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公開番号2025072473
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2025016213,2023509081
出願日2025-02-03,2022-03-16
発明の名称顕微鏡、観察方法、およびプログラム
出願人株式会社ニコン
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 21/00 20060101AFI20250430BHJP(光学)
要約【課題】生体試料内部を観察する場合、試料の表面形状のひずみや、試料の屈折率の3次元的な不均一性に起因する収差が生じ、結像性能が低下する。
【解決手段】照明光を試料に照射する送光光学系ILOと、試料から発せられる信号光を受光する受光光学系DTOと、照明光または信号光に所定の位相分布を付加する位相変調素子14と、試料のサンプル点において試料により生じる収差に相当する第1位相分布を複数のサンプル点でそれぞれ計測する位相分布計測部46と、複数の第1位相分布に基づいて、照明光または信号光が試料内の所定の位置を通過する際に受ける位相変化量を示す位相データモデルを作成し、位相データモデルに基づいて試料の検出点を試料により生じる収差が低減された状態で検出するために照明光または信号光に付加すべき第2位相分布を算出する位相分布算出部47と、位相変調素子に第2位相分布を設定する位相分布設定部49と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光源からの照明光を試料に照射する送光光学系と、
前記試料から発せられる信号光を受光する受光光学系と、
前記送光光学系または前記受光光学系の少なくとも一方に設けられ、前記照明光または前記信号光に所定の位相分布を付加する位相変調素子と、
前記試料のサンプル点において前記試料により生じる収差に相当する第1位相分布を、複数の前記サンプル点でそれぞれ計測する位相分布計測部と、
計測された複数の前記サンプル点のそれぞれに対する前記第1位相分布に基づいて、前記照明光または前記信号光が前記試料内の所定の位置を通過する際に受ける位相変化量を示す位相データモデルを作成し、前記位相データモデルに基づいて、前記試料の少なくとも一つの検出点を前記試料により生じる収差が低減された状態で検出するために前記位相変調素子が前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に付加すべき第2位相分布を算出する位相分布算出部と、
前記位相変調素子に前記第2位相分布を設定する位相分布設定部と、を備える、顕微鏡。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の顕微鏡において、
前記検出点の1つに対する前記第2位相分布を特徴づける情報量は、前記サンプル点の1つに対する前記第1位相分布を特徴づける情報量より多い顕微鏡。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の顕微鏡において、
前記位相分布計測部は、少なくとも前記試料に対して前記照明光が照射される第1の方向と交差する第1面の面内方向に離れた複数の前記サンプル点のそれぞれについて、前記第1位相分布を計測する、顕微鏡。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記位相分布計測部は、前記受光光学系が検出する信号光の光量に基づいて、前記第1位相分布を計測する、顕微鏡。
【請求項5】
請求項4に記載の顕微鏡において、
前記位相変調素子は、前記第1位相分布の計測の間に、前記照明光または前記信号光のうちの一部の領域に対して位相を変化させない、顕微鏡。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記位相変調素子は、前記送光光学系に設けられ、
前記送光光学系は、前記照明光を集光して前記試料に照射するとともに、
前記照明光が集光する集光点と前記試料とを相対的に走査する走査部を備える、顕微鏡。
【請求項7】
請求項6に記載の顕微鏡において、
前記第1位相分布の計測の間に、前記位相変調素子が前記照明光または前記信号光に付加する位相分布の変更と前記試料の所定領域に対する前記走査とを交互に行い、
前記所定領域の中から前記サンプル点の選択を行う、顕微鏡。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の顕微鏡において、
前記位相分布設定部は、前記走査に同期して、前記位相変調素子に前記第2位相分布を設定する、顕微鏡。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の顕微鏡において、
前記第2位相分布を前記位相変調素子に設定し、複数の前記サンプル点で前記第1位相分布の計測を行う、顕微鏡。
【請求項10】
光源からの照明光を試料に照射し、前記試料から発せられる信号光を検出して、前記試料を観察する観察方法であって、
前記試料の複数のサンプル点において前記試料により生じる収差に相当する第1位相分布をそれぞれ計測すること、
計測された複数の前記サンプル点のそれぞれに対する前記第1位相分布に基づいて、前記照明光または前記信号光が前記試料内の所定の位置を通過する際に受ける位相変化量を示す位相データモデルを作成し、前記位相データモデルに基づいて、前記試料の少なくとも一つの検出点を前記試料により生じる収差が低減された状態で検出するために前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に付加すべき第2位相分布を算出すること、
前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に前記第2位相分布を付加して、前記検出点を検出すること、
を備える、観察方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡、観察方法、およびプログラムに関する。
本願は、2021年3月25日に出願された日本国特願2021-051951号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
光学顕微鏡で生体試料内部を観察する場合、試料の表面形状のひずみや、試料の屈折率の3次元的な不均一性に起因する収差が生じ、結像性能が低下する。このような観察試料に起因する収差を、デフォーマブルミラーのような収差補正素子(位相変調素子)を用いて補正し、高画質の顕微鏡画像を得る方法が提案されている(特許文献1)。また、複数のz位置において算出した球面収差補正量に基づき、異なるz位置の球面収差補正量を補間または関数近似を用いて算出する方法も提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許第8866107号明細書
米国特許第10379329号明細書
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によると、顕微鏡は、光源からの照明光を試料に照射する送光光学系と、前記試料から発せられる信号光を受光する受光光学系と、前記送光光学系または前記受光光学系の少なくとも一方に設けられ、前記照明光または前記信号光に所定の位相分布を付加する位相変調素子と、前記試料のサンプル点において前記試料により生じる収差に相当する第1位相分布を、複数の前記サンプル点でそれぞれ計測する位相分布計測部と、計測された複数の前記サンプル点のそれぞれに対する前記第1位相分布に基づいて、前記照明光または前記信号光が前記試料内の所定の位置を通過する際に受ける位相変化量を示す位相データモデルを作成し、前記位相データモデルに基づいて、前記試料の少なくとも一つの検出点を前記試料により生じる収差が低減された状態で検出するために前記位相変調素子が前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に付加すべき第2位相分布を算出する位相分布算出部と、前記位相変調素子に前記第2位相分布を設定する位相分布設定部と、を備える。
第2の態様によると、観察方法は、光源からの照明光を試料に照射し、前記試料から発せられる信号光を検出して、前記試料を観察する観察方法であって、前記試料の複数のサンプル点において、前記試料により生じる収差に相当する第1位相分布をそれぞれ計測すること、計測された複数の前記サンプル点のそれぞれに対する前記第1位相分布に基づいて、前記照明光または前記信号光が前記試料内の所定の位置を通過する際に受ける位相変化量を示す位相データモデルを作成し、前記位相データモデルに基づいて、前記試料の少なくとも一つの検出点を前記試料により生じる収差が低減された状態で検出するために前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に付加すべき第2位相分布を算出すること、前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に前記第2位相分布を付加して、前記検出点を検出すること、を備える。
第3の態様によると、プログラムは、試料を観察する顕微鏡システムの少なくとも一部を制御するプログラムにおいて、コンピュータを含む処理装置に、前記試料の複数のサンプル点の位置情報と、前記サンプル点のそれぞれにおいて前記試料により照明光または信号光に生じる収差に相当する第1位相分布に関する情報と、の読み込みを実行させ、前記処理装置に、複数の前記サンプル点の前記位置情報、および複数の前記サンプル点の前記第1位相分布に関する情報に基づいて、前記照明光または前記信号光が前記試料内の所定の位置を通過する際に受ける位相変化量を示す位相データモデルを作成し、前記位相データモデルに基づいて、前記試料の少なくとも一つの検出点を前記試料により生じる収差が低減された状態で検出するために前記照明光または前記信号光の少なくとも一方に付加すべき第2位相分布を算出させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
第1実施形態の顕微鏡の構成を示す図。
試料により生じる収差を説明する図。
試料により生じる収差を説明する図。
第1実施形態の観察方法におけるフローを示す図。
zスタック画像の一例を示す図。
第1位相分布Wの計測のフローの一例を示す図。
画像取得のフローを示す図。
位相変調素子の反射面を示す図。
位相変調素子の反射面を示す図。
画像を取得する領域の例を示す図。
位相レイヤーモデルを説明する図。
位相レイヤーモデルを説明する図。
変形例1の顕微鏡の構成を示す図。
変形例2の顕微鏡の構成を示す図。
第2実施形態の観察方法における位相変調素子のセグメント分割の例を示す図。
第2実施形態の観察方法における第1位相分布の計測のフローを示す図。
第3実施形態の観察方法のフローを示す図。
第4実施形態の観察方法における第1位相分布の計測のフローを示す図。
第2実施形態の顕微鏡の構成を示す図。
第3実施形態の顕微鏡の構成を示す図。
第5実施形態の観察方法のフローを示す図である。
第3実施形態の変形例1の顕微鏡の構成を示す図。
第3実施形態の変形例2の顕微鏡の構成を示す図。
第6実施形態の観察方法のフローを示す図。
複数の位相レイヤーが複数のグループに分割された例を示す図。
第6実施形態の観察方法のおける第1位相分布の計測のフローの一例を示す図。
第6実施形態の観察方法のおける第1位相分布の計測のフローの他の例を示す図。
【0006】
(第1実施形態の顕微鏡)
図1は、第1実施形態の顕微鏡1aの構成を模式的に示す図である。
図1および以下で参照する各図に矢印で示したX方向、Y方向およびZ方向はそれぞれ直交する方向であるとともに、X方向、Y方向およびZ方向のそれぞれは各図において同一の方向を示している。以下では、各矢印の示す方向を、それぞれ+X方向、+Y方向および+Z方向と呼ぶ。+Z方向は、対物レンズ21の光軸AXに平行な下向き方向である。また、X方向の位置をX位置、Y方向の位置をY位置、Z方向の位置をZ位置と呼ぶ。
【0007】
顕微鏡1aは、送光光学系ILO(図1において破線で囲った領域)、受光光学系DTO(図1において2点鎖線で囲った領域)、制御部40、および試料24を載置するステージ25等を備えている。
送光光学系ILOは、照明光ILの光路に沿って配置されているコリメーターレンズ12、位相変調素子14、リレーレンズ15,16,18、ダイクロイックミラー20、揺動ミラー17、第2対物レンズ19、および対物レンズ21等を備えている。
【0008】
受光光学系DTOは、対物レンズ21、ダイクロイックミラー20、リレーレンズ27a,27b、検出フィルタ28、および検出器29a等を備えている。
このうち、対物レンズ21、およびダイクロイックミラー20は、送光光学系ILOと受光光学系DTOとの両方に含まれている。
【0009】
光源10は、試料24を照明するための照明光ILを射出する。光源10として、例えば、レーザー光源等を用いる。送光光学系ILO中の、シャッタ11は光源10から放射される照明光ILの通過または遮断を制御し、コリメーターレンズ12は、光源10から射出された照明光を略平行光に変換する。
送光光学系ILOは、光源10からの照明光ILを試料24に照射する。
【0010】
コリメーターレンズ12を通過した照明光ILは、位相変調素子14に入射する。位相変調素子14は、一例として、反射面14sに垂直な方向の形状が可変であるデフォーマブルミラーであり、位相変調素子14により反射される光束の断面内の位相分布(光の位相の進み、または遅れ)を変調させる。
(【0011】以降は省略されています)

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