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公開番号
2025033506
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023139263
出願日
2023-08-29
発明の名称
修飾済基材、修飾済基材の製造方法、及び、修飾済基材における重なり合い密度の評価方法
出願人
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C01B
32/28 20170101AFI20250306BHJP(無機化学)
要約
【課題】全表面をポリマーにより化学修飾された修飾済基材において、重なり合い密度が関連付けられた修飾済基材を提供する。
【解決手段】修飾済基材は、基材と、前記基材の全表面を化学修飾しているポリマーと、を備え、前記全表面において隣接するポリマー同士の平均間隔であって、前記全表面の表面積と前記全表面に化学修飾されている前記ポリマーの数とに応じた平均間隔と、前記全表面を化学修飾している前記ポリマーの慣性半径と、に基づき算出された重なり合い密度が当該修飾済基材に関連付けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材と、前記基材の全表面を化学修飾しているポリマーと、を備えた修飾済基材であって、
(1)前記全表面において隣接するポリマー同士の平均間隔であって、前記全表面の表面積と前記全表面に化学修飾されている前記ポリマーの数とに応じた平均間隔と、(2)前記全表面を化学修飾している前記ポリマーの慣性半径と、に基づき算出された重なり合い密度が当該修飾済基材に関連付けられている、
ことを特徴とする修飾済基材。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
当該修飾済基材には、前記慣性半径が更に関連付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の修飾済基材。
【請求項3】
前記基材は、カラーセンターを含むワイドギャップ半導体により構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
【請求項4】
前記基材は、平均直径が400μm以下である粒子である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
【請求項5】
前記基材は、平均直径が3nm以上500nm以下である粒子である、
ことを特徴とする請求項4に記載の修飾済基材。
【請求項6】
前記ポリマーは、親水性ポリマーである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
【請求項7】
前記ポリマーは、生体適合性ポリマーである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
【請求項8】
前記ポリマーは、ポリエチレングリコール又はポリグリセロールである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
【請求項9】
前記重なり合い密度は、1以下である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
【請求項10】
前記修飾済基材の形状は、図形とは異なる形状である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の修飾済基材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、全表面を親水性ポリマーにより化学修飾されている修飾済基材に関する。また、本発明の一態様は、そのような修飾済基材の製造方法、及び、そのような修飾済基材における隣接ポリマー鎖の重なり合い密度の評価方法にも関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内部にNV(Nitrogen-Vacancy)センターを含み、且つ、表面を遮蔽基で化学修飾されたナノダイヤモンド(ND)粒子を蛍光分子プローブとして用いるための技術が記載されている。このようなNVセンターを含むND粒子は、蛍光分子プローブとしてだけではなく、ND粒子が存在する環境における温度や、pHや、電場や、磁場などをセンシングする量子センサーとしても利用できるし、ドラッグデリバリーシステムにおいて薬剤を運ぶキャリアとしても利用できる。
【0003】
なお、表面に化学修飾を施されていないND粒子は、クラスターを形成したり、タンパク質に代表される有機物を吸着したりする(非特許文献1参照)。したがって、表面に化学修飾が施されていないND粒子を生体内(例えば血管中)に注入した場合、ND粒子あるいはND粒子のクラスターの表面には、生体内に存在するタンパク質が凝集する。このようなND粒子のクラスター化及びタンパク質の凝集を回避するために、ND粒子の化学修飾は、重要な技術である。例えば、非特許文献2では、遮蔽基としてpoly(ethylene glycol) monomethyl ether(mPEG)及びpoly(ethylene glycol)methyl ether methacrylate(PEGMA)を用いる技術が記載されている。
【0004】
また、遮蔽基としてpoly(ethylene glycol)(PEG)を用いることによるタンパク質吸着抑制効果は、PEG修飾基板を用いて報告されている(非特許文献3参照)。ここで用いられているPEG修飾基板においては、金属酸化物により構成された表面がPEGにより化学修飾されている。非特許文献3では、この基板の表面において隣接するPEG同士の平均間隔をLとし、基板を修飾している各PEGを球体とみなした時の、重心から各モノマーユニットまでの距離の二乗平均の平方根で定義される慣性半径をR
g
として、L/2R
g
で定義される重なり合い密度を、タンパク質吸着抑制効果を評価する指標として用いている。なお、平均間隔Lは、タンパク質吸着抑制効果を評価したい基板において化学修飾されている領域の表面積と、当該領域に結合しているPEGの数とから算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/058012号
【非特許文献】
【0006】
Polyglycerol Grafting Shields Nanoparticles from Protein Corona Formation to Avoid Macrophage Uptake. ACS Nano 2020, 14 (6), 7216-7226. https://doi.org/10.1021/acsnano.0c02289.
Zhang, X.; Fu, C.; Feng, L.; Ji, Y.; Tao, L.; Huang, Q.; Li, S.; Wei, Y. PEGylation and PolyPEGylation of Nanodiamond. Polymer (Guildf) 2012, 53 (15), 3178-3184.
Kenausis, G. L., Voeroes, J., Elbert,D. L., Huang,N., Hofer,R., Ruiz-Taylor, L., Textor, M., Hubbell, J. A., Spencer, N. D., Poly(L-lysine)-g-Poly(ethylene glycol) Layers on Metal Oxide Surfaces: Attachment Mechanism and Effects of Polymer Architecture on Resistance to Protein Adsorption J. Phys. Chem. B 2000, 104, 3298-3309.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
全表面を化学修飾されたND粒子においてもタンパク質吸着抑制効果を評価することが求められるため、発明者らは、指標として上述した重なり合い密度を用いることを検討した。上述したように、重なり合い密度を算出するためには、化学修飾されている領域の表面積、すなわち、ND粒子の場合にはND粒子における全表面の表面積を用いる。
【0008】
ここで、ND粒子における全表面の表面積を求める手法としては、ND粒子の形状を球形であると見做し、動的光散乱法により得られるND粒子の粒径を用いて球形と見做したND粒子の表面積を算出する手法が考えられる。しかし、発明者らが電子顕微鏡を用いてND粒子の形状を観察したところ、その形状は、球形から大きく逸脱していることが分かった。そのため、この手法を用いて求めたND粒子の表面積を用いて平均間隔Lを算出し、更に重なり合い密度を算出しても、正確な重なり合い密度を得られないことが分かった。このような背景があるため、全表面を化学修飾されたND粒子においては、タンパク質吸着抑制効果を左右する重要な指標であるにも関わらず、重なり合い密度が算出されていなかった。
【0009】
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、全表面をポリマーにより化学修飾された修飾済基材において、重なり合い密度が関連付けられた修飾済基材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様に係る修飾済基材は、基材と、前記基材の全表面を化学修飾しているポリマーと、を備えた修飾済基材であって、(1)前記全表面において隣接するポリマー同士の平均間隔であって、前記全表面の表面積と前記全表面に化学修飾されている前記ポリマーの数とに応じた平均間隔と、(2)前記全表面を化学修飾している前記ポリマーの慣性半径と、に基づき算出された重なり合い密度が当該修飾済基材に関連付けられている。
(【0011】以降は省略されています)
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