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公開番号
2025086025
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-06
出願番号
2023199793
出願日
2023-11-27
発明の名称
救助用ネット装置
出願人
前田工繊株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
E02D
17/20 20060101AFI20250530BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約
【課題】ネット材の全体として強度と形状安定性を向上しつつ、被災者が自力で這い上がり易くした救助用ネット装置を提供すること。
【解決手段】網目23がひし形を呈する繊維製のネット材20を含み、ネット材20のストランドSは斜面41の傾斜方向に沿って配置し、ジグザク状に屈曲させた複数の芯糸21と、芯糸21に巻装する複数の鞘糸22とを組み合わせたハイブリッド構造を呈し、ひし形を呈する網目23を斜面41の傾斜方向に沿って配置する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
斜面に敷設し、網目がひし形を呈するように斜め方向に配列した複数のストランドを交差させた繊維製のネット材と、該ネット材の上辺部を堤体の法肩部に固定する複数のアンカーとを具備したため池の救助用ネット装置であって、
前記ネット材のストランドはひし形の網目形状を保持できるだけの剛性を有し、
前記ひし形を呈する網目を斜面の傾斜方向に沿わせて前記ネット材を斜面に敷設し、
被災者が網目の周囲のストランドを掴んだときにひし形を呈する網目の左右方向および縦方向へ向けた拡縮変形を許容するように構成したことを特徴とする、
救助用ネット装置。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記ネット材の網目が縦長のひし形を呈することを特徴とする、請求項1に記載の救助用ネット装置。
【請求項3】
前記ネット材はラッセル編みにより編成されていることを特徴とする、請求項1に記載の救助用ネット装置。
【請求項4】
前記ネット材のストランドは斜面の傾斜方向に沿ってジグザク状に屈曲させて配置した複数の芯糸と、前記芯糸に巻装する複数の鞘糸とを組み合わせたハイブリッド構造を呈することを特徴とする、請求項1に記載の救助用ネット装置。
【請求項5】
前記複数の芯糸の剛性が前記複数の鞘糸より高い関係にあることを特徴とする、請求項4に記載の救助用ネット装置。
【請求項6】
前記ストランドを構成する芯糸がモノフィラメント糸であり、芯糸の周囲に巻き付く鞘糸がマルチフィラメントで構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の救助用ネット装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はため池、調整池、水路等(以下総称して「ため池」という)に設置する救助用ネット装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
毎年、ため池での転落事故が後を絶たない。
特にため池の斜面が合成ゴム系、合成樹脂系の遮水シートや、平ブロック護岸で覆われている場合が多く、このような現場では、ため池の斜面が滑り易くなっている。
このような現状に鑑み、被災者が自力で這い上がるための救助用ネット装置が種々提案されている。
【0003】
特許文献1には、繊維製のネット材と、ネット材の裾部に取り付ける複数の錘とを具備した救助用ネット装置が開示されている。
図6を参照して説明すると、従来のネット材50は、経ストランド51と緯ストランド52を交差させて格子状に編成した網材であり、網目53が角目(方形)を呈している。
ネット材50をため池の斜面に敷設するに当たっては、ネット材50の経ストランド51を縦向きに向けて敷設した後に、ネット材50の上辺を法肩部に杭体やアンカーピン等を打ち込んで固定している。
【0004】
また、ネット材の素材としては、金網等の金属素材を用いることも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-336241号公報
特開平3-284498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
繊維製のネット材を用いた従来の救助用ネット装置はつぎの問題点を内包する。
<1>大半の繊維製のネット材50は、柔らかい繊維素材で形成してあることから、ため池の斜面に敷設したときにネット面が斜面の起伏に追従してくっつき易い。
そのため、被災者がネット材を手で掴もうとしても掴み難いだけでなく、靴を履いた状態でつま先を網目に引っ掛けようとしても足が引っ掛かり難い。
<2>図6の(B),(C)に示すように、繊維製のネット材50を掴もうとする際に、角目形状の網目53が収縮方向へ向けて変形し難い。
そのため、被災者が手でネット材50を掴もうとしたときにネット材50が掴み難いだけでなく、被災者が両手両足を斜面につけた四つん這いの姿勢で這い上がらなければならない。
四つん這いの姿勢は、立ち姿勢と比べて、手に力が入り難く、両足の踏ん張りが効かないために斜面を登り難い。
さらに四つん這いの姿勢は、疲れやすいだけでなく、被災者の視点が低くなって正確な状況判断がし難く、心理的に不安感を増長させる。
<3>被災者がネット材50に掴まって這い上がる際、特定の経ストランド51に被災者の体重が加わり、特定の経ストランド51を通じて被災者を支えることになる。
そのため、ネット材50を構成する経ストランド51による荷重負担が大きい。
<4>繊維製のネット材50は軽量であるため、複数の作業員がネット材50の裾部に取り付けた土のうやチェーン製等からなる錘54をため池に投入しなければならず、ネット材50の敷設作業に多くの時間と労力を要する。
【0007】
金属製のネット材を具備した従来の救助用ネット装置はつぎの問題点を内包する。
<1>金属製のネット材は重量が重たく、運搬性と取扱性が悪い。
<2>金属製のネット材は線材の表面が平滑なため、這い上がる際に手足が滑り易い。
<3>金属製であるため、金網を掴んだときの変形および変位が小さいうえに、四つん這いの姿勢で這い上がらなければならない。
<4>ため池等の水辺にあるため、金属製のネット材が腐食しやすい
【0008】
本発明は以上の問題点を解決できる救助用ネット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するため、本発明は、斜面に敷設し、斜め方向に配列した複数のストランドを交差させ、網目がひし形を呈する繊維製のネット材と、該ネット材の上辺部を堤体の法肩部に固定する複数のアンカーとを具備したため池の救助用ネット装置であって、前記ネット材のストランドはひし形の網目形状を保持できるだけの剛性を有し、前記ひし形を呈する網目を斜面の傾斜方向に沿わせて前記ネット材を斜面に敷設し、被災者が網目の周囲のストランドを掴んだときにひし形を呈する網目の左右方向および縦方向へ向けた拡縮変形を許容するように構成した。
本発明の他の形態において、前記ネット材の網目が縦長のひし形を呈する。
本発明の他の形態において、前記ネット材はラッセル編みにより編成されている。
本発明の他の形態において、前記ネット材のストランドは斜面の傾斜方向に沿ってジグザク状に屈曲させて配置した複数の芯糸と、前記芯糸に巻装する複数の鞘糸とを組み合わせたハイブリッド構造を呈する。
本発明の他の形態において、前記複数の芯糸の剛性が前記複数の鞘糸より高い関係にある。
本発明の他の形態において、前記ストランドを構成する芯糸がモノフィラメント糸であり、芯糸の周囲に巻き付く鞘糸がマルチフィラメント糸で構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る救助用ネット装置は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
<1>本発明では、ネット材のひし形を呈する網目を縦長の状態で敷設するため、被災者がネット材を掴む際に網目が左右方向及び縦方向に向けた変形を許容する。
そのため、網目が角目状の従来のネット材と比べて、ネット材の左右方向及び縦方向へ向けた伸縮変形性がよくなる。
<2>ネット材が左右方向及び縦方向に向けた伸縮変形を許容するため、手でネット材を掴み易くなるだけでなく、被災者が斜面をよじ登る際にネット材を斜面から離隔させることが可能となる。
特に、ネット材の左右の両辺を斜面に固定してあっても、ネット材を斜面から離隔させることができる。
そのため、被災者はネット材を伝って立姿勢でよじ登ることができる。
<3>被災者の登坂姿勢が立姿勢であれば、四つん這いの姿勢と比べて、手に力が入り易く、両足の踏ん張りも効き、さらに被災者が疲れにくいだけでなく、被災者の視点が高くなるため視界性がよくなって正確な状況判断ができ、被災者の不安感の増長を解消できる。
総合的に、従来の繊維製または金属製のネット材と比べて、被災者によるよじ登りのし易さと、登坂時における安全性が格段に向上する。
<4>ネット材を構成するストランドの内部に芯糸を編み込んでいるから、ストランドの直進性が高くなってネット材の形状安定性が向上する。
そのため、起伏のある斜面にネット材を敷設したときに、ネット材と斜面との間に隙間が形成され易くなる。
ネット材と斜面との間に形成された隙間を通じて、ネット材が手で掴み取り易くなるだけでなく、足のつま先を網目に引っ掛け易くなる。
<5>本発明では、ネット材のひし形を呈する網目を縦長の状態で敷設するため、指で直接掴んだストランドの上位のストランドにも荷重が分散して支持されるので、ネット材の全体による荷重負担を軽減できる。
<6>ネット材を構成するストランドの表面が、モノフィラメントと比べて表面積が大きいマルチフィラメント糸を使ったニードルループ等で編成した鞘糸で覆われているので、ネット材の表面の摩擦抵抗が大きくなっている。
そのため、斜面に敷設してある遮水シート上でのネット材の滑りを効果的に抑制できるだけでなく、被災者がネット材上を歩行する際にも滑りを効果的に抑制できる。
<7>ネット材を構成するストランドの内部に硬くて剛性の大きな芯糸を編み込んでいるため、ネット材の全体に適度の剛性と重量が付与される。
そのため、ネット材の裾部に専用の重錘を設けなくても、ネット材の剛性と自重により展開形状を維持できる。
<8>ネット材が繊維製であるため、金属製のネット材と比べて耐食性と取扱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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