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公開番号2025037713
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2023144811
出願日2023-09-06
発明の名称ベルトコンベア用潤滑剤組成物及びベルトコンベアの潤滑性向上方法
出願人株式会社ADEKA,ADEKAクリーンエイド株式会社
代理人個人,個人
主分類C10M 173/02 20060101AFI20250311BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】潤滑性及び耐水性に優れ、摩耗による粉塵汚れの発生が少なく、粉塵汚れの除去性にも優れたベルトコンベア用潤滑剤組成物及びベルトコンベアの潤滑性向上方法を提供する。
【解決手段】組成物は、(A)炭化水素基の炭素数が18~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB6以上、10以下のノニオン界面活性剤、(B)炭化水素基の炭素数12~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB12以上、18.5以下のノニオン界面活性剤、(C)流動パラフィン及び/又はポリアルファオレフィンから選択される20℃で液体の炭化水素油、(D)ドコサン及び/又は炭化水素系ワックスから選択される20℃で固体の炭化水素、(E)グリセリン及び/又はポリアルキレングリコールから選択されるポリオール、(F)少なくとも1種以上の特定のジオール、(G)水を含有する水中油型乳化物よりなる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)成分として炭化水素基の炭素数が18~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB6以上、10以下のノニオン界面活性剤、
(B)成分として炭化水素基の炭素数12~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB12以上、18.5以下のノニオン界面活性剤、
(C)成分として流動パラフィン及び/又はポリアルファオレフィンから選択される20℃で液体の炭化水素油、
(D)成分としてドコサン及び/又は炭化水素系ワックスから選択される20℃で固体の炭化水素、
(E)成分としてグリセリン及び/又はポリアルキレングリコールから選択されるポリオール(但し、ジオールを除く)、
(F)成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコールから選択される少なくとも1種以上のジオール、
(G)成分として水、
を含有する水中油型乳化物よりなることを特徴とするベルトコンベア用潤滑剤組成物。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
(A)成分と(B)成分の重量比(A)/(B)が0.25以上、9以下、
(C)成分と(D)成分の重量比(C)/(D)が0.25以上、19以下、
(C)成分と(D)成分の合計と(A)成分と(B)成分の合計の重量比(C+D)/(A+B)が2以上、10以下である請求項1に記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物。
【請求項3】
(H)成分として、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルデシルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム、ジデシルメチルポリオキシエチレンアンモニウム塩から選択される少なくとも1種以上の除菌性カチオン界面活性剤を含有する請求項1又は2の何れかに記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物。
【請求項4】
(I)成分として、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンから選択される少なくとも1種以上の防腐剤を含有する請求項3に記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物における(C)成分と(D)成分の合計(C+D)が0.1質量%以上、2質量%以下となるように(C)成分と(D)成分を含有させてなる処理液を、被搬送品を搬送するベルトコンベア上及び/又は被搬送品表面上に供給することを特徴とするベルトコンベアの潤滑性向上方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベア用潤滑剤組成物及びベルトコンベア用潤滑剤組成物を用いたベルトコンベアの潤滑性向上方法に関し、更に詳細には、飲用水、清涼飲料、牛乳、ジュース、お茶、コーヒー、紅茶、乳飲料、炭酸飲料、ビール、酒類、ドリンク剤などの飲料品及び調味料、加工食品等の食品を容器へ充填し、又は包装する工程において、プラスチック製容器、紙製容器、金属製容器、ガラス製容器及びセラミック製容器等の移動搬送の際に用いられるベルトコンベア用潤滑剤組成物及びベルトコンベアの潤滑性向上方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
上述する飲料品及び食品等の容器には、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック製容器、紙製容器、金属製容器、ガラス製容器、セラミック製容器等が使用される。飲料製造工場におけるこれら容器への充填工程や包装工程において、連続的に大量の容器を移動搬送するために一般的にベルトコンベアが使用されている。このような工場においては、ベルトコンベアを連続運転させ、容器等の被搬送物を高速搬送することが一般的であるが、このとき容器同士あるいは容器とベルトコンベアとの接触面に発生する摩擦により、容器の変形や容器の転倒等が発生する場合があり、こうした障害を防ぐためにベルトコンベア用潤滑剤をベルトコンベア上等に塗布あるいは噴霧して、容器等の被搬送物とベルトコンベアとの間の摩擦係数を下げることが一般的である。
【0003】
従来のベルトコンベア潤滑剤は界面活性剤の水溶液を用いることが一般的であったが、使用時に連続または短い間欠停止時間を持ってコンベア表面に供給する必要があり、使用量が多くなる問題があった。そこで近年はコンベアに適用した後も長時間潤滑性を発揮するため間欠停止時間を長くすることができ、使用量を低減させることが可能な潤滑剤組成物が開発されている。例えば特許文献1には、少なくとも約70重量%のワックスを含む潤滑剤被膜をコンベア表面の少なくとも一部に形成することを含む、容器コンベア表面を潤滑する方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、エチレン系又はプロピレン系ワックスエマルションを含む合成ワックスエマルションと脂肪族アミン又はエーテルアミンを含むアミン誘導体と、乳化剤と金属イオン封鎖剤とを含む潤滑剤組成物を用い、適用サイクルが1~60秒潤滑剤組成物を分配する第1の期間と、10~3600秒分配しない第2の期間とを含む潤滑方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、(A)成分として炭化水素基の炭素数が12から32の脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物よりなるノニオン界面活性剤、(B)成分として油性物質、(C)成分としてグリセリン、ポリアルキレングリコールから選択される1種以上のポリオール、(D)成分としてカチオン界面活性剤、(E)成分として水、を含有する水中油型乳化物よりなり、(A)成分と(B)成分の質量比(B)/(A)が、2以上、7以下、(A)成分と(C)成分の質量比(C)/(A)が1以上、20以下、(A)成分と(D)成分の質量比(D)/(A)が0.05以上、1以下であることを特徴とするベルトコンベア用潤滑剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2008-518045号
特許6883104号
特許6762792号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているワックスを主体とするベルトコンベア用潤滑剤組成物は、潤滑性が満足できるものではなく、さらにベルトコンベア用潤滑剤組成物とベルトコンベアの摩耗により発生した粉塵との混合物がベルトコンンベア表面や継ぎ目に蓄積した汚れとなり、被搬送容器によって当該汚れが擦られて剥離し、容器の底部に付着して容器を汚染する問題があった。また、特許文献3に記載されているベルトコンベア用潤滑剤は少ない使用量で比較的長時間優れた潤滑性を付与することができ、更に摩耗による粉塵汚れの発生が少なく、粉塵汚れが生じた場合でも除去性に優れているが、ベルトコンベアが水で濡れた場合に、供給されるベルトコンベア用潤滑剤組成物の潤滑性能が低下してしまう問題があった。
【0008】
従って、本発明の目的は少ない使用量でも潤滑性及び耐水性に優れ、ベルトコンベアに適用した場合に摩耗による粉塵汚れの発生が少なく、更に粉塵汚れが生じた場合においても水洗浄による除去性に優れ且つ潤滑性の低下を抑制できるベルトコンベア用潤滑剤組成物及びこれを用いたベルトコンベアの潤滑性向上方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討した結果、(A)炭化水素基の炭素数が18~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB6以上、10以下のノニオン界面活性剤と、(B)炭化水素基の炭素数12~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB12以上、18.5以下のノニオン界面活性剤と、(C)流動パラフィン及び/又はポリアルファオレフィンから選択される20℃で液体の炭化水素油と、(D)ドコサン及び/又は炭化水素系ワックスから選択される20℃で固体の炭化水素と、(E)グリセリン及び/又はポリアルキレングリコールから選択されるポリオール(但し、ジオールを除く)と、(F)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコールから選択される少なくとも1種以上のジオールと、(G)水を含有する水中油型乳化物よりなるベルトコンベア用潤滑剤組成物を用いることによって、驚くべきことに、貯蔵安定性に優れ、少ない使用量でも潤滑性に優れ、ベルトコンベアに適用した場合に摩耗による粉塵汚れの発生が少なく、更に多量の水分で常時濡れているコンベアにおいても良好な潤滑性を示し且つ潤滑性が低下しにくくなるといった優れた耐水性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、
(1)(A)成分として炭化水素基の炭素数が18~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB6以上、10以下のノニオン界面活性剤、
(B)成分として炭化水素基の炭素数12~24の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加して生成されるHLB12以上、18.5以下のノニオン界面活性剤、
(C)成分として流動パラフィン及び/又はポリアルファオレフィンから選択される20℃で液体の炭化水素油、
(D)成分としてドコサン及び/又は炭化水素系ワックスから選択される20℃で固体の炭化水素、
(E)成分としてグリセリン及び/又はポリアルキレングリコールから選択されるポリオール(但し、ジオールを除く)、
(F)成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコールから選択される少なくとも1種以上のジオール、
(G)成分として水、
を含有する水中油型乳化物よりなることを特徴とするベルトコンベア用潤滑剤組成物、
(2)(A)成分と(B)成分の重量比(A)/(B)が0.25以上、9以下、(C)成分と(D)成分の重量比(C)/(D)が0.25以上、19以下、(C)成分と(D)成分の合計と(A)成分と(B)成分の合計の重量比(C+D)/(A+B)が2以上、10以下である上記(1)に記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物、
(3)(H)成分として、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルデシルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム、ジデシルメチルポリオキシエチレンアンモニウム塩から選択される少なくとも1種以上の除菌性カチオン界面活性剤を含有する上記(1)又は(2)の何れかに記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物、
(4)(I)成分として、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンから選択される少なくとも1種以上の防腐剤を含有する上記(3)に記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物、
(5)上記(1)に記載のベルトコンベア用潤滑剤組成物における(C)成分と(D)成分の合計(C+D)が0.1質量%以上、2質量%以下となるように(C)成分と(D)成分を含有させてなる処理液を、被搬送品を搬送するベルトコンベア上及び/又は被搬送品表面上に供給することを特徴とするベルトコンベアの潤滑性向上方法、を要旨とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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