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公開番号2025084670
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2024105245
出願日2024-06-28
発明の名称樹脂組成物、積層体、および工業用ベルト
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/04 20060101AFI20250527BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐熱老化性および合成繊維に対する接着性に優れる架橋体が得られる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】特定の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)と、(L-1)以外のエチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)と、トランスポリオクテニレン(M)と、を含む、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(1)~(4)の要件を満たし、かつ、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含むエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)と、
前記(L-1)以外のエチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)と、
トランスポリオクテニレン(M)と、
を含む、樹脂組成物。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60~90/10である;
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0.1~6.0モル%である;
(3)125℃におけるムーニー粘度ML
(1+4)
125℃が、5~100である;
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4~20のα-オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]-炭素数4~20のα-オレフィン[B]のダイアッド連鎖分率を示す。]
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位が、1-ブテンに由来する構造単位である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量が、共重合体(L-2)を構成する構造単位の全モル数に対して、50モル%を超えて80モル%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
変性ポリブタジエン(N)をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)の合計100質量部に対して、前記変性ポリブタジエン(N)の含有量が0.1~50質量部である、請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)の合計100質量部に対して、前記トランスポリオクテニレン(M)の含有量が0.5~50質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
架橋剤として有機過酸化物をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む層[I]と、繊維材料を含む層[II]と、を備え、
前記層[I]と前記層[II]とが接している、積層体。
【請求項9】
前記層[I]が、前記樹脂組成物が架橋してなる層である、請求項8に記載の積層体。
【請求項10】
前記繊維材料がレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス処理(RFL処理)された繊維を含む、請求項8に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂組成物、積層体、および工業用ベルトに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
EPDM(エチレンプロピレンゴム)などのエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、一般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、自動車用工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建築用材、ゴム引き布などに用いられている。
【0003】
繊維材料を含む層との粘着性を向上させることで生産性を向上させ得ると共に、繊維材料を含む層との接着性に優れ、しかも得られる積層体の機械物性を維持し得るエチレン系共重合体組成物として、例えば、特許文献1には、特定の要件を満たすエチレン[A]と、炭素数4~20のα-オレフィン[B]と、非共役ポリエン[C]とを含むエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびトランスポリオクテニレン(M)を含むエチレン系共重合体組成物が開示され、また、例えば、特許文献2には、特定の要件を満たすエチレン[A]と、炭素数4~20のα-オレフィン[B]と、非共役ポリエン[C]とを含むエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体および変性ポリブタジエン(N)を含むエチレン系共重合体組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-023924号公報
特許2024-070154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1および特許文献2に記載されたエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムでは、ニトリルゴム、クロロプレンゴムおよびクロロスルホン化ポリエチレンなどの極性ゴムと比べて、合成繊維との接着性について更なる改良が求められる。さらに、上記の共重合体ゴムが適用される工業用ベルト(コンベアベルト)のカーカス層などにおいては、さらなる接着強度が必要になっている。
発明者らは鋭意検討にした結果、トランスポリオクテニレン(M)と2種類の特定のエチレン・α-オレフィン共重合体を特定の含有比率で含有する樹脂組成物は、耐熱老化性および合成繊維に対する接着性に優れることを見出した。
【0006】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、耐熱老化性および合成繊維に対する接着性に優れる架橋体が得られる樹脂組成物を提供することである。
また、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、耐熱老化性および合成繊維に対する接着性に優れる積層体および工業用ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する手段には以下の態様が含まれる。
<1> 下記(1)~(4)の要件を満たし、かつ、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含むエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)と、
前記(L-1)以外のエチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)と、
トランスポリオクテニレン(M)と、
を含む、樹脂組成物。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位とのモル比〔[A]/[B]〕が、40/60~90/10である;
(2)非共役ポリエン[C]に由来する構造単位の含有量が、[A]、[B]および[C]に由来する構造単位の合計100モル%に対して、0.1~6.0モル%である;
(3)125℃におけるムーニー粘度ML
(1+4)
125℃が、5~100である;
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4~20のα-オレフィン[B]、および非共役ポリエン[C]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A]-炭素数4~20のα-オレフィン[B]のダイアッド連鎖分率を示す。]
<2> 前記炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位が、1-ブテンに由来する構造単位である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記エチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量が、共重合体(L-2)を構成する構造単位の全モル数に対して、50モル%を超えて80モル%以下である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 変性ポリブタジエン(N)をさらに含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> 前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)の合計100質量部に対して、前記変性ポリブタジエン(N)の含有量が0.1~50質量部である、<4>に記載の樹脂組成物。
<6> 前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)および前記エチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)の合計100質量部に対して、前記トランスポリオクテニレン(M)の含有量が0.5~50質量部である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7> 架橋剤として有機過酸化物をさらに含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含む層[I]と、繊維材料を含む層[II]と、を備え、
前記層[I]と前記層[II]とが接している、積層体。
<9> 前記層[I]が、前記樹脂組成物が架橋してなる層である、<8>に記載の積層体。
<10> 前記繊維材料がレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス処理(RFL処理)された繊維を含む、<8>または<9>に記載の積層体。
<11> 前記繊維材料が帆布である、<8>~<10>のいずれか1つに記載の積層体。
<12> <8>~<11>のいずれか1つに記載の積層体を有してなる工業用ベルト。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、耐熱老化性および合成繊維とのに対する接着性に優れる樹脂組成物が提供される。
また、本発明の一実施形態によれば、耐熱老化性および合成繊維に対する接着性に優れる積層体および工業用ベルトが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の内容の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されることはない。
本明細書において、「重合体」なる表現は、別途の記載がない限り、単独重合体および共重合体を包括する意味で用いられる。
また、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、特に限定しない限りにおいて、組成物中の各成分、または、ポリマー中の各構造単位は1種単独で含まれていてもよいし、2種以上を併用してもよいものとする。
以下、本発明の詳細について説明する。
【0010】
<<樹脂組成物>>
本発明に係る樹脂組成物は、下記(1)~(4)の要件を満たし、かつ、エチレン[A]に由来する構造単位、炭素数4~20のα-オレフィン[B]に由来する構造単位および非共役ポリエン[C]に由来する構造単位を含むエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)と、前記(L-1)以外のエチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)と、トランスポリオクテニレン(M)とを、含む。
樹脂組成物は、上記構成を有することで、耐熱老化性および合成繊維に対する接着性に優れる架橋体が得られる。
(L-1)以外のエチレン・α-オレフィン共重合体(L-2)は、非共役ポリエンを有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(L-1)より二重結合量が少ない事から、耐熱老化性が良好となる。また、非共役ポリエンは、過酸化物に対する反応性が高い。ゆえに、共重合体(L-1)と共重合体(L-2)とを比較した場合、共重合体(L-2)の方が反応速度が遅くなる。本発明に係る樹脂組成物において、共重合体(L-1)よりも反応速度が遅い共重合体(L-2)を含有したことにより、過酸化物を用いて架橋した際に、開裂した過酸化物のラジカルの寿命が長くなり、その結果、樹脂組成物と、合成繊維とが接した積層体とした場合、合成繊維との反応に使用されるラジカル量が増えることで、樹脂組成物と合成繊維との間での化学結合量が増加し、本発明の樹脂組成物と合成繊維との接着強度が向上するためと推定している。
以下、樹脂組成物の各成分について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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