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公開番号2025015347
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023118707
出願日2023-07-20
発明の名称建設機械
出願人ダンフォス・スコットランド・リミテッド,DANFOSS SCOTLAND LIMITED,日立建機株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類F15B 11/00 20060101AFI20250123BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約【課題】アクチュエータの必要速度を確保しつつ複合操作時の分流ロスを低減することを可能とした建設機械を提供する。
【解決手段】第1アクチュエータ1用の方向切換弁23,27は、第1バイパスライン51を共有する第1バルブグループ20aに属し、第2アクチュエータ3用の方向切換弁24,26は、第2バイパスライン52を共有する第2バルブグループ20bに属し、建設機械は、第1バルブグループ20aの下流で第1バイパスライン51を開閉可能な第1カット弁31と、第2バルブグループ20bの下流で第2バイパスライン52を開閉可能な第2カット弁32と、ポンプ装置11,12が有する複数の吐出ポートの各接続先を第1バイパスライン51または第2バイパスライン52に切換可能な複数の切換弁41a~41d,42a~42dとを備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
原動機と、
吐出流量を個別に制御可能な複数の吐出ポートを有し、前記原動機によって駆動されるポンプ装置と、
複数のアクチュエータと、
前記ポンプ装置から前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の方向切換弁と、
前記複数のアクチュエータを駆動するための操作信号を生成する複数の操作装置と、
前記複数の操作装置の入力に応じて前記ポンプ装置および前記複数の方向切換弁を制御するコントローラとを備え、
前記複数の方向切換弁は、それぞれ、第1バイパスラインまたは第2バイパスライン上に配置され、
前記複数の方向切換弁のうち前記第1バイパスライン上に配置された方向切換弁が第1バルブグループを構成し、
前記複数の方向切換弁のうち前記第2バイパスライン上に配置された方向切換弁が第2バルブグループを構成する建設機械において、
前記複数のアクチュエータは、第1アクチュエータと第2アクチュエータとを含み、
前記複数の方向切換弁のうち前記第1アクチュエータ用の方向切換弁は前記第1バルブグループに属し、
前記複数の方向切換弁のうち前記第2アクチュエータ用の方向切換弁は前記第2バルブグループに属し、
前記建設機械は、
前記第1バルブグループの下流で前記第1バイパスラインを開閉可能な第1カット弁と、
前記第2バルブグループの下流で前記第2バイパスラインを開閉可能な第2カット弁と、
前記複数の吐出ポートの各接続先を前記第1バイパスラインまたは前記第2バイパスラインに切換可能な複数の切換弁とを備え、
前記コントローラは、前記複数の操作装置の入力に応じて、前記第1カット弁、前記第2カット弁、および前記複数の切換弁を制御する
ことを特徴とする建設機械。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
前記コントローラは、前記第1カット弁、前記第2カット弁、前記複数の切換弁、および前記ポンプ装置から前記第1バイパスラインおよび前記第2バイパスラインのそれぞれへの圧油の流れを、前記複数の操作装置の入力に応じて協調して制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の建設機械において、
前記コントローラは、
前記ポンプ装置が前記第1バルブグループに圧油を供給するように制御される前に、前記第1バルブグループの下流側の前記第1バイパスラインを閉じるように前記第1カット弁を制御する、および/または、
前記ポンプ装置が前記第2バルブグループに圧油を供給するように制御される前に、前記第2バルブグループの下流側の前記第2バイパスラインを閉じるように前記第2カット弁を制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建設機械において、
前記コントローラは、
前記第1アクチュエータに対する前記複数の操作装置の入力量である第1操作信号量が第1閾値を超えた場合に前記第1カット弁を閉じ、
前記第1操作信号量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を超えた場合に、前記複数の吐出ポートのうち前記第1バルブグループに接続された1つ以上の吐出ポートの吐出流量と前記第1操作信号量に応じて設定された前記第1アクチュエータの必要流量とが一致するように前記ポンプ装置を制御し、
前記第2アクチュエータに対する前記複数の操作装置の入力量である第2操作信号量が前記第1閾値を超えた場合に前記第2カット弁を閉じ、
前記第2操作信号量が前記第2閾値を超えた場合に、前記複数の吐出ポートのうち前記第2バルブグループに接続された1つ以上の吐出ポートの吐出流量と前記第2操作信号量に応じて設定された前記第2アクチュエータの必要流量とが一致するように前記ポンプ装置を制御する
ことを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建設機械において、
前記複数の方向切換弁は、複数のオープンセンタ方式の方向切換弁である
ことを特徴とする建設機械。
【請求項6】
請求項5に記載の建設機械において、
前記第1バイパスラインおよび前記第2バイパスラインは、それぞれ、センタバイパスラインで構成されている
ことを特徴とする建設機械。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建設機械において、
前記第1カット弁および前記第2カット弁は、それぞれ、比例流量弁またはオンオフ弁で構成されている
ことを特徴とする建設機械。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建設機械において、
前記ポンプ装置を制御するポンプコントローラを備え、
前記ポンプ装置は、ポンプシャフトと、前記ポンプシャフトの回転に伴って周期的に作動容積が変化する作動室を3つ以上有し、
前記作動室は、前記作動室と低圧マニホールドとの間の作動油の流れを制御する低圧弁と、前記作動室と高圧マニホールドとの間の作動油の流れを制御する高圧弁とを有し、
前記作動室は、複数のポンプ要素に形成され、
前記複数のポンプ要素は、それぞれ、前記作動室を1つ以上内包し、内包している前記作動室に共通しかつ吐出ポートに連通している前記高圧マニホールドに接続されており、
前記ポンプコントローラは、前記高圧マニホールドを経由して前記吐出ポートに至るまでの前記作動容積の変化が、前記吐出ポートから吐出される作動油の要求流量に応じて制御されるように、前記作動容積の各サイクルにおいて、前記作動室が、前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間の作動油の移動を伴う有効サイクル、または、前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間の作動油の移動を伴わない無効サイクルのいずれを経るかを決定するために、前記作動容積のサイクルと位相的に相関して、前記作動室の少なくとも前記低圧弁を能動的に制御するように構成されている
ことを特徴とする建設機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
油圧ショベル向けの油圧回路装置として、2台の油圧ポンプと、2つのバルブグループからなるコントロールバルブとを備えた2ポンプ2バルブの油圧回路装置が広く普及している。また、油圧回路装置は、コントロールバルブの構造に由来し、オープンセンタ方式とクローズドセンタ方式とに分類される。
【0003】
2ポンプ2バルブのオープンセンタ方式の油圧回路装置を開示する先行技術文献として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、ブーム、アーム、バケットの3複合動作において円滑にブームを上げられるようにした構成が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の油圧回路装置では、ブーム用方向切換弁とアーム用の方向切換弁が各々2個設けられており、第1ポンプに接続される第1のバルブグループと、第2ポンプに接続される第2のバルブグループの両方にブーム用方向切換弁とアーム用方向切換弁が配置されている。これにより、ブームシリンダとアームシリンダにはいずれも最大でポンプ2台分の流量を供給することができるため高速動作が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-13547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の油圧回路装置では、ブームとアームを複合動作させる場合に、第1の油圧ポンプの吐出油が第1のブーム用方向切換弁を経由してブームシリンダに供給されると同時に、第1のアーム用方向切換弁を経由してアームシリンダに供給され、第2の油圧ポンプの吐出油が第2のブーム用方向切換弁を経由してブームシリンダに供給されると同時に、第2のアーム用方向切換弁を経由してアームシリンダに供給される。ここで、ブームシリンダの負荷圧力を20MPa、アームシリンダの負荷圧を5MPaとすると、第1及び第2の油圧ポンプはいずれも高い方の負荷圧力に合わせて20MPa以上で作動油を吐出する必要があり、アームシリンダに供給される圧油はアーム用方向切換弁のメータイン通路を絞ることで20MPa以上から5MPaまで減圧される。この絞りによるエネルギロスが分流ロスであり、油圧ショベルの省エネ性を阻害する要因となっている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アクチュエータの必要速度を確保しつつ複合操作時の分流ロスを低減することを可能とした建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、原動機と、吐出流量を個別に制御可能な複数の吐出ポートを有し、前記原動機によって駆動されるポンプ装置と、複数のアクチュエータと、前記ポンプ装置から前記複数のアクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の方向切換弁と、前記複数のアクチュエータを駆動するための操作信号を生成する複数の操作装置と、前記複数の操作装置の入力に応じて前記ポンプ装置および前記複数の方向切換弁を制御するコントローラとを備え、前記複数の方向切換弁は、それぞれ、第1バイパスラインまたは第2バイパスライン上に配置され、前記複数の方向切換弁のうち前記第1バイパスライン上に配置された方向切換弁が第1バルブグループを構成し、前記複数の方向切換弁のうち前記第2バイパスライン上に配置された方向切換弁が第2バルブグループを構成する建設機械において、前記複数のアクチュエータは、第1アクチュエータと第2アクチュエータとを含み、前記複数の方向切換弁のうち前記第1アクチュエータ用の方向切換弁は前記第1バルブグループに属し、前記複数の方向切換弁のうち前記第2アクチュエータ用の方向切換弁は前記第2バルブグループに属し、前記建設機械は、前記第1バルブグループの下流で前記第1バイパスラインを開閉可能な第1カット弁と、前記第2バルブグループの下流で前記第2バイパスラインを開閉可能な第2カット弁と、前記複数の吐出ポートの各接続先を前記第1バイパスラインまたは前記第2バイパスラインに切換可能な複数の切換弁とを備え、前記コントローラは、前記複数の操作装置の入力に応じて、前記第1カット弁、前記第2カット弁、および前記複数の切換弁を制御するものとする。
【0009】
以上のように構成した本発明によれば、ポンプ装置の各吐出ポートから吐出される圧油を複数の切換弁を介して第1バイパスラインまたは第2バイパスラインに合流させることにより、各アクチュエータの必要速度を確保することができる。また、第1アクチュエータ1用の方向切換弁を第1バルブグループに集約し、第2アクチュエータ用の方向切換弁を第2バルブグループに集約したことにより、1つの吐出ポートから吐出される圧油が第1アクチュエータ1と第2アクチュエータ3とで分配されることがないため、第1アクチュエータと第2アクチュエータとを同時に駆動する複合操作時の分流ロスを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、建設機械において、アクチュエータの必要速度を確保しつつ複合操作時の分流ロスを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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