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公開番号
2025040334
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-24
出願番号
2023147198
出願日
2023-09-11
発明の名称
異種移植用材料の病原体感染を検査するための剤、検査キット、異種移植用材料の病原体感染を検査する方法、及び病原体感染が評価された異種移植用材料製品の作成方法
出願人
学校法人常翔学園
代理人
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/6888 20180101AFI20250314BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】複数種類の病原体検査を行うに際し、個々の病原体毎に異なるプライマーを用いて同様の検査作業を行う重複的な作業を低減し、複数種類の病原体検査をできるだけ少ない回数で簡便に行うことができる異種移植用材料の病原体感染を検査するための剤、検査キット、異種移植用材料の病原体感染を検査する方法、及び病原体感染が評価された異種移植用材料製品の作成方法を提供すること。
【解決手段】特定の病原体に対するプライマー対の群から選択される少なくとも1つの、病原体の核酸に選択的に結合するプライマー対を含む、異種移植用材料の病原体感染をPCR検査するための剤。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
アポイウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-GGG ACA CCC GAG TAA CTC AA-3’(配列番号1)
R:5’-TGC CTC TGC TAG CCT TTT ATG-3’(配列番号2)
ボルナウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-GGC CGA RAA TAG CAT GAT MGA-3’(配列番号3)
R:5’-GCT GAG CTG TCT GGA TGG TTT-3’(配列番号4)
牛ウイルス性下痢ウイルス1型に対する下記プライマー対、
F:5’-AGC AAC AGT GGT GAG TTC GTT-3’(配列番号5)
R:5’-CGA ACC ACT GAC GAC TAC CC-3’(配列番号6)
牛ウイルス性下痢ウイルス2型に対する下記プライマー対、
F:5’-ACA AAC CCC CTG AAT CAA GA-3’(配列番号7)
R:5’-AGC AGA ACY GCT GCC AAG AT-3’(配列番号8)
牛ウイルス性下痢ウイルス3型に対する下記プライマー対、
F:5’-AAC AAA CCA GAA CAG TCA AGG AA-3’(配列番号9)
R:5’-CAG TAY TGC CCA TGC CAA C-3’(配列番号10)
ブタコレラウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-CAG GAC AGT CGT CAG TAG TTC G-3’(配列番号11)
R:5’-CTC GTC CAC ATA GCA TCT CG-3’(配列番号12)
ゲタウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-AAA ACT GAC AAA CCC GGA AA-3’(配列番号17)
R:5’-CTG TAT GGT GGC TAC GTT CG-3’(配列番号18)
日本脳炎ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TGT CAT GGA TGA AGC TCA TTT C-3’(配列番号21)
R:5’-TTG GTA GCA ATG TAT CCT CGT G-3’(配列番号22)
レオウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TCA ARA TGG TWA GCG TTG GA-3’(配列番号23)
R:5’-GCC ATG AAT AGT GTC TGW GCA A-3’(配列番号24)
ニパウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TCA GCA GGA AGG CAA GAG AGT AA-3’(配列番号27)
R:5’-CCY CTT CRT CGA YAT CTT GAT CA-3’(配列番号28)
アストロウイルス4型に対する下記プライマー対、
F:5’-ACA GCG CTG CAT GGG AAA CTC CT-3’(配列番号34)
R:5’-CTT TGG TCC KCC CCY CCA AA-3’(配列番号35)
ブタ流行性下痢ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-GCC GAC AGG TCT GCA TTC-3’(配列番号44)
R:5’-TAA GGA GTG TTA GCG TTA CAC CAG-3’(配列番号45)
ブタエンテロウイルスB型に対する下記プライマー対、
F:5’-ATG CAC GCA ACA CAC AAG AT-3’(配列番号46)
R:5’-TTC TGC CAT TAT GCC ATG C-3’(配列番号47)
ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-CCG ACA TTG ACG GAG TCT TC-3’(配列番号48)
R:5’-CAA TGT CAG CCG GGG TAT TA-3’(配列番号49)
ブタ呼吸器型コロナウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TGT GCT AGT TAT GTG GCT AAT GTT T-3’(配列番号52)
R:5’-CCA CTA ACC AAC GTG GAG CTA T-3’(配列番号53)
ロタウイルスグループAに対する下記プライマー対、
F:5’-HGA AAG RTT CAG TTT TCC GAG RG-3’(配列番号54)
R:5’-RAA TAA CTG GAT TGA AGT ACC ATG TG-3’(配列番号55)
ロタウイルスグループB(米国株)に対する下記プライマー対、
F:5’-CAY GAA CAT TTC TGY GGT GG-3’(配列番号56)
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
アポイウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-GGG ACA CCC GAG TAA CTC AA-3’(配列番号1)
R:5’-TGC CTC TGC TAG CCT TTT ATG-3’(配列番号2)
ボルナウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-GGC CGA RAA TAG CAT GAT MGA-3’(配列番号3)
R:5’-GCT GAG CTG TCT GGA TGG TTT-3’(配列番号4)
牛ウイルス性下痢ウイルス1型に対する下記プライマー対、
F:5’-AGC AAC AGT GGT GAG TTC GTT-3’(配列番号5)
R:5’-CGA ACC ACT GAC GAC TAC CC-3’(配列番号6)
牛ウイルス性下痢ウイルス2型に対する下記プライマー対、
F:5’-ACA AAC CCC CTG AAT CAA GA-3’(配列番号7)
R:5’-AGC AGA ACY GCT GCC AAG AT-3’(配列番号8)
牛ウイルス性下痢ウイルス3型に対する下記プライマー対、
F:5’-AAC AAA CCA GAA CAG TCA AGG AA-3’(配列番号9)
R:5’-CAG TAY TGC CCA TGC CAA C-3’(配列番号10)
ブタコレラウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-CAG GAC AGT CGT CAG TAG TTC G-3’(配列番号11)
R:5’-CTC GTC CAC ATA GCA TCT CG-3’(配列番号12)
脳心筋炎ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TCG ATG CCA ACG AGG AC-3’(配列番号13)
R:5’-CTC TGG GTT GTT TAG TGT TTC T-3’(配列番号14)
口蹄疫ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-ACT GGG TTT TAY AAA CCT GTG ATG-3’(配列番号15)
R:5’-TCA ACT TCT CCT GKA TGG TCC CA-3’(配列番号16)
ゲタウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-AAA ACT GAC AAA CCC GGA AA-3’(配列番号17)
R:5’-CTG TAT GGT GGC TAC GTT CG-3’(配列番号18)
ブタE型肝炎ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-GGT GGT TTC TGG GGT GAC-3’(配列番号19)
R:5’-AGG GGT TGG TTG GAT GAA-3’(配列番号20)
日本脳炎ウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TGT CAT GGA TGA AGC TCA TTT C-3’(配列番号21)
R:5’-TTG GTA GCA ATG TAT CCT CGT G-3’(配列番号22)
レオウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TCA ARA TGG TWA GCG TTG GA-3’(配列番号23)
R:5’-GCC ATG AAT AGT GTC TGW GCA A-3’(配列番号24)
メナングルウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-CGG ATT TGA GCC TGG TAC GT-3’(配列番号25)
R:5’-ACC TCT CCA TTT GTC ATC GGA-3’(配列番号26)
ニパウイルスに対する下記プライマー対、
F:5’-TCA GCA GGA AGG CAA GAG AGT AA-3’(配列番号27)
R:5’-CCY CTT CRT CGA YAT CTT GAT CA-3’(配列番号28)
ノロウイルスに対する下記プライマー対、
F(Aプライマー):5’-ATG TTY AGR TGG ATG AGR TTY T-3’(配列番号29)
F(Bプライマー):5’-ATG TTC CGY TGG ATG CGV TT-3’(配列番号30)
R:5’-TMG AYG CCA TCW TCA TTC AC-3’(配列番号31)
アストロウイルス1型、3型及び/又は5型に対する下記プライマー対、
F:5’-GAA KCR CTS YAT GGG AAR CTC CT-3’(配列番号32)
R:5’-CTT TGG TCC KCC CCY CCA AA-3’(配列番号33)
アストロウイルス4型に対する下記プライマー対、
【請求項3】
前記プライマー対を、3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上含む、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項4】
前記プライマー対を、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上又は29以上含む、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項5】
各々の細菌の核酸に選択的に結合するプライマー対、及び/又は、少なくとも2種類の細菌間の共通塩基配列に対するプライマー対を更に含む、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項6】
前記異種移植用材料が、ブタ由来の異種移植用材料である、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項7】
含まれる全プライマーの融解温度差が7℃以下であり、ウイルス、原虫及び細菌を含む病原体の感染を同一のサーマルサイクル条件のPCR法により遺伝子検査するための、請求項1又は2に記載の剤。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の剤を含む検査キット。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の剤を使用して、ウイルス、原虫及び細菌を含む病原体の感染を遺伝子検査する工程を含む、異種移植用材料の病原体感染を検査する方法。
【請求項10】
各々の細菌の核酸に選択的に結合するプライマー対、及び/又は、少なくとも2種類の細菌間の共通塩基配列に対するプライマー対を更に使用する、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の病原体検査をできるだけ少ない回数で簡便に行うことができる異種移植用材料の病原体感染を検査するための剤、検査キット、異種移植用材料の病原体感染を検査する方法、及び病原体感染が評価された異種移植用材料製品の作成方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
世界的に見ても、移植待機患者数はかなり多いにもかかわらず、提供される臓器は不足している。最近では、ブタの胎児を用いた再生療法、ブタで育てた遺伝子操作ヒト臓器が注目されている。このような臨床応用に使用されるブタは、ブタ、ウシ、霊長類等の家畜だけでなく、ヒトへの感染を防ぐために、微生物学的に安全であること、すなわち感染性病原体が存在しないことが要求される。
【0003】
異種移植のドナーとなるのはDPF(Designated Pathogen Free)ブタと呼ばれる、閉鎖系のよく管理された環境において、医療用として飼育された感染症、特に人獣共通感染症のリスクを排除したブタが多い。
【0004】
ドナーブタの病原体を検出するための微生物学的手法には、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)分析、微生物培養、ELISA(酵素結合免疫吸着分析法)などがある。異種移植を目的としたブタの微生物学的安全性の検査は、従来、これらの技術を組み合わせることによって達成されている(非特許文献1及び2)。
病原体検査ないしスクリーニングのための微生物学的手法のうち、PCR分析は、その感度と結果を得るのに必要な時間が比較的短いことから、通常、第一の選択肢となり得る。
【0005】
例えば、非特許文献3には、PCR技術に基づいた、ドナーブタの感染性病原体を検出するための異種移植パネルが記載されており、23種のウイルス、及び、2種の細菌を検出するPCR検出法が記載されている。
非特許文献3に記載の病原体リストは、非特許文献3に記載の地域の地理的範囲内でドナーブタに感染する可能性の高い微生物に従って確立されており、ドナーブタが飼育されている地域の感染状況によって限定されたものとなる(例えば、非特許文献1~5)。
【0006】
したがって、ルーチンに検査する病原体の数を絞り込むことを目指すには病原体検査にかかるコスト及び時間がやむを得ない要因として浮上してくる。しかし、稀な感染及び/又は季節的な感染を引き起こす病原体など、他の病原体を検出できる高感度PCR検出法を開発することも極めて重要である。
さらに、より多くの検出法があれば、異種移植用に指定されたドナーブタ(例えば、上記DPFブタ)が開発された、あるいは開発されつつある国、地域等における病原体検査のための標的病原体リストの作成に、より多くの選択肢を提供することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Wynyard S,Nathu D,Garkavenko O, et al.Microbiological safety of the first clinical pig islet xenotransplantation trial in New Zealand. Xenotransplantation 2014;21:309‐323.
Gazda LS,Collins J,Lovatt A et al.A comprehensive microbiological safety approach for agarose encapsulated porcine islets intended for clinical trials. Xenotransplantation 2016; 23: 444‐463.
Hartline CB,Conner RL,James SH et al.Xenotransplantation panel for the detection of infectious agents in pigs.Xenotransplantation 2018;25:e12427.
Fishman JA. Infectious disease risks in xenotransplantation.Am J Transplant.2018;18:1857‐1864.
Porrett PM,Orandi BJ,Kumar V et al.First clinical‐grade porcine kidney xenotransplant using a human decedent model.Am J Transplant 2022;22:1037‐1053.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような異種移植用動物(例えば、ブタ、ウシ、霊長類等)に関する複数種類の病原体(例えば、複数種類の細菌、ウイルス、原虫)感染を検査するに際し、個々の病原体毎にPCR等により検査するのでは、手間、時間及び費用を要し検査の実用性としては現実的ではない。例えば、60時間以上の長時間の検査時間を要する。複数種類の病原体感染を、できるだけ少ない回数で検査し得る手法が求められる。
【0009】
例えば、PCR法により複数種類の病原体感染を、できるだけ少ない回数で検査する場合、同一のPCR反応に使う各プライマーの融解温度(Tm値)が、PCRにおけるアニーリング工程との相関性の観点から所定の差に収まるように設計すること等が要求される。
しかし、上述のように、検査対象の病原体の種類が増えるほど、同一のPCR反応に使う各プライマーの融解温度(Tm値)が所定の差に収まるように設計することは困難になってくる。
【0010】
一方、本発明者らは定量的PCRでは、ほとんどの病原体において標準PCR法及びnested PCR法と比較して検出感度が高いこと、その為、全ての病原体の検出方法を定量的PCRに統一することが好ましいことを見出している。
(【0011】以降は省略されています)
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