回転することで回転軸(3)を中心にワーク(W)を公転可能とし、
前記スプレーガン(7)は、
下塗塗料を噴霧するためのアンダーコート用スプレーガン(7a)と、インジウム塗料を噴霧するためのミドルコート用スプレーガン(7b)と、上塗塗料を噴霧するためのトップコート用スプレーガン(7c)と、を具備し、
前記塗料供給手段は、
前記アンダーコート用スプレーガン(7a)に下塗塗料を供給するための下塗塗料供給手段(10)と、ミドルコート用スプレーガン(7b)にインジウム塗料を供給するためのインジウム塗料供給手段(8)と、トップコート用スプレーガンに上塗塗料を供給するための上塗塗料供給手段(10b)と、を具備し
前記塗料充填手段は、下塗塗料供給手段(10)に下塗塗料を充填するための下塗塗料充填手段(11)と、インジウム塗料供給手段(8)にインジウム塗料を充填するためのインジウム塗料充填手段(9、9b)と、上塗塗料供給手段(10b)に上塗塗料を充填するたえの上塗塗料充填手段と、を具備し、
前記インジウム塗料供給手段(8)は、前記塗装ロボット(5)に搭載され、
下塗塗料供給手段(10)に下塗塗料を充填し、インジウム塗料供給手段(8)にインジウム塗料を充填し、上塗塗料供給手段(10b)に上塗塗料を充填した後に、固定用治具(4)にワーク(W)を固定した状態で回転軸(3)を回転させることでワーク(W)を公転させながら、公転しているワーク(W)に向けて、アンダーコート用スプレーガン(7a)から下塗塗料を噴霧することによりアンダーコート層を形成し、次に、ミドルコート用スプレーガン(7b)からインジウム塗料を噴霧することによってミラー層としてのミドルコート層を形成し、その後に、トップコート用スプレーガン(7c)から上塗塗料を噴霧することによってトップコート層を形成する、ことでワークの塗装を行うことを特徴とする塗装システム。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記インジウム塗料供給手段(8)は、先端に開口部(82)を備えた円筒状シリンジ本体(81)と、シリンジ本体(81)内に進退自在に挿入されたピストン(83)と、該ピストン(83)における反開口部(82)側の面に連結されたピストンロッド(84)を具備したシリンジポンプとし、ピストン(83)と開口部(82)間に形成される空間が、塗料が充填される塗料充填空間(85)とされ、該塗料充填空間(85)に塗料が充填された状態でピストン(83)を開口部(82)側に前進することで塗料充填空間(85)に充填された塗料を開口部(82)から放出することとし、
前記インジウム塗料充填手段(9)は、インジウム塗料が内部に充填された本体部(91)と、該本体部(91)に形成された連結部(92)と、を備え、
インジウム塗料充填手段(9)の連結部(92)をインジウム塗料供給手段(8)の開口部(82)に連結することで連結部(92)により塗料充填空間(85)と本体部(91)の内部を連通し、その状態でインジウム塗料供給手段(8)のピストン(83)を後退させてシリンジ本体(81)の内部を負圧にすることで、連結部(92)を介して、インジウム塗料充填手段(9)の本体部(91)内に充填されたインジウム塗料をインジウム塗料供給手段(8)の塗料充填空間(85)に充填することを特徴とする請求項1に記載の塗装システム。
【請求項3】
前記インジウム塗料供給手段(8)は、先端に開口部(82)を備えた円筒状シリンジ本体(81)と、シリンジ本体(81)内に進退自在に挿入されたピストン(83)と、該ピストン(83)における反開口部(82)側の面に連結されたピストンロッド(84)を具備したシリンジポンプとし、ピストン(83)と開口部(92)間に形成される空間が、塗料が充填される塗料充填空間(85)とされ、該塗料充填空間(85)に塗料が充填された状態でピストン(83)を開口部(82)側に前進することで塗料充填空間(85)に充填された塗料を開口部(82)から放出することとし、
前記インジウム塗料充填手段(9b)は、伸縮自在の素材で形成されるとともに内部にインジウム塗料が充填された本体部(94)と、該本体部(94)に形成された連結部(95)と、連結部(95)を外部に露出した状態で本体部(94)を密閉状態で収容した収容ケース(96)と、を備え、
インジウム塗料充填手段(9b)の連結部(95)をインジウム塗料供給手段(8)の開口部(82)に連結することで連結部(95)により塗料充填空間(85)と本体部(94)の内部を連通し、その状態で、インジウム塗料供給手段(8)のピストン(83)を後退させてシリンジ本体(81)の内部を負圧にすることで、連結部(95)を介して、インジウム塗料充填手段(9b)の本体部(94)内に充填されたインジウム塗料をインジウム塗料供給手段(8)の塗料充填空間(85)に充填することを特徴とする請求項1に記載の塗装システム。
【請求項4】
下塗塗料を塗布することで第1層としてのアンダーコート層を形成し、インジウム塗料を塗布することで第2層としてのミドルコート層を形成し、上塗塗料を塗布することで第3層としてのトップコート層を形成することで、ワークの塗装を行うための塗装方法であって、
塗装対象となるワーク(W)を装着するワーク固定手段(2)と、ワーク固定手段(2)に装着したワーク(W)に向けて塗料を噴霧するスプレーガン(7)を備えた塗装ロボット(5)と、前記スプレーガン(7)に塗料を供給する塗料供給手段(8、10、10b)と、該塗料供給手段(8、10、10b)に塗料を充填する塗料充填手段(9、9b、11)と、を具備して、
前記ワーク固定手段(2)は、回動自在とした回転軸(3)と、該回転軸(3)に連結された固定用治具(4)と、を具備して、固定用治具(4)にワーク(W)を固定した状態で回転軸(3)を回転することで回転軸(3)を中心にワーク(W)を公転可能とし、
前記スプレーガン(7)は、下塗塗料を噴霧するためのアンダーコート用スプレーガン(7a)と、インジウム塗料を噴霧するためのミドルコート用スプレーガン(7b)と、上塗塗料を噴霧するためのトップコート用スプレーガン(7c)と、を具備し、
前記塗料供給手段は、前記アンダーコート用スプレーガン(7a)に下塗塗料を供給するための下塗塗料供給手段(10)と、ミドルコート用スプレーガン(7b)にインジウム塗料を供給するためのインジウム塗料供給手段(8)と、トップコート用スプレーガンに上塗塗料を供給するための上塗塗料供給手段(10b)と、を具備し、
前記塗料充填手段は、下塗塗料供給手段(10)に下塗塗料を充填するための下塗塗料充填手段(11)と、インジウム塗料供給手段(8)内にインジウム塗料を充填するためのインジウム塗料充填手段(9、9b)と、上塗塗料供給手段(10b)に上塗塗料を充填するたえの上塗塗料充填手段と、を具備し、
前記インジウム塗料供給手段は、前記塗装ロボット(5)に搭載された、ことを特徴とする塗装システムを用いて、
下塗塗料供給手段(10)に下塗塗料を充填し、インジウム塗料供給手段(8)にインジウム塗料を充填し、上塗塗料供給手段(10b)に上塗塗料を充填した後に、ワーク固定手段(5)にワーク(W)を取り付けた状態で回転軸(3)を回転させることでワーク(W)を公転させながら、公転しているワーク(W)に向けて、アンダーコート用スプレーガン(7a)から下塗塗料を噴霧することによりアンダーコート層を形成し、次に、ミドルコート用スプレーガン(7b)からインジウム塗料を噴霧することによってミラー層としてのミドルコート層を形成し、その後に、トップコート用スプレーガン(7c)から上塗塗料を噴霧することによってトップコート層を形成する、ことでワークの塗装を行うことを特徴とする塗装方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インジウム塗料を用いた塗装システム及びそれを用いた塗装方法に係り、より詳しくは、インジウム塗料を用いた塗装に際して、塗料の無駄を省くことにより、使用するインジウム塗料を最小限にすることを可能にした塗装システム及びそれを用いた塗装方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、製品に付加価値を付けて消費者の購買意欲を高める方法には多種多様な方法があるが、その中で、近年、鏡と同様な鏡面意匠を製品に施す方法が増えている。
【0003】
例えば、自動車のドアミラー等の車両部品、OA機器、家電製品等に鏡面意匠を施すことが行われている。
【0004】
ところで、製品に鏡面意匠を付与する手段として、従来は、めっきや蒸着加工、が知られているが、めっきの場合は、排水処理等の点で環境負荷が高いという欠点がある。
【0005】
また、蒸着加工の場合は、蒸着加工のための特別な設備が必要であるとともに、設備が大掛かりでコストがかかり、更に、バッチ式のために連続ライン生産ができない、という欠点がある。
【0006】
そこで、蒸着加工における上記のような問題点を解決する方法として、スプレーによるメッキ塗装(鏡面コーティングシステム)の開発が行われてきた。このメッキによる鏡面コーティングシステムは、第1世代の銀鏡塗装(硝酸銀とアンモニウムで反応)から始まり、第2世代の銀コロイド・銀錯体と続いた。
しかし、これらの第1世代及び第2世代の方法では、耐候性、耐食性、塗料単価(コスト)の問題点から、工業用向けに展開することは難しかった。そこで、これらの第1世代及び第2世代の問題点を解決する第3世代の方法として、耐候性、耐食性に優れたインジウム塗料を用いた「インジウムミラーコーティングシステム」が第3世代として誕生してきた。
【0007】
ここでインジウムについて簡単に説明すると、周知のとおりインジウムは、原子番号49、元素記号Inのレアメタルであり、単体は柔らかく銀青白色で、常温では安定な金属である。そして、融点が低く扱いやすい金属で、導電性・透過性があり、薄膜時はミリ波などを透過する珍しい特徴を持つ。そしてこのインジウムを用いたインジウム塗料は、インジウム懸濁液を原料とした塗料であり、スプレー塗装でミラー調(鏡面コーティング)を実現でき、低温領域(80℃)で幅広い基材適正、素材を選ばないという特徴を有する。更に、インジウムは耐候性と耐食性に優れるため、これまで導入が困難だった自動車外装部品にも対応可能である、
【0008】
また、近年、携帯電話・電子機器・情報端末の筐体、自動車部品(フロントグリル、バンパ)等には、鏡面意匠とともに電波透過性が求められる。即ち、携帯電話・電子機器・情報端末は筐体内部にアンテナ等を有しており、電波透過性を有することが必要である。更に、自動車のフロントグリルやバンパ近傍には、距離測定等の各種レーダ装置のアンテナが設置されているため、電波透過性を有することが必要となっている。そのため、電波透過性があるインジウムを用いたインジウム塗料が必要となってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第7146311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、ミラー層の鏡面性を安定させて鏡面の効果を最大に発揮するためには、下地を均一に隠蔽し、できるだけ薄い膜を形成することが必要である。そして、インジウム塗料は下地を隠蔽できればよいので、ミラー層の膜厚は400 nm(ナノメートル)レベルで良い。
(【0011】以降は省略されています)

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