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公開番号2025083350
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2025021486,2022506873
出願日2025-02-13,2020-08-06
発明の名称膜性能のための光硬化
出願人アクア メンブレインズ,インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B01D 67/00 20060101AFI20250523BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 螺旋型膜エレメントの透過流束又は脱塩率等の平膜の特性を最適化する。
【解決手段】 本発明は、螺旋型膜エレメントの設計に関し、平膜は選択的な透過流束及び脱塩率特性を有するように製造され、これらは、次に透過流束又は脱塩率等の平膜の特性を最適化するためにUV又は可視スペクトル等のエネルギの各種の強度及び波長を使って変更可能であり、フォトポリマスペーサを平膜の活性表面の上又は活性表面の下の何れかに最適に結合するために利用できる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
膜の製造方法であって、
(a)透過性支持層シートを提供することと、
(b)前記透過性支持層シートの第一の表面上にポリマコーティングを配置することであって、前記ポリマコーティングは露光により変化させることのできる1つ又は複数の特性を有する、配置することと、
(c)前記ポリマコーティングに、螺旋型ろ過エレメントでの使用にとって望ましい透過流束及び脱塩率特性を有する膜を製造するための波長及び強度の光を供給することと、
を含む方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
ステップ(c)は、光を前記第一の表面の側から前記透過性支持層シートに向かって案内し、前記光が前記透過性支持層シートに到達する前に前記ポリマコーティングに到達するようにすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(c)は、光を前記第一の表面の側と反対から前記透過性支持層シートに向かって案内し、前記光が前記透過性支持層シートを通過した後に前記ポリマコーティングに到達するようにすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(c)は、光源を固定位置に提供することと、前記透過性支持層シートを前記光源に関して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)は、光源を前記透過性支持層シートに関して移動可能な場所に提供することと、前記光源を前記透過性支持層シートに関して移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)は、前記膜の領域によって変化する強度、波長、又は両方を有する光を供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリマコーティングは厚さを有し、ステップ(c)は、前記ポリマコーティングの前記厚さに応じて変化する強度、波長、又は両方を有する光を供給することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)は、前記膜の第一の次元に一定であり、前記膜の第二の次元に沿って変化する強度、波長、又は両方を有する光を供給することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記平膜は厚さを有し、ステップ(c)は、前記平膜の前記厚さに応じて変化する強度、波長、又は両方を有する光を供給することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(c)は、前記膜の前記透過流束が前記膜の第一の端又は面の付近で第一の値を、及び前記膜の第二の、反対の端又は面の付近で第二の値を有し、前記第二の値は前記第一の値より大きくなるように光を供給することを含む、請求項6に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、流体成分の分離に利用される膜システム、特に螺旋型膜エレメントに関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
背景技術
螺旋型膜ろ過エレメントは当業界で知られており、典型的に、リーフと呼ばれる積層構造を含み、これは3辺で透過性透過液担体に、又はその周囲にシールされた平膜からなる。透過性透過液担体は、一方の端で封筒状膜を越えて延びて中心管の周囲を包囲し、中心管は、中心管内の穴を通って中心管の端の外へと透過液を排出するための、中心管の軸に垂直な経路を作る。積層構造は、中心管の周囲を螺旋状に包囲し、透過性供給側スペーサによりそれ自体から離間されて、原液が螺旋型エレメントの供給側端からリジェクト端へとエレメント内を軸方向に流れるようになっている。従来、供給側スペーサは、原水が流れることができ、その一部分が膜を通って螺旋型エレメントへと流れ、リジェクト水がエレメントから中心管に平行に、エレメント構成に対して軸方向に出ることができるようにするために使用される。螺旋型膜エレメントは1つのリーフを利用するものもあれば、中心管の周囲に螺旋状に巻き回された複数のリーフを含むものもある。幾つかの構成において、リーフは比較的正方形であり、これはリーフの幅がリーフの幅に比較的近いことを意味する。これは典型的に、例えば2.5”、4”、8”、及び16”等の標準的な直径で一般的な長さ40”のエレメントの場合に当てはまる。他の構成では、特に、例えば住宅又は照明用の商業的利用分野で使用されるもののように長さが40”より短い、より小型の螺旋型膜エレメントの場合、膜のリーフは中心管に水平な寸法より中心管に垂直な寸法の方が長く、これはクロスフローがそれに沿って発生する典型的な軸である。幾つかのケースにおいて、このような構成のリーフの長さは、リーフの幅の3倍又はそれ以上である。リーフの長さがリーフの幅よりかなり小さい構成でエレメントが製作されることはまれである。
【0003】
螺旋型エレメントの設計の改良版が、Barger et al.の米国特許第6,632,357号、Bradford et al.の米国特許第7,311,831号、並びにRoderick et al.の“Improved Spiral Wound Element Construction”と題するオーストラリア特許(第2014223490号)及び日本特許(第6499089号)において開示されており、これは従来の供給側スペーサの代わりに膜の内面又は外面に堆積されるか、直接エンボス加工されるアイランド又は突出部を用いる。典型的に、流体供給流は螺旋型エレメントの中心管に垂直である。製造時に、螺旋状にエレメントを巻き回した後、封筒状平膜を糊付けしてから裁断し、すると封筒状膜の供給側エッジは原水の流れに対して平坦な面を提示する。Beckman, et al.の“Entrance Features in Spiral Wound Elements”と題する仮特許出願第62849952号には、封筒状平膜のテーパ付きの先頭エッジが記載されている。Roderick, et al.の“Graded Spacers for Filtration Wound Elements”と題するPCT特許出願第PCT/US2018/016318号には、供給側スペース及び透過液担体スペースの長さにわたり可変的な高さを有する供給側スペーサの特徴が記載されている。Herrington, et al.の“Flow Directing Devices for Spiral Wound Elements”と題する米国特許出願第PCT/US17/62425号には、流体流が螺旋型エレメントの供給端を洗い流して、原水ストリーム中の粒子の障害物が封筒状膜の端に衝突するのを回避するのを助ける回転ベーンを内蔵するテレスコープ防止装置が記載されている。
【0004】
メッシュスペーサではなくプリントスペーサの製造において、様々な接着剤が使用されて供給側スペースコンポーネントが製作され、これらが平膜の活性表面に結合される。他の用途では、供給側スペースコンポーネントは平膜の不活性面に取り付けられる。これらのケースの多くにおいて、供給側スペースを製作するために膜に塗布される接着剤はフォトポリマを含み、これは、フォトポリマ材料に紫外線(UV)エネルギを加えることによって急速に硬化するため、急速に硬化して、設定された物理的形状をとる。ポリマ膜表面の組成に応じて、UV露光によって透過流束の特性及び活性ポリマコーティングの脱塩率特性が変化する可能性がある。幾つかのケースにおいて、UV露光は透過流束と脱塩率について有害となる可能性がある。他のケースでは、UVエネルギは、透過流束を増大させることによって、又は脱塩率を改善することによって、透過流束特性を改善できる。この場合、平膜の脱塩率を高めることができ、その結果、より高品質の生産流体、すなわち塩イオンのより少ないものが生成されることから、膜の効率を改善できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
本発明の理解は、Barger et al.の米国特許第6,632,357号、Bradford et al.の米国特許第7,311,831号、並びにRoderick et al.の“Improved Spiral Wound Element Construction”と題するオーストラリア特許(第2014223490号)及び日本特許(第6499089号)の内容により促進でき、これらの各々を参照によって本願に援用する。
【0006】
螺旋型エレメントの多くの設計パラメータがエレメントの性能に影響を与える。流速等の流体流特性、流路形状、及び供給側スペーサの幾何学形状が滞留時間、せん断、及び乱流に影響し、それらが今度は膜システムの膜透過流束、脱塩率、及び回収率等の性能特性に影響を与える。螺旋型ろ過エレメントの「回収率」とは、膜エレメント内の透過液流量対原水流量の比と定義される。現在使用されている逆浸透エレメントの典型的な単一エレメント回収率は10%~30%の範囲であり、これは、原水の70~90%がリジェクトストリーム中でエレメントから出ることを意味する。例えば、家庭用逆浸透システムでは、リジェクトストリームを減らして、下水道へと廃棄される水が飲料用に生成される水(すなわち、透過液)に対して少なくなるようにすることが、経済的且つ環境的により道義的であり得る。平膜製造におけるポリマ層の製造及び流延中に、膜の透過流束と脱塩率を製造中のポリマ配合組成によって調整できる。例えば、透過流束は化学的配合組成の調整によって劇的に増大させることができる。同様に、膜の脱塩率も調整できる。幾つかのケースでは、例えば、透過流束と脱塩率の両方に影響を与え、透過流束が増大し、脱塩率が低下するようにすることができる。これらの条件が完成平膜中に存在する場合、平膜へのUV露光によって透過流束を損なわずに脱塩率を改善できる。UV光は、膜の活性表面の上又は膜の活性表面の下の何れに当てることもできる。UV光を平膜の長さ(又は幅)に沿って走査させることも、平膜をUV光源の固定位置に沿って引っ張ることも、又はその組合せとすることもできる。UV光はまた、平膜の長さに沿って、又はそれを横切る方向に変化させることもでき、それによって平膜に沿って、又はそれを横切る方向に脱塩率を変化させて、より均一な品質の透過液が得やすくなる。膜の流延は常に均一なプロセスとは限らず、膜母材上のポリマコーティングの厚さにばらつきが出る可能性がある。平膜の活性コーティングの厚さが変動する場合、UV光の強度を変化させて、平膜のいずれの点においても所望の適正な透過流束と脱塩率が確実に所望の値となるようにすることができる。同様にして、UV光の強度を変化させて、適正な量のUVエネルギが平膜上のスペーサとして使用される感光性ポリマに確実に付与されるようにすることができ、スペーサは膜活性表面の上又は下の何れかに適用される。エネルギの異なる波長も使用でき、これには可視波長とUV波長が含まれるが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
ロール形成前の従来の螺旋型膜エレメントの図である。
平膜がUV光の固定位置を横切って移動しているときの、膜の活性表面の上にUV光が当てられている平膜の図である。
平膜がUV光の固定位置を横切って移動しているときの、膜の活性表面の下にUV光が当てられている平膜の図である。
UV光が平膜の固定位置に関して移動しているときの、膜の活性表面の下にUV光が当てられている平膜の図である。
平膜の活性表面の下にパターンが印刷されているときの、膜の活性表面の下にUV光が当てられている平膜の図である。
平膜の長さに沿ってUV光の強度が線形に変化するときの平膜の図である。
平膜の上でのUV強度が平膜の長さに沿って所望の値であるようにUV光の強度が平膜の長さに沿って平膜中の材料の厚さに対応して可変的に変化するときの平膜の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施態様と産業上の利用分野
図1は、従来の螺旋型膜エレメント10の要素の概略図である。透過液集水管12は、集水管12の穴14を含み、そこで透過液が透過液供給側スペーサ22から回収される。製造中、平膜24及び28は1枚のシートを中心線30で折り畳んだものを含む。平膜24及び28は典型的に、透過性支持層、例えばポリスルフォン又はポリエチレン上のポリスルフォンと、支持層の上に結合又は流延された活性ポリマ膜層からなる。活性ポリマ膜表面24は、供給側スペーサメッシュ26に隣接し、不活性の支持層28は透過液担体22に隣接する。原水16は、活性ポリマ膜表面24間に入り、供給側スペーサメッシュ26内の開放空間を通って流れる。原水16が供給側スペーサメッシュ26を流れるとき、全溶解固形物(TDS)イオンは活性ポリマ膜表面で阻止され、透過流体の分子、例えば水分子は活性ポリマ膜表面24を通過して、透過性透過液担体22に入る。原水16が活性ポリマ膜表面24に沿って移動すると、バルク原水16中では透過流体の損失によってTDSイオン濃度が上昇し、それによって活性ポリマ平膜24のリジェクト端から、原水16より高いTDSを有するリジェクト水18として出る。透過液担体22内の透過流体は、透過液担体22の先端34から中心管12の方向へと流れ、そこで透過流体は中心管入口穴14を通って中心管12に入り、中心管12から透過水20として出る。透過流体に原水16が混入するのを回避するために、活性ポリマ膜表面24は透過液担体22を通じて接着剤ライン32に沿って接着剤でシールされ、それによってシールされた封筒状膜が作られ、そこでの透過水20のための出口経路は中心管12を通る経路しかない。
【0009】
図2に示される本発明の例示的な実施形態において、平膜42上の活性膜表面は、膜表面において所望の透過流束と脱塩率を得るように配合できる。UV光を活性膜表面に照射して、活性膜層の透過流束及び脱塩率性能を変更又は最適化できる。可視光等の波長も使用できる。UV光源44は、平膜42の上方に位置付けられる。平膜42は、固定されたUV光源44に沿って引っ張られる。平膜42の移動速度のほか、UV源44の強度も変化させて、個々の用途のための所望の透過流束及び脱塩率の値を実現できる。
【0010】
図3に示される本発明の例示的な実施形態において、UV光源44は平膜42の下方に設置され、平膜42はUV又は可視光に対してある程度の透過性を有する。平膜42は固定されたUV源44に沿って引っ張られる。平膜42の移動速度のほか、UV源44の強度も変化させて、個々の用途のための所望の透過流束及び脱塩率の値を実現することができる。使用する処理パラメータは、アミンローディング、ポリマコーティング、及びクリーニングプロトコル等の膜特性並びに、所望の性能特性に依存し得る。膜の所望の特性には、脱塩率(膜表面で阻止される塩の量又はパーセンテージ)及び透過流束(ある表面積の膜表面において膜表面を通過する流体の量)を含めることができる。脱塩率と透過流束は、処理後の活性表面に依存する可能性がある。当業者であれば、関係する様々な依存性に詳しく、処理パラメータを使用中の特定の膜及びその用途にとって望ましい特性に基づいて選択できる。
(【0011】以降は省略されています)

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