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公開番号2025034682
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141201
出願日2023-08-31
発明の名称熱可塑性エラストマー成形体、複合成形体および製造方法
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人浅村特許事務所
主分類B29C 45/00 20060101AFI20250306BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】ガラスとの剥離音を効果的に抑制でき、他の部材との接合性にも優れた、熱可塑性エラストマー成形体を提供する。
【解決手段】(A)エチレン系共重合体及び(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)プロピレン系重合体、並びに(D)滑剤を含有する成形体であって、JIS K7171に準じて測定される室温での曲げ弾性率が20MPa以上300MPa以下であり、JIS R3202に準拠した長さ110mm×幅110mm×厚み3mmのフロート板ガラスの110mm×110mmの面と直接接触し、80℃で50時間静置させた後に、該試験片2個と該フロート板ガラスとの層間を、せん断方向かつ該試験片の長さ方向に200mm/分で引張したときのせん断強度が、40N/cm2以下である、上記成形体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)エチレン系共重合体及び(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)プロピレン系重合体、並びに(D)滑剤を含有する成形体であって、
JIS K7171に準じて測定される室温での曲げ弾性率が20MPa以上300MPa以下であり、
該成形体から切り出された長さ50mm×幅6mm×厚み2mmの試験片2個を、対向する50mm×2mmの面同士の間隔が60mmとなる様に平板上に配置し、該試験片2個を50mm×6mmの面において該平板上に固定し、該試験片2個を他方の50mm×6mmの面においてJIS R 3202に準拠した長さ110mm×幅110mm×厚み3mmのフロート板ガラスの110mm×110mmの面と直接接触し、80℃で50時間静置させた後に、該試験片2個と該フロート板ガラスとの層間を、せん断方向かつ該試験片の長さ方向に200mm/分で引張したときのせん断強度が、40N/cm

以下である、上記成形体。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
(A)エチレン系共重合体を含有する、請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
さらに(E)鉱物油を含有する、請求項2に記載の成形体。
【請求項4】
(A)エチレン系共重合体が(E)鉱物油で油展されている、請求項3に記載の成形体。
【請求項5】
(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体を含有する、請求項1に記載の成形体。
【請求項6】
さらに(E)鉱物油を含有する、請求項5に記載の成形体。
【請求項7】
(D)滑剤が少なくとも、(D1)モノ脂肪酸アミド、及び(D2)ビス脂肪酸アミドを含有し、(D1)モノ脂肪酸アミド/(D2)ビス脂肪酸アミドの質量比が0.2から5の範囲内である、請求項1から6のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項8】
(D1)モノ脂肪酸アミド/(D2)ビス脂肪酸アミドの質量比が0.2から1の範囲内である、請求項7に記載の成形体。
【請求項9】
(D1)モノ脂肪酸アミドがエルカ酸アミドである、請求項7又は8に記載の成形体。。
【請求項10】
(D2)ビス脂肪酸アミドがエチレンビスステアリン酸アミドである、請求項7から9のいずれか一項に記載の成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性エラストマー成形体に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマー成形体は、リサイクル性に富み、射出成形に適し、強度や可撓性といった製品性能にも優れるため、グラスランチャンネルをはじめとする自動車部品等の材料として広く用いられている(例えば,特許文献1参照。)。
熱可塑性エラストマー成形体の用途が拡大するにつれ、ガラスとの剥離音の抑制や、他の部材との接合性等の諸性能について、さらなる改善が求められるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2021/193554 A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、ガラスとの剥離音を効果的に抑制でき、他の部材との接合性にも優れた、熱可塑性エラストマー成形体を提供する点に存するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、このような背景に鑑みて鋭意検討をしたところ、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
[1]
(A)エチレン系共重合体及び(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)プロピレン系重合体、並びに(D)滑剤を含有する成形体であって、
JIS K7171に準じて測定される室温での曲げ弾性率が20MPa以上300MPa以下であり、
該成形体から切り出された長さ50mm×幅6mm×厚み2mmの試験片2個を、対向する50mm×2mmの面同士の間隔が60mmとなる様に平板上に配置し、該試験片2個を50mm×6mmの面において該平板上に固定し、該試験片2個を他方の50mm×6mmの面においてJIS R 3202に準拠した長さ110mm×幅110mm×厚み3mmのフロート板ガラスの110mm×110mmの面と直接接触し、80℃で50時間静置させた後に、該試験片2個と該フロート板ガラスとの層間を、せん断方向かつ該試験片の長さ方向に200mm/分で引張したときのせん断強度が、40N/cm

以下である、上記成形体、
に関する。
【0006】
以下、[2]から[14]は、それぞれ本発明の好ましい態様又は実施形態である。
[2]
(A)エチレン系共重合体を含有する、[1]に記載の成形体。
[3]
さらに(E)鉱物油を含有する、[2]に記載の成形体。
[4]
(A)エチレン系共重合体が(E)鉱物油で油展されている、[3]に記載の成形体。
[5]
(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体を含有する、[1]に記載の成形体。
[6]
さらに(E)鉱物油を含有する、[5]に記載の成形体。
[7]
(D)滑剤が少なくとも、(D1)モノ脂肪酸アミド、及び(D2)ビス脂肪酸アミドを含有し、(D1)モノ脂肪酸アミド/(D2)ビス脂肪酸アミドの質量比が0.2から5の範囲内である、[1]から[6]のいずれか一項に記載の成形体。
[8]
(D1)モノ脂肪酸アミド/(D2)ビス脂肪酸アミドの質量比が0.2から1の範囲内である、[7]に記載の成形体。
[9]
(D1)モノ脂肪酸アミドがエルカ酸アミドである、[7]又は[8]に記載の成形体。。
[10]
(D2)ビス脂肪酸アミドがエチレンビスステアリン酸アミドである、[7]から[9]のいずれか一項に記載の成形体。
[11]
(A)エチレン系共重合体及び(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)プロピレン系重合体、並びに(D)滑剤を含有する混合物を、(F)架橋剤の存在下溶融混練する工程を含む、[1]から[10]のいずれか一項に記載の成形体を製造する方法。
[12]
射出成形体である、[1]から[10]のいずれか一項に記載の成形体。
[13]
[12]に記載の射出成形体と、熱可塑性エラストマー組成物または加硫ゴム組成物を含んでなる押出成形体とが接合してなる複合成形体。
[14]
グラスランチャンネルである、[13]に記載の複合成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガラスとの剥離音を効果的に抑制でき、他の部材との接合性にも優れた、成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例におけるガラスとのせん断強度の測定方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、
(A)エチレン系共重合体及び(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)プロピレン系重合体、並びに(D)滑剤を含有する成形体であって、
JIS K7171に準じて測定される室温での曲げ弾性率が20MPa以上300MPa以下であり、
該成形体から切り出された長さ50mm×幅6mm×厚み2mmの試験片2個を、対向する50mm×2mmの面同士の間隔が60mmとなる様に平板上に配置し、該試験片2個を50mm×6mmの面において該平板上に固定し、該試験片2個を他方の50mm×6mmの面においてJIS R 3202に準拠した長さ110mm×幅110mm×厚み3mmのフロート板ガラスの110mm×110mmの面と直接接触し、80℃で50時間静置させた後に、該試験片2個と該フロート板ガラスとの層間を、せん断方向かつ該試験片の長さ方向に200mm/分で引張したときのせん断強度が、40N/cm

以下である、上記成形体、である。
すなわち、本発明の成形体は、上記(A)成分及び(B)成分からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)成分、並びに(D)成分を含有し、曲げ弾性率が特定の数値範囲内にあり、かつ、特定の条件で測定したガラスとのせん断強度が特定の数値範囲内にある成形体である。
本発明の成形体は、上記(A)成分及び(B)成分からなる群より選ばれる少なくとも1成分、(C)成分、並びに(D)成分を含有することにより、熱可塑性エラストマー組成物を含有することができ、これにより、成形後のゴム弾性、及び熱可塑性に由来する成形性可能性等を具備することができる。
【0010】
(A)エチレン系共重合体
本発明の成形体を構成する(A)エチレン系共重合体は、50質量%以上99質量%以下のエチレンに由来する構成単位と、炭素原子数3以上10以下のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構成単位とを有するエチレン共重合体(但し、該エチレン共重合体の全量を100質量%とする。)である。エチレンに由来する構成単位を50質量%以上含むので架橋性の重合体であり、動的架橋により熱可塑性エラストマー組成物の海島構造の島相を構成するのに適している。
(A)エチレン系共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。
(A)エチレン系共重合体は、エチレン、および炭素原子数3以上10以下のα-オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種以外の単量体に由来する構成単位を有していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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