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公開番号2025074546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185412
出願日2023-10-30
発明の名称縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法及び縮合多環芳香族複素環化合物
出願人三菱ケミカル株式会社,国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人
主分類C07D 217/12 20060101AFI20250507BHJP(有機化学)
要約【課題】汎用の縮合環化合物を出発原料として、デバイスに適した基本骨格を有する新たな縮合多環芳香族複素環化合物を製造する方法を提供する。蛍光スペクトルの極大ピークの半値幅が小さい縮合多環芳香族複素環化合物を提供する。
【解決手段】三価の鉄化合物、三価のリン化合物、及びトリアルキルアルミニウムの共存下で、オキシムエーテルとアセチレン誘導体とのカップリング反応を行うことで、環構造が拡張された縮合多環芳香族複素環化合物を製造する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オキシムエーテルとアセチレン誘導体との反応により、下記一般式(I)で表される縮合多環芳香族複素環化合物を製造する方法であって、前記反応を、三価の鉄化合物、三価のリン化合物、及びトリアルキルアルミニウムの共存下で行う縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法。
TIFF
2025074546000080.tif
90
144
(上記式(I)中、Y

、Y
II
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い二価の芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い二価の芳香族複素環基、又は置換基を有していても良い二価の脂肪族炭化水素基を表す。


~R

は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いシリル基、又は水素原子を表す。


~Z
III
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い周期表第14族、15族又は16族元素、或いは水素原子を表す。
式(I)中、Z

とY

、Z
II
とY
II
は、それぞれ直接又は連結基を介して結合して環を形成していても良い。


~A
IX
は、それぞれ独立に、任意の置換基を有す。
mは整数を表す。)
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
オキシムエーテルとアセチレン誘導体との反応により、下記式(II)、下記式(III)、下記式(IV)、又は下記式(V)で表される縮合多環芳香族複素環化合物を製造する方法であって、前記反応を、三価の鉄化合物、三価のリン化合物、及びトリアルキルアルミニウムの共存下で行う縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法。
TIFF
2025074546000081.tif
221
140
(上記式(II)、(III)、(IV)、及び(V)中、R

~R
12
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いシリル基、又は水素原子を表す。


~Z
12
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い周期表第14族、15族、又は16族元素、或いは水素原子を表す。Z

とZ

、Z

とZ

、Z

とZ

、Z

とZ

、Z

とZ
10
、Z
11
とZ
12
は、それぞれ直接又は連結基を介して結合しても環を形成していても良い。


~A
12
、B

~B
10
及びC

~C

は、それぞれ独立に、任意の置換基を表す。
式(II)中の点線は、置換基を有していても良いエチレン基、又は置換基を有していても良いエチニレン基を示す。)
【請求項3】
前記三価のリン化合物が、下記式(VI)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載の縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法。
TIFF
2025074546000082.tif
52
140
(上記式(VI)中、R
13
、R
14
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基を表す。
Xは、置換基を有していても良い窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表す。)
【請求項4】
前記反応を、更にアルミニウムと6員環又は5員環の錯体形成が可能な二座配位子、カテコール、1,8-ジヒドロキシナフタレンおよびこれらの誘導体のいずれか1種以上の存在下で行う、請求項1又は2に記載の縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法。
【請求項5】
前記反応を、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、及びハロゲン系溶媒よりなる群から選択される1種又は2種以上の反応溶媒の存在下で行う、請求項1又は2に記載の縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法。
【請求項6】
下記式(I)で表される縮合多環芳香族複素環化合物。
TIFF
2025074546000083.tif
90
144
(上記式(I)中、Y

、Y
II
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い二価の芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い二価の芳香族複素環基、又は置換基を有していても良い二価の脂肪族炭化水素基を表す。


~R

は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いシリル基、又は水素原子を表す。


~Z
III
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い周期表第14族、15族又は16族元素、或いは水素原子を表す。
式(I)中、Z

とY

、Z
II
とY
II
は、それぞれ直接又は連結基を介して結合して環を形成していても良い。


~A
IX
は、それぞれ独立に、任意の置換基を有す。
mは整数を表す。)
【請求項7】
下記式(II)、下記式(III)、下記式(IV)又は下記式(V)で表される縮合多環芳香族複素環化合物。
TIFF
2025074546000084.tif
221
140
(上記式(II)、(III)、(IV)、及び(V)中、R

~R
12
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良いシリル基、又は水素原子を表す。


~Z
12
は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い周期表第14族、15族、又は16族元素、或いは水素原子を表す。Z

とZ

、Z

とZ

、Z

とZ

、Z

とZ

、Z

とZ
10
、Z
11
とZ
12
は、それぞれ直接又は連結基を介して結合しても環を形成していても良い。


~A
12
、B

~B
10
及びC

~C

は、それぞれ独立に、任意の置換基を表す。
式(II)中の点線は、置換基を有していても良いエチレン基、又は置換基を有していても良いエチニレン基を示す。)
【請求項8】
蛍光スペクトルの極大ピークの半値幅が25nm以下である、請求項6又は7に記載の縮合多環芳香族複素環化合物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄触媒を用いた縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法に関する。本発明はまた、蛍光スペクトルの極大ピークが狭小半値幅を有する縮合多環芳香族複素環化合物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
PLED、OLED、OFET、OPV、PSC、pe-LED、CMOSなどのデバイスには有機半導体材料が使われている。有機材料を用いた正孔輸送材料、電子輸送材料、ホスト材料には、それらの基本骨格となる多環芳香族炭化水素環基や多環芳香族複素環基について、新たな骨格が必要とされている。しかし、合成の複雑さや溶解性の低下などの面から、従来、上記デバイスに適した基本骨格となる多環芳香族複素環骨格は限定的であった。
【0003】
例えば、多環芳香族複素環化合物の製造方法において、キナクリドンやアクリドン等の有機顔料が基本骨格(出発原料)として知られているが、これらは平面性多環芳香族複素環化合物であり、これらを出発原料として上記目的のために各種の多環芳香族複素環化合物へ誘導することは、その非常に低い溶解性のために困難であった。このため、キナクリドンのNH基にアルキル基を導入して溶解性を確保したキナクリドン骨格を用いることがあるが、さらに環構造を拡張した多環芳香族複素環化合物を合成することは難しかった(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
“Physical Sciences Reviews”,Vol.7,No.2,2021年6月30 インターネット(URL:https://doi.org/10.1515/psr-2020-0195)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、従来法では、キナクリドンやアクリドンなどを出発原料として、これらの環構造を拡張させた多環芳香族複素環化合物を合成することは難しく、溶解性も含めて、デバイスに適した基本骨格を有する新たな縮合多環芳香族複素環化合物を製造することは困難であった。
【0006】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、汎用の縮合環化合物を出発原料として、デバイスに適した基本骨格の新規縮合多環芳香族複素環化合物を製造する方法を提供することにある。
【0007】
特に、本発明の課題は、縮合環を形成しているキナクリドンやアクリドン、2,3-デヒドロ-4(1H)-キノリノン、4(1H)-キノリノン、チオクロマノン、1-チオクロモン、クロマノン、クロモン、1-テトラロン、1(4H)-ナフタレノン、1-インダノン、1H-インデンオン-1-オンなどを出発骨格として、そのカルボニル基をオキシムエーテル化した後、得られたオキシムエーテルとアセチレン誘導体とを鉄触媒の存在下で反応を行うことにより、環構造が拡張された縮合多環芳香族複素環化合物を得ることにある。
本発明はまた、蛍光スペクトルの極大ピークが狭小半値幅を有する縮合多環芳香族複素環化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、三価の鉄化合物、三価のリン化合物、及びトリアルキルアルミニウムの共存下、オキシムエーテルとアセチレン誘導体とのカップリング反応を行うことで、環構造が拡張された縮合多環芳香族複素環化合物を製造することができること、また、この縮合多環芳香族複素環化合物は、蛍光スペクトルの極大ピークの半値幅が小さい縮合多環芳香族複素環化合物であることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は、以下に存する。
【0009】
[1] オキシムエーテルとアセチレン誘導体との反応により、下記一般式(I)で表される縮合多環芳香族複素環化合物を製造する方法であって、前記反応を、三価の鉄化合物、三価のリン化合物、及びトリアルキルアルミニウムの共存下で行う縮合多環芳香族複素環化合物の製造方法。
【0010】
TIFF
2025074546000001.tif
90
144
(【0011】以降は省略されています)

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