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公開番号
2025084076
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-02
出願番号
2024189347
出願日
2024-10-28
発明の名称
コンベアベルト用共重合体組成物およびその用途
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類
C08L
23/08 20250101AFI20250526BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の目的は、高い耐摩耗性を有しつつ、高い耐熱老化性をも有するコンベアベルトを得るに好適なコンベアベルト用共重合体組成物を得ることにある。
【解決手段】エチレン(A)に由来する構成単位、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)に由来する構成単位、および、特定の非共役ポリエン(C)に由来する構成単位を有する特定のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と、エチレン(A)に由来する構成単位、および、炭素数が3~20のα-オレフィン(B’)に由来する構成単位を有するエチレン・α-オレフィン共重合体(F)と、オニウム塩(K)とを含み、前記オニウム塩(K)の含有量が、前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の含有量と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)の含有量との合計100質量部に対して0.2~80質量部であるコンベアベルト用共重合体組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と、
エチレン・α-オレフィン共重合体(F)と、
オニウム塩(K)と
を含み、
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、
エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)に由来する構成単位と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)に由来する構成単位とを有し、かつ、
JPEG
2025084076000011.jpg
25
170
下記要件(i)~(v)を満たし、
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)が、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素数が3~20のα-オレフィン(B’)に由来する構成単位とを有し、かつ、
前記オニウム塩(K)の含有量が、前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の含有量と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)の含有量との合計100質量部に対して0.2~80質量部である
コンベアベルト用共重合体組成物:
(i)エチレン/α-オレフィンのモル比が40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の質量分率が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体100質量%中、0.07質量%~10質量%である。
(iii)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の質量分率((C)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の質量分率/100/(C)の分子量≦80・・・式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η
*
(ω=0.1)
(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η
*
(ω=100)
(Pa・sec)との比P(η
*
(ω=0.1)
/η
*
(ω=100)
)と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の質量分率((C)の質量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]
2.9
)≦(C)の質量分率×6・・・式(2)
(v)3D-GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB
1000C
)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB
1000C
≦1-0.07×Ln(Mw)・・・式(3)
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が下記式(1')を満たす、請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
45≦Mw×(C)の質量分率/100/(C)の分子量≦80・・・式(1')
【請求項3】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)の融点が150℃以下である、請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項4】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)との合計100質量部に対する前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の含有量の割合が0質量部を超えて70質量部以下である、請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項5】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)が、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素数が4~20のα-オレフィン(B’1)に由来する構成単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体(F1)を含む、請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項6】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)が、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素数が3のα-オレフィン(B’2)に由来する構成単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体(F2)をさらに含む、請求項5に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項7】
さらに下記成分(G)、(H)および(R)からなる群より選ばれるいずれか1以上を含む、請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
成分(G):カーボンブラック(G)
成分(H):老化防止剤(H)
成分(R):可塑剤(R)
【請求項8】
前記可塑剤(R)が炭化水素系合成潤滑油である、請求項7に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項9】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)とエチレン・α-オレフィン共重合体(F)の合計量:100質量部当たり、
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を、0質量部を超えて70質量部以下、
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)を、30質量部以上100質量部未満、
前記成分(G)を5~120質量部、
前記成分(H)を0.1~20質量部、並びに
前記成分(R)を0.1~30質量部
含む、請求項7に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項10】
さらに下記成分(J)を含む、請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
成分(J):有機過酸化物系架橋剤(J)
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアベルト用共重合体組成物およびその用途に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
鉄鋼、石炭、セメント等の様々な産業分野においては、物品の輸送手段としてベルトコンベア装置が用いられ、特に、例えばクリンカ等のように、150~250℃程度の高温物品をベルトコンベア装置で搬送するケースも多い。このような状況を受け、メンテナンス作業の最小限化及び使用寿命の長期化を図るため、耐熱老化性および耐摩耗性に優れるコンベアベルトが求められている。
【0003】
コンベアベルトの耐熱老化性、耐摩耗性などを改良する方法として、エチレン・1-オクテン共重合体とエチレン・プロピレン共重合体とを含有するゴム組成物を用いることが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-246017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、コンベアベルトにはより高い耐摩耗性に対する要求が高まっており、そして従来品を代替する耐熱コンベアベルト用ゴム組成物には耐熱性、機械物性、加工性を従来品と同等に維持またはそれ以上の性能を有することが望まれている。
これについて、従来技術においても、コンベアベルトの耐摩耗性を向上させる試みはなされているものの、耐熱老化性については依然として改善の余地がある。
本発明の目的は、高い耐摩耗性を有しつつ、高い耐熱老化性をも有するコンベアベルトを得るに好適なコンベアベルト用共重合体組成物を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく検討した結果、オニウム塩を含む特定の組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、当該組成物が耐引裂き性にも優れることも見出した。
本発明は、下記[1]~[13]に係る。
[1]
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と、
エチレン・α-オレフィン共重合体(F)と、
オニウム塩(K)と
を含み、
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、
エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)に由来する構成単位と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)に由来する構成単位とを有し、かつ、
JPEG
2025084076000001.jpg
25
170
下記要件(i)~(v)を満たし、
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)が、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素数が3~20のα-オレフィン(B’)に由来する構成単位とを有し、かつ、
前記オニウム塩(K)の含有量が、前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の含有量と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)の含有量との合計100質量部に対して0.2~80質量部である
コンベアベルト用共重合体組成物:
(i)エチレン/α-オレフィンのモル比が40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の質量分率が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体100質量%中、0.07質量%~10質量%である。
(iii)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の質量分率((C)の質量分率(質量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の質量分率/100/(C)の分子量≦80・・・式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η
*
(ω=0.1)
(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η
*
(ω=100)
(Pa・sec)との比P(η
*
(ω=0.1)
/η
*
(ω=100)
)と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の質量分率((C)の質量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]
2.9
)≦(C)の質量分率×6・・・式(2)
(v)3D-GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB
1000C
)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB
1000C
≦1-0.07×Ln(Mw)・・・式(3)
[2]
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が下記式(1')を満たす、[1]に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
45≦Mw×(C)の質量分率/100/(C)の分子量≦80・・・式(1')
[3]
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)の融点が150℃以下である、[1]または[2]に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
[4]
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)との合計100質量部に対する前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)の含有量の割合が0質量部を超えて70質量部以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
[5]
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)が、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素数が4~20のα-オレフィン(B’1)に由来する構成単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体(F1)を含む、[1]~[4]のいずれかに記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
[6]
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(F)が、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素数が3のα-オレフィン(B’2)に由来する構成単位とを有するエチレン・α-オレフィン共重合体(F2)をさらに含む、[5]に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
[7]
さらに下記成分(G)、(H)および(R)からなる群より選ばれるいずれか1以上を含む、[1]~[6]のいずれかに記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
成分(G):カーボンブラック(G)
成分(H):老化防止剤(H)
成分(R):可塑剤(R)
[8]
前記可塑剤(R)が炭化水素系合成潤滑油である、[7]に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
[9]
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)とエチレン・α-オレフィン共重合体(F)の合計量:100質量部当たり、
【発明の効果】
【0007】
本発明のコンベアベルト用ゴム組成物は、高い耐摩耗性を維持しつつ、高い耐熱老化性をも兼ね備えており、かつ、耐引裂き性にも優れているので、コンベアベルトの原料として有用であり、当該組成物から、耐熱コンベアベルトが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
ここで、本明細書において、数値範囲を示す「~」は、別途の記載がない限り、下限値及び上限値を包含する数値範囲であることを意味し、例えば「M~N」(MおよびNは、M<Nを満たす数値とする。)と表記した場合、特に断りがなければ「M以上、N以下」を意味する。
また、本明細書において、「エチレンに由来する構成単位」とは、エチレンに対応する構成単位、すなわち、-CH
2
-CH
2
-で表される構成単位を意味する。「α-オレフィンに由来する構成単位」についても同様に解釈され、α-オレフィンに対応する構成単位、すなわち、-CH
2
-CRR’-(RおよびR’は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基)で表される構成単位を意味する。また、「非共役ポリエンに由来する構成単位」とは、非共役ポリエンに対応する構成単位、すなわち、非共役ポリエンが有する二重結合のうちの1以上につき当該二重結合を構成するπ結合が開裂してなる一対以上の結合手を有する構成単位を意味する。
【0009】
[コンベアベルト用共重合体組成物]
本発明に係るコンベアベルト用共重合体組成物〔以下、「共重合体組成物」と略記する場合がある。〕は、
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)と、
エチレン・α-オレフィン共重合体(F)と、
オニウム塩(K)と
を含む。
【0010】
<エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)>
本発明のコンベアベルト用共重合体組成物に含まれる成分の一つであるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)〔以下、「成分(S)」、あるいは「共重合体(S)」と略記する場合がある。〕は、エチレン(A)に由来する構成単位と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)〔以下、「α-オレフィン(B)」と略記する場合がある。〕に由来する構成単位と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)〔以下、「非共役ポリエン(C)」と略記する場合がある。〕に由来する構成単位とを有する。
(【0011】以降は省略されています)
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