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公開番号
2025016952
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023119777
出願日
2023-07-24
発明の名称
金属有機構造体の製造方法
出願人
住友化学株式会社
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
C07C
51/41 20060101AFI20250129BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機溶媒の除去工程を省略または簡略化し、生産性を向上可能な金属有機構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、多価カルボン酸と金属化合物を、アンモニア、有機アミン及び含窒素芳香族複素環化合物から選択される1種以上の添加剤の存在下、溶媒中で反応させる金属有機構造体の製造方法であって、前記溶媒100質量%中の水の含有量が80質量%超であることを特徴とする金属有機構造体の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
多価カルボン酸と金属化合物を、アンモニア、有機アミン及び含窒素芳香族複素環化合物から選択される1種以上の添加剤の存在下、溶媒中で反応させる金属有機構造体の製造方法であって、
前記溶媒100質量%中の水の含有量が80質量%超であることを特徴とする金属有機構造体の製造方法。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記多価カルボン酸と前記金属化合物が反応する際の圧力は、2.0MPa以下である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記多価カルボン酸と前記添加剤が溶媒a1に溶解した溶液A1と、前記金属化合物が溶媒bに溶解した溶液Bとを混合して前記多価カルボン酸と前記金属化合物を反応させ、
前記溶媒a1と前記溶媒bの合計100質量%中の水の含有量が80質量%超である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記溶液A1のpHが3.0以上である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記多価カルボン酸と前記金属化合物の反応後の液のpHが6.5以下である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記添加剤は、第2級アミン及び第3級アミンから選ばれる少なくとも1種である有機アミンを含む請求項1または2に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属有機構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
金属有機構造体(Metal Organic Frameworks)は、多孔性配位高分子(Porous Coordination Polymer)とも呼ばれ、金属イオンと有機配位子との配位結合により多孔性の構造を形成する材料の一つであり、ガスを吸脱着したり、触媒等への応用が期待されている材料である。
【0003】
例えば特許文献1には、少なくとも1種の金属イオンに配位結合した少なくとも1種の少なくとも2座の有機化合物を含む多孔質の有機金属骨格材料であって、前記少なくとも1種の少なくとも2座の有機化合物は、2,5-フランジカルボン酸又は2,5-チオフェンジカルボン酸から誘導される有機金属骨格材料が開示されている。このような有機金属骨格材料を製造する方法としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、チオフェンジカルボン酸、塩化アルミニウム六水和物を室温で撹拌し、反応混合物を加熱して保持することで有機金属骨格材料を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2013-512223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1では、N,N-ジメチルホルムアミドのような有機溶媒を用いて金属有機構造体を得ており、有機溶媒を除去するための工程が必要であり生産性に問題があった。
【0006】
そこで、本発明は有機溶媒の除去工程を省略または簡略化し、生産性を向上可能な金属有機構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成した本発明は以下の通りである。
[1]多価カルボン酸と金属化合物を、アンモニア、有機アミン及び含窒素芳香族複素環化合物から選択される1種以上の添加剤の存在下、溶媒中で反応させる金属有機構造体の製造方法であって、
前記溶媒100質量%中の水の含有量が80質量%超であることを特徴とする金属有機構造体の製造方法。
[2]前記多価カルボン酸と前記金属化合物が反応する際の圧力は、2.0MPa以下である[1]に記載の製造方法。
[3]前記多価カルボン酸と前記添加剤が溶媒a1に溶解した溶液A1と、前記金属化合物が溶媒bに溶解した溶液Bとを混合して前記多価カルボン酸と前記金属化合物を反応させ、
前記溶媒a1と前記溶媒bの合計100質量%中の水の含有量が80質量%超である[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記溶液A1のpHが3.0以上である[3]に記載の製造方法。
[5]前記多価カルボン酸と前記金属化合物の反応後の液のpHが6.5以下である[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記添加剤は、第2級アミン及び第3級アミンから選ばれる少なくとも1種である有機アミンを含む[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有機溶媒の除去工程を省略または簡略化して金属有機構造体を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の金属有機構造体の製造方法は、多価カルボン酸と金属化合物を、アンモニア、有機アミン及び含窒素芳香族複素環化合物から選択される1種以上の添加剤の存在下、溶媒中で反応させる金属有機構造体の製造方法であって、前記溶媒100質量%中の水の含有量が80質量%超であることを特徴とする。本発明者が検討したところ、有機溶媒の除去工程を省略または簡略化すべく、水を所定以上含む溶媒中(以下、水系溶媒と呼ぶ)で多価カルボン酸と金属化合物を反応させると、金属有機構造体を得ることが難しいが、アンモニア、有機アミン及び含窒素芳香族複素環化合物から選択される1種以上の添加剤の存在下で多価カルボン酸と金属化合物を反応させると、水系溶媒であっても金属有機構造体を得ることができることが判明した。
【0010】
本発明における水系溶媒は、溶媒100質量%中、水の含有量が80質量%超である。水以外の溶媒としては、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒又はエーテル系溶媒等の有機溶媒を合計で20質量%未満の範囲で含んでいてもよいが、アルコール系溶媒以外の有機溶媒は含んでいないことが好ましい。前記水系溶媒100質量%中の水の量は、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、これらいずれの場合においても、水系溶媒が水とアルコール系溶媒の混合溶媒であることが好ましい。前記水系溶媒は、水100質量%の溶媒であることが最も好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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