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公開番号2025033355
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023139035
出願日2023-08-29
発明の名称蛍光体、蛍光体を含む光源、および新規無機酸化物
出願人国立大学法人宇都宮大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C09K 11/88 20060101AFI20250306BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】青色光波長域の光の励起により赤色の蛍光を示す新規蛍光体、特に安価で安全性および安定性が高いマンガンを賦活剤として用いた蛍光体を提供する。
【解決手段】La1.5Na1.5-xMxTe1-xNbxO6で表され、MはMg、Ca、Sr、またはBaを示し、xは0.01~1.0である無機酸化物を含み、上記無機酸化物は、ダブルペロブスカイト構造を有し、上記無機酸化物がマンガンイオンでドープされている蛍光体。上記蛍光体を用いて、屋内での使用に適した演色性を有する照明装置や、太陽光中の紫外線を赤色光に変換する波長変換材料を提供することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
La
1.5
Na
1.5-x

x
Te
1-x
Nb
x

6
で表され、
MはMg、Ca、Sr、またはBaを示し、
xは0.01~1.0である無機酸化物を含み、
前記無機酸化物はダブルペロブスカイト構造を有し、
前記無機酸化物がマンガンイオンでドープされている蛍光体。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記マンガンイオンが4価のマンガンイオンである請求項1に記載の蛍光体。
【請求項3】
MがCaである請求項1に記載の蛍光体。
【請求項4】
La
1.5
Na
1.5
Te
1

6
と同様のXRDパターンを示し、青色光による励起により赤色蛍光を与える、請求項1に記載の蛍光体。
【請求項5】
前記無機酸化物がNbおよびTeの合計atom数に対して0.1atom%~1atom%のマンガンイオンでドープされている請求項1に記載の蛍光体。
【請求項6】
青色光領域または紫外光領域で発光を示す発光素子と請求項1~5のいずれか一項に記載の蛍光体とを含む光源。
【請求項7】
前記発光素子が発光ダイオードである請求項6に記載の光源。
【請求項8】
前記発光ダイオードがInGaNを含む請求項7に記載の光源。
【請求項9】
Ce
3+
で賦活したYAG蛍光体を含み、前記発光素子が青色光領域で発光を示す発光素子である、請求項6に記載の光源。
【請求項10】
La
1.5
Na
1.5-x

x
Te
1-x
Nb
x

6
で表され、
MはMg、Ca、Sr、またはBaを示し、
xは0.01~1.0であり、
ダブルペロブスカイト構造を有する、無機酸化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体、蛍光体を含む光源、および新規無機酸化物に関する。より詳しくは、本発明は、ダブルペロブスカイト(double-perovskite)構造の無機酸化物を含む蛍光体、この蛍光体を含む光源、およびダブルペロブスカイト構造の新規無機酸化物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
LEDを発光源とする光源は高効率かつ長寿命であって、環境親和性が高く多くの長所を持つ新世代の光源とされている。白色光源としては、青色LED、緑色LED、および赤色LEDを組み合わせたものの他、紫外光~青色光発光LEDと各種蛍光体とを組み合わせたものが一般的である。
現在実用化されている白色光源の例としてはCe
3+
で賦活したYAG黄色蛍光体とInGaN青色LEDチップの組み合わせによるものが挙げられる。しかし、この白色光源は、赤色成分を欠くため、演色性は屋内での使用などに対しては十分ではない。このような観点から、白色光源の演色性の向上のため、近年、赤色蛍光体が各種探索されている。
【0003】
また、赤色光は光合成に適しており、植物の育成を促進すると考えられている。したがって、太陽光中の紫外線で励起され赤色の蛍光を示す材料は農業分野でも需要がある。
【0004】
赤色蛍光体としてはEu
2+
等の希土類イオンを含む蛍光体が報告されてきているが、希土類イオンの多くは高価である。一方、希土類元素を含まない蛍光体として、ヒ素含有酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、および酸窒化物蛍光体なども開発されているが、安全性、安定性または合成容易性などの観点から十分なものではない。
【0005】
一方、安全性などに優れた赤色蛍光体として、近年、マンガンを用いた蛍光体が各種報告されている。マンガンは安価であるため赤色蛍光体のコスト削減にも寄与する。例えば、非特許文献1では、ダブルペロブスカイト構造のBa
2
LaNbO
6
にMn
4+
またはCr
3+
をドープしてNbサイトに置換、配置した深赤色蛍光体が報告されている。また、非特許文献2は、ダブルペロブスカイト構造のLa
2
LiTaO
6
にMn
4+
をドープした蛍光体を開示しており、非特許文献3は、ダブルペロブスカイト構造のGd
2
ZnTiO
6
にMn
4+
をドープした蛍光体を開示している。特許文献1は、Sb、Nb、Ta、Te、WおよびIからなる群より選択される1種以上の元素、La、ならびにNaを構成元素とするダブルペロブスカイト構造の無機酸化物にマンガンイオンをドープした蛍光体を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-048931号公報
【非特許文献】
【0007】
P.A.Tanner et al, Inorg. Chem. 2009, 48, 11142-11146
Lei Wang et al, Appl. Phys. A, 2014, 117, 1777-1783
Hui Chen et al, J. Mater. Chem. C 2016, 4, 2374-2381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、青色光波長域の光の励起により赤色の蛍光を示す新規蛍光体を提供することである。特に本発明の課題は、安価で安全性および安定性が高いマンガンを賦活剤として用いた蛍光体を提供することである。本発明は、また、屋内での使用に適した演色性を有する照明装置等を提供可能な光源や、波長変換材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、特許文献1に記載の蛍光体のうち、特に高輝度の蛍光を示すLa
1.5
Na
1.5
TeO
6
を母体とする蛍光体に基づきさらに安価で安定性が高い蛍光体の開発を試み、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記を提供するものである。
【0010】
[1]La
1.5
Na
1.5-x

x
Te
1-x
Nb
x

6
で表され、
MはMg、Ca、Sr、またはBaを示し、xは0.01~1.0である無機酸化物を含み、上記無機酸化物はダブルペロブスカイト構造を有し、上記無機酸化物がマンガンイオンでドープされている蛍光体。
[2]上記マンガンイオンが4価のマンガンイオンである[1]に記載の蛍光体。
[3]MがCaである[1]または[2]に記載の蛍光体。
[4]La
1.5
Na
1.5
Te
1

6
と同様のXRDパターンを示し、青色光による励起により赤色蛍光を与える、[1]~[3]のいずれかに記載の蛍光体。
[5]上記無機酸化物がNbおよびTeの合計atom数に対して0.1atom%~1atom%のマンガンイオンでドープされている[1]~[4]のいずれかに記載の蛍光体。
(【0011】以降は省略されています)

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