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公開番号2025074011
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2024179330
出願日2024-10-11
発明の名称反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法
出願人HOYA株式会社
代理人個人
主分類G03F 1/24 20120101AFI20250502BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】反射型マスクの遮光領域におけるEUV光およびアウトオブバンド光の反射光を低減できる反射型マスクを製造するための反射型マスクブランクを提供する。
【解決手段】基板と、該基板上に設けられた多層反射膜と、該多層反射膜上に設けられた吸収体膜と、該吸収体膜上に設けられた遮光膜とを有し、前記遮光膜は複数の層を含み、複数の層のうち互いに接する層間のEUV光に対する屈折率の絶対差が0.06以下であり、且つ、前記互いに接する層間のEUV光に対する消衰係数の絶対差が0.03以下である反射型マスクブランク。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
反射型マスクブランクであって、
基板と、
前記基板上に設けられた多層反射膜と、
前記多層反射膜上に設けられた吸収体膜と、
前記吸収体膜上に設けられた遮光膜と、を有し、
前記遮光膜は複数の層を含み、
前記遮光膜において、前記複数の層のうち互いに接する層間のEUV光に対する屈折率の絶対差が0.06以下であり、且つ、前記互いに接する層間の前記EUV光に対する消衰係数の絶対差が0.03以下であることを特徴とする反射型マスクブランク。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
反射型マスクブランクであって、
基板と、
前記基板上に設けられた多層反射膜と、
前記多層反射膜上に設けられた吸収体膜と、
前記吸収体膜上に設けられた遮光膜と、を有し、
前記遮光膜は、EUV光に対して、膜厚方向において前記基板に近いほど小さくなる屈折率を有することを特徴とする反射型マスクブランク。
【請求項3】
前記遮光膜の最も前記基板から離れた最表面または前記遮光膜の最も前記基板から離れた最上層の前記EUV光に対する屈折率と真空の前記EUV光に対する屈折率との絶対差が0.06以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項4】
前記遮光膜の最も前記基板から離れた最表面または前記遮光膜の最も前記基板から離れた最上層の前記EUV光に対する消衰係数と真空の前記EUV光に対する消衰係数との絶対差が0.03以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項5】
前記遮光膜は、クロム、タンタルおよびケイ素のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項6】
前記遮光膜は、前記EUV光に対して、膜厚方向において前記基板に近いほど大きくなる消衰係数を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項7】
前記遮光膜は、複数の元素からなり、前記複数の元素の組成比が膜厚方向において連続的または段階的に変わる組成傾斜膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項8】
前記多層反射膜は、低屈折率層および高屈折率層からなる組を複数含み、
前記多層反射膜は、一部の領域において、互いに接する前記低屈折率層と前記高屈折率層との間の界面を有し、他の領域において、前記界面を有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項9】
前記吸収体膜と前記遮光膜との間に第1エッチングマスク膜を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項10】
前記遮光膜上に第2エッチングマスク膜を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造に用いられる反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィ法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚ものフォトマスクと呼ばれている転写用マスクが使用される。この転写用マスクは、一般にガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィ法が用いられている。
【0003】
近年、半導体産業において、半導体装置の高集積化に伴い、従来の紫外光を用いたフォトリソグラフィ法の転写限界を上回る微細パターンが必要とされてきている。このような微細パターン形成を可能とする技法として、極紫外(Extreme Ultra Violet:以下、「EUV」と呼ぶ。)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィがある。ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が13.5nmを含む13.5nm近傍の光が用いられる。このようなEUVリソグラフィで転写用マスクとして用いられる反射型マスクは、基板上に露光光であるEUV光を反射する多層反射膜が形成され、該多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。
【0004】
以上のように、リソグラフィ工程でのパターン微細化に対する要求が高まっているが、新たな課題も発生している。反射型マスクを用いるリソグラフィの問題の一つとしてシャドーイング効果が知られている。露光光であるEUV光が反射型マスクの垂直面に対してある角度(通常6度程度)をもって入射するため、吸収体膜の膜厚に起因して吸収体膜の影が生じる。この影の領域では露光光が反射しないため、パターンの反射像には寸法差が生じてしまい、パターン像が歪んでしまう。
【0005】
このシャドーイング効果の影響は、吸収体膜の膜厚を小さくすることで低減することができるが、吸収体膜を薄くした場合、反射型マスクの遮光領域での遮光性能の問題が新たに発生する。ここでいう遮光領域とは、反射型マスクの転写パターンが露出するように、転写パターンを含む領域の外周に設けられている領域であり、反射型マスクを用いたパターン転写時に、露光光が半導体基板上のパターンが転写されるブロックに隣接する領域に漏れないようにするためのものである。実際の露光作業では、一枚の半導体基板にチップが多面付けされる。このため、この遮光領域からの反射光が大きいと隣接するチップ同士の境界領域における多重露光の影響を与えるなどして歩留まり低下の問題が起こる。よって、この遮光領域での露光光の反射率は十分に小さいことが求められる。しかし、上記のとおり、シャドーイング効果を低減させるために吸収体膜を薄くした場合、吸収体膜からマスクの外部に放射される光が増加してしまう。この結果、遮光領域での遮光性能を十分に確保できないという問題が発生する。
【0006】
そこで、マスクの光吸収体層に形成された回路パターン領域の外部に、光吸収体層表面から多層反射膜に達するように掘り込んだ溝領域を形成する方法が特許文献1に提案されている。この溝領域をEUV光に対する遮光領域とし、光吸収体層を薄くした場合にも、この遮光領域におけるEUV光の反射を抑制できるとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2009-212220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、EUV光を発生させる光源からは、波長13.5nm付近のEUV領域の光だけでなく、例えば波長190nm~270nmに亘る深紫外領域の光も放射される場合が多い。本明細書では、波長190nm~270nmに亘る深紫外領域をDUVと呼ぶことがある。この領域近傍の光は、一般にアウトオブバンド(Out of Band)光とも呼ばれている。反射型マスクには、EUV光に伴ってアウトオブバンド光も入射するため、反射型マスクの遮光領域では、EUV光の遮光性だけでなく、アウトオブバンド光の反射率も十分に小さいことが望ましい。このため、アウトオブバンド光に対する遮光性も求められている。
しかし、上記の特許文献1に提案されている方法では、反射型マスクの遮光領域でのEUV光に対する遮光性はある程度得られるものの必ずしも十分ではなく、また上記のアウトオブバンド光に対する遮光性についても十分ではない場合がある。また、近年、解像力性能を向上させるために投影光学系の開口数(NA)を大きくした露光装置が検討されている。このような露光装置を用いる場合を考慮すると、遮光領域におけるEUV光およびアウトオブバンド光の反射率をさらに低減させることが期待される。
【0009】
そこで本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、第1に、反射型マスクの遮光領域におけるEUV光およびアウトオブバンド光の反射を低減でき、遮光領域での良好な遮光性能を有する反射型マスクを製造するための反射型マスクブランク、及び反射型マスクを提供することである。
本発明の目的とするところは、第2に、この反射型マスクを使用する半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、従来の課題を解決するべく、反射型マスクの遮光領域を形成する遮光膜の構成に着目して鋭意研究を続けた結果、以下の発明を完成した。
(構成1)
反射型マスクブランクであって、基板と、前記基板上に設けられた多層反射膜と、前記多層反射膜上に設けられた吸収体膜と、前記吸収体膜上に設けられた遮光膜と、を有し、前記遮光膜は複数の層を含み、前記遮光膜において、前記複数の層のうち互いに接する層間のEUV光に対する屈折率の絶対差が0.06以下であり、且つ、前記互いに接する層間の前記EUV光に対する消衰係数の絶対差が0.03以下であることを特徴とする反射型マスクブランク。
(【0011】以降は省略されています)

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