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公開番号2025069819
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-01
出願番号2023179785
出願日2023-10-18
発明の名称ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス
出願人株式会社オハラ
代理人個人,個人,個人
主分類H01B 1/08 20060101AFI20250423BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】緻密な構造であり遮水性が高く且つ高いナトリウムイオン伝導度を有する、水系ナトリウムイオン二次電池用電解質隔膜に用いることが可能なナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスを提供する。
【解決手段】酸化物換算のmol%で、Na2O成分を20.0~27.0%、ZrO2成分を30.0~40.0%、P2O5成分を3.0~20.0%、SiO2成分を20.0~40.0%含有し、Na1+xZr2SixP3-xO12(0<X<3)で示される単斜晶の結晶相を含み、且つ、含まれる全結晶相のうちZrO2結晶相の割合が10質量%以下であるナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスにより、前記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化物換算のmol%で、
Na
2
O成分を20.0~27.0%、
ZrO
2
成分を30.0~40.0%、

2

5
成分を3.0~20.0%、
SiO
2
成分を20.0~40.0%
含有し、
Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される単斜晶の結晶相を含み、且つ、含まれる全結晶相のうちZrO
2
結晶相の割合が10質量%以下である、
ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスにおける、Naと、Zrと、Pと、Siと、の組成比が、Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される組成比を満たす、請求項1に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
【請求項3】
前記ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスをシート状あるいは板状の基板としたときに、前記基板の単位面積および厚さ1mmあたりでのリーク速度が10.0μL/h以下、あるいは、前記基板を1時間あたりにおける単位面積および厚さ1mmあたりでリークした水が起因となる水の電気分解が生じたときの電流量が前記基板の単位面積および厚さ1mmあたり15μA以下である、請求項1または2に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
【請求項4】
25℃におけるナトリウムイオン伝導度が6.0×10
-4
S/cm以上である、請求項1または2に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
【請求項5】
25℃におけるナトリウムイオン伝導度が1.0×10
-6
S/cm以下であるガラス材料粉末と、25℃におけるナトリウムイオン伝導度が1.0×10
-8
S/cm未満であるZrO
2
成分を含む結晶材料粉末と、が混合焼結されてなる、請求項1または2に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
【請求項6】
含まれる全結晶相のうち、前記Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される単斜晶の結晶相の割合が70質量%以上である、請求項1または2に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
【請求項7】
アモルファス相の割合が10質量%以上である、請求項1または2に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
【請求項8】
請求項1または2に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む、水系ナトリウムイオン二次電池用電解質隔膜。
【請求項9】
酸化物換算のmol%で、
Na
2
O成分を30.0~40.0%、
ZrO
2
成分を0~5.0%、

2

5
成分を5.0~35.0%、
SiO
2
成分を30.0~60.0%
含有し、
Naと、Pと、Siと、の組成比が、Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される組成比のうちZrを除いた組成比を満たす、
ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス合成用ガラス材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス、それを含む水系ナトリウムイオン二次電池用電解質隔膜、およびこのナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスの合成に用いるガラス材料に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
現在、電気自動車用電源、携帯電話端末用電源などの用途でリチウムイオン二次電池が広く用いられている。さらに、主に安全性向上の観点から、液体電解質(電解液)を用いないリチウムイオン二次電池として、電極層および電解質層が全て無機固体により構成された全固体二次電池の開発も進められている。
【0003】
しかし、リチウムイオン二次電池の必須成分であるリチウムは豊富な資源でないため、コスト面や供給面などにおいて課題がある。そこで、資源量として豊富であり安価なナトリウムが注目されており、水溶液電解質を含むナトリウムイオン二次電池(水系ナトリウムイオン二次電池)が開発されている(例えば特許文献1~4)。
【0004】
水系ナトリウムイオン二次電池は、海水に多く含まれるナトリウムを原料として使用できるためコスト面で優位であり、さらに資源確保のし易さの観点からも有望視されている。また、大型化した際などに問題となる安全性についても、リチウムイオン二次電池で多く使用されている有機溶媒の電解液が140℃程度の引火点を持つのに対して水溶液の電解質は極めて引火し難いため、より安全性を向上できると期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-086402号公報
特開2012-003928号公報
特開2012-054208号公報
特開2017-124951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、水溶液の電解質を含む水系アルカリ金属イオン二次電池においては、充電時における水の電気分解によって水素ガスが発生することなどが問題となっている。特に、水系ナトリウムイオン二次電池は、上記したようにコスト面などにおいて優位であるものの、どのような負極活物質を用いても充電時における水素ガスの発生を抑制することが困難であると言われており、この発生した水素ガスが負極上に留まると、分極により電流が流れにくくなってしまう。
【0007】
この問題を解決するため、すなわち、水素ガス発生などを抑制しつつ、高い起電力を有する水系アルカリ金属イオン二次電池を得るために、例えば水系のリチウムイオン二次電池では、遮水性が高くリチウムイオン伝導性および耐水性も高いリチウムイオン固体電解質を電解質隔膜として正極と負極との間に配置する形のものが考案されている。
しかしながら、ナトリウムイオン伝導性材料についてはNa
3
Zr
2
Si
2
PO
12
を代表とするNASICON構造の結晶相を有する固体電解質が知られているが、これは焼結性が悪く緻密で遮水性の高い電解質隔膜を得られないことが知られている。なお、上記した特許文献4においては、Na
3
Zr
2
Si
2
PO
12
成形体(連結体)の空隙に溶融した炭化水素化合物(樹脂)を含侵させ、最後に表面をプラズマ処理してナトリウムイオン伝導性を発現させた遮水性の高いナトリウムイオン伝導性材料を得る手法が開示されているが、これは空隙を炭化水素化合物で埋めたNa
3
Zr
2
Si
2
PO
12
であることからナトリウムイオン伝導度が高いとは言えず、また耐久性の低い炭化水素化合物を含むため、炭化水素化合物とNa
3
Zr
2
Si
2
PO
12
との接合面などにおいて長期的な遮水性が得られない可能性が極めて高い。
【0008】
そこで本発明は、緻密な構造であり遮水性が高く且つ高いナトリウムイオン伝導度を有する、水系ナトリウムイオン二次電池用電解質隔膜に用いることが可能なナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、酸化物換算のmol%で、Na
2
O成分を20.0~27.0%、ZrO
2
成分を30.0~40.0%、P
2

5
成分を3.0~20.0%、SiO
2
成分を20.0~40.0%含有し、Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される単斜晶の結晶相を含み、且つ、含まれる全結晶相のうちZrO
2
結晶相の割合が10質量%以下であるナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスとすることにより、緻密な構造であり遮水性が高く且つ高いナトリウムイオン伝導度を有し、水系ナトリウムイオン二次電池用電解質隔膜に好適に用いることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は次の<1>~<9>である。
<1>酸化物換算のmol%で、Na
2
O成分を20.0~27.0%、ZrO
2
成分を30.0~40.0%、P
2

5
成分を3.0~20.0%、SiO
2
成分を20.0~40.0%含有し、Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される単斜晶の結晶相を含み、且つ、含まれる全結晶相のうちZrO
2
結晶相の割合が10質量%以下である、ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<2>前記ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスにおける、Naと、Zrと、Pと、Siと、の組成比が、Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される組成比を満たす、<1>に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<3>前記ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスをシート状あるいは板状の基板としたときに、前記基板の単位面積および厚さ1mmあたりでのリーク速度が10.0μL/h以下、あるいは、前記基板を1時間あたりにおける単位面積および厚さ1mmあたりでリークした水が起因となる水の電気分解が生じたときの電流量が前記基板の単位面積および厚さ1mmあたり15μA以下である、<1>または<2>に記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<4>25℃におけるナトリウムイオン伝導度が6.0×10
-4
S/cm以上である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<5>25℃におけるナトリウムイオン伝導度が1.0×10
-6
S/cm以下であるガラス材料粉末と、25℃におけるナトリウムイオン伝導度が1.0×10
-8
S/cm未満であるZrO
2
成分を含む結晶材料粉末と、が混合焼結されてなる、<1>~<4>のいずれか1つに記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<6>含まれる全結晶相のうち、前記Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される単斜晶の結晶相の割合が70質量%以上である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<7>アモルファス相の割合が10質量%以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス。
<8><1>~<7>のいずれか1つに記載のナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックスを含む、水系ナトリウムイオン二次電池用電解質隔膜。
<9>酸化物換算のmol%で、Na
2
O成分を30.0~40.0%、ZrO
2
成分を0~5.0%、P
2

5
成分を5.0~35.0%、SiO
2
成分を30.0~60.0%含有し、Naと、Pと、Siと、の組成比が、Na
1+x
Zr
2
Si
x

3-x

12
(0<X<3)で示される組成比のうちZrを除いた組成比を満たす、ナトリウムイオン伝導性ガラスセラミックス合成用ガラス材料。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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