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公開番号2024178281
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2024161211,2021082093
出願日2024-09-18,2019-12-28
発明の名称電解水の生成方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置
出願人株式会社HBコーポレーション
代理人弁理士法人三木特許事務所,個人,個人
主分類C02F 1/461 20230101AFI20241217BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】容器の内底面の形状を工夫して原料水の対流を制御することで、家庭で利用できる簡易な電解水の生成方法、生成噴霧器、及び生成噴霧装置を提供する。
【解決手段】原料水43を貯留するための容器4と、容器4内の原料水43を電気分解してオゾン水(電解水)42を生成するための電極構造体2と、容器4の内底面より上方に設けられた注水口に取着される、オゾン水42を噴霧するための噴霧機構5とを備え、容器4の内底面46は下方に凹んだ凹盆部48を有し、凹盆部48は凹盆部底面48aを有し、容器4内の凹盆部底面48aに電極構造体2が立設されている電解水生成噴霧器1であり、原料水43が凹盆部48を凹盆部底面48aに向かって流れ下る下降水流を生じさせて容器4内の原料水43の対流を促進し、電極構造体2に原料水43を供給して、電気分解によるオゾン水生成反応を進行させ、生成されるオゾン水42の濃度を高くする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
原料水を貯留するための容器と、前記容器内の原料水から生成された電解水を噴霧するための噴霧機構と、を少なくとも備える電解水生成噴霧器における電解水生成方法であり、
前記容器の内底面に電極構造体を立設し、
前記電極構造体は、陽極部材と、該陽極部材と電極間隙を隔てて配置された陰極部材と、を含み、該陰極部材に複数の孔を設け、前記孔を通して、前記原料水及び/又は前記電解水が前記電極間隙に出入することができ、
前記容器の上面に注水口を設け、当該注水口に前記噴霧機構を取着し、
前記電極構造体に電圧を印加して前記原料水を電気分解することで電解水を生成し、
電気分解の際に前記電極構造体内の前記原料水に鉛直方向に作用する浮力によって生じる上昇水流と、前記原料水が前記容器の内底面に向かって流れ下る下降水流と、を生じさせて前記容器内の前記原料水の対流を促進し、前記電極構造体に前記原料水を供給して、電気分解による電解水生成反応を進行させ、生成される電解水の濃度を高くすることを特徴とする電解水生成方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
原料水を貯留するための容器と、
前記容器内の原料水を電気分解して電解水を生成するための電極構造体と、
前記電解水を噴霧するための噴霧機構と、
を備える電解水生成噴霧器であり、
前記容器の内底面に前記電極構造体が立設され、
前記容器の上面に注水口が設けられ、当該注水口に前記噴霧機構が取着され、
前記電極構造体は、陽極部材と、該陽極部材と電極間隙を隔てて配置された陰極部材と、を含み、該陰極部材に複数の孔が設けられ、前記孔を通して、前記原料水及び/又は前記電解水が前記電極間隙に出入することができることを特徴とする電解水生成噴霧器。
【請求項3】
請求項2に記載の電解水生成噴霧器と、前記電解水生成噴霧器を載置するための電源部と、を有する電解水生成噴霧装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原料水から電気分解により電解水を生成する方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
オゾン(О
3
)は強力な酸化力を有するが、水溶液においては数十分程度の時間で酸素(О
2
)に変化するため残留毒性が少ない。そこで今日では、オゾンガスや、オゾンの水溶液であるオゾン水は、殺菌、脱臭、脱色、有害物質の酸化・分解など幅広い分野で利用され、塩素などに代わる酸化剤、特に殺菌剤として注目されている。オゾンによる殺菌は細菌、酵母、カビ、ウイルスなど広範囲に有効であり、作用機序が細菌の細胞膜を酸化破壊するものであるため耐性菌を生じにくく、脱臭効果を併せもつ、といった特長がある。他方、オゾンは臭気を有し、人体の呼吸器系に刺激を与えるので、空気中の濃度の室内環境基準(体積濃度で0.1ppm以下)を守る必要があること、また、オゾンは鉄やニトリルゴムなどの腐食や劣化を起こすこと、といった点に注意が必要である(非特許文献1)。
【0003】
オゾン水の主な製法として、ガス溶解法と直接電解法がある。ガス溶解法は、酸素ガスを原料として放電により生成する等の方法で製造したオゾンガスを水に溶解させてオゾン水を製造する方法である。ガス溶解法は、オゾンガスが水に難溶であるため高濃度のオゾン水を得ることが難しいという難点があり、多くは1mg/L以下という低濃度で利用されている。直接電解法は、水道水等の原料水を電気分解することでオゾン水を生成する方法である。直接電解法により、高濃度のオゾン水をより経済的に得ることができる(同文献)。
【0004】
特開2003-93479号公報(特許文献1)には、図19に示すように、家庭で手軽に利用できるよう、片手で把持することができるボトル内で原料水を電気分解してオゾン水を生成し、それを1回に0.1mL~1mLずつ噴霧できる簡易型のオゾン水生成噴霧器の基本的構成が開示されている。オゾン水生成噴霧器は吐出部107とボトル104からなり、ボトル104は、その平坦な内底面に立設された、原料水を電気分解してオゾン水を生成するための電極105、106を有し、ボトル104内に生成されたオゾン水は噴霧用チューブ112を通して吐出部107から噴霧される。特開2019-037946号公報、再表2003-000957号公報、及び特開2003-266073号公報にも、同様の基本的構成が開示されている。
【0005】
このような家庭用簡易型のオゾン水生成噴霧器においては、体積が数十mL、オゾン濃度が1~2mg/L程度のオゾン水を2~4分程度の短時間に高効率に生成することが課題である。もちろん、電気分解における電流値又は電圧値を高めることで、オゾン濃度が4mg/L以上の高濃度のオゾン水を生成することは可能であるが、噴霧時の、及び条件によっては生成時も、刺激臭が強く、家庭内での実用に耐えない。
直接電解法でオゾン水の生成効率を高める従来技術として、(1)区画内に電極を配置、(2)電極表面の工夫、(3)イオン移動の制御、(4)対流の制御、などが知られている。
【0006】
(1)区画内に電極を配置
これは、原料水を貯留する容器内に区画を設け、区画内に電気分解用の電極を配置して電気分解を行い、区画内で生成された高濃度のオゾン水のみを噴霧する技術である。例えば、図20に示すように、特開2009-154030号公報(特許文献2)には、電解
水生成噴霧装置201において、タンク204に連通する電解槽205を設け、タンク204と電解槽205は、連通路207でのみ連通するように構成し、噴霧機構203を手でプッシュするたびに、オゾン水を噴霧用ノズルから噴霧すると同時に、タンク204内から連通路207を通して原料水が小容量の電解槽205内へ流入し、電解槽205内で電気分解されて、再び高濃度のオゾン水が電解槽205内に生成される技術が開示されている。
類似した技術は特開2011-092883号公報にも開示されている。他にも、特許第6249200号公報や特開2004-148109号公報には、噴霧用チューブの内部にオゾン水を生成する電解セルを取り付ける技術が開示されている。又、特開2003-062573号公報や特開2003-181338号公報には、吐出部の、噴霧用ノズルの直近にオゾン水を生成するための電解用電極を取り付ける技術が開示されている。これらの技術には、区画された部分等に貯留できるオゾン水の量が少ないため、単位時間当たりの噴霧量がある値を超えると、オゾン水の生成スピードが噴霧スピードに追い付かず、噴霧水中のオゾン濃度が低下する難点がある。
【0007】
(2)電極表面の工夫
これは、電極の形状や電極表面の物質を工夫することにより、オゾン水生成の効率を高める技術である。例えば、特許第6258566号公報には、原料水との接触面積を増やして電解効率を上げるために、陽極及び/又は陰極をメッシュ状にする発明が開示されている。また、再表03-000957号公報には、表面にタンタル酸化物又はニオブ酸化物からなる電極触媒を備えた電解用電極を用いることで、オゾンの生成効率を高める技術が開示されている。また、特開平08-134677号公報には、陽極電極にオゾン発生触媒機能を有した貴金属製の金網を使用し、陽極電極の外面側には耐食性金属で製造したラス網を重ねて、原料水を供送することで、網目どうしを結ぶ狭い間隙を縫うように原料水を進行させ、その撹拌作用により、発生したオゾン気泡を水に溶解させ、オゾンが気体のまま排出されることを防ぎ、オゾン水の生成効率を高める技術が開示されている。これらの技術は有用であるが、電極構造が複雑で製造コストが高くなりがちである。
【0008】
(3)イオン移動の制御
これは、電極近傍でのイオン移動を制御することにより、オゾン水の生成効率を高める技術である。一般に、直接電解法においては、次の化学反応式に示すように、酸素(О
2
)及び水素(H
2
)が生成される水の電気分解反応(式1)及び(式3)が主であり、それに、微量のオゾン(O
3
)が生成される反応(式2)が付随する。
[陽極反応]
(式1)2H
2
O → O
2
+4H
+
+4e
-
(式2)3H
2
O → O
3
+6H
+
+6e
-
[陰極反応]
(式3)2H
+
+2e
-
→ H
2
(式2)からわかるように、原料水の電気分解により陽極で生じた水素イオン(H
+
)が陽極近傍にとどまって高濃度で存在するとオゾンの生成反応(式2)の進行が妨げられる。
上記の特許文献2には、陽極と線状の陰極とが陽イオン交換膜で隔てられてなる電解セルが開示されている。陽極で生成した水素イオンは、陽イオン交換膜を通って陰極へと進み、(式3)が示すように陰極において電子を受け取り、水素(H
2
)となる。その結果、陽極付近に水素イオンが高濃度にとどまらないため、オゾン生成を効率的に行うことができる。また、特許第4723627号公報及び上記の特許第6258566号公報にも、陽イオン交換膜で陽極と陰極を隔ててなる膜-電極構造体が開示されている。しかし、イオン交換膜は、膜-電極構造体の構造が複雑になりがちで、保守管理のコストがかかる。
【0009】
(4)対流の制御
これは、原料水の対流を制御することにより、高濃度のオゾン水を噴霧できるようにする方法である。
【0010】
実登第3207605号公報(特許文献3)には、図21に示すように、容器320の下端内部に取着されたホルダ340に電極部材が収容固定され、該電極部材は、上から、複数の孔口を有する飾り片331、負極電解片332、絶縁ワッシャ333、正極電解片334が積み重ねられてなり、飾り片331とホルダ340が熱融合されることにより、ホルダ340に前記電極部材が収容固定される、スプレーの発明が開示されている。この発明においては、電解水が生成されるホルダ340を背が低く底面積が広い円筒状に構成することで電気分解時に容器320内に発生する対流を抑制し、ホルダ340の直上に噴霧用チューブの吸水口を設けることで、少量であれば濃度の高い電解水を噴霧することができる。しかし、容器320内の対流が弱いから、ホルダ340付近の電解水の濃度だけが高くなり、容器320全体の濃度はあまり上がらない難点がある。
(【0011】以降は省略されています)

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