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公開番号
2025066394
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-23
出願番号
2023175944
出願日
2023-10-11
発明の名称
タイヤの疲労寿命予測方法
出願人
横浜ゴム株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B60C
19/00 20060101AFI20250416BHJP(車両一般)
要約
【課題】予測精度が高いタイヤの疲労寿命予測方法を提供する。
【解決手段】タイヤの疲労寿命予測方法は、タイヤを構成する加硫ゴム材料のひずみエネルギー密度関数、亀裂進展速度及び引裂エネルギー並びにひずみエネルギー密度を用いて、加硫ゴム材料の破断エネルギーと繰返し数の関係を表す疲労寿命推定線を作成する作成工程と、タイヤを表す、コンピュータで数値解析可能な要素で構成されたタイヤモデルについて、接地時におけるタイヤモデル1周分のひずみ振幅を取得する取得工程と、取得工程で取得したひずみ振幅の値を、疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する推定工程とを有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
タイヤを構成する加硫ゴム材料のひずみエネルギー密度関数、亀裂進展速度及び引裂エネルギー並びにひずみエネルギー密度を用いて、前記加硫ゴム材料の破断エネルギーと繰返し数の関係を表す疲労寿命推定線を作成する作成工程と、
前記タイヤを表す、コンピュータで数値解析可能な要素で構成されたタイヤモデルについて、接地時におけるタイヤモデル1周分のひずみ振幅を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得したひずみ振幅の値を、前記疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する推定工程とを有する、タイヤの疲労寿命予測方法。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記作成工程は、前記加硫ゴム材料のサンプルに対して引張試験を行って、引張応力と引張ひずみとの関係を取得し、前記引張応力と前記引張ひずみとの関係を用いて前記ひずみエネルギー密度関数を算出する工程と、
亀裂進展速度測定装置を用いて前記加硫ゴム材料のサンプルに対して亀裂進展速度測定を行って前記亀裂進展速度及び前記引裂エネルギーを算出する工程と、
1水準の試験ひずみでの定ひずみ引張疲労試験を行って、引張ひずみと付与された引張力の付与回数を取得して、前記ひずみエネルギー密度を算出する工程とを有する、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
【請求項3】
前記タイヤを構成する前記加硫ゴム材料に、老化後の加硫ゴム材料を用いる、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
【請求項4】
前記疲労寿命推定線を作成する作成工程は、前記タイヤの構造に基づいて前記疲労寿命推定線を修正して修正疲労寿命推定線を作成する工程を有し、
前記推定工程は、前記取得工程で取得したひずみ振幅の値を、前記修正疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
【請求項5】
前記疲労寿命推定線を作成する作成工程は、前記取得工程で得られた前記ひずみ振幅の中央値に基づいて前記疲労寿命推定線を修正して修正疲労寿命推定線を作成する工程を有し、
前記推定工程は、前記取得工程で取得したひずみ振幅の値を、前記修正疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
【請求項6】
前記疲労寿命推定線を作成する作成工程は、安全率に基づいて前記疲労寿命推定線を修正して修正疲労寿命推定線を作成する工程を有し、
前記推定工程は、前記取得工程で取得したひずみ振幅の値を、前記修正疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
【請求項7】
前記取得工程は、前記タイヤモデルについて接触解析を実施して、前記タイヤモデルの各要素におけるタイヤ周方向の応力とひずみ波形を得る第1の工程と、
前記第1の工程で得られた前記タイヤモデルの前記各要素におけるタイヤ周方向の応力とひずみ波形をフーリエ変換し、前記タイヤモデルの前記各要素毎にひずみのスペクトルを取得する第2の工程と、
前記第2の工程で取得された前記ひずみのスペクトルから前記ひずみ振幅を得る第3の工程とを有する、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
【請求項8】
前記タイヤモデルは、前記タイヤを構成する複数の部材に対応する部材要素を有し、前記部材要素は、前記コンピュータで数値解析可能な前記要素で構成されており、
前記取得工程は、前記タイヤモデルの複数の部材要素のうち、少なくとも1つの部材要素における前記ひずみ振幅の最大値を取得する工程であり、
前記推定工程は、前記取得工程で取得したひずみ振幅の最大値を、前記疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、請求項1に記載のタイヤの疲労寿命予測方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料試験データとコンピュータによる数値解析を用いたタイヤの疲労寿命予測方法に関し、特に、疲労寿命推定線と数値解析によるひずみ振幅を用いたタイヤの疲労寿命予測方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、タイヤの疲労寿命(耐久性)は、実際にタイヤを製作して、ドラム試験機等を用いてタイヤに故障が発生する迄試験走行させて評価している。この場合、タイヤの故障が、どの程度の走行距離にて、タイヤのどの部分に発生するのかを事前に予測することは難しい。また、タイヤに故障が発生する迄、試験走行させる場合、時間がかかる等、多くの労力が必要である。このため、タイヤの疲労寿命(耐久性)を予測する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に、路面を転動しているタイヤの転動条件の第1時系列データを、コンピュータに入力する工程と、第1時系列データから、予め定められた基準に基づいて特定される代表転動条件を、コンピュータに入力する工程と、タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを、コンピュータに入力する工程と、タイヤモデルから特定される耐久性能を予測すべき第1要素を、コンピュータに入力する工程とを含み、コンピュータが、代表転動条件で転動しているタイヤモデルの温度分布を計算する工程と、温度分布を有するタイヤモデル、及び第1時系列データから特定される少なくとも一時刻の転動条件に基づいて、第1要素に作用する応力又は歪を含む物理量を計算する工程と、少なくとも一時刻の転動条件と物理量とを用いて、転動条件と物理量との関係を示す第1関数を取得する工程とを実行する、タイヤの耐久性能予測方法が提案されている。特許文献1には、疲労寿命の予測にS-N曲線又はε-N曲線が用いられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022‐073699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1では、疲労寿命の予測にS-N曲線又はε-N曲線を用いている。これら加硫ゴム材料の引張疲労特性を取得する方法として、JIS K 6270:2018 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張疲労特性の求め方(定ひずみ方法)として規格化されている。この方法を用いてS-N曲線又はε-N曲線を取得するためには、定ひずみ引張疲労試験を最低4水準以上行うことが推奨されている。だが、試験ひずみを最低4水準以上にして引張疲労試験を行うには多大な時間が必要になる。また、S-N曲線又はε-N曲線のみを用いて疲労破壊を予測した場合、その予測精度は十分ではなく、更なる精度の向上が要求されている。
本発明の目的は、タイヤの疲労寿命を高い精度で予測する、タイヤの疲労寿命予測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、発明[1]は、タイヤを構成する加硫ゴム材料のひずみエネルギー密度関数、亀裂進展速度及び引裂エネルギー並びにひずみエネルギー密度を用いて、加硫ゴム材料の破断エネルギーと繰返し数の関係を表す疲労寿命推定線を作成する作成工程と、タイヤを表す、コンピュータで数値解析可能な要素で構成されたタイヤモデルについて、接地時におけるタイヤモデル1周分のひずみ振幅を取得する取得工程と、取得工程で取得したひずみ振幅の値を、疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する推定工程とを有する、タイヤの疲労寿命予測方法である。
【0007】
発明[2]は、作成工程は、加硫ゴム材料のサンプルに対して引張試験を行って、引張応力と引張ひずみとの関係を取得し、引張応力と引張ひずみとの関係を用いてひずみエネルギー密度関数を算出する工程と、亀裂進展速度測定装置を用いて加硫ゴム材料のサンプルに対して亀裂進展速度測定を行って亀裂進展速度及び引裂エネルギーを算出する工程と、1水準の試験ひずみでの定ひずみ引張疲労試験を行って、引張ひずみと付与された引張力の付与回数を取得して、ひずみエネルギー密度を算出する工程とを有する、発明[1]に記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
発明[3]は、タイヤを構成する加硫ゴム材料に、老化後の加硫ゴム材料を用いる、発明[1]又は[2]に記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
【0008】
発明[4]は、疲労寿命推定線を作成する作成工程は、タイヤの構造に基づいて疲労寿命推定線を修正して修正疲労寿命推定線を作成する工程を有し、推定工程は、取得工程で取得したひずみ振幅の値を、修正疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、発明[1]~[3]のいずれか1つに記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
発明[5]は、疲労寿命推定線を作成する作成工程は、取得工程で得られたひずみ振幅の中央値に基づいて疲労寿命推定線を修正して修正疲労寿命推定線を作成する工程を有し、推定工程は、取得工程で取得したひずみ振幅の値を、修正疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、発明[1]~[4]のいずれか1つに記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
発明[6]は、疲労寿命推定線を作成する作成工程は、安全率に基づいて疲労寿命推定線を修正して修正疲労寿命推定線を作成する工程を有し、推定工程は、取得工程で取得したひずみ振幅の値を、修正疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、発明[1]~[5]のいずれか1つに記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
【0009】
発明[7]は、取得工程は、タイヤモデルについて接触解析を実施して、タイヤモデルの各要素におけるタイヤ周方向の応力とひずみ波形を得る第1の工程と、第1の工程で得られたタイヤモデルの各要素におけるタイヤ周方向の応力とひずみ波形をフーリエ変換し、タイヤモデルの各要素毎にひずみのスペクトルを取得する第2の工程と、第2の工程で取得されたひずみのスペクトルからひずみ振幅を得る第3の工程とを有する、発明[1]~[6]のいずれか1つに記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
発明[8]は、タイヤモデルは、タイヤを構成する複数の部材に対応する部材要素を有し、部材要素は、コンピュータで数値解析可能な要素で構成されており、取得工程は、タイヤモデルの複数の部材要素のうち、少なくとも1つの部材要素におけるひずみ振幅の最大値を取得する工程であり、推定工程は、取得工程で取得したひずみ振幅の最大値を、疲労寿命推定線に適用して疲労寿命を推定する、発明[1]~[7]のいずれか1つに記載のタイヤの疲労寿命予測方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タイヤの疲労寿命を高い精度で予測できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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