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公開番号2025035217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142129
出願日2023-09-01
発明の名称部材のリサイクル方法及びリサイクル接合部材の製造方法
出願人国立大学法人群馬大学,国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人
主分類B23K 20/12 20060101AFI20250306BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】接合部材を解体して得られる部材を、融解させることなく再利用することができる、部材のリサイクル方法を提供すること。
【解決手段】発泡剤を含有する接合部を有し、且つ、摩擦攪拌接合によって複数の部材が接合部を介して接合されている接合部材を準備する工程と、発泡剤を加熱することによって、接合部を発泡させる工程と、発泡後の接合部を破断することによって接合部材を解体し、発泡後の接合部の少なくとも一部を有する部材を得る工程と、を備え、得られた部材を、リサイクル接合部材を構成する部材として再利用する、部材のリサイクル方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
発泡剤を含有する接合部を有し、且つ、摩擦攪拌接合によって複数の部材が前記接合部を介して接合されている接合部材を準備する工程と、
前記発泡剤を加熱することによって、前記接合部を発泡させる工程と、
発泡後の前記接合部を破断することによって前記接合部材を解体し、発泡後の前記接合部の少なくとも一部を有する部材を得る工程と、を備え、
得られた前記部材を、リサイクル接合部材を構成する部材として再利用する、部材のリサイクル方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
発泡剤を含有する領域を有する第一の部材と、第二の部材と、を含む接合部材を製造する方法であって、
前記領域を含むようにして摩擦攪拌接合することによって、前記第一の部材と、前記第二の部材と、を接合する接合工程を備える、リサイクル接合部材の製造方法。
【請求項3】
前記接合工程の前に、前記第一の部材を含む接合部材を解体して、前記第一の部材を得る回収工程を更に備える、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記接合工程の前に、前記回収工程で得た前記第一の部材を成形する成形工程を更に備える、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記発泡剤が、水素化チタンを含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記領域が、増粘剤を更に含有する、請求項2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記増粘剤がアルミナを含む、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記接合工程が、前記第一の部材と前記第二の部材との間に発泡剤シートを配置するステップと、
前記領域及び前記発泡剤シートを含むように摩擦攪拌接合することにより前記第一の部材と、前記第二の部材と、を接合するステップと、を含み、
前記発泡剤シートが、金属と、発泡剤と、を含有する、請求項2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、部材のリサイクル方法及びリサイクル接合部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
部材のマルチマテリアル化が推進される中、異種部材の接合技術の一つとして、摩擦攪拌接合(FSW;Friction Stir Welding)が注目されている。摩擦攪拌接合は、固相接合が可能であり、強固な接合が達成できるため、様々な分野での利用が検討されている。
【0003】
例えば、自動車の燃費向上等の観点から、鋼部材とアルミニウム部材とを接合して用いることが検討されているが、摩擦攪拌接合により鋼部材とアルミニウム部材とを接合すると、脆いFe-Al系の金属間化合物層の生成を最小限に抑えることが可能であり、強固な接合を実現できる。
【0004】
一方、循環型社会実現の観点から、接合部材を廃棄する際は、解体が容易であることが求められている。そのため、接合部材の使用時においては、部材同士は強固に接合し、接合部材の廃棄時は容易に解体できる技術(易分離技術)が確立されれば、部材のリサイクルを容易にし、ライフサイクル全体のエネルギー消費を大幅に削減できる。
【0005】
本発明の発明者らの検討によれば、部材を接合(例えば、鋼部材とアルミニウム部材との接合)する際に、TiH

等の発泡剤を部材同士の接合面に添加した後、摩擦攪拌接合を行い、発泡剤をアルミニウム部材中に分散させることにより、部材同士の強固な接合を可能にしつつ、接合部材の廃棄時には、部材同士の接合部を加熱し、発泡剤を分解して接合部を発泡させることにより、低荷重で部材を分離させることが可能となる(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
「A1050アルミニウム/SS400鋼接合体の接合界面への発泡剤塗布によるポーラス化を用いた易分離の検討」、軽金属、第73巻、第4号、pp.164-166、2023年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発泡剤を部材中に分散させて接合された接合部材は、発泡剤を発泡させて接合部材を解体した後、解体により得られる各部材を融解し、リサイクルされる。しかし、循環型社会実現の観点から、部材を融解するのに必要なエネルギーを削減しつつ、解体した部材を再利用することが求められている。
【0008】
そこで、本発明の一側面は、接合部材を解体して得られる部材を、融解させることなく再利用することができる、部材のリサイクル方法を提供することを目的とする。また、本発明の他の側面は、接合部材を解体して得られる部材を再利用して、低荷重で解体することができるリサイクル接合部材を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば、以下の[1]~[8]を含む。
[1]発泡剤を含有する接合部を有し、且つ、摩擦攪拌接合によって複数の部材が前記接合部を介して接合されている接合部材を準備する工程と、
前記発泡剤を加熱することによって、前記接合部を発泡させる工程と、
発泡後の前記接合部を破断することによって前記接合部材を解体し、発泡後の前記接合部の少なくとも一部を有する部材を得る工程と、を備え、
得られた前記部材を、リサイクル接合部材を構成する部材として再利用する、部材のリサイクル方法。
[2]発泡剤を含有する領域を有する第一の部材と、第二の部材と、を含む接合部材を製造する方法であって、
前記領域を含むようにして摩擦攪拌接合することによって、前記第一の部材と、前記第二の部材と、を接合する接合工程を備える、リサイクル接合部材の製造方法。
[3]前記接合工程の前に、前記第一の部材を含む接合部材を解体して、前記第一の部材を得る回収工程を更に備える、[2]に記載の製造方法。
[4]前記接合工程の前に、前記回収工程で得た前記第一の部材を成形する成形工程を更に備える、[3]に記載の製造方法。
[5]前記発泡剤が、水素化チタンを含む、[2]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6]前記領域が、増粘剤を更に含有する、[2]~[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7]前記増粘剤がアルミナを含む、[6]に記載の製造方法。
[8]前記接合工程が、前記第一の部材と前記第二の部材との間に発泡剤シートを配置するステップと、
前記領域及び前記発泡剤シートを含むように摩擦攪拌接合することにより前記第一の部材と、前記第二の部材と、を接合するステップと、を含み、
前記発泡剤シートが、金属と、発泡剤と、を含有する、[2]~[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一側面によれば、接合部材を解体して得られる部材を、融解させることなく再利用することができる、部材のリサイクル方法を提供することができる。また、本発明の他の側面によれば、接合部材を解体して得られる部材を再利用して、低荷重で解体することができるリサイクル接合部材を製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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