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公開番号
2025038482
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-19
出願番号
2023145119
出願日
2023-09-07
発明の名称
廃プラスチック油化処理装置
出願人
株式会社リサイクルエナジー
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C10G
1/10 20060101AFI20250312BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】廃プラスチックを熱分解して再生油を製造するときにおいて、原料の廃プラスチックを、熱分解反応の低下を生じさせることなく、かつ、安全に行うと共に、再生油の製造効率をより高く保ち、かつ、熱効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】廃プラスチックを熱分解して分解ガスを生成させる熱分解釜、この熱分解釜で得られた分解ガスを複数回、気液分離を行って、液体状の再生油を得るための冷却分離装置を有する廃プラスチック油化処理のための装置であり、前記廃プラスチックを加熱及び搬送する原料投入用押出機、及び前記原料投入用押出機により溶融され、かつ、搬送された溶融廃プラスチックをさらに加熱し、前記熱分解釜に送る原料投入用加熱ラインを有し、前記原料投入用加熱ラインは、前記廃プラスチックを熱分解温度以上に上昇させる加熱部を有すると共に、前記原料投入用押出機から前記熱分解釜の廃プラスチック供給口にかけて、上方に傾斜した傾斜部を有する廃プラスチック油化処理装置を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
廃プラスチックを熱分解して分解ガスを生成させる熱分解釜、この熱分解釜で得られた分解ガスを複数回、気液分離を行って、液体状の再生油を得るための冷却分離装置を有する廃プラスチック油化処理のための装置であり、
前記廃プラスチックを加熱及び搬送する原料投入用押出機、及び前記原料投入用押出機により溶融され、かつ、搬送された溶融廃プラスチックをさらに加熱し、前記熱分解釜に送る原料投入用加熱ラインを有し、
前記原料投入用加熱ラインは、前記廃プラスチックを熱分解温度以上に上昇させる加熱部を有すると共に、前記原料投入用押出機から前記熱分解釜の廃プラスチック供給口にかけて、上方に傾斜した傾斜部を有する廃プラスチック油化処理装置。
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【請求項2】
前記冷却分離装置は、冷却により前記液体状の再生油と気体状のガス成分とを分離する装置であり、
前記熱分解釜の外周に、この熱分解釜を加熱するための加熱部を有し、
前記加熱部の加熱手段は、前記再生油を燃料として用いるオイルバーナー、及び前記ガス成分を燃料として用いるガスバーナーから選ばれる少なくとも一方である請求項1に記載の廃プラスチック油化処理装置。
【請求項3】
前記原料投入用押出機は、廃プラスチックを加熱する加熱部を有し、
前記原料投入用押出機の加熱部、及び原料投入用加熱ラインの加熱部の少なくとも一方を加熱するための加熱手段は、前記オイルバーナーの排ガス及び前記ガスバーナーの排ガスである請求項2に記載の廃プラスチック油化処理装置。
【請求項4】
廃プラスチックを熱分解釜で熱分解して分解ガスを生成させ、次いで、この熱分解釜で得られた分解ガスを、冷却分離装置を用いて複数回、気液分離を行うことにより液体状の再生油を得る再生油の製造方法であり、
原料投入用押出機及び原料投入用加熱ラインにより、前記廃プラスチックを加熱すると共に前記熱分解釜に搬送し、
前記原料投入用押出機により、前記廃プラスチックは加熱されて溶融されると共に、前記原料投入用加熱ラインに搬送し、
前記原料投入用加熱ラインにより、前記溶融廃プラスチックをさらに加熱して前記熱分解釜に送入し、
前記原料投入用加熱ラインは、前記廃プラスチックを熱分解温度以上に上昇させる加熱部を有すると共に、前記原料投入用押出機から前記熱分解釜の廃プラスチック供給口にかけて、上方に傾斜した傾斜部を有する再生油の製造方法。
【請求項5】
前記冷却分離装置による冷却で、前記液体状の再生油と気体状のガス成分とが分離され、
前記熱分解釜の外周に、この熱分解釜を加熱するための加熱部を有し、
前記加熱部は、前記再生油を燃料として用いるオイルバーナー、及び前記ガス成分を燃料として用いるガスバーナーから選ばれる少なくとも一方により加熱される請求項4に記載の再生油の製造方法。
【請求項6】
前記原料投入用押出機に、廃プラスチックを加熱する加熱部が配され、
前記原料投入用押出機の加熱部、及び前記原料投入用加熱ラインの加熱部の少なくとも一方を、前記オイルバーナーの排ガス及び前記ガスバーナーの排ガスによって加熱される請求項5に記載の再生油の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃プラスチックを分解して再生油を製造するための装置に係る発明であり、詳しくは、廃プラスチックを分解して再生油を製造すると共に、使用する原料である廃プラスチックを加熱溶融して熱分解釜に送入することのできる廃プラスチック油化処理装置に係る発明である。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、プラスチックのリサイクル方法として、廃プラスチックを分解して再生油等を得る方法が種々検討されている。この方法の例として、廃プラスチックを溶融して熱分解釜に送り、次いで、熱分解釜で熱分解して分解ガスを生成させ、これを液化して再生油を得る方法が知られている(特許文献1等)。
この原料となる廃プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやポリスチレン等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-170986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、熱分解釜に原料の廃プラスチックを送入する場合、固形のまま送入すると、送入のたびに熱分解釜内の温度が低下し、熱分解反応の速度が大きく低減してしまう。
これを防ぐため、原料の廃プラスチックを溶融状態で熱分解釜に送入することが考えられる。しかし、加熱温度が廃プラスチックの分解温度以上となると、廃プラスチックの分解が起こり、分解ガスが発生し、原料の廃プラスチックの搬送装置内で分解ガスが発生し、装置や人の安全に影響が生じるおそれがある。一方、熱分解が生じない程度の温度に加熱することが考えられるが、この場合、送入される廃プラスチックの温度は、熱反応釜の内部の温度より低く、この廃プラスチックを送入するごとに、多少であるが熱分解反応の速度の低下が生じてしまう。
そこで、この発明は、廃プラスチックを熱分解して再生油を製造するときにおいて、原料の廃プラスチックを、熱分解反応の低下を生じさせることなく、かつ、安全に行うと共に、再生油の製造効率をより高く保ち、かつ、熱効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、熱分解釜中の熱分解残渣を効率よく、熱分解釜から除去する装置を用いることにより、前記の課題を解決したものであり、その要旨は、下記の[1]~[6]に存する。
[1]廃プラスチックを熱分解して分解ガスを生成させる熱分解釜、この熱分解釜で得られた分解ガスを複数回、気液分離を行って、液体状の再生油を得るための冷却分離装置を有する廃プラスチック油化処理のための装置であり、前記廃プラスチックを加熱及び搬送する原料投入用押出機、及び前記原料投入用押出機により溶融され、かつ、搬送された溶融廃プラスチックをさらに加熱し、前記熱分解釜に送る原料投入用加熱ラインを有し、前記原料投入用加熱ラインは、前記廃プラスチックを熱分解温度以上に上昇させる加熱部を有すると共に、前記原料投入用押出機から前記熱分解釜の廃プラスチック供給口にかけて、上方に傾斜した傾斜部を有する廃プラスチック油化処理装置。
【0006】
[2]前記冷却分離装置は、冷却により前記液体状の再生油と気体状のガス成分とを分離する装置であり、前記熱分解釜の外周に、この熱分解釜を加熱するための加熱部を有し、前記加熱部の加熱手段は、前記再生油を燃料として用いるオイルバーナー、及び前記ガス成分を燃料として用いるガスバーナーから選ばれる少なくとも一方である[1]に記載の廃プラスチック油化処理装置。
[3]前記原料投入用押出機は、廃プラスチックを加熱する加熱部を有し、前記原料投入用押出機の加熱部、及び原料投入用加熱ラインの加熱部の少なくとも一方を加熱するための加熱手段は、前記オイルバーナーの排ガス及び前記ガスバーナーの排ガスである[2]に記載の廃プラスチック油化処理装置。
【0007】
[4]廃プラスチックを熱分解釜で熱分解して分解ガスを生成させ、次いで、この熱分解釜で得られた分解ガスを、冷却分離装置を用いて複数回、気液分離を行うことにより液体状の再生油を得る再生油の製造方法であり、原料投入用押出機及び原料投入用加熱ラインにより、前記廃プラスチックを加熱すると共に前記熱分解釜に搬送し、前記原料投入用押出機により、前記廃プラスチックは加熱されて溶融されると共に、前記原料投入用加熱ラインに搬送し、前記原料投入用加熱ラインにより、前記溶融廃プラスチックをさらに加熱して前記熱分解釜に送入し、前記原料投入用加熱ラインは、前記廃プラスチックを熱分解温度以上に上昇させる加熱部を有すると共に、前記原料投入用押出機から前記熱分解釜の廃プラスチック供給口にかけて、上方に傾斜した傾斜部を有する再生油の製造方法。
【0008】
[5]前記冷却分離装置による冷却で、前記液体状の再生油と気体状のガス成分とが分離され、前記熱分解釜の外周に、この熱分解釜を加熱するための加熱部を有し、前記加熱部は、前記再生油を燃料として用いるオイルバーナー、及び前記ガス成分を燃料として用いるガスバーナーから選ばれる少なくとも一方により加熱される[4]に記載の再生油の製造方法。
[6]前記原料投入用押出機に、廃プラスチックを加熱する加熱部が配され、前記原料投入用押出機の加熱部、及び前記原料投入用加熱ラインの加熱部の少なくとも一方を、前記オイルバーナーの排ガス及び前記ガスバーナーの排ガスによって加熱される[5]に記載の再生油の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
この発明にかかる廃プラスチック油化処理装置を用いることにより、熱分解釜に送入する原料の廃プラスチックを、熱分解釜内における熱分解反応の速度を低下させることなく送入することができ、熱分解反応を効率よく進めることができる。
また、熱分解釜に送入される原料の廃プラスチックは、熱分解反応により分解ガスが生じている状態で熱分解釜に送入されるが、原料投入用加熱ラインの中で生じた分解ガスは、熱分解釜にそのまま送り込まれて原料として取り扱われ、かつ、原料投入用押出機にこの分解ガスが逆流し、漏出するのを防止するので、熱分解効率を低下させることなく、かつ、装置及び人の安全を確保することができる。
【0010】
また、この発明にかかる廃プラスチック油化処理装置を用いて再生油を製造する際に、ガス成分が生じるが、このガス成分の中には、分子量が低く、大気中に放出される排気対象のガスが含まれる。このとき、再生油やこのガス成分、特に排気対象のガスをオイルバーナーやガスバーナーで燃焼させて熱分解釜の加熱に使用することができるので、外部の燃料でなく、自己の装置で製造した再生油や排気対象のガス成分を有効利用することができる。
さらに、オイルバーナーやガスバーナーで生じた排ガスを原料投入用押出機や原料投入用加熱ラインを加熱するために用いることができるので、オイルバーナーやガスバーナーで生じた排ガスの熱を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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