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公開番号2025083733
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197295
出願日2023-11-21
発明の名称回転電機のステータ、及び回転電機のステータの製造方法
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類H02K 3/487 20060101AFI20250526BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】絶縁部材をスロット内に挿入し易くすることができ、且つ、漏れ磁束に伴うコイルの渦電流の発生を抑制すること。
【解決手段】絶縁部材40は、挿入用治具60の取付用突起66が挿入される凹部70を有している。凹部70は、第1開口部73と、第2開口部74と、を有している。第1開口部73及び第2開口部74は、取付用突起66をヨーク16の径方向の内側から凹部70内へスライド挿入可能とする。凹部70の内面は、凹部70内に挿入された取付用突起66におけるヨーク16の周方向の両側への移動を規制する幅広凹部72の内面72aと、凹部70内に挿入された取付用突起66における治具端面61が絶縁部材端面45から離間する方向への移動を規制する幅広凹部72の接続内面72bと、を有している。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
筒状のヨーク、及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの径方向の内側へ延びる複数のティースを有し、前記ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されているステータコアと、
前記スロットを通過する巻線が前記各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成されるコイルと、
前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されるとともに、前記ヨークの軸方向に延在して前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する柱状の絶縁部材と、を備え、
前記ティースは、
前記ヨークの内周面から延びるティース延在部と、
前記ティース延在部から前記ヨークの周方向の両側に突出する一対のティース鍔部と、を有し、
前記ティース延在部は、前記周方向に位置するとともに前記スロットを区画するティース側面を有し、
前記ティース鍔部は、前記ティース側面から前記ティース鍔部の先端まで延びるとともに前記スロットを区画するティース鍔面を有し、
前記絶縁部材は、前記周方向で隣り合うティース鍔部同士の隙間であるスロットオープンを跨いだ状態で前記周方向で隣り合うティース鍔部それぞれに支持される支持面を有し、
前記絶縁部材は、前記ティースにおける前記ティース側面と前記ティース鍔面との境界部よりも前記径方向の外側に前記コイルが配置された状態で前記コイルを支持する回転電機のステータであって、
前記絶縁部材における前記軸方向の長さは、前記ステータコアの前記軸方向の長さ以上であり、
前記絶縁部材における前記軸方向に位置する端面である絶縁部材端面には、前記絶縁部材端面から離れるにつれて、前記支持面に連続する面における前記周方向の両側の幅が徐々に狭くなることにより先端が尖った先細り形状の挿入用治具が取付可能になっており、
前記絶縁部材は、前記挿入用治具における前記絶縁部材端面と対向する治具端面から突出する取付用突起が挿入される凹部を有し、
前記凹部は、
前記支持面における前記スロットオープンと前記径方向で重なる部分に開口する第1開口部と、
前記第1開口部に連通するとともに前記絶縁部材端面に開口し、且つ、前記支持面から前記径方向に延びる第2開口部と、を有し、
前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記取付用突起を前記径方向の内側から前記凹部内へスライド挿入可能とし、
前記凹部の内面は、
前記凹部内に挿入された前記取付用突起における前記周方向の両側への移動を規制する周方向規制面と、
前記凹部内に挿入された前記取付用突起における前記治具端面が前記絶縁部材端面から離間する方向への移動を規制する軸方向規制面と、を有していることを特徴とする回転電機のステータ。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記絶縁部材は、
前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイルの一方を支持する第1コイル支持面と、
前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイルの他方を支持する第2コイル支持面と、を有し、
前記第1コイル支持面及び前記第2コイル支持面には、前記凹部と前記スロット内とを連通する連通孔が開口していることを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ。
【請求項3】
筒状のヨーク、及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの径方向の内側へ延びる複数のティースを有し、前記ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されているステータコアと、
前記スロットを通過する巻線が前記各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成されるコイルと、
前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されるとともに、前記ヨークの軸方向に延在して前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する柱状の絶縁部材と、を備え、
前記ティースは、
前記ヨークの内周面から延びるティース延在部と、
前記ティース延在部から前記ヨークの周方向の両側に突出する一対のティース鍔部と、を有し、
前記ティース延在部は、前記周方向に位置するとともに前記スロットを区画するティース側面を有し、
前記ティース鍔部は、前記ティース側面から前記ティース鍔部の先端まで延びるとともに前記スロットを区画するティース鍔面を有し、
前記絶縁部材は、前記周方向で隣り合うティース鍔部同士の隙間であるスロットオープンを跨いだ状態で前記周方向で隣り合うティース鍔部それぞれに支持される支持面を有し、
前記絶縁部材は、前記ティースにおける前記ティース側面と前記ティース鍔面との境界部よりも前記径方向の外側に前記コイルが配置された状態で前記コイルを支持する回転電機のステータの製造方法であって、
前記絶縁部材における前記軸方向の長さが前記ステータコアの前記軸方向の長さ以上である前記絶縁部材における前記軸方向に位置する端面である絶縁部材端面に、前記絶縁部材端面から離れるにつれて、前記支持面に連続する面における前記周方向の両側の幅が徐々に狭くなることにより先端が尖った先細り形状の挿入用治具を取り付ける取付工程と、
前記取付工程後に、前記挿入用治具を用いて前記絶縁部材を前記スロット内に挿入する挿入工程と、
前記挿入工程後に、前記挿入用治具を前記絶縁部材から取り外す取外工程と、を有し、
前記取付工程は、前記挿入用治具における前記絶縁部材端面と対向する治具端面から突出する取付用突起を、前記絶縁部材が有する凹部であって、前記凹部が有する前記支持面における前記スロットオープンと前記径方向で重なる部分に開口する第1開口部、及び前記第1開口部に連通するとともに前記絶縁部材端面に開口し、且つ、前記支持面から前記径方向に延びる第2開口部に対して、前記径方向の内側からスライド挿入することで行われ、
前記挿入工程は、前記凹部の内面が有する周方向規制面によって、前記凹部内に挿入された前記取付用突起における前記周方向の両側への移動が規制されるとともに、前記凹部の内面が有する軸方向規制面によって、前記凹部内に挿入された前記取付用突起における前記治具端面が前記絶縁部材端面から離間する方向への移動が規制されながら行われ、
前記取外工程は、前記取付用突起を前記第1開口部及び前記スロットオープンを介して前記径方向の内側へ引き抜くことで行われることを特徴とする回転電機のステータの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機のステータ、及び回転電機のステータの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、回転電機のステータは、ステータコアと、コイルと、を備えている。ステータコアは、筒状のヨーク、及び複数のティースを有している。複数のティースは、ヨークの内周面からヨークの径方向の内側へ延びている。そして、ステータコアには、ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されている。コイルは、スロットを通過する巻線が各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成されている。また、回転電機のステータは、柱状の絶縁部材を備えている。絶縁部材は、スロット内においてヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されている。そして、絶縁部材は、スロット内においてヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁している。
【0003】
ティースは、ティース延在部と、一対のティース鍔部と、を有している。ティース延在部は、ヨークの内周面から延びている。一対のティース鍔部は、ティース延在部からヨークの周方向の両側に突出している。ティース延在部は、ヨークの周方向に位置するティース側面を有している。ティース側面は、スロットを区画している。ティース鍔部は、ティース鍔面を有している。ティース鍔面は、ティース側面からティース鍔部の先端まで延びている。ティース鍔面は、スロットを区画している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-192339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような回転電機のステータにおいては、ヨークの内周面からヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間を通過してティースの各ティース鍔部に向けて流れる漏れ磁束が発生する場合がある。このとき、例えば、各ティース鍔部におけるティース鍔面上にコイルの一部が存在しているとする。この場合、ヨークの内周面からヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間を通過してティース鍔部に向けて流れる漏れ磁束が、ティース鍔面上に存在するコイルを流れる場合がある。すると、ティース鍔面上に存在するコイルに渦電流が発生するため、ティース鍔面上に存在するコイルが発熱してしまう。このようにコイルが発熱すると、回転電機の出力が低下してしまう。
【0006】
そこで、絶縁部材は、ヨークの周方向で隣り合うティース鍔部同士の隙間であるスロットオープンを跨いだ状態でヨークの周方向で隣り合うティース鍔部それぞれに支持される支持面を有している。そして、絶縁部材は、ティースにおけるティース側面とティース鍔面との境界部よりもヨークの径方向の外側にコイルが配置された状態でコイルを支持する。これによれば、ティース鍔面上にコイルの一部が存在しない。したがって、ヨークの内周面からヨークの周方向で隣り合うコイル同士の間を通過してティース鍔部に向けて流れる漏れ磁束が発生しても、漏れ磁束がコイルの一部を流れてしまうことが抑制される。その結果、漏れ磁束に伴うコイルの渦電流の発生が抑制される。
【0007】
このような絶縁部材をスロット内に挿入する際には、絶縁部材がコイルの巻線に干渉する。したがって、絶縁部材がスロット内に挿入し難いため、ステータの製造工程が煩雑である。そこで、絶縁部材をスロット内に挿入し易くするために、絶縁部材におけるヨークの軸方向の端部を、支持面におけるヨークの周方向の両側の幅が徐々に狭くなることにより先端が尖った先細り形状にすることが考えられる。これによれば、絶縁部材をスロット内に挿入する際に、先端が尖った先細り形状である絶縁部材の端部が巻線を掻き分けながらスロット内に挿入されるため、絶縁部材をスロット内に挿入し易くすることができる。
【0008】
しかしながら、絶縁部材の端部が、先端が尖った先細り形状になっていると、絶縁部材の端部で、ティースにおけるティース側面とティース鍔面との境界部よりもヨークの径方向の外側にコイルが配置された状態でコイルを支持することが困難となってしまう。したがって、絶縁部材をスロット内に挿入し易くすることができ、且つ、漏れ磁束に伴うコイルの渦電流の発生を抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する回転電機のステータは、筒状のヨーク、及び前記ヨークの内周面から前記ヨークの径方向の内側へ延びる複数のティースを有し、前記ヨークの周方向で隣り合うティースの間にスロットが形成されているステータコアと、前記スロットを通過する巻線が前記各ティースに集中巻きで巻回されることにより形成されるコイルと、前記スロット内において前記周方向で隣り合うコイル同士の間に配置されるとともに、前記ヨークの軸方向に延在して前記周方向で隣り合うコイル同士の間を絶縁する柱状の絶縁部材と、を備え、前記ティースは、前記ヨークの内周面から延びるティース延在部と、前記ティース延在部から前記ヨークの周方向の両側に突出する一対のティース鍔部と、を有し、前記ティース延在部は、前記周方向に位置するとともに前記スロットを区画するティース側面を有し、前記ティース鍔部は、前記ティース側面から前記ティース鍔部の先端まで延びるとともに前記スロットを区画するティース鍔面を有し、前記絶縁部材は、前記周方向で隣り合うティース鍔部同士の隙間であるスロットオープンを跨いだ状態で前記周方向で隣り合うティース鍔部それぞれに支持される支持面を有し、前記絶縁部材は、前記ティースにおける前記ティース側面と前記ティース鍔面との境界部よりも前記径方向の外側に前記コイルが配置された状態で前記コイルを支持する回転電機のステータであって、前記絶縁部材における前記軸方向の長さは、前記ステータコアの前記軸方向の長さ以上であり、前記絶縁部材における前記軸方向に位置する端面である絶縁部材端面には、前記絶縁部材端面から離れるにつれて、前記支持面に連続する面における前記周方向の両側の幅が徐々に狭くなることにより先端が尖った先細り形状の挿入用治具が取付可能になっており、前記絶縁部材は、前記挿入用治具における前記絶縁部材端面と対向する治具端面から突出する取付用突起が挿入される凹部を有し、前記凹部は、前記支持面における前記スロットオープンと前記径方向で重なる部分に開口する第1開口部と、前記第1開口部に連通するとともに前記絶縁部材端面に開口し、且つ、前記支持面から前記径方向に延びる第2開口部と、を有し、前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記取付用突起を前記径方向の内側から前記凹部内へスライド挿入可能とし、前記凹部の内面は、前記凹部内に挿入された前記取付用突起における前記周方向の両側への移動を規制する周方向規制面と、前記凹部内に挿入された前記取付用突起における前記治具端面が前記絶縁部材端面から離間する方向への移動を規制する軸方向規制面と、を有している。
【0010】
これによれば、挿入用治具の取付用突起をヨークの径方向の内側から第1開口部及び第2開口部を介して凹部内へスライド挿入することにより、絶縁部材の絶縁部材端面に挿入用治具が取り付けられる。そして、絶縁部材をスロット内に挿入する際には、先端が尖った先細り形状である挿入用治具が巻線を掻き分けながらスロット内に挿入される。このとき、周方向規制面は、凹部内に挿入された取付用突起における周方向の両側への移動を規制する。さらに、軸方向規制面は、凹部内に挿入された取付用突起における治具端面が絶縁部材端面から離間する方向への移動を規制する。さらには、挿入用治具における支持面に連続する面は、ヨークの周方向で隣り合うティース鍔部に支持されている。したがって、挿入用治具が巻線を掻き分けながらスロット内に挿入されているときに、巻線から挿入用治具に負荷が加わったとしても、取付用突起が凹部から脱落しない。したがって、挿入用治具を用いることにより、絶縁部材をスロット内に安定的に挿入し易くすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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