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公開番号2025029481
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-06
出願番号2023134185
出願日2023-08-21
発明の名称カーボンナノチューブ、およびカーボンナノチューブ樹脂組成物
出願人株式会社DR.GOO
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C01B 32/176 20170101AFI20250227BHJP(無機化学)
要約【課題】金属不純物を低減でき、かつ、分散性に優れているカーボンナノチューブを提供すること。
【解決手段】黒鉛化処理が施された後に、粉砕処理が施されたカーボンナノチューブであって、前記カーボンナノチューブの粒径D50が100μm以下である、カーボンナノチューブ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
黒鉛化処理が施された後に、粉砕処理が施されたカーボンナノチューブであって、
前記カーボンナノチューブの粒径D
50
が100μm以下である、
カーボンナノチューブ。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
カーボンナノチューブ粉末、或いは、カーボンナノチューブ粒状物に粉砕処理が施されたカーボンナノチューブに、黒鉛化処理が施されている、
カーボンナノチューブ。
【請求項3】
請求項2に記載のカーボンナノチューブにおいて、
前記カーボンナノチューブの粒径D
50
が100μm以下である、
カーボンナノチューブ。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブと、バインダー樹脂とを含む、
カーボンナノチューブ樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ(以下CNTと記すことがある)、およびカーボンナノチューブ樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
現在、リチウムイオン二次電池(以下Libと記すことがある)は、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、または、自動車(例えば、EV、HEV、P-HEV)などに用いられ、各種産業の生産性向上または生活の質的改善などに多大な貢献をしている。Libの電極としては、リチウムイオンを含む正極活物質、導電助剤、および有機バインダーなどからなる電極合材を金属箔の集電体に固着させた正極、並びに、リチウムイオンの脱挿入可能な負極物質、導電助剤、および有機バインダーなどからなる電極合材を金属箔の集合体の表面に固着させた負極から形成されている。
【0003】
通常、正極材料としては、コバルト酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられているが、これらは電子伝導性が低く、単独での使用では、十分な電池性能が得られない。そこで、カーボンブラック(以下CBと記すことがある)、中でもアセチレンブラックまたはケッチェンブラックなどを導電助剤として添加することで、導電性を改善し電極の内部抵抗の低減を図っている。
一方、負極活物質としては、通常黒鉛が用いられているが、ここに導電助剤としてCBを添加することで充放電特性を向上させるなど、日々改善がなされている。しかしながら、Lib業界またはそれのユーザーサイドからは、さらなる高容量化と高安全性、更には、充放電を繰り返すことによるサイクル劣化の低減化といった一段高い性能品を求めている。
【0004】
そして、この要望に応える対策の一つとしては、特に正極の導電助剤として、従来のCBにCNTをブレンドして使用したり、CNTを単独で使用するといった改善も試みられている。例えば、非特許文献1によると、アセチレンブラックにCNTを100対1でブレンドした系での結果として、「CNTは導電性を持った結合剤の様な働きをして、初期抵抗率が下がり、結着力が向上し、充放電時の膨張収縮によるアセチレンブラックの断線を緩和して、サイクル特性も大きく改善した」と報告している。LibへのCNT活用は、このような数多くの成果を基に急速に広がり、車用のLibにも多く使われるようになってきた。
一方において、特に日本のLibメーカーから材料メーカーに、「10年、10万km」の保証を求められているのも事実である。材料の中で、特に問題とされているのが、CNTに含有されている金属触媒である。
【0005】
多層CNTの製造方法としては、化学気相蒸着法と物理気相蒸着法があり、化学気相蒸着法は、リアクターのスケールアップが比較的容易であるため、大量生産に適した方法である。また、化学気相蒸着法は、大きく分けて2つの方法に大別できる。一つは、ベンゼンなどの炭化水素に、触媒となる金属化合物または硫黄などの助触媒を溶解し、水素をキャリアガスとして1000℃以上の反応炉に供給し、その場で触媒生成とCNTの成長を行う方法(浮遊触媒法)である。他の一つは、500℃~700℃に加熱された反応炉に予め調整された担持触媒を投入し、エチレンなどの炭化水素と水素や窒素などの混合ガスを供給し反応させる方法(担持触媒法)であり、現在市販されている多層CNTのほとんどは担持触媒法によるものである。
担持触媒法で得られたCNTは、炭化水素の自己分解反応による熱分解炭素の沈着も無く、比較的結晶性の高いCNTとなっているため、浮遊触媒法で必須とされる黒鉛化のための熱処理を行う必要はない。一方において、黒鉛化のための熱処理を行わないため、担持触媒法で得られたCNTの中には、通常3~6%程度の触媒金属が残存している。
【0006】
金属不純物が混在するCNTを正極の導電助剤として用いた場合、正極は酸化雰囲気であるため、鉄またはコバルトなどの遷移金属は酸化されて溶出する可能性がある。また、金属不純物が混在するCNTを負極に用いた場合も、金属析出が起きる可能性がある。最悪は、溶出した金属または析出した金属によりセパレーターの隔膜が破れ、結果として、内部短絡が起きることである。さらに、これらの金属不純物は、最初は微小な物であっても、電池を使用しているうちにその析出物が大きく成長し、セパレーターを破ることもある。内部短絡の無い、また、部分的な発熱または劣化もない安全性に優れたLibを作るには、導電助剤に用いるCNTの金属不純物を可能な限り低減するとともに、分散性に優れたCNTの使用が重要になってきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
「富山県工業技術センター研究報告 NO.29(2015)」、富山県工業技術センター発行、p.97~98
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、金属不純物を低減でき、かつ、分散性に優れているカーボンナノチューブ、並びに、カーボンナノチューブ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下に示すカーボン材料造粒物、カーボン材料造粒物の製造方法、並びに、導電性樹脂組成物が提供される。
[1] 黒鉛化処理が施された後に、粉砕処理が施されたカーボンナノチューブであって、
前記カーボンナノチューブの粒径D
50
が100μm以下である、
カーボンナノチューブ。
[2] カーボンナノチューブ粉末、或いは、カーボンナノチューブ粒状物に粉砕処理が施されたカーボンナノチューブに、黒鉛化処理が施されている、
カーボンナノチューブ。
[3] [2]に記載のカーボンナノチューブにおいて、
前記カーボンナノチューブの粒径D
50
が100μm以下である、
カーボンナノチューブ。
[4] [1]~[3]のいずれかに記載のカーボンナノチューブと、バインダー樹脂とを含む、
カーボンナノチューブ樹脂組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、金属不純物を低減でき、かつ、分散性に優れているカーボンナノチューブ、並びに、カーボンナノチューブ樹脂組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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