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公開番号
2025040491
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-25
出願番号
2023147331
出願日
2023-09-12
発明の名称
含炭塊成鉱の製造方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C22B
1/16 20060101AFI20250317BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】炭素の含有率が2.5質量%以上の原料を用いた場合でも、高炉で使用可能な強度を有する含炭塊成鉱を製造することができる、含炭塊成鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】含炭塊成鉱(21)の製造方法は、準備工程と、水分調整工程と、塊成工程と、水浸工程と、静置工程と、を備える。準備工程では、金属鉄及び酸化カルシウム含有化合物を含む粉粒状物質(14)を準備する。粉粒状物質(14)の金属鉄の含有率a、酸化カルシウムの含有率b及び炭素の含有率cが、下記の式(1)を満足する。塊成工程では、粉粒状物質(14)を冷間で圧縮塊成化して塊成化物(16)を形成する。水浸工程では、塊成化物(16)に水浸処理を施す。静置工程では、水浸工程の後、塊成化物(16)に静置処理を施す。
400≦(2340×a+3300×b-400)×(1-5.5×c) (1)
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
金属鉄及び酸化カルシウム含有化合物を含む粉粒状物質を準備する準備工程であって、前記粉粒状物質は、乾ベースでの鉄分の総含有率が10質量%以上であり、炭素の含有率が2.5質量%以上であり、カルシウムの総量と珪素の総量との比が質量比で2.9以上6.1以下であり、前記金属鉄の含有率a、酸化カルシウムの含有率b及び炭素の含有率cが、下記の式(1)を満足する、前記準備工程と、
前記粉粒状物質に含まれる水分を0.5質量%以上7.0質量%以下に調整する水分調整工程と、
前記水分調整工程の後、前記粉粒状物質を冷間で圧縮塊成化して塊成化物を形成する塊成工程と、
前記塊成化物に水浸処理を施す水浸工程と、
前記水浸工程の後、前記塊成化物に静置処理を施す静置工程と、を備える、含炭塊成鉱の製造方法。
400≦(2340×a+3300×b-400)×(1-5.5×c) (1)
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記粉粒状物質の前記金属鉄の含有率aが10質量%以上である、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記粉粒状物質の酸化カルシウムの含有率bが10質量%以上40質量%以下である、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記粉粒状物質における乾ベースでの高珪素系バインダーの含有率は2質量%以下である、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、鉄系廃材を含む原料に還元焙焼処理を施すことにより、前記粉粒状物質を製造する、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記原料は、前記鉄系廃材、炭材及びカルシウム含有物質を含み、
前記鉄系廃材又は前記炭材は、珪素含有物質を含み、
前記原料に含まれるカルシウムと珪素との比が質量比で2.9以上6.1以下である、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記原料に含まれる前記カルシウム含有物質は、石灰粉が水に懸濁したスラリー状である、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記還元焙焼処理を1300℃未満で実施する、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記準備工程において、前記還元焙焼処理によって還元鉄が製造され、
前記還元鉄に含まれる鉄分に対する前記金属鉄の質量比が0.8以下である、含炭塊成鉱の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記塊成工程では、塊成化装置を用いて前記粉粒状物質を圧縮塊成化した後、篩い処理を施して、篩上品である前記塊成化物と、篩下品である前記粉粒状物質とに分級し、
篩下品である前記粉粒状物質を、前記塊成化装置に供給して再度圧縮塊成化する、含炭塊成鉱の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、含炭塊成鉱の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、鉄の多くは、高炉法により生産されている。高炉は、鉄原料から銑鉄を製造する設備である。高炉の炉頂から、鉄原料であり酸化鉄でもある焼結鉱、ペレット及び塊鉱石が装入される。また、還元材であり燃料でもあるコークスが装入される。炉内では鉄鉱石が還元材により還元され、銑鉄が生成される。高炉に装入される鉄原料は、上述した以外にも、粉鉱石又は製鉄ダストに炭素を添加して塊成化された含炭塊成鉱(炭材内装鉱と言う場合もある)がある。
【0003】
含炭塊成鉱を高炉に装入すると、還元反応が促進され、ガス利用率が向上することが知られている(例えば、非特許文献1)。したがって、含炭塊成鉱は高炉の生産性向上及び燃料比低減に寄与することが期待されている。さらに、含炭塊成鉱をコークスとともにキューポラ等の竪型炉に装入して、還元・溶解することにより溶銑を製造する提案もなされている。含炭塊成鉱は、電気炉で使用することも可能と考えられる。
【0004】
近年、銅等のトランプエレメントの含有率が低いスクラップの収集が困難となっており、部分的に鉄の還元が進んでいる還元鉄の塊成化物(HBI等)を電気炉で使用することも検討されている。ただし、この還元鉄は完全には還元されていないため、塊成化物に炭素を含ませることにより、電気炉内で酸化鉄の還元を進行させることが必要と考えられる。
【0005】
以下、高炉や電気炉等に装入される炭素を含んだ鉄原料を「含炭塊成鉱」と言い、含炭塊成鉱を製造するための原料を単に「原料」と言う。含炭塊成鉱に関する技術として、例えば特許文献1~4が知られている。
【0006】
また、金属鉄を含む粉粒状の還元鉄(粉粒状物質)を、冷間にて圧縮塊成化することにより含炭塊成鉱を製造する技術が知られている(例えば、特許文献5)。粉粒状物質に含まれる金属鉄は、圧縮塊成化される際に、その可塑性により、互いに噛み合い、圧着されて結合する。さらに、製造された含炭塊成鉱に水浸・静置処理を施すことで金属鉄の一部が酸化結合し、得られる含炭塊成鉱の強度が高まる。すなわち、特許文献5に記載の塊成化物の製造方法では、金属鉄がバインダーとして用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平11-92833号公報
特許第3502008号公報
特許第5503364号公報
特許第5503495号公報
特許第5512205号公報
【非特許文献】
【0008】
井上 衛、他4名、「鉄と鋼」一般社団法人日本鉄鋼協会、1986年、72巻、12号、p.S885
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
還元反応を促進させる効果を発揮させる観点から、含炭塊成鉱の炭素の含有率は、2.5質量%以上であることが好ましい。しかしながら、含炭塊成鉱において、炭素の含有率が増加すると、含炭塊成鉱の強度が低下する。この場合、含炭塊成鉱が高炉に装入された際に、炉内の通気性の確保が困難となる。含炭塊成鉱の強度が低すぎると、運搬・搬送する過程での振動や衝撃により、含炭塊成鉱が損壊してしまうことも考えられる。
【0010】
特許文献5に記載された製造方法では、粉粒状物質に炭素が含まれていたとしても、金属鉄の含有率を高くすることで強度の高い含炭塊成鉱を得ることが可能と考えられる。しかしながら、金属鉄の含有率が高い粉粒状物質の製造は容易ではない。特許文献5における実施例の発明例3-1では、ポルトランドセメントを添加し、ポルトランドセメントの含有率を8質量%とすることにより、炭素の含有率が3.3質量%の含炭塊成鉱を製造している。しかしながら、ポルトランドセメントには製鉄プロセスにおいて不純物または有害成分となる二酸化珪素や酸化アルミニウムが含まれている。このため、含炭塊成鉱には、ポルトランドセメント等の高珪素系バインダーが極力添加されないことが好ましい。高珪素系バインダーとは、含まれる二酸化珪素の濃度と酸化カルシウムの濃度との比が0.2以上(SiO
2
/CaO≧0.2)、かつ鉄分の総含有率が10質量%未満、かつ炭素が5質量%未満の物質を意味する。なお、本明細書では、鉄分の総含有率が10質量%以上の物質は「鉄源」と言い、炭素が5質量%以上の物質は「炭材」と言う。
(【0011】以降は省略されています)
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