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公開番号2025021224
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2023125008
出願日2023-07-31
発明の名称圧縮空気供給設備の健全性診断方法、および圧縮空気輸送管路の漏洩検査方法
出願人三浦工業株式会社
代理人弁理士法人北大阪特許事務所
主分類G01M 3/00 20060101AFI20250205BHJP(測定;試験)
要約【課題】圧縮空気を使う生産設備の休止等を要せず、圧縮空気の漏洩の有無を簡便かつ確実に判定することのできる圧縮空気供給設備の健全性診断方法を提供する。
【解決手段】エアコンプレッサ2の運転情報データを収集する第1ステップと、利用情報データを取得する第2ステップと、運転情報データを、休止期間に対応する第1運転情報データと稼働期間に対応する第2運転情報データとに選別する第3ステップと、第1運転情報データに基づいて、輸送管路に対するメンテナンスの必要性を評価する第4ステップと、輸送管路での圧縮空気の漏洩発生箇所を特定する第5ステップと、を含み、第5ステップは、着色された潤滑油のミストを圧縮空気に存在させる第1サブステップと、輸送管路の内部から外部へ洩出する前記潤滑油を探索することにより、漏洩発生箇所を探索する第2サブステップと、を含む方法とする。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項１】
圧縮空気を生成するエアコンプレッサと、圧縮空気利用機器への前記圧縮空気の輸送に用いる輸送管路と、を含む圧縮空気供給設備の健全性を診断する方法であって、
前記エアコンプレッサの吐出空気量および消費電力の情報を含む運転情報データを収集する第１ステップと、
前記圧縮空気利用機器の稼働期間および休止期間を特定可能とする利用情報データを取得する第２ステップと、
前記利用情報データとの照合により、前記運転情報データを、前記休止期間に対応する第１運転情報データと前記稼働期間に対応する第２運転情報データとに選別する第３ステップと、
第１運転情報データに基づいて、前記輸送管路に対するメンテナンスの必要性を評価する第４ステップと、
第４ステップにおいて前記輸送管路に対するメンテナンスの必要があると評価された場合、前記輸送管路での前記圧縮空気の漏洩発生箇所を特定する第５ステップと、を含み、
第５ステップは、
着色された潤滑油のミストを前記圧縮空気に存在させる第１サブステップと、
前記輸送管路の内部から外部へ洩出する前記潤滑油を探索することにより、前記漏洩発生箇所を探索する第２サブステップと、を含む健全性診断方法。
続きを表示（約 760 文字）【請求項２】
第２運転情報データに基づいて、前記エアコンプレッサに対するメンテナンスの必要性を評価する第６ステップ、を更に含む請求項１に記載の健全性診断方法。
【請求項３】
第４ステップは、第１運転情報データに基づいて前記エアコンプレッサの浪費電力コストを求め、当該求められた浪費電力コストが所定条件を満たしたときに、前記輸送管路に対するメンテナンスの必要があると評価する処理であり、
第６ステップは、第２運転情報データに基づいて前記エアコンプレッサの比エネルギーを求め、当該求められた比エネルギーが所定条件を満たしたときに、前記エアコンプレッサに対するメンテナンスの必要があると評価する処理である、請求項２に記載の健全性診断方法。
【請求項４】
エアコンプレッサで生成された圧縮空気の輸送管路での当該圧縮空気の漏洩を検査する方法であって、
着色された潤滑油のミストを前記圧縮空気に存在させる第１ステップと、
前記輸送管路の内部から外部へ洩出する前記潤滑油を探索することにより、前記漏洩の発生箇所を探索する第２ステップと、を含む漏洩検査方法。
【請求項５】
前記エアコンプレッサは給油式エアコンプレッサであり、
第１ステップにおいて、前記給油式エアコンプレッサの本体内部に循環させる潤滑油に着色料を含有させる、請求項４に記載の漏洩検査方法。
【請求項６】
第１ステップにおいて、前記エアコンプレッサから吐出される前記圧縮空気に着色料を含有させた潤滑油を吸入させる、請求項４に記載の漏洩検査方法。
【請求項７】
前記着色料は、蛍光性または非蛍光性の油溶性染料である請求項５または請求項６に記載の漏洩検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、圧縮空気供給設備の健全性診断方法、および圧縮空気輸送管路の漏洩検査方法に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
主に製造業における事業所（工場）では、中間品や完成品を製造する過程で施用する空圧機器や空圧工具の動力源として、エアコンプレッサで生成した圧縮空気が使用されている。事業所内では、数多くの生産ラインや異なる生産エリアに圧縮空気を配給するため、圧縮空気の輸送管路（エア配管）がネットワーク状に張り巡らされている。また、生産ラインや生産エリアに対応する形で、複数台のエアコンプレッサが分散設置されていることも多い。
【０００３】
事業所の開設から年数が経ち、輸送管路が老朽化すると、管継手部などから圧縮空気の漏洩が起こりやすくなる。圧縮空気の漏洩を長期間放置していると、エアコンプレッサの無駄な電力消費が増えてゆくため、製造コストの上昇要因となる。更には、供給電力の一次エネルギー源として化石燃料を使用している場合には、二酸化炭素排出量の増加にも繋がってしまう。そこで、定期的に輸送管路の健全性を診断し、必要な場合には輸送管路の補修や交換等のメンテナンスを行うことが望まれる。
【０００４】
例えば、特許文献１には、揮発性溶剤と、濡れると透明になり乾燥すると不透明になる白色無機微粉末と着色顔料とを実質的主成分とする漏洩検査剤を、容器類や配管類などの検査対象物の表面に塗布し、その乾燥塗膜が検査物内部から漏れてくる水や油などの液体と接触したときの色調の変化により漏洩を検出する技術が開示されている。また、特許文献２には従来技術として、油に溶解する蛍光染料を溶解させた油を使用し、容器類や配管類などの検査対象物の表面に紫外線を照射することにより、漏れ個所から滲み出た油から発する蛍光を暗所で観察して漏洩個所を見つける技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開平10-142166号公報
特開2001-221705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
圧縮空気の輸送管路の健全性を診断するために、特許文献１，２の技術を適用する場合、輸送管路の隅々にまで水や油を直接流し込む必要があるうえ、検査後にも水抜きや油抜きが必要になるので、検査を終えるまでに非常に時間が掛かることになる。また、検査中は、生産設備に対して圧縮空気の供給ができないので、事業所の休業日など検査日時が限定される。
【０００７】
さらには、特許文献１の技術を適用する場合、輸送管路を構成する多数の管継手部に対して網羅的に検査剤を塗布する検査準備作業と、塗布後の検査剤の色調変化を一箇所ずつ観察する検査実施作業とが発生する。そのため、作業全体の工数が膨大となってしまうという問題がある。また、検査準備作業から検査実施作業までの期間が空いてしまった場合には、塗布した検査剤が輸送管路の振動等により剥離してしまう懸念もある。
【０００８】
本発明は上述した課題に鑑み、圧縮空気を使う生産設備の休止等を要せず、圧縮空気の漏洩の有無を簡便かつ確実に判定することのできる圧縮空気供給設備の健全性診断方法、および圧縮空気輸送管路の漏洩検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明に係る健全性診断方法は、圧縮空気を生成するエアコンプレッサと、圧縮空気利用機器への前記圧縮空気の輸送に用いる輸送管路と、を含む圧縮空気供給設備の健全性を診断する方法であって、前記エアコンプレッサの吐出空気量および消費電力の情報を含む運転情報データを収集する第１ステップと、前記圧縮空気利用機器の稼働期間および休止期間を特定可能とする利用情報データを取得する第２ステップと、前記利用情報データとの照合により、前記運転情報データを、前記休止期間に対応する第１運転情報データと前記稼働期間に対応する第２運転情報データとに選別する第３ステップと、第１運転情報データに基づいて、前記輸送管路に対するメンテナンスの必要性を評価する第４ステップと、第４ステップにおいて前記輸送管路に対するメンテナンスの必要があると評価された場合、前記輸送管路での前記圧縮空気の漏洩発生箇所を特定する第５ステップと、を含み、第５ステップは、着色された潤滑油のミストを前記圧縮空気に存在させる第１サブステップと、前記輸送管路の内部から外部へ洩出する前記潤滑油を探索することにより、前記漏洩発生箇所を探索する第２サブステップと、を含む健全性診断方法とする。
【００１０】
本方法によれば、圧縮空気を使う生産設備の休止等を要せず、圧縮空気の漏洩の有無を簡便かつ確実に判定することが可能となる。なおここでの「稼働期間」は、圧縮空気利用機器が稼働して圧縮空気を消費する期間のことであり、「休止期間」は、圧縮空気利用機器が休止して圧縮空気を消費しない期間のことである。
（【００１１】以降は省略されています）

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