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公開番号2025078725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-20
出願番号2025032958,2022553809
出願日2025-03-03,2021-09-16
発明の名称光学素子
出願人富士フイルム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 27/02 20060101AFI20250513BHJP(光学)
要約【課題】 ARグラス等において、ボヤケの無い鮮明な画像の表示を可能にする光学素子の提供を課題とする。
【解決手段】 基板と、基板上に設けられる複数の液晶層が積層された積層体と、を有し、積層体を構成する液晶層は、液晶化合物由来の光学軸の向きが、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するものであり、積層体を構成する液晶層のうち少なくとも1層は、走査型電子顕微鏡による10断面の観察で得た最大膜厚と最小膜厚との差を算術平均した値が0.1μm以下であることにより、課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、前記基板上に設けられる、液晶化合物を配向してなる液晶層が複数積層された積層体と、を有し、
前記積層体を構成する前記液晶層は、前記液晶化合物に由来する光学軸の向きが、面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するものであり、
前記積層体を構成する前記液晶層のうち、少なくとも1層は、以下に示す膜厚分布要件を満たす、光学素子。
膜厚分布要件
前記液晶層の厚さ方向の断面を、走査型電子顕微鏡によって10000倍で観察することを、観察位置を前記液晶層の面内方向に連続的に移動して20か所で行うことにより、前記液晶層の面内方向の200μmの範囲の画像を取得して、取得した前記液晶層の面内方向の200μmの範囲内における最大膜厚と最小膜厚との差を取得する操作を、前記液晶層の任意の10断面で行い、取得した10断面における前記最大膜厚と最小膜厚との差を算術平均した値が、0.1μm以下である。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記積層体を構成する前記液晶層のうち、積層方向の端部に位置する前記液晶層が、前記膜厚分布要件を満たす、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記積層体を構成する前記液晶層のうち、最も前記基板側の前記液晶層が、前記膜厚分布要件を満たす、請求項2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記積層体を構成する前記液晶層のうち、最も基板と離間する前記液晶層以外の前記液晶層が、前記膜厚分布要件を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項5】
前記積層体を構成する全ての前記液晶層が、前記膜厚分布要件を満たす、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項6】
前記積層体を構成する前記液晶層が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項7】
前記基板が導光板であり、前記導光板に光を入射する入射部、および、前記導光板から光を出射させる出射部を有し、
前記入射部および前記出射部の少なくとも一方が、前記積層体を用いて構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学素子。
【請求項8】
前記入射部が、前記積層体を用いて構成される、請求項7に記載の光学素子。
【請求項9】
前記出射部が、前記積層体を用いて構成される、請求項8に記載の光学素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ARグラス等に利用される光学素子に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、非特許文献1に記載されるような、実際に見ている光景に、仮想の画像および各種の情報等を重ねて表示する、AR(Augmented Reality(拡張現実))グラスが実用化されている。ARグラスは、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD(Head Mounted Display))、および、ARメガネ等とも呼ばれている。
【0003】
非特許文献1に示されるように、ARグラスは、一例として、ディスプレイ(光学エンジン)が表示した画像を、導光板の一端に入射して伝播し、他端から出射することにより、使用者が実際に見ている光景に、仮想の画像を重ねて表示する。
ARグラスでは、回折素子を用いて、ディスプレイからの光(投影光)を回折(屈折)させて導光板の一方の端部に入射する。これにより、角度を付けて導光板に光を導入して、導光板内で光を伝播させる。導光板を伝播した光は、導光板の他方の端部において同じく回折素子によって回折されて、導光板から出射され、使用者による観察位置に照射(投影)される。
【0004】
ARグラスに利用可能な、導光板に光を入射させ、かつ、導光板から光を出射させる回折素子の一例として、特許文献1に記載される、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を用いる反射構造体が例示される。
この反射構造体は、各々が所定方向に沿って延びる複数の螺旋状構造体を備えている。また、この反射構造体は、所定方向に交差すると共に、光が入射する第1入射面と、この所定方向に交差すると共に、第1入射面から入射した光を反射する反射面とを有し、第1入射面は、複数の螺旋状構造体のそれぞれの両端部のうちの一方端部を含む。また、複数の螺旋状構造体の各々は、所定方向に沿って連なる複数の構造単位を含み、この複数の構造単位は、螺旋状に旋回して積み重ねられた複数の要素を含む。また、複数の構造単位の各々は、第1端部と第2端部とを有し、所定方向に沿って互いに隣接する構造単位のうち、一方の構造単位の第2端部は、他方の構造単位の第1端部を構成し、かつ、複数の螺旋状構造体に含まれる複数の第1端部に位置する要素の配向方向は揃っている。さらに、反射面は、複数の螺旋状構造体のそれぞれに含まれる少なくとも1つの第1端部を含むものであり、かつ、第1入射面に対して非平行となっている。
【0005】
特許文献1に記載されるコレステリック液晶層(反射構造体)は、要するに、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するものである。特許文献1に記載されるコレステリック液晶層は、このような液晶配向パターンを有することにより、第1入射面に対して、非平行な反射面を有する。
一般的なコレステリック液晶層は、入射した光を鏡面反射する。
これに対して、特許文献1に記載されるコレステリック液晶層は、鏡面反射ではなく、入射した光を回折して、鏡面反射に対して所定の方向に角度を持たせて反射する。例えば、特許文献1に記載されるコレステリック液晶層によれば、法線方向から入射した光を、法線方向に反射するのではなく、光を回折して、法線方向に対して傾けて反射する。
【0006】
従って、このコレステリック液晶層を導光板への入射用の回折素子として用いることで、ディスプレイによる画像を回折させて角度を付けて導光板に光を導入して、導光板内で光を全反射して伝搬させることができる。
また、コレステリック液晶層を導光板からの出射用の回折素子として用いることで、導光板によって伝搬された光を回折させて、導光板から出射させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2016/194961号
【非特許文献】
【0008】
Bernard C. Kress et al., Towards the Ultimate Mixed Reality Experience: HoloLens Display Architecture Choices, SID 2017 DIGEST, pp.127-131
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、特許文献1に記載されるコレステリック液晶層を用いる反射構造体によれば、コレステリック液晶層によって入射した円偏光を回折して、入射方向に対して、円偏光を傾けて反射できる。
周知のように、コレステリック液晶層は、液晶化合物の螺旋構造の螺旋ピッチに応じて、所定の波長域の光を選択的に反射する。従って、例えば、赤色光、緑色光および青色光に対応して、各色の光を選択的に反射するコレステリック液晶層を積層して用いることにより、フルカラー画像を表示するARグラスにも対応できる。
【0010】
ここで、本発明者らの検討によれば、液晶層を用いる回折素子は、複数の液晶層を積層した場合に、液晶層の面内方向で回折角度にバラツキが生じてしまう場合がある。
面内方向で回折角度にバラツキを有する回折素子をARグラスに用いた場合には、表示する画像にボヤケが生じてしまう。
(【0011】以降は省略されています)

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