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公開番号2025074288
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2025033967,2021054130
出願日2025-03-04,2021-03-26
発明の名称熱伝導シート及びその製造方法
出願人日本ゼオン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250502BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポンプアウトを抑制しつつ優れた熱伝導性を発揮し得る熱伝導シートを提供する。
【解決手段】液状樹脂及び粒子状炭素材料を含む熱伝導シートである。かかるシートでは、粒子状炭素材料の長軸方向のシート表面に対する角度が60°以上90°以下であり、シートの分子量分布を測定した際に、分子量1,000以下の樹脂成分の割合が1.0%以下であり、樹脂における液状樹脂の割合が70質量%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂及び粒子状炭素材料を含む熱伝導シートであって、
前記樹脂が液状樹脂を含み、
前記粒子状炭素材料の長軸方向の前記熱伝導シート表面に対する角度が60°以上90°以下であり、
前記熱伝導シートの分子量分布を測定した際に、分子量1,000以下の樹脂成分の割合が1.0%以下であり、
前記樹脂における前記液状樹脂の割合が70質量%以下である、
熱伝導シート。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記樹脂における前記液状樹脂の割合が50質量%以上である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項3】
前記熱伝導シートの中の前記粒子状炭素材料の体積分率が25体積%以上55体積%以下である請求項1又は2に記載の熱伝導シート。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の熱伝導シートの製造方法であって、
前記樹脂及び前記粒子状炭素材料を含む組成物を加圧してシート状に成形し、一次シートを得る一次シート成形工程と、
前記一次シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、前記一次シートを折畳または捲回して、積層体を得る積層体形成工程と、
前記積層体を積層方向に45°以下の角度でスライスし、二次シートを得るスライス工程と、
前記二次シートを120℃以上の減圧条件下にて3時間以上乾燥する、乾燥工程と、
を含む、熱伝導シートの製造方法。
【請求項5】
前記乾燥工程における乾燥時間を12時間以下とする、請求項4に記載の熱伝導シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導シート及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パワー半導体(IGBTモジュールなど)や集積回路(IC)チップ等の電子部品は、高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、電子部品を用いた電子機器では、電子部品の温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。
【0003】
電子部品の温度上昇による機能障害対策としては、一般に、電子部品等の発熱体に対し、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることによって、放熱を促進させる方法が採られている。そして、放熱体を使用する際には、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えるために、熱伝導性が高いシート状の部材を介し、このシート状の部材に対して所定の圧力をかけることで発熱体と放熱体(以下、併せて「被着体」とも称することがある。)とを密着させている。
【0004】
ここで、熱伝導シートによる熱伝導効率を高める観点から、比較的低い圧力をかけられた状態で優れた熱伝導性を発揮し得ることが好ましい。そこで、特許文献1では、常温液体の熱可塑性樹脂と粒子状炭素材料とを含み、0.05MPa加圧下での熱抵抗の値が0.20℃/W以下である熱伝導シートが提案されている。
【0005】
特許文献1のように、常温液体の熱可塑性樹脂を配合することで、熱伝導シートの柔軟性は高まるが、被着体の間に挟み込んで使用した際に、挟持圧力および発熱体からの熱に起因して、熱伝導シートの成分が被着体の外に液垂れ(ポンプアウト)してしまう問題が生じることがあった。そこで従来、かかる不具合に対する対処方法も検討されてきた。例えば特許文献2では、常温常圧下で液体の樹脂と、常温常圧下で固体の樹脂と、粒子状炭素材料とを含み、0.05MPa加圧下での熱抵抗値が0.30℃/W以下である熱伝導シートであって、常温常圧下で液体の樹脂の含有割合が、常温常圧下で液体の樹脂及び常温常圧下で固体の樹脂の合計含有量の60質量%以上75質量%以下である熱伝導シートが提案されている。特許文献2では、常温常圧下で液体の樹脂の含有割合を所定の範囲内に制御することで、ポンプアウトの抑制と熱伝導性との両立を試みている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/145957号公報
特開2018-129377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の複合シートは、ポンプアウトを抑制することと、熱伝導性に優れることとを、高いレベルで両立するという点で改善の余地があった。
【0008】
そこで、本発明は、ポンプアウトを抑制することと、熱伝導性に優れることとを、高いレベルで両立することができる、熱伝導シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、液状樹脂と粒子状炭素材料とを含有する熱伝導シートであって、粒子状炭素材料の長軸方向のシート表面に対する角度が60°以上90°以下であるとともに、熱伝導シートの分子量分布を測定した際に、分子量1,000以下の成分の割合が1.0%以下である、熱伝導シートが、ポンプアウトを抑制することと、熱伝導性に優れることとを、高いレベルで両立することができることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱伝導シートは、樹脂及び粒子状炭素材料を含む熱伝導シートであって、前記樹脂が液状樹脂を含み、前記粒子状炭素材料の長軸方向の前記熱伝導シート表面に対する角度が60°以上90°以下であり、前記熱伝導シートの分子量分布を測定した際に、分子量1,000以下の成分の割合が1.0%以下である、ことを特徴とする。液状樹脂及び粒子状炭素材料を含み、粒子状炭素材料の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度が60°以上90°以下であり、熱伝導シートの分子量分布を測定した際に、分子量1,000以下の成分の割合が1.0%以下である熱伝導シートは、ポンプアウトを抑制することと、熱伝導性に優れることとを、高いレベルで両立することができる。
なお、「粒子状炭素材料の長軸方向の熱伝導シート表面に対する角度」及び「熱伝導シートの分子量分布」は本明細書の実施例に記載の方法に従って測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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