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公開番号2025020462
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-12
出願番号2024202892,2020154766
出願日2024-11-21,2020-09-15
発明の名称アクリル樹脂フィルムの製造方法およびアクリル樹脂フィルムの製造装置
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人
主分類B29C 48/92 20190101AFI20250204BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】アクリル樹脂フィルムの厚みなどの品質の均一性を保持することができるアクリル樹脂フィルムの製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】アクリル樹脂フィルムの原料を原料供給機2から押出機3に供給し、供給された原料を溶融混錬し、溶融混錬により得られた溶融物を押し出す押出工程と、押出機の下流側に接続されたギアポンプ4,6により、押出機3から押し出された溶融物を昇圧する昇圧工程とを備え、押出機3は、スクリューと、スクリューを回転駆動するモータとを有し、押出工程では、スクリューの回転数をNとし押出機への原料の供給量をQとするとき、押出機とギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるようにNを制御し、かつ、Qを制御しないかまたはNの制御よりも緩くQを制御することで、押出機の吐出側の圧力に対するQの制御の影響を低減する、アクリル樹脂フィルムの製造方法および製造装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル樹脂フィルムの原料を原料供給機から押出機に供給する供給工程と、
前記押出機内で前記原料供給機から供給された原料を溶融混錬し、前記溶融混錬により得られた溶融物を前記押出機の下流側に押し出す押出工程と、
前記押出機の下流側に接続されたギアポンプにより、前記押出機から押し出された溶融物を昇圧する昇圧工程と
を備え、
前記押出機は、スクリューと、前記スクリューを回転駆動するモータとを有し、
前記押出工程では、
前記スクリューの回転数をNとし前記押出機への原料の供給量をQとするとき、前記押出機と前記ギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるようにNを制御し、かつ、以下の(i)(ii)(iii)
(i)Qを制御しない
(ii)Q/Nの基準値からの変動幅が設定値を超えたとき、Q/Nの変動幅が設定値以下となるように、Qを制御する一方、Q/Nの変動幅が設定値以下であるとき、Qを制御しない
(iii)前記押出機と前記ギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるように、Qの制御の効きを鈍くして、Qを制御する
の何れか一つを実行する、アクリル樹脂フィルムの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記(ii)において、さらに、Qの制御の効きを鈍くして、Qを制御する、請求項1に記載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記(iii)において、さらに、Q/Nの基準値からの変動幅が設定値を超えたとき、Q/Nの変動幅が設定値以下となるように、Qを制御する、請求項1または2に記載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記押出機は、二軸押出機である、請求項1から3の何れか一つに記載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記原料は、互いに形状が異なる複数の種類の材料を含む、請求項1から4の何れか一つに記載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
【請求項6】
アクリル樹脂フィルムの原料を含む原料供給機と、
スクリューと前記スクリューを回転駆動するモータとを有し、前記原料供給機から供給された原料を溶融混錬して溶融物として押し出す押出機と、
前記押出機の下流側に接続され、前記押出機から押し出された溶融物を昇圧して吐出するギアポンプと、
前記スクリューの回転数をNとし前記押出機への原料の供給量をQとするとき、前記押出機と前記ギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるようにNを制御し、かつ、以下の(i)(ii)(iii)
(i)Qを制御しない
(ii)Q/Nの基準値からの変動幅が設定値を超えたとき、Q/Nの変動幅が設定値以下となるように、Qを制御する一方、Q/Nの変動幅が設定値以下であるとき、Qを制御しない
(iii)前記押出機と前記ギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるように、Qの制御の効きを鈍くして、Qを制御する
の何れか一つを実行する制御装置と
を備える、アクリル樹脂フィルムの製造装置。
【請求項7】
前記(ii)において、Qの制御の効きを鈍くして、Qを制御する、請求項6に記載のアクリル樹脂フィルムの製造装置。
【請求項8】
前記(iii)において、さらに、Q/Nの基準値からの変動幅が設定値を超えたとき、Q/Nの変動幅が設定値以下となるように、Qを制御する、請求項6または7に記載のアクリル樹脂フィルムの製造装置。
【請求項9】
前記押出機は、二軸押出機である、請求項6から8の何れか一つに記載のアクリル樹脂フィルムの製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル樹脂フィルムの製造方法およびアクリル樹脂フィルムの製造装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、アクリル樹脂フィルムの製造装置としては、特開平2-6118号公報に記載されたものがある。この製造装置は、原料供給機と、原料供給機から原料を供給される押出機と、押出機の下流側に接続されたギアポンプと、ギアポンプの下流側に接続されたダイと、原料供給機および押出機を制御する制御装置とを備える。押出機は、スクリューと、スクリューを回転駆動するモータとを備え、原料を混錬しかつ溶融して溶融物として押し出す。制御装置は、押出機の吐出側とギアポンプの吸込側との間の溶融物の圧力を計測し、この圧力が一定になるように、押出機への原料の供給量(Q)およびスクリューの回転数(N)を制御して、押出機からの溶融物の押出量を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平2-6118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、QおよびNの制御を行っても、押出機からの溶融物の押出量が安定せず、ダイにより溶融物からアクリル樹脂フィルムを製造する際、アクリル樹脂フィルムの厚みなどの品質が不均一になることがある。
【0005】
そこで、本開示は、アクリル樹脂フィルムの品質の均一性を保持することができるアクリル樹脂フィルムの製造方法およびアクリル樹脂フィルムの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるアクリル樹脂フィルムの製造方法は、
アクリル樹脂フィルムの原料を原料供給機から押出機に供給する供給工程と、
前記押出機内で前記原料供給機から供給された原料を溶融混錬し、前記溶融混錬により得られた溶融物を前記押出機の下流側に押し出す押出工程と、
前記押出機の下流側に接続されたギアポンプにより、前記押出機から押し出された溶融物を昇圧する昇圧工程と
を備え、
前記押出機は、スクリューと、前記スクリューを回転駆動するモータとを有し、
前記押出工程では、
前記スクリューの回転数をNとし前記押出機への原料の供給量をQとするとき、前記押出機と前記ギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるようにNを制御し、かつ、以下の(i)(ii)(iii)
(i)Qを制御しない
(ii)Q/Nの基準値からの変動幅が設定値を超えたとき、Q/Nの変動幅が設定値以下となるように、Qを制御する一方、Q/Nの変動幅が設定値以下であるとき、Qを制御しない
(iii)前記押出機と前記ギアポンプの間の溶融物の圧力が一定になるように、Qの制御の効きを鈍くして、Qを制御する
の何れか一つを実行する。
【0007】
本願発明者は、鋭意検討の結果、QおよびNの制御において、Nを制御すると、押出機の吐出側の圧力の応答は早くなる一方、Qを制御すると、押出機の吐出側の圧力の応答は遅くなることを見出した。このように、Qの制御の応答が遅いため、押出機の吐出側の圧力を安定して一定に制御することは困難となり、この結果、ダイにより溶融物からアクリル樹脂フィルムを製造する際、アクリル樹脂フィルムの厚みなどの品質が不均一になるおそれがある。
前記態様によれば、押出機とギアポンプの間の溶融物の圧力が一定となるように、Nを制御し、かつ、Qを制御しないかまたはNの制御よりも緩くQを制御するので、押出機の吐出側の圧力に対するQの制御の影響を低減できる。これにより、押出機の吐出側の圧力を安定して一定に制御することが容易となり、ギアポンプの下流側にて溶融物からアクリル樹脂フィルムを製造する際、アクリル樹脂フィルムの厚みなどの品質の均一性を保持することができる。
【0008】
好ましくは、アクリル樹脂フィルムの製造方法の一実施形態では、前記(ii)において、さらに、Qの制御の効きを鈍くして、Qを制御する。
【0009】
前記実施形態によれば、Qの制御を緩くできるので、押出機の吐出側の圧力をより安定して制御することができる。
【0010】
好ましくは、アクリル樹脂フィルムの製造方法の一実施形態では、前記(iii)において、さらに、Q/Nの基準値からの変動幅が設定値を超えたとき、Q/Nの変動幅が設定値以下となるように、Qを制御する。
(【0011】以降は省略されています)

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