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公開番号2025064744
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174705
出願日2023-10-06
発明の名称リチウムイオン電池電極用バインダー
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人いくみ特許事務所
主分類H01M 4/62 20060101AFI20250410BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】優れた造膜性と、優れた耐溶剤性とを兼ね備えるリチウムイオン電池電極用バインダーを提供すること。
【解決手段】リチウムイオン電池の電極用バインダーが、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタンディスパージョンを含有する。ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン原料成分の反応生成物である。ポリウレタン原料成分は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分と鎖伸長成分とを含有する。鎖伸長成分は、アルコキシシリル基を有する化合物を含有してもよい。ポリウレタン樹脂のウレタン・ウレア基濃度が32質量%以上である。ウレタン基、ウレア基およびアルコキシシリル基に由来する分子量1000あたりのポリウレタン樹脂の架橋密度CD1が、0.4以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムイオン電池の電極用バインダーであって、
ポリウレタン樹脂を含むポリウレタンディスパージョンを含有し、
前記ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン原料成分の反応生成物であり、
前記ポリウレタン原料成分は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分と鎖伸長成分とを含有し、
前記鎖伸長成分は、アルコキシシリル基を有する化合物を含有してもよく、
前記ポリウレタン樹脂のウレタン・ウレア基濃度が32質量%以上であり、
下記式(1)により算出される、ウレタン基、ウレア基およびアルコキシシリル基に由来する分子量1000あたりの前記ポリウレタン樹脂の架橋密度CD

が、0.40以下である、リチウムイオン電池電極用バインダー。
式(1);ウレタン基、ウレア基およびアルコキシシリル基に由来する分子量1000あたりのポリウレタン樹脂の架橋密度CD

(架橋点個数/分子量1000)
=[Σ{Wa×(Fa-2)/MWa}+Σ{Wb×(Fb-2)/MWb}+Σ{Wc×(Fc-2+Fs)/MWc}]×1000/[ΣWa+ΣWb+ΣWc]
(式中、
Waは、ポリイソシアネート成分の質量部を示す。
Wbは、活性水素基含有成分の質量部を示す。
Wcは、鎖伸長成分の質量部を示す。
MWaは、ポリイソシアネート成分の分子量を示す。
MWbは、活性水素基含有成分の分子量を示す。
MWcは、鎖伸長成分の分子量を示す。
Faは、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基数を示す。
Fbは、活性水素基含有成分の活性水素基数を示す。
Fcは、鎖伸長成分の活性水素基数を示す。
Fsは、鎖伸長成分のアルコキシシリル基に含まれるアルコキシ基の数を示す。)
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記ポリウレタン樹脂において、
下記式(2)により測定される環構造含有率が40質量%未満である、請求項1に記載のリチウムイオン電池電極用バインダー。
式(2);環構造含有率(質量%)
=Σ{Wi×(MWd/MWi}}×100/ΣWi
(式中、Wiは、各ポリウレタン原料成分の質量部を示す。
MWiは、各ポリウレタン原料成分の分子量を示す。
MWdは、各ポリウレタン原料成分中の環構造部分の分子量を示す。)
【請求項3】
前記ポリウレタン樹脂は、イソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸長成分との鎖伸長反応生成物であり、
前記イソシアネート基末端プレポリマーは、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とのプレポリマー化反応生成物であり、
前記活性水素基含有成分は、数平均分子量500未満の低分子量ポリオールと、親水性基含有活性水素化合物とを含有し、数平均分子量500以上の高分子量ポリオールを含有しない、
請求項1に記載のリチウムイオン電池電極用バインダー。
【請求項4】
前記親水性基含有活性水素化合物が、アニオン性基含有活性水素化合物を含有し、
前記イソシアネート基末端プレポリマーは、中和剤により中和されており、
前記中和剤は、アルカリ金属を含有する、請求項3に記載のリチウムイオン電池電極用バインダー。
【請求項5】
前記低分子量ポリオールが、エチレングリコールを含有する、請求項3に記載のリチウムイオン電池電極用バインダー。
【請求項6】
前記ポリイソシアネート成分が、キシリレンジイソシアネートを含有する、請求項3に記載のリチウムイオン電池電極用バインダー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池電極用バインダーに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池の電極は、集電体、電極活物質、導電材、および、バインダーを含んでいる。より具体的には、バインダーの塗膜が、電極活物質および導電材を、集電体に対して結着させる。これにより、電極が形成される。
【0003】
バインダーとしては、例えば、以下の方法で得られる電極用結着剤が、提案されている。すなわち、6.4質量部の1,4-シクロヘキサンジメタノールと、7.1質量部のトリメチロールプロパンと、7.8質量部のジメチロールプロピオン酸と、72.0質量部のジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとを反応させ、ウレタンプレポリマーを得る。次いで、トリエチルアミンにより、ウレタンプレポリマーを中和させる。その後、6.7質量部のエチレンジアミンにより、ウレタンプレポリマーを水中で鎖伸長させる。これにより、電極用結着剤として、ポリウレタン樹脂の水分散体(架橋密度0.56)を得る(例えば、特許文献1(実施例7)参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-22857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、電極用結着剤には、優れた造膜性と、優れた耐溶剤性(耐電解液性)とが、要求される。
【0006】
本発明は、優れた造膜性と、優れた耐溶剤性とを兼ね備えるリチウムイオン電池電極用バインダーである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、リチウムイオン電池の電極用バインダーであって、ポリウレタン樹脂を含むポリウレタンディスパージョンを含有し、前記ポリウレタン樹脂は、ポリウレタン原料成分の反応生成物であり、前記ポリウレタン原料成分は、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分と鎖伸長成分とを含有し、前記鎖伸長成分は、アルコキシシリル基を有する化合物を含有してもよく、前記ポリウレタン樹脂のウレタン・ウレア基濃度が32質量%以上であり、下記式(1)により算出される、ウレタン基、ウレア基およびアルコキシシリル基に由来する分子量1000あたりの前記ポリウレタン樹脂の架橋密度CD

が、0.40以下である、リチウムイオン電池電極用バインダーを、含んでいる。
【0008】
式(1);ウレタン基、ウレア基およびアルコキシシリル基に由来する分子量1000あたりのポリウレタン樹脂の架橋密度CD

(架橋点個数/分子量1000)=[Σ{Wa×(Fa-2)/MWa}+Σ{Wb×(Fb-2)/MWb}+Σ{Wc×(Fc-2+Fs)/MWc}]×1000/[ΣWa+ΣWb+ΣWc]
【0009】
(式中、Waは、ポリイソシアネート成分の質量部を示す。
Wbは、活性水素基含有成分の質量部を示す。
Wcは、鎖伸長成分の質量部を示す。
MWaは、ポリイソシアネート成分の分子量を示す。
MWbは、活性水素基含有成分の分子量を示す。
MWcは、鎖伸長成分の分子量を示す。
Faは、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基数を示す。
Fbは、活性水素基含有成分の活性水素基数を示す。
Fcは、鎖伸長成分の活性水素基数を示す。
Fsは、鎖伸長成分のアルコキシシリル基に含まれるアルコキシ基の数を示す。)
【0010】
本発明[2]は、前記ポリウレタン樹脂において、下記式(2)により測定される環構造含有率が40質量%未満である、上記[1]に記載のリチウムイオン電池電極用バインダーを、含んでいる。
(【0011】以降は省略されています)

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