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公開番号2025060840
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2024228694,2021553598
出願日2024-12-25,2020-10-26
発明の名称樹脂組成物、化合物(Z)、光学フィルターおよびその用途
出願人JSR株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】波長850nm以上のカットしたい近赤外線領域の波長の光を、鋭い吸収波形で十分にカットしながらも、可視光透過率の低下を抑制でき、熱や紫外線に対して十分な耐性を有する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】環状(ポリ)オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、式(I)で表され、吸収極大波長が波長850~1100nmの範囲にある化合物(Z)とを含有する。
Cn+An-(I)[Cn+は式(II)で表される一価のカチオンであり、An-は一価のアニオンである。]
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂と、
下記式(I)で表され、吸収極大波長が波長850~1100nmの範囲にある化合物(Z)と
を含有し、
前記樹脂が、環状(ポリ)オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、
樹脂組成物。
Cn
+
An
-
(I)
[式(I)中、Cn
+
は下記式(II)で表される一価のカチオンであり、An
-
は一価のアニオンである(但し、ユニットAおよびユニットBがそれぞれ、下記式(A-II)および(B-II)で表される基である場合、An
-
は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンである。)。]
TIFF
2025060840000119.tif
31
144
[式(II)中、Y
A
およびY
D
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~8の炭化水素基であり、

A
~Z
C
のうち隣接した二つが相互に結合して、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含んでもよい5~6員の脂環基、または、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含む、炭素数3~14の複素芳香族基を形成していてもよく、これらの脂環基、芳香族炭化水素基および複素芳香族基は、炭素数1~9の脂肪族炭化水素基またはハロゲン原子を有してもよく、

B
およびY
C
が相互に結合して、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含んでもよい5~6員の脂環基、または、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含む、炭素数3~14の複素芳香族基を形成していてもよく、これらの脂環基、芳香族炭化水素基および複素芳香族基は、炭素数1~9の脂肪族炭化水素基またはハロゲン原子を有してもよく、
ユニットAおよびユニットBはそれぞれ、下記式(A-I)および(B-I)で表される基、下記式(A-II)および(B-II)で表される基、または、下記式(A-III)および(B-III)で表される基であり、
ユニットAおよびユニットBがそれぞれ、下記式(A-I)および(B-I)で表される基である場合、
前記Z
A
、Z
C
およびY
B
~Y
C
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基、-NR
g

h
基、アミド基、イミド基、シアノ基、シリル基、-Q
1
、-N=N-Q
1
、-S-Q
2
、-SSQ
2
、または、-SO
2

3
であり、
前記Z

はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基、アミド基、イミド基、シアノ基、シリル基、-Q
1
、-N=N-Q
1
、-S-Q
2
、-SSQ
2
、または、-SO
2

3
であり、
前記R
g
およびR
h
はそれぞれ独立に、水素原子、-C(O)R
i
基または下記L
b
~L
f
のいずれかであり、Q
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記化合物(Z)が下記要件(A)を満たす、請求項1に記載の樹脂組成物。
要件(A):前記化合物(Z)をジクロロメタンに溶解した溶液を用いて測定される透過スペクトル(但し、該透過スペクトルは、吸収極大波長における透過率が10%となるスペクトルである。)において、波長430~580nmにおける光の透過率の平均値が70%以上である
【請求項3】
前記化合物(Z)が下記要件(C)および(D)を満たす、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
要件(C):前記化合物(Z)をジクロロメタンに溶解した溶液を用いて測定される透過スペクトル(但し、該透過スペクトルは、吸収極大波長における透過率が10%となるスペクトルである。)において、波長950~1150nmの範囲に、透過率が85%となる波長を有する
要件(D):前記化合物(Z)をジクロロメタンに溶解した溶液を用いて測定される透過スペクトル(但し、該透過スペクトルは、吸収極大波長における透過率が10%となるスペクトルである。)の吸収極大波長より長波長において、透過率が20%となる最も短波長側の波長(Wa)と、透過率が70%となる最も短波長側の波長(Wb)との差の絶対値が10~60nmである
【請求項4】
下記式(I)で表され、吸収極大波長が波長850~1100nmの範囲にある化合物(Z)。
Cn
+
An
-
(I)
[式(I)中、Cn
+
は下記式(II)で表される一価のカチオンであり、An
-
は一価のアニオンである(但し、ユニットAおよびユニットBがそれぞれ、下記式(A-II)および(B-II)で表される基である場合、An
-
は、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンである。)。]
TIFF
2025060840000128.tif
31
144
[式(II)中、Y
A
およびY
D
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~8の炭化水素基であり、

A
~Z
C
のうち隣接した二つが相互に結合して、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含んでもよい5~6員の脂環基、または、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含む、炭素数3~14の複素芳香族基を形成していてもよく、これらの脂環基、芳香族炭化水素基および複素芳香族基は、炭素数1~9の脂肪族炭化水素基またはハロゲン原子を有してもよく、

B
およびY
C
が相互に結合して、炭素数6~14の芳香族炭化水素基、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含んでもよい5~6員の脂環基、または、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を少なくとも一つ含む、炭素数3~14の複素芳香族基を形成していてもよく、これらの脂環基、芳香族炭化水素基および複素芳香族基は、炭素数1~9の脂肪族炭化水素基またはハロゲン原子を有してもよく、
ユニットAおよびユニットBはそれぞれ、下記式(A-I)および(B-I)で表される基、または、下記式(A-II)および(B-II)で表される基であり、
ユニットAおよびユニットBがそれぞれ、下記式(A-I)および(B-I)で表される基である場合、
前記Z
A
、Z
C
およびY
B
~Y
C
はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基、-NR
g

h
基、アミド基、イミド基、シアノ基、シリル基、-Q
1
、-N=N-Q
1
、-S-Q
2
、-SSQ
2
、または、-SO
2

3
であり、
前記Z

はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基、アミド基、イミド基、シアノ基、シリル基、-Q
1
、-N=N-Q
1
、-S-Q
2
、-SSQ
2
、または、-SO
2

3
であり、

g
およびR
h
はそれぞれ独立に、水素原子、-C(O)R
i
基または下記L
b
~L
f
のいずれかであり、Q
1
は、下記L
b
~L
g
のいずれかであり、Q
2
は、水素原子または下記L

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、樹脂組成物、化合物(Z)、光学フィルター、または、該光学フィルターを用いた固体撮像装置および光学センサー装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などの固体撮像装置にはカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSイメージセンサーが使用されている。これら固体撮像素子では、その受光部において人間の目では感知できない近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードが使用されている。また、光学センサー装置でも、シリコンフォトダイオードなどが使用されている。例えば、固体撮像素子では、人間の目で見て自然な色合いにさせる視感度補正を行うことが必要であり、特定の波長領域の光線を選択的に透過またはカットする光学フィルター(例えば、近赤外線カットフィルター)を用いることが多い。
【0003】
このような近赤外線カットフィルターとしては、従来から、各種方法で製造されたものが使用されている。例えば、基材として樹脂を用い、樹脂中に近赤外線吸収色素を含有させた近赤外線カットフィルターが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された近赤外線カットフィルターは、近赤外線吸収特性が必ずしも充分ではない場合があった。
【0004】
また、近年のモバイル機器等では、波長800~1000nm付近の近赤外線を用いたセキュリティ認証機能(例:虹彩認証、顔認証)を搭載するものが多く登場しており、この認証に用いる近赤外線が、カメラ画像にフレアやゴーストなどの悪影響を与える場合があった。このため、近赤外線のうち、比較的長波長領域の光線をカットする特性が必要となっている。
【0005】
さらに、レーザーを用いた距離測定技術等では、不要な光はノイズの原因となるためカットする必要があるが、レーザーの光源波長の長波長化に伴い、可視~近赤外領域までの広い波長域をカットする必要性が高まっている。
【0006】
前記近赤外線吸収色素としては、従来、ポリメチン系、スクアリリウム系、ポルフィリン系、ジチオール金属錯体系、フタロシアニン系、ジイモニウム系などの色素が使用されているが、中でもジイモニウム系色素は波長900nm以上の近赤外線の吸収能が高く、可視光領域での透明性が高いことから多用されている。
【0007】
また、例えば特許文献2に記載のジイモニウム系化合物は、近赤外線領域で広くて均一な吸光効率を示し、可視光領域では優れた透過特性を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平6-200113号公報
特表2014-506252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ジイモニウム系色素を用いて、カットしたい近赤外線領域の波長の光を十分にカットしようとした場合、可視光透過率が低下してしまうことが分かった。また、ジイモニウム系色素の吸収波形はなだらかであり、吸収帯域が広いため、近赤外領域において特定の波長の光を選択的にカットするには不向きであった。
一方で、急峻な波形を持ち、波長850nm以上の近赤外領域の光を選択的にカットする色素としては、シアニンなどのポリメチン系色素またはクロコニウム色素が適しているが、これらの色素は熱や紫外線に十分な耐性を有していなかった。
【0010】
本発明は、波長850nm以上のカットしたい近赤外線領域の波長の光を、鋭い吸収波形で十分にカットしながらも、可視光透過率の低下を抑制でき、熱や紫外線に対して十分な耐性を有する樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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