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公開番号2025082194
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195503
出願日2023-11-16
発明の名称積層体及び包装袋
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20250521BHJP(積層体)
要約【課題】衛生性と、表面層及び基材の密着性と、電子レンジ適性とに優れる積層体と、該積層体を備える包装袋とを提供する。
【解決手段】表面層11と、第1基材12と、第1接着層13と、シーラント層14と、をこの順に備える積層体10であって、表面層11が、重合開始剤(A)と重合性化合物(B)とを含有する電子線硬化性樹脂組成物の硬化物により構成され、表面層11の厚さが、3μm以上30μm以下であり、前記重合開始剤(A)が、分子量500以上の水素引き抜き型重合開始剤であり、第1基材12が、ポリエステルフィルムを備える、積層体10。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
表面層と、第１基材と、第１接着層と、シーラント層と、をこの順に備える積層体であって、
前記表面層が、重合開始剤（Ａ）と重合性化合物（Ｂ）とを含有する電子線硬化性樹脂組成物の硬化物により構成され、
前記表面層の厚さが、３μｍ以上３０μｍ以下であり、
前記重合開始剤（Ａ）が、分子量５００以上の水素引き抜き型重合開始剤であり、
前記第１基材が、ポリエステルフィルムを備える、積層体。
続きを表示（約 700 文字）【請求項２】
前記電子線硬化性樹脂組成物における前記重合開始剤（Ａ）の含有量が、０．１質量％以上２質量％以下である、請求項１に記載の積層体。
【請求項３】
前記電子線硬化性樹脂組成物が、分子量５００以上のアミンをさらに含有する、請求項１又は２に記載の積層体。
【請求項４】
前記電子線硬化性樹脂組成物における前記アミンの含有量が、０．１質量％以上２質量％以下である、請求項３に記載の積層体。
【請求項５】
前記重合性化合物（Ｂ）が、分子中に１以上の（メタ）アクリロイル基を有する重合性化合物を含む、請求項１又は２に記載の積層体。
【請求項６】
前記電子線硬化性樹脂組成物が、顔料をさらに含有する、請求項１又は２に記載の積層体。
【請求項７】
前記表面層と、前記第１基材と、前記第１接着層と、第２基材と、第２接着層と、前記シーラント層と、をこの順に備え、
前記第２基材が、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム及びポリオレフィンフィルムからなる群から選択される少なくとも１つの樹脂フィルムを備える、請求項１又は２に記載の積層体。
【請求項８】
前記第２基材が、無機酸化物層をさらに備える、請求項７に記載の積層体。
【請求項９】
前記第１基材が、無機酸化物層をさらに備える、請求項１又は２に記載の積層体。
【請求項１０】
前記シーラント層が、ポリオレフィンにより構成されている、請求項１又は２に記載の積層体。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、積層体及び包装袋に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
電子レンジ加熱用の包装袋には、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第１基材と、ポリアミド系フィルムからなる第２基材と、ポリオレフィン系フィルムからなるシーラント層との３層を必須の構成として含む積層体が一般的に用いられている。この積層体からなる包装袋では、ポリアミド系フィルムを含むことにより、輸送時等に他の包装袋の角等から受ける突き刺し、包装袋に伝わる衝撃、及びその衝撃に伴う屈曲に対して優れた耐性を得ることを可能としている。
【０００３】
ポリアミド系フィルムを含む包装袋は、上記のように耐突き刺し性と耐衝撃性と耐屈曲性には優れるものの、耐熱性には劣っている。このため、電子レンジでの加熱により高温になる食品（例えば、カレーやパスタソース等のように油分や糖分を多く含む食品）が包装袋に収容されている場合、包装袋に穴が開いたり変形が生じたりするおそれがある。例えば、包装袋の内側面に食品、特に固形物が付着した状態で電子レンジ加熱を行うと、その付着した食品にマイクロ波が集中し、その部分で高温化した食品がポリアミド系フィルムを溶かして包装袋に穴を開けることがある。そこで、包装袋の耐熱性を改善すべく、ポリアミド系フィルムの代わりにポリエチレンテレフタレートフィルムを第２基材に用いた積層体が特許文献１で提案されている。
【０００４】
また、電子レンジ加熱用の包装袋に用いる印刷インクについても、これまで種々の改良がなされてきた。例えば特許文献２には、業務用の電子レンジ使用時においてもスパークを発生しないレンジアップ性等が得られる、電子レンジ用グラビアインキ組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２００８－３０８１８３号公報
特開２０２２－５４７３４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
積層体の電子レンジ適性（電子レンジで加熱しても積層体が損傷しにくいこと）には、改善の余地があった。積層体の電子レンジ適性を改善する方法としては、第１基材と第２基材とシーラント層とに加え、第３基材をさらに積層し、より多くの層からなる積層体にすることが挙げられる。しかしながら、第３基材をさらに積層した積層体とすると、積層体の製造工程が複雑になりやすいという問題があった。
【０００７】
また、裏刷りによる印刷層の形成も、積層体の製造工程の複雑化に関与していた。
特許文献２にも例示されているように、電子レンジ加熱用の包装袋に用いる積層体として、印刷層を備える積層体を製造する際には、基材の内側の面に印刷を施す裏刷りが一般的に行われている。裏刷りで形成した印刷層は、基材とシーラントとの間に位置するため、裏刷りで個別の画像を表示しようとすると、積層体の製造工程が複雑になりやすかった。
【０００８】
さらに、基材に裏刷りを行った場合には、基材の印刷面とシーラント層とを接着剤等で貼り合わせた際のラミネート強度が低下することがあった。
【０００９】
製造工程の複雑化やラミネート強度の低下といった問題に対処するため、基材の外側の面に印刷を施す表刷りも検討されている。表刷りで個別の画像を表示する方法としては、インクジェット印刷が挙げられる。このインクジェット印刷には紫外線硬化型のインクが用いられてきた。しかしながら、基材に対して紫外線硬化型のインクを用いたインクジェット印刷で表刷りを行った場合、印刷で形成された表面層が剥離しやすいという問題があり、特に電子レンジ加熱用の包装袋に食品等を入れてレトルト処理を行った後において表面層が剥離しやすかった。また、紫外線硬化型のインクを紫外線で硬化させても、モノマーが重合しきらずにインク中に残ることがあり、残留モノマーが積層体の衛生性を損ねる原因となっていた。さらに、表刷りによって形成された表面層は、積層体の表面に位置しているため、外部からの熱に晒されやすく、従来技術によって形成された表面層では、外部からの熱により、マイグレーション（インクを構成する成分が表面層から溶出して画像がぼやける現象）が発生しやすいという問題があった。
【００１０】
従って、本開示の目的は、衛生性と、表面層及び基材の密着性と、電子レンジ適性とに優れる積層体を提供することである。また、本開示の別の目的は、該積層体を備える、包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
（【００１１】以降は省略されています）

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