発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、形状記憶機能を有するハイドロゲルに関する。 続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】 【0002】 高分子の三次元ネットワーク構造からなるハイドロゲルは、基本的に水との親和性の高いポリマーが水系溶媒中で膨潤したものである。ハイドロゲルは、高い含水性に基づく生体適合性や柔軟性、透明性、物質内包性を有しており医学から工学まで幅広い分野で応用されている。 【0003】 一方、ハイドロゲルは大部分が水で構成されているため、形状を変形・固定したり、記憶させることが難しい。発明者らは、化学架橋型の温度応答性アミノ酸由来ビニルポリマーの可逆的水素結合を利用することで、初期形状を記憶し、温度刺激により形状固定/回復可能なハイドロゲルの開発に成功した(特許文献1)。 【0004】 しかしながら、このゲルシステムでは初期形状や本質的な機械的特性は重合時に決まるため、重合後にゲル特性を変化させることは難しい。ゲルの力学特性(粘弾性)の制御は、医用分野やコスメティック分野での応用に際して特に重要である。 【0005】 重合後に外部刺激により弾性率を能動的に制御できる機能性ハイドロゲルを用いることで、動的な弾性率変化の挙動が研究され始めている(非特許文献1)。例えば光に応答して開裂するニトロベンジルエーテル基を架橋点に持つ、ポリエチレンオキシドをメインネットワークとするハイドロゲルが提案されており、光照射に応答して架橋点が開裂することで弾性率が減少する動的ハイドロゲルが報告されている(非特許文献2)。 【0006】 しかしながらこのような技術では、ハイドロゲルの機械的特性を自在に調整できる制御として十分ではない。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0007】 特許第7025749号 【非特許文献】 【0008】 J. A. Burdick and W. L. Murphy, Nat. Commun., 3,1269(2012) A. M. Kloxin, A. M. Kasko, C. N. Salinas, and K. S.Anseth, Science, 324, 59(2009) 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、従来の形状記憶性ハイドロゲルのこうした課題を克服し、重合後反応により力学特性を自在にチューニングできる新しい形状記憶ハイドロゲルを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明にかかる形状記憶ハイドロゲルは、高分子マトリックスと水とを含む形状記憶ハイドロゲルであって、前記高分子マトリックスが、式(1)で示されるモノマーと、反応性官能基を有するエチレン性不飽和モノマーと、の共重合体であることを特徴とする。ここでR 1 は水素又は炭素原子数1~6の直鎖もしくは分岐のアルキル基である。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する