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公開番号
2025071050
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2024182560
出願日
2024-10-18
発明の名称
基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法、カーボンナノチューブ膜の自立膜の製造方法及び積層体
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
B01D
71/02 20060101AFI20250424BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】スピンコート等の洗浄時に基板からの膜の剥離を抑制して、液体への浸漬時に基板から膜が容易に剥離する基板付きカーボンナノチューブ膜を製造することができる基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法が提供される。
【解決手段】本開示のカーボンナノチューブ膜の製造方法は、複数のカーボンナノチューブが分散した分散液を基板上に塗布して、未洗浄カーボンナノチューブ膜を成膜することと、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を洗浄液に接触させて、洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することと、前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を乾燥させて、カーボンナノチューブ膜を作製することと、を有する。分散液は、親水性官能基を含む。前記洗浄液は、洗浄液用溶媒を含む。前記洗浄液用溶媒のハンセン溶解度パラメータは、22(MPa)
0.5
~30(MPa)
0.5
である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のカーボンナノチューブが分散した分散液を親水性を有する基板上に塗布して、未洗浄カーボンナノチューブ膜を成膜することと、
前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を洗浄液に接触させて、洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することと、
前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を乾燥させて、カーボンナノチューブ膜を作製することと、
を有し、
分散液が、親水性官能基を含み、
前記洗浄液が、洗浄液用溶媒を含み、
前記洗浄液用溶媒のハンセン溶解度パラメータが、22(MPa)
0.5
~30(MPa)
0.5
である、基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
親水性官能基が、カルボン酸(COO
-
)基、ヒドロキシ基、スルホン基、アミノ基及びシラノール基からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項3】
前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することにおいて、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を事前処理液に接触させ、次いで前記洗浄液に接触させ、
前記事前処理液が、事前処理液用溶媒を含み、
前記事前処理液用溶媒のハンセン溶解度パラメータが、35(MPa)
0.5
以下であり、
前記分散液が酸性である場合は、前記事前処理液が、塩基性であり、
前記分散液が塩基性である場合は、前記事前処理液が、酸性である、請求項1に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項4】
前記分散液が、酸性であり、
前記事前処理液が、塩基性である、請求項3に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項5】
前記事前処理液用溶媒が、シクロペンタノン、ジメチルアセトアミド、2-ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、1-ブタノール、イソプロピルアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド、1-プロパノール、γブチルラクトン、エタノール、及びメタノールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項3に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項6】
前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することにおいて、
前記事前処理液を前記未洗浄カーボンナノチューブ膜上にスピンコートして、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を前記事前処理液に接触させ、次いで、前記洗浄液を前記未洗浄カーボンナノチューブ膜上にスピンコートして、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜に前記洗浄液を接触させる、請求項3に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項7】
前記洗浄液用溶媒が、シクロペンタノン、ジメチルアセトアミド、2-ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、1-ブタノール、イソプロピルアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド、1-プロパノール、γブチルラクトン、エタノール、及びメタノールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項8】
前記分散液が、ポリアクリル酸、フラビン誘導体、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、及び有機側鎖フラビンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブ膜の膜厚が、100nm以下である、請求項1に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法により製造される基板付きカーボンナノチューブ膜を準備することと、
貫通孔を有する枠を準備することと、
前記基板付きカーボンナノチューブ膜を液体に浸漬して、前記基板から剥離される前記カーボンナノチューブ膜を前記液体の液面上に浮かすことと、
前記枠で、前記液面上に浮いている前記カーボンナノチューブ膜をすくい上げて、前記カーボンナノチューブ膜が前記貫通孔の一方を塞ぐカーボンナノチューブ膜の自立膜を作製することと、
を有する、カーボンナノチューブ膜の自立膜の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法、カーボンナノチューブ膜の自立膜の製造方法及び積層体に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の微細化は、フォトリソグラフィーによって推し進められている。近年、半導体集積回路の高精細化に伴い、EUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)光が用いられている。EUV光は、その波長が短いため、気体、液体、及び固体のすべてに吸収されやすい。そのため、EUV光を用いる露光方法では、EUV光を反射する反射層を備えるフォトマスクが用いられる。
【0003】
フォトマスクには、フォトマスクの表面に塵埃等の異物が付着することを防止するために、ペリクルが装着される。ペリクルは、ペリクル膜と、ペリクル膜を支持するペリクル枠とを備える。EUV光に対して透過性を有するペリクル膜として、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ともいう)の膜(以下、「CNT膜」ともいう)が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-181212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CNT膜は、例えば、CNTを含む分散液を基板上にスピンコートによって塗布して、基板付きCNT膜を得、得られた基板付きCNT膜を液体中に浸漬して基板から分離することで得られる。
【0006】
しかしながら、従来の方法では、スピンコートによる成膜時にCNT膜が基板から剥離する場合があった。更に、基板付きCNT膜を液体中に浸漬した際に、CNT膜の一部が基板から剥離しない場合があった。
そのため、スピンコートによる成膜時に基板からの膜の剥離を抑制して、水浴への浸漬時に基板から膜が容易に剥離する基板付きカーボンナノチューブ膜を製造することができる基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法が求められている。液体への浸漬時にカーボンナノチューブ膜が容易に剥離する積層体が求められている。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑みたものである。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、スピンコート等の洗浄時に基板からの膜の剥離を抑制して、液体への浸漬時に基板から膜が容易に剥離する基板付きカーボンナノチューブ膜を製造することができる基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法、カーボンナノチューブ膜の自立膜の製造方法、及び液体への浸漬時にカーボンナノチューブ膜が容易に剥離する積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
【0009】
<1> 複数のカーボンナノチューブが分散した分散液を親水性を有する基板上に塗布して、未洗浄カーボンナノチューブ膜を成膜することと、
前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を洗浄液に接触させて、洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することと、
前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を乾燥させて、カーボンナノチューブ膜を作製することと、
を有し、
分散液が、親水性官能基を含み、
前記洗浄液が、洗浄液用溶媒を含み、
前記洗浄液用溶媒のハンセン溶解度パラメータが、22(MPa)
0.5
~30(MPa)
0.5
である、基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<2> 親水性官能基が、カルボン酸(COO
-
)基、ヒドロキシ基、スルホン基、アミノ基及びシラノール基からなる群から選択される少なくとも1つを含む、前記<1>に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<3> 前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することにおいて、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を事前処理液に接触させ、次いで前記洗浄液に接触させ、
前記事前処理液が、事前処理液用溶媒を含み、
前記事前処理液用溶媒のハンセン溶解度パラメータが、35(MPa)
0.5
以下であり、
前記分散液が酸性である場合は、前記事前処理液が、塩基性であり、
前記分散液が塩基性である場合は、前記事前処理液が、酸性である、前記<1>又は<2>に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<4> 前記分散液が、酸性であり、
前記事前処理液が、塩基性である、前記<3>に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<5> 前記事前処理液用溶媒が、シクロペンタノン、ジメチルアセトアミド、2-ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、1-ブタノール、イソプロピルアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド、1-プロパノール、γブチルラクトン、エタノール、及びメタノールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、前記<3>又は<4>に記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<6> 前記洗浄済カーボンナノチューブ膜を作製することにおいて、
前記事前処理液を前記未洗浄カーボンナノチューブ膜上にスピンコートして、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜を前記事前処理液に接触させ、次いで、前記洗浄液を前記未洗浄カーボンナノチューブ膜上にスピンコートして、前記未洗浄カーボンナノチューブ膜に前記洗浄液を接触させる、前記<3>~<5>のいずれか1つに記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<7> 前記洗浄液用溶媒が、シクロペンタノン、ジメチルアセトアミド、2-ブタノール、N-メチル-2-ピロリドン、1-ブタノール、イソプロピルアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド、1-プロパノール、γブチルラクトン、エタノール、及びメタノールからなる群から選択される少なくとも1つを含む、前記<1>~<6>のいずれか1つに記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<8> 前記分散液が、ポリアクリル酸、フラビン誘導体、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、及び有機側鎖フラビンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、前記<1>~<7>のいずれか1つに記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<9> 前記カーボンナノチューブ膜の膜厚が、100nm以下である、前記<1>~<8>のいずれか1つに記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法。
<10> 前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法により製造される基板付きカーボンナノチューブ膜を準備することと、
貫通孔を有する枠を準備することと、
前記基板付きカーボンナノチューブ膜を液体に浸漬して、前記基板から剥離される前記カーボンナノチューブ膜を前記液体の液面上に浮かすことと、
前記枠で、前記液面上に浮いている前記カーボンナノチューブ膜をすくい上げて、前記カーボンナノチューブ膜が前記貫通孔の一方を塞ぐカーボンナノチューブ膜の自立膜を作製することと、
を有する、カーボンナノチューブ膜の自立膜の製造方法。
<11> カーボンナノチューブ膜を含む積層体であって、
前記カーボンナノチューブ膜は複数のカーボンナノチューブを含み、
前記カーボンナノチューブ膜の窒素原子濃度が、1.0at%以下である、積層体。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、スピンコート等の洗浄時に基板からの膜の剥離を抑制して、液体への浸漬時に基板から膜が容易に剥離する基板付きカーボンナノチューブ膜を製造することができる基板付きカーボンナノチューブ膜の製造方法、及びカーボンナノチューブ膜の自立膜の製造方法が提供される。本開示の他の実施形態によれば、液体への浸漬時にカーボンナノチューブ膜が容易に剥離する積層体が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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