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公開番号2025012015
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114526
出願日2023-07-12
発明の名称アゾ化合物、組成物、膜、積層体および表示装置
出願人住友化学株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 513/04 20060101AFI20250117BHJP(有機化学)
要約【課題】形成される偏光膜の面内における吸光度の差に起因するムラの発生が抑制されるアゾ化合物を提供する。
【解決手段】下式(1)で表されるアゾ化合物である。式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基又は2価の複素環基を表す。R2及びR3はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1から10の脂肪族炭化水素基を表し、互いに連結して脂肪族環を形成していてもよく、メチレン基の一部が酸素原子又はカルボニル基に置換されていてもよい。RSは置炭素数4から12の脂肪族炭化水素基を表す。RLは炭素数がRSの炭素数より多い脂肪族炭化水素基を表す。Lは、-O-、-S―、-C(=O)-及び炭素数1から4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つから形成される連結基を表す。kは1または2を表す。

<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025012015000017.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">26</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">136</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表されるアゾ化合物。
TIFF
2025012015000015.tif
26
136
式(1)中、Ar

、Ar

およびAr

は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基または2価の複素環基を表し、Ar

、Ar

およびAr

のうち少なくとも1つは、2個の含硫黄芳香環が縮合してなり、置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。


およびR

はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1から10の脂肪族炭化水素基を表す。R

とR

は互いに連結して脂肪族環を形成していてもよく、R

またはR

で表される脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基の一部が酸素原子またはカルボニル基に置換されていてもよい。


は置換基を有していてもよい炭素数4から12の脂肪族炭化水素基を表す。R

は、置換基を有していてもよい、炭素数がR

の炭素数より多い脂肪族炭化水素基を表す。


、R

、R

およびR

からなる群から選択される少なくとも1つは、重合性基を有していてもよい。
Lは、-O-、-S―、-C(=O)-および炭素数1から4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つから形成される連結基を表す。
kは1または2を表し、kが2の場合、2つのAr

はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記式(1)中、Lは下記式(1a)で表される請求項1に記載の化合物。
TIFF
2025012015000016.tif
19
85
式(1a)中、R

は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1から3のアルキル基を表す。
PおよびQは、それぞれ独立に、単結合、-O-、-OC(=O)-、-C(=O)O-または-S―を表す。
xおよびyはそれぞれ独立に0から4の数を表す。*は結合位置を表す。
【請求項3】
前記式(1)中、Ar

およびAr

は、置換基を有していてもよい1,4-フェニレン基を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記式(1)中、Ar

は、置換基を有していてもよいチエノ[3,2-d]チアゾールジイル基またはチエノ[3,2-d]チオフェンジイル基を表し、kが1である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のアゾ化合物と、重合性液晶化合物および液晶性の高分子化合物の少なくとも1種を含む液晶性化合物とを含む組成物。
【請求項6】
前記液晶性化合物がスメクチック液晶性化合物である請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
請求項5または6に記載の組成物を形成材料とする膜。
【請求項8】
請求項7に記載の膜を備える積層体。
【請求項9】
請求項7に記載の膜または請求項8に記載の積層体を備える表示装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾ化合物、組成物、膜、積層体および表示装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などに用いられる偏光膜(光学フィルム)として、二色性色素を含む組成物からなる偏光膜が知られている。このような二色性色素として、例えば特許文献1には下式で表される分岐アルキル基を有するアゾ色素が記載されている。
【0003】
TIFF
2025012015000001.tif
20
130
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-88325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上式で表される二色性色素を用いて作製した偏光膜について、製膜後のサンプルを確認すると、面内の吸光度の差に起因するムラが視認される場合があった。本発明の目的は、製膜後のムラの発生が抑制されるアゾ化合物、それを含む組成物、その組成物から形成される膜、その膜を備える積層体およびその積層体を備える表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記[1]から[10]を提供する。
[1] 下記式(1)で表される化合物。
TIFF
2025012015000002.tif
26
136
式(1)中、Ar

、Ar

およびAr

は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基または2価の複素環基を表し、Ar

、Ar

およびAr

のうち少なくとも1つは、2個の含硫黄芳香環が縮合してなり、置換基を有していてもよい2価の複素環基を表す。


およびR

はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1から10の脂肪族炭化水素基を表す。R

とR

は互いに連結して脂肪族環を形成していてもよく、R

またはR

で表される脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基の一部が酸素原子またはカルボニル基に置換されていてもよい。


は置換基を有していてもよい炭素数4から12の脂肪族炭化水素基を表す。R

は、置換基を有していてもよい、炭素数がR

の炭素数より多い脂肪族炭化水素基を表す。


、R

、R

およびR

からなる群から選択される少なくとも1つは、重合性基を有していてもよい。
Lは、-O-、-S―、-C(=O)-および炭素数1から4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1つから形成される連結基を表す。
kは1または2を表し、kが2の場合、2つのAr

はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[2] 前記式(1)中、Lは下記式(1a)で表される[1]に記載の化合物。
TIFF
2025012015000003.tif
19
85
式(1a)中、R

は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1から3のアルキル基を表す。
PおよびQは、それぞれ独立に、単結合、-O-、-OC(=O)-、-C(=O)O-または-S―を表す。
xおよびyはそれぞれ独立に0から4の数を表す。*は結合位置を表す。
[3] 前記式(1)中、Ar

およびAr

は、置換基を有していてもよい1,4-フェニレン基を表す[1]または[2]に記載の化合物。
[4] 前記式(1)中、Ar

は、置換基を有していてもよいチエノ[3,2-d]チアゾールジイル基またはチエノ[3,2-d]チオフェンジイル基を表し、kが1である[1]から[3]のいずれかに記載の化合物。
[5] [1]から[4]のいずれかに記載のアゾ化合物と、重合性液晶化合物および液晶性の高分子化合物の少なくとも1種を含む液晶性化合物とを含む組成物。
[6] 前記液晶性化合物がスメクチック液晶性化合物である[5]に記載の組成物。
[7] [5]または[6]に記載の組成物を形成材料とする膜。
[8] [7]に記載の膜を備える積層体。
[9] [7]に記載の膜または請求項8に記載の積層体を備える表示装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製膜後のムラの発生が抑制されるアゾ化合物、それを含む組成物、その組成物から形成される膜、その膜を備える積層体およびその積層体を備える表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、数値範囲として例示された数値をそれぞれ任意に選択して組み合わせることが可能である。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
【0009】
アゾ化合物
本発明の一実施形態にかかるアゾ化合物は下記式(1)で表される。アゾ化合物は、例えば二色性色素化合物であってよく、偏光膜の形成材料として用いられてよい。式(1)で表されるアゾ化合物は、例えば、Lに連結する脂肪族炭化水素基が長鎖構造を有することで、偏光膜を構成する液晶分子の側鎖との相互作用が強くなると考えられる。また、非対称な分岐鎖構造を有することで、塗膜の冷却過程における液晶状態を良好な状態に保つことができると考えられる。さらに例えば、分岐鎖を構成するR

とR

が異なる長さの脂肪族炭化水素鎖を持つことで、塗膜の冷却過程における液晶状態を良好な状態に保つことができると考えられる。これらの作用により偏光膜の製膜後のムラの発生が抑制されると考えられる。
【0010】
TIFF
2025012015000004.tif
26
136
(【0011】以降は省略されています)

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