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公開番号2025083700
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2023197234
出願日2023-11-21
発明の名称膜付き無機板及びその製造方法、並びにパッケージ
出願人日本電気硝子株式会社
代理人弁理士法人大阪フロント特許事務所
主分類H01L 23/02 20060101AFI20250526BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】紫外線透過性に優れ、しかも光学素子を搭載するパッケージに用いたときに、パッケージ内の気密性を高めることができる、膜付き無機板を提供する。
【解決手段】紫外線透過性を有する、無機板2と、無機板2の一方側の主面2a上に設けられている、反射防止膜3とを備え、反射防止膜3が、酸化ケイ素層4と、酸化アルミニウム層5とが交互に積層されることにより構成されており、反射防止膜3の最外層3aには、酸化ケイ素層4が設けられており、酸化ケイ素層4の酸化アルミニウム層5に対する厚み比(酸化ケイ素層4/酸化アルミニウム層5)が、5以上である、膜付き無機板1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
紫外線透過性を有する、無機板と、
前記無機板の一方側の主面上に設けられている、反射防止膜と、
を備え、
前記反射防止膜が、酸化ケイ素層と、酸化アルミニウム層とが交互に積層されることにより構成されており、
前記反射防止膜の最外層には、前記酸化ケイ素層が設けられており、
前記酸化ケイ素層の前記酸化アルミニウム層に対する厚み比(酸化ケイ素層/酸化アルミニウム層)が、5以上である、膜付き無機板。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記酸化ケイ素層の厚みが、10nm以上、100nm以下であり、前記酸化アルミニウム層の厚みが、2nm以上、10nm以下である、請求項1に記載の膜付き無機板。
【請求項3】
前記反射防止膜中における前記酸化ケイ素層の層数が、2層以上、5層以下であり、前記反射防止膜中における前記酸化アルミニウム層の層数が、1層以上、4層以下である、請求項1又は2に記載の膜付き無機板。
【請求項4】
前記無機板が、石英ガラスにより構成されている、請求項1又は2に記載の膜付き無機板。
【請求項5】
前記無機板の一方側の主面上に、前記酸化ケイ素層が設けられている、請求項1又は2に記載の膜付き無機板。
【請求項6】
前記膜付き無機板の前記反射防止膜側の表面に対する純水の接触角が、7°以下である、請求項1又は2に記載の膜付き無機板。
【請求項7】
前記膜付き無機板の厚み0.5mm及び波長200nmにおける光線透過率が、80%以上である、請求項1又は2に記載の膜付き無機板。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の膜付き無機板の製造方法であって、
無機板を用意する工程と、
前記無機板の一方側の主面上に、イオンアシスト蒸着法により、酸化ケイ素層と、酸化アルミニウム層とを交互に積層し、反射防止膜を形成する工程と、
を備える、膜付き無機板の製造方法。
【請求項9】
前記反射防止膜の最外層となる前記酸化ケイ素層を形成するに際し、前記反射防止膜を構成する他の層を形成する場合よりもイオン照射量を多くして、前記酸化ケイ素層を形成する、請求項8に記載の膜付き無機板の製造方法。
【請求項10】
底部及び側壁部を有する、ケース本体と、
前記ケース本体における前記底部の上に設けられている、光学素子と、
前記ケース本体における前記側壁部の上に設けられている、カバー部材と、
を備える、パッケージであって、
前記カバー部材が、請求項1又は2に記載の膜付き無機板であり、
前記膜付き無機板における前記反射防止膜と、前記ケース本体における前記側壁部の上面とが接合材を介して接合され、前記光学素子が収容されたパッケージ内が封止されている、パッケージ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線透過性を有する、膜付き無機板、該膜付き無機板の製造方法、及び該膜付き無機板を用いたパッケージに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、深紫外線等の紫外線は、殺菌作用や有機物の分解作用を有することが知られており、医療現場や食品工場においては、紫外線を発光するLED等の発光素子が広く用いられている。また、近年では、UVカメラが注目を集めており、深紫外域を含む紫外線波長域に対応したイメージセンサなどの撮像素子の需要も高まりつつある。
【0003】
発光素子や撮像素子などの光学素子は、パッケージ内に搭載し、封止されて用いられる(例えば、特許文献1)。パッケージは、光学素子が搭載されるケース本体と、筐体内を封止するカバー部材とにより構成される。カバー部材としては、無機板の表面に反射防止膜が設けられた膜付き無機板が用いられている。このような膜付き無機板が、光学素子の前面に設けられることにより、光学素子が保護されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-000188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている膜材料には、深紫外域で吸収作用する材料が含まれており、このような材料を反射防止膜に用いた膜付き無機板は、紫外域、特に深紫外域における紫外線透過性を十分に高められないという問題があった。一方で、深紫外域で吸収作用を有さない膜材料は、上述したようなパッケージの製造工程において、膜付き無機板とケース本体とを接合する際に用いる接合材との濡れ性が十分ではないことがあり、パッケージ内を封止する際に、その気密性を十分に高められないことがあった。
【0006】
本発明の目的は、紫外線透過性に優れ、しかも撮像素子や発光素子等の素子(以下、光学素子)を搭載するパッケージに用いたときに、パッケージ内の気密性を高めることができる、膜付き無機板、該膜付き無機板の製造方法、及び該膜付き無機板を用いたパッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する膜付き無機板、該膜付き無機板の製造方法、及び該膜付き無機板を用いたパッケージの各態様について説明する。
【0008】
本発明の態様1に係る膜付き無機板は、紫外線透過性を有する、無機板と、前記無機板の一方側の主面上に設けられている、反射防止膜とを備え、前記反射防止膜が、酸化ケイ素層と、酸化アルミニウム層とが交互に積層されることにより構成されており、前記反射防止膜の最外層には、前記酸化ケイ素層が設けられており、前記酸化ケイ素層の前記酸化アルミニウム層に対する厚み比(酸化ケイ素層/酸化アルミニウム層)が、5以上であることを特徴としている。
【0009】
態様1に係る膜付き無機板では、酸化ケイ素層が相対的に屈折率の低い膜であり、酸化アルミニウム層が相対的に屈折率の高い膜であるので、これらを交互に積層させることにより反射防止機能を付与することができる。また、態様1に係る膜付き無機板では、酸化ケイ素層の酸化アルミニウム層に対する厚み比(酸化ケイ素層/酸化アルミニウム層)が、5以上であり、酸化アルミニウム層の厚みが小さいことから、紫外域、特に深紫外域における紫外線透過性を高めることができる。また、態様1に係る膜付き無機板では、反射防止膜の最外層に酸化ケイ素層が設けられているので、膜付き無機板と他の部材とを樹脂接着剤等の接合材を介して貼り合わせるときに、接合材に対する濡れ性を高めることができ、膜付き無機板を他の部材と貼り合わせるときの密着性を高めることができる。従って、このような膜付き無機板を、光学素子を搭載するパッケージのカバー部材に用いる場合、製造工程において、膜付き無機板とケース本体との密着性を高めることができ、パッケージ内の気密性を高めることができる。なお、本明細書において、紫外域とは、波長100nm以上380nm以下を指し、さらに深紫外域とは、波長100nm以上280nm以下のことを指す。もっとも、紫外線透過性を判断する際には、波長190nm以上380nm以下の光線透過率を測定することにより確認するものとし、深紫外域の紫外線透過性を判断する際には、波長200nmの光線透過率を測定することにより確認するものとする。
【0010】
態様2の膜付き無機板は、態様1において、前記酸化ケイ素層の厚みが、10nm以上、100nm以下であり、前記酸化アルミニウム層の厚みが、2nm以上、10nm以下であることが好ましい。この場合、反射防止膜の反射防止機能をより高めることができ、膜付き無機板の深紫外域における紫外線透過性をより高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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