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公開番号2025003097
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103581
出願日2023-06-23
発明の名称エネルギ利用システム、および、炭素含有物の製造方法
出願人学校法人同志社,ダイキン工業株式会社
代理人弁理士法人新樹グローバル・アイピー
主分類C25B 9/00 20210101AFI20241226BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】二酸化炭素の排出を抑制しながら二酸化炭素を削減して炭素含有物を得ることが可能なエネルギ利用システム、および、炭素含有物の製造方法を提供する。
【解決手段】再生可能エネルギまたは排熱により得られるエネルギを利用して熱媒体の温度を調整する高温利用熱交換部(36)を有し、熱媒体が循環する熱利用サイクル(30)と、二酸化炭素が溶解した電解液を電解還元する電解還元装置(70)と、を備えたエネルギ利用システム(1)であって、電解還元装置(70)は、熱媒体と熱的に接触することで温度が調整された電解液を電解還元し、電解還元装置(70)は、第1方向に延びた筒状の電解槽ケーシング(79)と、電解槽ケーシング(79)内部に設けられ、第1方向に延びたアノード(71)と、第1方向視において電解槽ケーシング(79)内部であってアノード(71)の外側に位置しており、第1方向に延びた筒状のカソード(72)と、電解液をアノード(71)とカソード(72)の間で第1方向に流す電解液流路(73)と、を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
再生可能エネルギまたは排熱により得られるエネルギを利用して熱媒体の温度を調整する温度調整部(36)を有し、前記熱媒体が循環する循環回路(30)と、二酸化炭素が溶解した電解液を電解還元する電解還元装置(70)と、を備えたエネルギ利用システム(1)であって、
前記電解還元装置は、前記熱媒体と熱的に接触することで温度が調整された前記電解液を電解還元し、
前記電解還元装置は、
第1方向に延びた筒状のケーシング(79)と、
前記ケーシング内部に設けられ、前記第1方向に延びた第1電極(71)と、
前記第1方向視において前記ケーシング内部であって前記第1電極の外側に位置しており、前記第1方向に延びた筒状の第2電極(72)と、
前記電解液を前記第1電極と前記第2電極の間で前記第1方向に流す電解液流路(73)と、
を有する、
エネルギ利用システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第1電極は、アノードであり、
前記第2電極は、カソードである、
請求項1に記載のエネルギ利用システム。
【請求項3】
前記アノードは、前記第1方向に延びた筒状であり、
前記電解還元装置は、前記第1方向視において前記アノードの内側に設けられ、前記電解液の酸化反応により生じるガスを通過させる第1ガス流路(71x)を有する、
請求項2に記載のエネルギ利用システム。
【請求項4】
前記アノードは、前記第1方向に延びた筒状のアノード触媒層(71a)と、前記第1方向視において前記アノード触媒層の内側であって前記第1ガス流路の外側に設けられており前記第1方向に延びた筒状のアノードガス拡散層(71b)と、を有する、
請求項3に記載のエネルギ利用システム。
【請求項5】
前記電解還元装置は、前記第1方向視において前記カソードの外側であって前記ケーシングの内側に設けられ、前記電解液の還元反応により生じるガスを通過させる第2ガス流路(72x)を有する、
請求項2または3に記載のエネルギ利用システム。
【請求項6】
前記カソードは、前記第1方向に延びた筒状のカソード触媒層(72a)と、前記第1方向視において前記カソード触媒層の外側であって前記第2ガス流路の内側に設けられており前記第1方向に延びた筒状のカソードガス拡散層(72b)と、を有する、
請求項5に記載のエネルギ利用システム。
【請求項7】
前記再生可能エネルギにより発電された電力を利用して駆動され、第1冷媒が循環するヒートポンプ(10)をさらに備え、
前記温度調整部は、前記ヒートポンプにより温度が調整された前記第1冷媒の熱によって、前記熱媒体の温度を調整する、
請求項1または2に記載のエネルギ利用システム。
【請求項8】
前記熱媒体の熱を利用して発電するヒートエンジン(20)を備え、
前記電解還元装置は、前記ヒートエンジンにより発電された電力を利用して前記電解液に電圧を印加する、
請求項1または2に記載のエネルギ利用システム。
【請求項9】
前記循環回路は、前記熱媒体の熱を貯蔵エネルギとして貯蔵する貯蔵部(37)を有する、
請求項1または2に記載のエネルギ利用システム。
【請求項10】
循環回路(30)を循環する熱媒体の温度を、再生可能エネルギまたは排熱により得られるエネルギを利用して調整する工程と、
二酸化炭素が溶解した電解液の温度を、前記熱媒体と熱的に接触させることで調整する工程と、
温度調整された前記電解液を電解還元する工程と、
を備え、
前記電解還元する工程では、第1方向に延びた第1電極(71)と、前記第1方向視において前記第1電極を周囲から覆うように前記第1方向に延びた筒状の第2電極(72)と、の間を、前記電解液が前記第1方向に流れる、
炭素含有物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
エネルギ利用システム、および、炭素含有物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策として二酸化炭素等を削減する観点から、二酸化炭素を還元することにより炭素化合物等を得て再利用を図るカーボンリサイクルに係る技術の開発が進んでいる。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2016-89230号公報)によれば、反応容器を密閉した状態として二酸化炭素を電解還元することにより炭素材料を製造することが提案されている。また、例えば、特許文献2(特開2023-15104号公報)によれば、同じく二酸化炭素を電解還元することにより一酸化炭素及び各種有機化合物(炭化水素、エーテル、環状エーテル、アルコール、又はカルボニル化合物)を製造することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、二酸化炭素の削減を目的として二酸化炭素から炭素含有物を製造するため、二酸化炭素の増大を招くようなエネルギの使用を抑制させつつ、二酸化炭素を効率的に電解還元することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点に係るエネルギ利用システムは、循環回路と、電解還元装置と、を備えている。循環回路は、温度調整部を有している。循環回路は、熱媒体が循環する。温度調整部は、再生可能エネルギまたは排熱により得られるエネルギを利用して熱媒体の温度を調整する。電解還元装置は、二酸化炭素が溶解した電解液を電解還元する。電解還元装置は、熱媒体と熱的に接触することで温度が調整された電解液を電解還元する。電解還元装置は、ケーシングと、第1電極と、第2電極と、電解液流路と、を有する。ケーシングは、筒状であり、第1方向に延びている。第1電極は、ケーシング内部に設けられ、第1方向に延びている。第2電極は、筒状であり、第1方向に延びている。第2電極は、第1方向視においてケーシング内部であって第1電極の外側に位置している。電解液流路は、電解液を第1電極と第2電極の間で第1方向に流す。
【0006】
ここで、再生可能エネルギとしては、例えば、太陽光発電、風力発電、水力発電、バイオマス発電、地熱発電、潮汐発電、水素燃焼発電、および、アンモニア燃焼発電からなる群より選択される1種または2種以上により得られるエネルギであってよい。この再生可能エネルギは、電力会社が運用する主要な電力ネットワークを経て供給される電力等のようなエネルギと比較して、時間帯等に応じて得られるエネルギ量が一定でない不安定なものであってよい。
【0007】
ここで、排熱は、特に限定されず、例えば、火力発電所、原子力発電所、化学工場、精錬所、清掃工場、地熱、温泉水等において排出される熱を挙げることができる。
【0008】
このエネルギ利用システムによれば、再生可能エネルギまたは排熱により得られるエネルギを利用して、熱媒体の温度を調整する。そして、温度調整された熱媒体は、循環回路を循環して、電解液と熱的に接触することで、二酸化炭素が溶解した電解液の温度を調整する。このため、電解液の還元効率が高まる。しかも、電解還元装置の電解液流路では、電解液が、第1電極と第2電極の間を第1方向に流れる。このため、第1電極と第2電極の間に対する電解液の供給を続けながら、電解液の電解還元を行うことが可能になる。したがって、第1電極と第2電極の近傍における電解液中の二酸化炭素または炭酸イオンの濃度を高く維持させやすい点においても、電解液の還元効率を高めることが可能になる。さらに、二酸化炭素の電解還元において、再生可能エネルギまたは排熱により得られるエネルギを利用して温度調整された熱媒体を用いて電解液の温度を調整できるため、二酸化炭素の削減を、二酸化炭素の排出を抑制しながら行うことが可能になる。
【0009】
第2観点に係るエネルギ利用システムは、第1観点に係るエネルギ利用システムにおいて、第1電極は、アノードである。第2電極は、カソードである。
【0010】
このエネルギ利用システムでは、第1方向視においてアノードよりも外側に設けられたカソードにおいて二酸化炭素を還元することができる。このため、カソードがアノードの内側に設けられている場合と比べて、カソードがアノードの外側に設けられている方が、カソードの表面積をより大きく確保することができ、二酸化炭素の還元を効率的に行うことが可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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