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公開番号2025070380
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023180646
出願日2023-10-19
発明の名称低誘電率樹脂形成用組成物、高分子成形体、およびそれを用いた電子機器
出願人JNC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08F 12/08 20060101AFI20250424BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低誘電特性を高めた、重合性液晶性化合物を実現し、当該化合物を含む低誘電率樹脂形成用組成物を提供することである。
【解決手段】両末端にビニル基を有する液晶性化合物を含有する組成物であって、前記組成物に無機充填剤を添加しないで硬化した場合の硬化物の10GHzにおける比誘電率が3.0より低い低誘電率樹脂形成用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物を含有する組成物であって、前記組成物に無機充填剤を添加しないで硬化した場合の硬化物の10GHzにおける比誘電率が3.0より低い低誘電率樹脂形成用組成物。
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16
116
式(1)中、


、A

およびA

は独立して、1,4-フェニレンまたは1,4-シクロヘキシレンであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、または、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1~6のアルキルで置き換えられてもよく;


、Z

、Z

、およびZ

は独立して、単結合、酸素、または炭素数1~20のアルキレンであり;前記アルキレンにおいて、少なくとも1つの-CH

-は、-O-で置き換えられてもよく;


およびP

は独立して、式(PG-1)または(PG-2)のいずれかで表される重合性基であり;
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21
46
sは、0~1の整数である。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
式(1)において、sが0である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
【請求項3】
式(1)において、sが1である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
【請求項4】
式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物の融点が200℃以下またはネマチック相から液体への転移温度が200℃以下である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
【請求項5】
式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物が、下記式(1-1)~(1-2)で表される液晶性化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
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2025070380000047.jpg
36
96
上記式(1-1)~(1-2)中、


、Z

、Z

、およびZ

は独立して、単結合、酸素、-(CH



-、-O(CH



-、-(CH



O-、または-O(CH



O-であり、ここで、aは1~20の整数であり、bは1~19の整数であり、cは1~18の整数であり;


およびP

は請求項1と同一の定義を表し;


は、フッ素またはメチルであり;
nは0~4の整数であり;
式中にX

が複数ある場合は、それらが同一であっても異なっていてもよい。
【請求項6】
式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物が、下記式(1-3)~(1-9)で表される液晶性化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
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79
97
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58
97
上記式(1-3)~(1-9)中、


、Z

、Z

、およびZ

は独立して、単結合、酸素、-(CH



-、-O(CH



-、-(CH



O-、または-O(CH



O-であり、ここで、aは1~20の整数であり、bは1~19の整数であり、cは1~18の整数であり;


およびP

は請求項1と同一の定義を表し;


は、フッ素またはメチルであり;
nは0~4の整数であり;
式中にX

が複数ある場合は、それらが同一であっても異なっていてもよい。
【請求項7】
式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物が、下記式(1-1-1)~(1-2-2)で表される液晶性化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
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33
125
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34
147
上記式(1-1-1)~(1-2-2)中、


およびZ

は独立して、単結合、または-(CH



-であり、ここで、aは1~20の整数であり、Mは-CH

-または酸素であり、Meはメチルであり、mは1~19の整数であり;
nは0~4の整数であり;
式中にM、mまたはnが複数ある場合は、それらが同一であっても異なっていてもよい。
【請求項8】
式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物が、下記式(1-3-1)~(1-9-2)で表される液晶性化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
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130
123
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2025070380000053.jpg
134
147
上記式(1-3-1)~(1-9-2)中、


およびZ

は独立して、単結合、または-(CH



-であり、ここで、aは1~20の整数であり、Mは-CH

-または酸素であり、Meはメチルであり、mは1~19の整数であり;
nは0~4の整数であり;
式中にM、mまたはnが複数ある場合は、それらが同一であっても異なっていてもよい。
【請求項9】
以下の(A)~(B)から選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
(A)式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物の重合体。
(B)式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物以外の重合性化合物。
【請求項10】
非重合性の液晶性化合物を含有する、請求項1に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、重合性液晶性化合物を用いた低誘電率樹脂形成用組成物、この組成物を用いた高分子成形体および電子機器に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、通信機器の5G化さらにはbeyond5Gや6G化に伴い、電子基板上での電気信号の高周波化や、アンテナが送受信する電波も高周波化されており、信号処理回路基板やアンテナ基板による信号の損失が問題になっている。そのため、基板に用いられる樹脂材料の低誘電率化、低誘電正接が求められており、従来のポリイミドやエポキシ樹脂に代わり、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、シクロオレフィンポリマー(COP)、フッ素樹脂(PTFE)などの樹脂が使用され始めている。
低誘電基板は比誘電率が3.0以下、高熱伝導フィラーを含むものでは比誘電率が3.5以下の材料がラインアップされており、これらよりも比誘電率が低い材料の開発が求められている。(非特許文献1)
【0003】
5G以前の熱硬化性の樹脂材料にはエポキシ樹脂が使用されることが多かったが、未反応の硬化剤が起因の誘電損失が大きい。そのため、エポキシ樹脂を使用する場合は誘電損失が少ない活性エステル等の硬化剤が開発されたり、エポキシと硬化剤の組み合わせではなく、(メタ)アクリルやマレイミドなどのラジカル反応性の樹脂が開発されたりしてきた。さらに、低誘電特性を実現するために、分子鎖の末端がベンゼン環+ビニル基の構造が広がりつつあるが、ビニル基は反応性が低く、重合する前にビニル化合物が蒸発してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
福永浩之/浜戸喜之、「高速/高周波基板の基礎と選び方」、RFワールド、CQ出版社、2017、No.40、p.p.97-111
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、低誘電特性を高めた、重合性液晶性化合物を実現することであり、当該化合物を含む低誘電率樹脂形成用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、両末端にビニル基を有する重合性液晶性化合物(1)を含有する組成物が、硬化後に高い耐熱性、および高周波数領域において低誘電率・低誘電正接を示し、また高い放熱性を示す硬化性樹脂組成物である低誘電率樹脂形成用組成物を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明者らは、誘電特性は良好であるが使いこなしが難しいビニル化合物に液晶性を導入することにより、長分子鎖化により蒸発しにくくしたり、分子間力の増加により蒸発しにくくしたりすることにより、ビニル化合物の使用しやすさを改善した。さらに、重合性液晶性化合物は本来光学用途で開発されてきた経緯もあり、重合性液晶性化合物(1)は透明性が高く、分子鎖方向へのフォノン伝導が速いことが確認された。
このように、本開示に用いられる重合性液晶性化合物(1)は、従来化合物と比較して、誘電損失が小さく蒸発しにくいので、低誘電特性を有しさらには透明性が高く熱伝導率が高い複合材料の作製が可能になった。本開示に係る低誘電率樹脂形成用組成物を用いることで、高周波数領域における次世代通信機器およびレーダーなどの用途に好適な材料を提供することができる。
【0007】
本開示は以下の構成を有する。
[1] 式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物を含有する組成物であって、前記組成物に無機充填剤を添加しないで硬化した場合の硬化物の10GHzにおける比誘電率が3.0より低い低誘電率樹脂形成用組成物。
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16
116
式(1)中、


、A

およびA

は独立して、1,4-フェニレンまたは1,4-シクロヘキシレンであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、または、少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1~6のアルキルで置き換えられてもよく;


、Z

、Z

、およびZ

は独立して、単結合、酸素、または炭素数1~20のアルキレンであり;前記アルキレンにおいて、少なくとも1つの-CH

-は、-O-で置き換えられてもよく;


およびP

は独立して、式(PG-1)または(PG-2)のいずれかで表される重合性基であり;
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21
46
sは、0~1の整数である。
【0008】
[2] 式(1)において、sが0である、[1]に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
【0009】
[3] 式(1)において、sが1である、[1]に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
【0010】
[4] 式(1)で表される両末端にビニル基を有する液晶性化合物の融点が200℃以下またはネマチック相から液体への転移温度が200℃以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の低誘電率樹脂形成用組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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