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公開番号2025011358
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023113406
出願日2023-07-11
発明の名称磁気軸受の制御装置および制御方法
出願人株式会社明電舎
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 32/04 20060101AFI20250117BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】左右非対称な回転体に対しても磁気軸受の制御器を高度に調整する。
【解決手段】回転体および電磁石を含むプラント40、それを制御する制御器30、負ばね分の相殺ゲインのブロック33、外乱入力端(1)、評価出力端(2)を備えて、出力変位(3)から指令変位側にフィードバックを施す、磁気軸受により制御される回転体のモデルを構築し、回転体のゼロ回転と低速回転の状態で前記外乱入力端(1)に加振信号を重畳したときの評価出力端(2)の信号を測定して感度関数を各々取得し、低速回転時の感度関数から、前記モデルの既知のパラメータを代入した状態空間モデルの外乱入力に、加振信号を重畳したときに評価出力端(2)の信号が設定信号となるように、モード合成法モデルのジャイロ行列のパラメータの同定および調整を行い、そのモード合成法モデルから最高回転数のプラントの周波数応答を推定し、前記制御器30のパラメータを調整する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
磁気軸受により回転体を支持する磁気軸受装置において、
回転体および回転体の軸方向左右側に各々配置される電磁石を含むプラント、前記プラントを制御する制御器、電流制御のブロック、負ばね分の相殺ゲインのブロック、制御入力、外乱入力、評価出力、制御出力を備えて、前記制御出力から制御入力にフィードバックを施す、磁気軸受により制御される回転体のモデルを構築し、
前記回転体を浮上させゼロ回転の状態で、前記モデルの外乱入力に加振信号を重畳したときの前記評価出力を測定して周波数応答のゼロ回転時の感度関数を取得し、前記回転体を浮上させ、不釣り合い加振力が無視できるような低速回転状態で、前記モデルの外乱入力に、前向きの加振信号(回転体の軸方向をzにとる右手系を考え、回転方向が反時計回りの場合x方向にAcos(ωt)、y方向にAsin(ωt)の大きさの加振信号)を重畳したときの前記評価出力を測定して周波数応答の低速回転時の感度関数を取得する感度関数取得部と、
前記取得されたゼロ回転時の感度関数から、前記磁気軸受で制御される回転体のモデル内の制御器、電流制御ブロック、負ばね分の相殺ゲインのブロックの既知のパラメータを代入した状態空間モデルの外乱入力に、加振信号を重畳したときに評価出力が設定信号となるように、モード合成法モデルの質量行列、剛性行列、減衰行列のパラメータの同定および調整を行い、
前記取得された低速回転時の感度関数から、前記磁気軸受で制御される回転体のモデル内の制御器、電流制御ブロック、負ばね分の相殺ゲインのブロックの既知のパラメータを代入した状態空間モデルの外乱入力に、前記加振信号を重畳したときに評価出力が設定信号となるように、モード合成法モデルのジャイロ行列のパラメータの同定および調整を行うパラメータ推定部と、
前記パラメータ推定部によりパラメータが同定、調整されたモード合成法モデルから、最高回転数でのプラントの周波数応答を推定し、前記制御器のパラメータをH∞ノルムでループ整形して制御器のパラメータを調整する制御器パラメータ調整部と、を備えたことを特徴とする磁気軸受の制御装置。
続きを表示(約 4,500 文字)【請求項2】
前記感度関数取得部が前記低速回転時の感度関数を取得する際に重畳する、前向きの加振信号による回転速度の同期成分を抽出して除去するトラッキングフィルタを備え、
前記パラメータ推定部は、低速回転時、前記状態空間モデルの外乱入力に、前記加振信号に変えて後ろ向きの加振信号(回転体の軸方向をzにとる右手系を考え、回転方向が反時計回りの場合x方向にAsin(ωt)、y方向にAcos(ωt)の大きさの加振信号)を重畳したときに前記評価出力が設定信号となるように、モード合成法モデルのジャイロ行列のパラメータの同定および調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の磁気軸受の制御装置。
【請求項3】
前記感度関数取得部が前記低速回転時の感度関数を取得する際に重畳する、前向きの加振信号による回転速度の同期成分および後ろ向きの加振信号による回転速度の同期成分を抽出して除去するトラッキングフィルタを備え、
前記感度関数取得部は、前記低速回転時、前記モデルの外乱入力に前記前向きの加振信号又は後ろ向きの加振信号を重畳したときの前記評価出力を測定して周波数応答の低速回転時の感度関数を取得することを特徴とする請求項1に記載の磁気軸受の制御装置。
【請求項4】
前記トラッキングフィルタは、
前記回転体の回転角速度に同期したcos(Ωt)信号およびsin(Ωt)信号を生成する信号生成部と、
前記感度関数取得部により低速回転時に測定した評価出力のx方向、y方向の二軸の変位信号と前記信号生成部で生成されたcos(Ωt)信号およびsin(Ωt)信号を積和演算する第1の演算部と、
前記第1の演算部の出力を入力して回転速度同期成分の振幅を出力するローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタから出力される回転速度同期成分の振幅と回転体の回転角速度に同期したcos(Ωt)信号をおよびsin(Ωt)信号を積和演算して2軸方向の回転速度の同期成分を抽出する第2の演算部と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の磁気軸受の制御装置。
【請求項5】
前記トラッキングフィルタは、
前記回転体の回転角速度に同期したcos(Ωt)信号およびsin(Ωt)信号を生成する信号生成部と、
前記感度関数取得部により低速回転時に測定した評価出力の一軸の変位信号と前記信号生成部で生成されたcos(Ωt)信号およびsin(Ωt)信号を積算する第1の演算部と、
前記第1の演算部の出力を入力して回転速度同期成分の振幅を出力するローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタから出力される回転速度同期成分の振幅と回転体の回転角速度に同期したcos(Ωt)信号をおよびsin(Ωt)信号を積和演算して一軸方向の回転速度の同期成分を抽出する第2の演算部と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の磁気軸受の制御装置。
【請求項6】
前記感度関数取得部が取得するゼロ回転時の感度関数は、状態空間表現で次の式(29)、式(30)で表され、
TIFF
2025011358000066.tif
50
166
TIFF
2025011358000067.tif
50
166
前記感度関数取得部が取得する低速回転時の感度関数は、状態空間表現で次の式(32)~式(44)で表され、
TIFF
2025011358000068.tif
50
166
TIFF
2025011358000069.tif
50
166
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2025011358000070.tif
50
166
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2025011358000071.tif
50
166
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2025011358000072.tif
50
166
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2025011358000073.tif
50
166
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2025011358000074.tif
50
166
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2025011358000075.tif
50
166
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2025011358000076.tif
50
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2025011358000077.tif
50
166
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2025011358000078.tif
50
166
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2025011358000079.tif
50
166
TIFF
2025011358000080.tif
50
166
(X

,X

はそれぞれモード合成法のプラントロータのx方向の状態ベクトル、Y

,Y

はそれぞれモード合成法のプラントロータのy方向の状態ベクトル、F
il
,I
nt
はそれぞれPID制御器の状態ベクトル、T
ra
は電流制御ローパスに対応する状態ベクトル、yは出力ベクトル、uは入力ベクトル、E

はn×nの単位行列、0

はn×nの零行列、0
m,n
はm×nの零行列、mは内部系固有モードの数、M

は質量行列、Dは減衰行列、K

は剛性行列、Ωは回転数、PはPID制御器の比例項、k

=2K(I

+I

)/δ


(Kは電磁石吸引力係数、I

は回転体の左右のうちいずれか一方に配置される電磁石のコイルのバイアス電流、I

は回転体の左右のうちいずれか他方に配置される電磁石のコイルのバイアス電流、δ

は電磁石と回転体の間の空隙)、k

は負ばね効果を相殺するためのゲイン、ω

は前記電流制御のブロックのローパスフィルタのカットオフ周波数(角周波数))
前記パラメータ推定部が同定する質量行列は式(12)で表され、
TIFF
2025011358000081.tif
50
166
(T

はモード合成法による変換、M,M

は質量行列、φは内部系固有モード、δは変形モード)
前記パラメータ推定部が同定する剛性行列は式(14)で表され、
TIFF
2025011358000082.tif
50
166
(K,K

は剛性行列、K
eq
は軸受点を1だけ持ち上げるのに要する力)
前記パラメータ推定部が同定する減衰行列は式(26)で表され、
【請求項7】
前記回転体は左右非対称であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気軸受の制御装置。
【請求項8】
前記回転体は左右非対称であることを特徴とする請求項6に記載の磁気軸受の制御装置。
【請求項9】
磁気軸受により回転体を支持する磁気軸受の制御方法において、
回転体および回転体の軸方向左右側に各々配置される電磁石を含むプラント、前記プラントを制御する制御器、電流制御のブロック、負ばね分の相殺ゲインのブロック、制御入力、外乱入力、評価出力、制御出力を備えて、前記制御出力から制御入力にフィードバックを施す、磁気軸受により制御される回転体のモデルを構築し、
感度関数取得部が、前記回転体を浮上させゼロ回転の状態で、前記モデルの外乱入力に加振信号を重畳したときの前記評価出力を測定して周波数応答のゼロ回転時の感度関数を取得し、前記回転体を浮上させ、不釣り合い加振力が無視できるような低速回転状態で、前記モデルの外乱入力に、前向きの加振信号(回転体の軸方向をzにとる右手系を考え、回転方向が反時計回りの場合x方向にAcos(ωt)、y方向にAsin(ωt)の大きさの加振信号)を重畳したときの前記評価出力を測定して周波数応答の低速回転時の感度関数を取得するステップと、
パラメータ推定部が、前記取得されたゼロ回転時の感度関数から、前記磁気軸受で制御される回転体のモデル内の制御器、電流制御ブロック、負ばね分の相殺ゲインのブロックの既知のパラメータを代入した状態空間モデルの外乱入力に、加振信号を重畳したときに評価出力が設定信号となるように、モード合成法モデルの質量行列、剛性行列、減衰行列のパラメータの同定および調整を行うステップと、
パラメータ推定部が、前記取得された低速回転時の感度関数から、前記磁気軸受で制御される回転体のモデル内の制御器、電流制御ブロック、負ばね分の相殺ゲインのブロックの既知のパラメータを代入した状態空間モデルの外乱入力に、前記加振信号を重畳したときに評価出力が設定信号となるように、モード合成法モデルのジャイロ行列のパラメータの同定および調整を行うステップと、
制御器パラメータ調整部が、前記パラメータ推定部によりパラメータが同定、調整されたモード合成法モデルから、最高回転数でのプラントの周波数応答を推定し、前記制御器のパラメータをH∞ノルムでループ整形して制御器のパラメータを調整するステップと、を備えたことを特徴とする磁気軸受の制御方法。
【請求項10】
前記感度関数取得部が前記低速回転時の感度関数を取得する際に重畳する、前向きの加振信号による回転速度の同期成分を抽出して除去するトラッキングフィルタを設け、
前記パラメータ推定部が、低速回転時、前記状態空間モデルの外乱入力に、前記加振信号に変えて後ろ向きの加振信号(回転体の軸方向をzにとる右手系を考え、回転方向が反時計回りの場合x方向にAsin(ωt)、y方向にAcos(ωt)の大きさの加振信号)を重畳したときに前記評価出力が設定信号となるように、モード合成法モデルのジャイロ行列のパラメータの同定および調整を行うステップを備えたことを特徴とする請求項9に記載の磁気軸受の制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気軸受制御技術に関し、特に、左右非対称な回転体を磁気軸受の電磁石で制御し、浮上させる技術に関する。
続きを表示(約 890 文字)【背景技術】
【0002】
磁気軸受により回転体を支持する磁気軸受装置において、電磁石の電流を制御して回転体の位置を制御し浮上させる際に、回転体の軸の周波数応答を計測して制御器の周波数応答を調整する。
【0003】
従来、磁気軸受制御技術として、例えば特許文献1、非特許文献1、非特許文献2に記載の技術が公開されていた。特許文献1には、有限要素法で解析した結果から低周波数の固有モードのモード重ね合わせでモデルを縮退したものを用いて制御器の設計を行うことが記載されている。
【0004】
非特許文献1には、ラジアル磁気軸受で回転体を磁気浮上させた状態で加振して「マグネティックハンマリング」と呼ばれる方法で回転体を診断する手法が紹介されている。
【0005】
非特許文献2には、磁気軸受弾性ロータの対称性を生かした磁気軸受弾性ロータのモード分離制御法が記載されている。
【0006】
従来の磁気軸受装置の一例を図1に示す。図1は、曝気ブロワに用いられるインペラを有するラジアル磁気軸受装置を備えた回転電機の構成を示している。
【0007】
図1において、11は回転軸12の先端に設けられたインペラ(羽根車など)である。
【0008】
インペラ11から軸方向に所定距離隔てた回転軸12の外周には円板形状のスラストディスク13が固着されている。14はスラストディスク13のインペラ側に配設された電磁石、15はスラストディスク13の反インペラ側に、スラストディスク13を挟んで電磁石14と対向配設された電磁石である。
【0009】
インペラ11とスラストディスク13の間に位置する回転軸12の外周には、回転軸12を半径方向に非接触で支持するラジアル磁気軸受1が設けられている。
【0010】
このラジアル磁気軸受1の電磁石には、電磁石に流れる電流の制御が可能な電力変換器(図示省略)が接続されている。
(【0011】以降は省略されています)

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